転生したら天魔人だった件   作:通りすがりの気分屋

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本日は吾輩ガビルがやらせていただきます!
開国祭の支払い問題が解決したが、リード様達にもバレてしまい、リムル様とレンム様が怒られてしまったが、シゼン様がリムル様の四天王になることで落ち着きました。
一方レミン殿達のもとにオーガスという男が現れ、リムル様に届けるよう包みを置いていった。
そんなことでいろいろありましたが、午後からの反省会は何の問題もないでしょう


祭りの後─反省会─

大会議室では、ガゼルにエルメシアさん、ヨウム達にユウキさんや正幸、そしてフューズ達など、多くの来客を交えての反省会が始まった。

まず、リムルがガゼル達に支払い問題の経緯を話すと、ベニマルが最初に口を開いた。

 

紅丸(ベニマル):「しかし、意外でしたよ。あの商人達まで、リムル様が断罪するとは思いませんでした」

 

煉武(レンム):「いや、あの対応で間違いはない」

 

ベニマルの言葉に煉武義兄(にい)さんが答えると、幹部の大半は煉武義兄さんに視線が集まった。

 

煉武:「この魔国連邦(テンペスト)が今後経済発展の中心地になることは余程のことがない限りほぼ確定している。そんな国での商売が出来ないようでは奴らに未来はない。しかし、ミョルマイルが救いの手を差し伸べることで、商人達はミョルマイルに首輪をつけられ、今後あのような行為は出来なくなるという事だ」

 

自然(シゼン):「ようはミョルマイルという最後の信用を失うような馬鹿な真似はしないってことだ」

 

煉武のこの説明に分かっていない者が数名いると、自然が分かりやす砕いて説明すると残りの物も納得したように頷いた。

 

リード:「まあ、そのミューゼとかいう使いっぱしりを向こうの国際法で対処したからには黒幕も俺達の対応を変えるだろうな」

 

グレイド:「その通りだ思います」

 

建国間もないこの国で金貨数千枚を用意できるほどのあてがあるということは、相応の国との明確な繋がりがあるのだとミューゼを通して伝わっているだろうからな。明確な敵意をみせての対応より、罠を張った対応に切り替えるだろう。

しかし、今は反省会だ。リムルが忌憚のない意見を求めるとガゼルが少し怒りの籠った声で言ってきた。

その内容は迷宮開放時に見せたあの映像は、この世界では利用価値が高く戦争の概念まで変わる程だったそうだ。

 

ベルン:「お言葉を返しますがガゼル王。アレを扱うには相当な魔力が必要になるためそう簡単に広まりません。その事を考慮した上で私は発表しても問題ないと判断しました」

 

ガゼル:「む?そうか。ベルンがそう言うなら心配ないな」

 

ベルンの言葉で納得するガゼル王。ベルンに対してとことん甘いな。

次にエルメシアさんだが、あの人は技術や商品の注文が主だった。サリオンとは紹介状を送るまでの間、技術提携が滞っていたのだが、原因が縁護(エンゴ)義兄(にい)さんがサリオンを離れたことがショックで仕事に集中できていなかったらしい。しかし、縁護義兄さん自ら事情を説明してその話を進めてくれた。

注文の難易度から考えるに、こちらから完成品を輸出した方がサリオンにとっては良い話だと思うな。

クシャ山脈にトンネルを掘ることが無理でも、最悪ジレイクに頼んでデンライナーで一時運搬として使うのもアリだな。

 

紅葉(モミジ):「リード様、エンゴ様からトンネルとはどのような物なのか全てお聞きしております。御山に影響が出ないというのであれば、トンネルを通すことも承認しようと存じます」

 

リムル:「マジで!?」

 

紅葉:「マジです。ただし、責任者としてベニマル様に来て頂きたいなと‥‥‥」

 

リムル:「ベニマル君!」

 

紅丸:「俺を売るつもりですかリムル様!?」

 

煉武:「露骨すぎるぞ(サトル)。視察の時に必ず寄るくらいが丁度良い」

 

紅丸:「レンム様!?」

 

あの二人、いつもは口喧嘩ばかりなのにこういう時だけ息が合った連携をするな。

まあおかげ“魔導列車”の開通へ大きな一歩になったな。ブルムンドを交易の中心地にすることで他の国の流通も進歩できる。前世もこれくらい楽だったら死なずに済んだかも。

色々な話が進んでいく中、レントから苦言が来た。

 

レント:「地下迷宮(ダンジョン)なんだが、アレは何度も死んで生き返ることを経験すると迷宮外で危機管理能力の低下に繋がっちまう。そうなったら今のルベリオスの戦士でも“死者蘇生(リザレクション)”を使える奴は少なすぎるから対応が出来ない」

 

千年以上生きる騎士の言葉は重みが違う。リムル達もそれは懸念しているがこればかりは難しいだろう。

 

レント:「だが、人手が足りないなら補充すれば良い」

 

釈迦人(シャカト):「と、言うと?」

 

レント:「ウチの戦力増強のために地下迷宮の後半の階層を貸してもらえないか?あの迷宮の難易度ならすぐに成長できる。貸してくれるならさっきの事には目をつむるつもりだ」

 

リード:「俺は別に構わない。リムルは?」

 

リムル:「俺も同じ意見だ」

 

レント:「助かる。それとレナード達仙人(せんじん)級の稽古は時魔兄弟に見てほしいんだが───」

 

正幸(マサユキ):「何言ってるんですかレントさん!!??

 

レントの提案に正幸が顔を真っ青にして遮った。それも今まで一番の大きな声だったから前に座っていたユウキが耳を塞いでいる。

 

レント:「いや、いまの聖騎士団(クルセイダース)の隊長の実力は俺がいた二千年前に比べて格段に低い。それを短期間で同等かそれ以上の実力を得るには時魔兄弟に鍛える方が良い」

 

正幸:「アレはこの世で最も危険な修行!!まさに最狂(さいきょう)地獄修業!!命がいくらあっても足りない!!いいやむしろ一思いに殺してくれって思う程危険な修行なんですよ!!??つまり精神がおかしくなる可能性が極めて高いということなんです!!??」

 

リード:「正幸?」

 

正幸:「特に冬の稽古なんて質がイカれてるんですよ!あんなの地獄の鬼も裸足になって逃げだしてもおかしくない───」

 

リード:「はい、ストップ!」

 

暴走し始めた正幸に当て身で気絶させ、長椅子の上に置く。

そして原因であろう五人に視線を向けた。

 

リード:「何をしたの義兄(にい)さん達?」

 

煉武:「瞬発力強化」

 

縁護:「剣術伝授」

 

生夢(ショウム):「抗体獲得」

 

釈迦人:「応用力強化」

 

自然:「体術伝授」

 

リード:「正幸殺す気!?」

 

道理でこの一年で異常な成長だったわけだ。煉武義兄さん達の得意分野での稽古なんて拷問に等しい。俺が正幸にさせてたのはソレを百分の一くらいまで軽くさせたものだが、それを一分の一でやるなら納得しかない。

見よう見まねで俺が()()()()()使()()()()()()()()()()()を使えていた理由もそれが原因か…

しかし、それとこれとは話は別だ。

 

リード:「リムル、俺は義兄さん達とオハナシがあるから少し席を外すね」

 

リムル:「お、おう…」

 

リード:「行くよ義兄さん…」

 

煉武達:『は、はい…』

 

俺は義兄さん達と別室に移動して、一時間ほどオハナシをして再び大会議室に戻った。

 

リード:「さて、レントのその頼みだけど、それは隊長達本人で決めてほしい」

 

レント:「なんで?」

 

リード:「彼らは常に実戦の訓練を行っている。そんな彼らに稽古をするとなると手加減が出来ない」

 

正幸みたいに表の世界で生きていたような人間はある程度手加減した稽古を積んである程度限界を超える辛さを学んだ後に本格的な稽古をさせることが出来る。

しかし、彼らは違う常に実戦の訓練を行っていたからすぐにでも出来るが急な変化に体が保つが分からない。肉体が完治するとしても精神はそうもいかないからだ。

 

アルノー:「セイジ様、見くびらないでください!」

 

リード:「アルノー」

 

アルノー:「自分の実力不足なんてエンゴ様と戦った時から気付いています。あの強さにほんの少しでも近づくことが出来るなら喜んで受けます!」

 

バッカス:「その通り。セイジ様やヒナタ様の負担を少しでも軽くすることが出来るならどんな試練も受ける覚悟です!レナード達も同じことを言うでしょう!」

 

リード:「バッカス…わかった」

 

煉武:「ではさっさく誰が誰を教えるのか今決めるか」

 

リード:「えっ?」

 

煉武義兄さんが手を叩くと部下であるラダマンティス達が現れ、姉さんを除く俺達に資料が渡された。

その資料はなんとレナード達の長所と短所、戦法に至るあらゆる情報が記載されている資料だった。

 

生夢:「煉武兄さん、いつの間にこんな資料を?」

 

煉武:「初めて戦った時からあまりにも弱すぎてな。この時のために作っておいた」

 

アルノー・バッカス:「「‥‥‥」」

 

煉武義兄さんの言葉に絶句するアルノー達。自分たちの情報がいつの間にか収集されていたのだから仕方がない。

だけど煉武義兄さんの言い分も分からなくない。早速、誰が誰を指導するのか決める事になるが、それはすぐに決まった。

 

リード:「俺はレナードにするよ。光属性なら俺が一番教えやすい」

 

自然:「俺は同じパワータイプのバッカスだ。自分の下位互換なら教えがいもあるってもんだ」

 

釈迦人:「俺はフリッツだな。トリッキーな戦闘スタイルなのに手数が少ない」

 

生夢:「僕はリティスだね。回復とかなら僕がピッタリだ」

 

縁護:「私はアルノーだな。剣技を力で補う意識が強すぎる。これは早期改善させたい」

 

煉武:「では私は消去法でギャルドか。槍の扱い方が少々雑だから構わないが」

 

バッカス:「あ、あの~」

 

自然:「喜べバッカス。お前は明日にでも鍛えることが出来るぞ!」

 

縁護:「アルノーすまない。怪我が回復次第お前の方も鍛えてやる」

 

アルノー:「あ、はい…」

 

リムル:(聖騎士団(クルセイダース)の隊長達、ご愁傷様)

 

リムルが心の中で合掌をし、アルノー達は遠い目をしていたが、俺達は気づいてなかった。そして姉さんが何か思いつめた表情になっていることも気付くことが出来なかった。

その後、反省会は夕方まで続いていった。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

残った議題はあと一つのなったが、事が事なのでリムルが真剣な表情になり、ガゼル達も悪ふざけはなしと察し真剣な表情になった。

最後の議題は東の商人達についてだった。彼らの行動範囲は商人ゆえに広い、そのため西側の主な国々についての把握も必要になった。

ドワルゴンは以前ベルンが帰郷した時、暗部の長(ナイトアサシン)のアンリエッタに頼んで状況を聞いていた。ドワルゴンでは出入りする者全員に暗部が見張っているらしい。

サリオンは縁護義兄さんが教えてくれたのだが、サリオンは外来品は全て中央が管理し、十三王家には関与する権限は与えられていないらしい。

 

エルメシア:「そうだったっけ?」

 

縁護:「どうやら完治するまで間はサリオンに戻った方が良いらしな」

 

エルメシア:「あっ…」

 

…なるほど、縁護義兄さんの給料が異常だったのはエルメシアさんの制御を兼ねていたことが大きな。大半はそのお礼で給料として含まれていたのだろう。

新興国ファルメナスはディアブロとグレイドに命じられてラーゼンが調べているらしい。根を断ち切るとは言っていたから大丈夫だろう。グレイドの配下もファルメナス中枢に紛れ込ませているらしいから心配することはないな。

自由組合は各自の判断に任せるしかないから、本部の方でそれとなく指導を行うとユウキが約束した。

最後にルベリオスだが、これは一番驚きだった。

 

レント:「神聖法皇国ルベリオスは東の商人達の取引を全面停止させた」

 

リード:「え?」

 

レント:「ヒナタとレンムの話だと、魔王達の宴(ワルプルギス)の夜に中庸道化連のラプラスが侵入。たまたまいたヒナタとレンムのおかげで追い返せたが、どうもその夜、ヒナタは東の商人と面会する予定だったらしい。レンムと共にな」

 

レミン:「本音は?」

 

レント:「(レミン)を助けてくれた恩人達に危害を加えるようなら縁を切った方がいい」

 

もうレミンを中心に動いてるなこの親バカ。エラルドも共感しているのか頷いてるよ。

 

ガゼル:「しかしそれは疑いようもなく、繋がっておるな」

 

リムル:「ま、何にせよ、これで理解してくれたと思う」

 

リムルがそう言うと全員頷いてくれた。これで東の商人に対する警戒網が作られていき、彼らの動きも把握できるようになるな。

それにしても最近会議の時はリムルに任せっきりの事が多いな。

…そろそろ二人の盟主っていうのやり方も変えないといけないな。

こうしてこの場は解散となった。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

会議室で仲間達だけが集まり例の話をする前に、俺はリムルに先ほど考えたことを伝えた。

 

リムル:「文官盟主と武官盟主で分ける?」

 

リード:「そう、二人の魔王が治める国だけど、同じ職場にいるのは無理だと思うんだ。リムルが会議や交渉などの政治といった内側をまとめる文官盟主、俺は防衛とか外側の脅威に対処する武官盟主で役割を分担するんだ」

 

リムル:「なるほどな」

 

リード:「最近ずっとリムルに任せっきりだから俺も何か増やしたいんだ」

 

リムル:「…わかった。ただし会議の時はちゃんと参加しろよ」

 

リード:「もちろん!」

 

俺の提案がすんなりと通り、少々拍子抜けだがこれで大丈夫だろう。

しかし、俺は既に煉武義兄さんがその事でリムルと相談していたのだが俺は知らなかった。

 

リムル:(煉武の言った通りだな)

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

開国祭準備の休憩時、煉武は同じことをリムルに相談していた。

 

リムル:「仕事の分割?」

 

煉武:「ああ、盟主が二人という特異な状態なのだ。もし指示の食い違いが起きればそれだけで仕事が遅れる」

 

リムル:「まあ確かに過去に数回くらい仕事が止まったことがあったな」

 

煉武:「だから主な役割を分担させるべきだ」

 

リムル:「どんな風に?」

 

煉武:「内政は悟が、軍事では聖司(セイジ)がやるべきだと私は思う」

 

リムル:「確かに得意分野で分けるのは良いかもしれないな」

 

煉武:「聖司も同じ事で言ってくるかもしれないが、一応伝えておくぞ」

 

リムル:「ああ、考えておく」

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

俺たちだけの会議が始まり、最初に口を開いたのはリムルだった。

 

リムル:「シズさんには悪いけど、クレイマンが言っていた“あの方”というのは、神楽坂優樹(ユウキ・カグラザカ)だろうな」

 

シズ:「‥‥‥」

 

自然:「まああくまで状況証拠だけですけど、ほぼ確定でしょうね」

 

リード:「向こうも同じことを考えてるだろうけど、敵はユウキだけじゃない」

 

生夢:「そういえばグランベルだっけ?アイツもいるし」

 

釈迦人:「東の帝国も視野に入れておくべきだろう」

 

縁護:「これは私達もさらに気を引き締めて準備しないといけませんね」

 

煉武:「次に仕掛けてくるとすれば評議会に加入する際だな。おそらく何か仕掛けてくるだろう」

 

確かに俺達の敵やその可能性が高い組織はまだまだ多い。だけど、皆がいるから大丈夫だろう。

‥‥‥前世でこんな考えをするようになるなんて、あの時の俺は想像もつかなかっただろうな。

こうして楽しい祭りは終わり、忙しい日常が再び始まろうとしていた。

俺の当面の目標は『光明之王(バルドル)』と『闇黒之王(エレボス)』の同時完全開放の制御とグランドジオウの能力把握が最優先だな。

そしてそれから一カ月後に西側諸国評議会(カウンシル・オブ・ウェスト)の手紙が届くのであった。

 




いや~楽しい時間はあっという間にすぎてしまいましたな。しかしこれからますます忙しくなるので今後も気を引き締めたいであります!!

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

会議の翌日、釈迦人は新しい(トラップ)を作業室で作成しているとノックしてくる音が聞こえてきた。

釈迦人:「どうぞ~」

軽い返事で来訪者を部屋にいると、入ってきたのは、

日向(ヒナタ):「釈迦人さん、少しお話があります」

作業の手を止め、日向に向き合うとその表情はどこか焦っているような表情だった。
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