ベニマル達鬼人は今後とも我が魔王とリムル殿に忠誠を誓うことを宣言した。その直後我が魔王の両目に変化起きたこの目は一体なんなのかそれはこの後分かる。
「気持ちワリ~」
「大丈夫か?」
リードは会議場の長椅子にリードは横になっていた。原因はリードの新たに獲得した両目だった。
「まさか魔素を視ることが出来るなんて…見る世界が変わり過ぎて気持ち悪い」
リードが新たに獲得したスキル『聖眼』と『魔眼』は魔素そのものを視ることが出来るらしい。
『聖眼』は生物の持つ魔素の質と量そしてその流れを視ることができ、『魔眼』は無機物の魔素を視るが出来たことが分かった。そして両目を使っていると身体能力が高まることも分かった。しかしまだ慣れていないこともあり気分を悪くし会議が始まるまで休むことにした。
「ですが、わたくしはリードさんのきれいなところが増えて嬉しいです」
シュナに膝枕をされながら…
何故シュナがここにいるかというとソウエイに頼んで『影移動』で連れてきてもらったからだ。理由は…
「女の勘です!」
とシオンのように胸を張って答えたのでこれ以上聞くのは野暮だと考えた。
「でも大丈夫なのか町の方は?」
「ハイ、ガルルさんにバッシャーさん、ドッカさんが町の外を見ていらっしゃいましたから」
「そうか。でもリグルも来ることなかったんだぞ?」
「いえ!シュナ様がリード様になにかあったかもしれないと聞いておとなしく出来ません!」
「…サンキュー」
ちなみにリグルもシュナと一緒に来てくれた。町の警備はリードがキバウォッチで召喚したガルル、バッシャー、ドッカがいるので大丈夫だそうだ。
しばらくするとシオンとウォズがきた。
「リムル様、時間です」
「我が主ご気分は?」
「わかった」
「大丈夫、楽になった」
リムルはシオンに抱いてもらいリードも起き上がった。
「サンキュー、シュナ助かった」
「いえわたくしは当然のことをしたまでです」
「リード様私もご一緒してよろしいですか?」
「え?でもそれだとシュナが…」
リグルが会議に参加したいとリードにお願いするがリードはシュナを一人にするのに抵抗があった。
「では私が彼女のところにいましょう」
「ウォズ」
「よろしいですか、シュナ君」
「かまいません」
「………わかった頼んだぞウォズ」
「はっ」
リードとリムル、シオンにリグルはそのまま会議に向かった。
2人になったウォズは近くの椅子に腰かけいつも持っている本を開いた。そしてそのまま沈黙が流れる。
「えっと…」
「我が主は甘い物が好きだと聞いた」
「え?」
「リムル殿に頼んで甘い材料をお願いしよう」
「…いいのですか?」
「我が主を支えるのなら食事は君に任せたい是非とも頼む」
「…分かりました!」
「フッ」
シュナとウォズはそのままリードの情報を交換しあった。
⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
会議場では出席者が集まってきて各々の場所に座っていた。
出席者はリムルとリードそしてリグル、ベニマル達5人の鬼人。
リザードマンからは首領と親衛隊長とその副官、ガビルは反逆罪で連行された。
さらにトレイニーとガビルに連れてこられたゴブリン達数名。そしてオークから代表10名だった。
オーク達は『
『(なにが「議長はリムル・テンペストとします」だ戦後処理なんてどうやって進めていいのかわかんねーよ)』
リムルは少し切れぎみでトレイニーの方を視るとトレイニーは笑ってかえした。
『(くそぅ…いい笑顔しやがって)』
『(まあまあ俺もちゃんとサポートするからとりあえず俺達の考えを伝えよう)』
『(そうだな)』
「えー…こういう会議は初めてで苦手なんだ、だから思ったことだけをいう、その後皆で検討してほしい」
リードが皆に確認の合図を送るとその場にいる全員がうなずいた。
「まず最初に明言するが、俺たちはオークの罪を問う考えはない」
「「「!?」」」
自分たちは滅ぼされる覚悟をしていたが、罪を問われないと言われオークの代表は全員驚きの表情で固まった。
「被害の大きいリザードマンからすれば不服だろうが聞いてくれ。彼らが武力蜂起に至った原因と現在の状況を話す、リード頼む」
「ああ、実は___」
リードは2回オークの精神世界に入ったことがあるのでリムルより詳しくオークのことを話した。
「___なるほど大飢饉、そしてゲルミュットなる魔人の存在」
「ああ、だけど侵略行為は許されないが俺がオークと同じ立場なら同じことをしていた…いうのは俺とリムルの建前だ」
「建前?では本音の方を伺ってもよろしいかな?」
リードの発言を聞いたリザードマンの首領はリムルとリードの本音を聞くとリムルが答えた。
「オークの罪は全て俺達が引き受けた、文句があるなら俺達に言え」
「お…お待ちください!いくらなんでもそれでは道理が…」
「俺が最初に背負うと言って魔王ゲルドと約束した、道理はこれで通ると思うが?」
「!?」
ゲルドの側近のフードのオークは道理が通らないと言おうとしたがリードがゲルドと約束したと言うと言葉を失い座った。
「なるほど…しかしそれは少々ずるいお答えですな」
『(まあ簡単には受け入れられないだろう)』
『(けどこっちも引き下がるわけにはいかない)』
「魔物に共通する唯一不変のルールがある」
リムルとリードがリザードマンの首領に反論しようとするとベニマルとコウホウが前にでた。
「弱肉強食立ち向かった時点で覚悟は出来ていたはずだ」
「…確かにその通り、駄々を捏ねてはリザードマンの沽券が下がるでしょう、しかしどうしても確認したいことがございます」
「なんだ?」
「オークの罪を問わぬということは生き残った彼ら全てを森にて受け入れるおつもりですか」
「確かにな数が減ったとはいえ12万のオークがいるんだろう」
リムルとリードは会議が始まる前ソウエイにオークの数を聞いていた。12万は戦士の数だけではなく、全部族総出で出てきてということだ。そしてリムルが自分のいや自分とリードの本音を語り始めた。
「…夢物語ように聞こえるかもしれないが、森に住む各種族間で大同盟を結ぶのはどうだろうか」
「大同盟?」
「そう、リザードマンからは上質な水資源と魚をゴブリンの各村には住む場所をそしてオークには労働力を提供してほしい」
「最終的には多種族共生国家出来るのは面白いんだけどな」
リムルが大同盟の提案をするとリードが説明をし、リムルが最終的なことを言うとリザードマンやオークは目を見開いた。
「わ…我々もその同盟に参加してもよろしいのでしょうか…」
「当たり前だろ」
「ただしサボる事は許さんからな」
フードのオークは遠慮がちに聞くとリードは何故そんなことを聞くのか分からないといった顔でリムルは最低限の絶対条件を言うとオーク達は全員涙ぐんだ。
そして跪き深く頭を下げた。
「はは!もちろん…もちろんです!命がけで働かせていただきます!!」
「…我らリザードマンも異論はありません、是非協力させて頂きたい」
すると今度はリザードマンの首領達も跪きゴブリン達も続くように跪き頭を下げた。
『(…リムルもしかしてこれが魔物の仕来たりなのか?)』
『(俺達は未だに魔物の常識がわからないからな、取り敢えず俺達もやるか)』
『(だな)』
リムルとリードも皆にならって同じことをしようとするとリムルはシオンにリードはリグルに止められた。
「何をなさろうとしておられるのですか?」
「リード様一体なにを?」
「え?そういう儀式?みたいなのがあるんじゃ?」
「皆やってるし」
「ありません本当にもうリムル様は…」
「お二人はそんなことをしなくて良いんです」
リグルはリードの手を引き長椅子に座らせシオンはリムルをリードに渡すと鬼人達とリグルはリムルとリードの前に立ちやはり跪いた。
『(これはもしかして……)』
『(嫌な予感……)』
「よろしいでしょうでは森の管理者としてわたくしトレイニーが宣誓します」
リムルとリードは内心冷や汗が止まらずリードは胸騒ぎがしてしょうがなかった。そしてそれはトレイニーによって形となって現れた。
「リムル様、リード様をジュラの大森林の新たなる盟主として認め、その名の下に“ジュラの森大同盟”は成立いたしました!!」
『『((盟主!?俺達が!?))』』
「本来盟主は一人なのですがどちらも盟主に相応しい才能をお持ちでいらっしゃるのでお二人を盟主とすることに異論はありませんね?」
『『((大有りだ!!))』』
トレイニーはこの場で二人を盟主にするのは反対という者がいないと確認すると跪いた。
『(…リムルどうする?)』
『(…どうするってもう辞退っていう空気じゃないだろ……やるしかない)』
「ええと、意見が分かれる時もあると思うがその時は皆の意見を聞く」
「それでいいか?」
「「「「はは!!」」」」
そしてこの会議は冷や汗が止まらないリムルとリードを置き去りにしてジュラの森大同盟は成立した。
⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
リムルとリードがいろいろと許容オーバーしたので会議は一時休憩となりベニマル達鬼人は少々森の中を歩いていた。
「オーガ…いや鬼人の方々よ」
「…なにか用か?オークの生き残りよ」
そこでフードを被ったオークがベニマ達ルのもとに足を運んだ。
「………弱肉強食とは言っても憎しみはそう簡単に割り切れるものではない」
オークはフードを脱ぎベニマル達に跪き頭を下げた。
「詫びて詫びきれはしない虫のいい話なのは重々承知しているだが、どうかこの首一つでご容赦願えないだろうか…!」
オークは息を荒くしていたが既に覚悟しているのか決して顔をあげようとしなかった。
「戦いのあと、今後もリムル様、リード様の下に在り続けたいと伝えたら俺たち役職を下さった」
「私とコウホウは『
シオンは誇らしげに自分の役職をいうとコウホウが続けた。
「ハクロウは『指南役』、ソウエイは『隠密』、シュナ様と町にいるクロベエにもだ」
「そして俺は『侍大将』の座を賜った」
「侍大将…」
「軍事を預かる役どころだ、そんなところに就いちまった以上有能な人材を勝手に始末するわけにはいかんだろう」
「!?」
「お二人に仇なす存在なら容赦しないが、同盟に参加し盟主と仰ぐなら敵ではない」
「仇なすなど…!あのお二人は我らを救って下さった!従いこそすれ敵対など絶対あり得ん!」
「くはははははは!ではそれを詫びとして受け取ろう、なあベニマル!」
「…そうだな、せいぜいリムル様とリード様の役に立て」
「父王ゲルドの名に誓って…」
このやりとりを陰で隠れて聞いていたものが一人いた。
「これはこっちも盟主辞退は無理だな」
リードだった。彼は散歩中ベニマル達を見かけ声をかけようとしたが、オークが現れて咄嗟に木陰に隠れて聞いていた。
そして自分もいい加減覚悟を決めるとリムルのもとに今後のための話し合いのために走って戻った。
こうして我が魔王は友リムル殿とともにジュラの森の盟主となった。
そしてこのジュラの森に向かって来ている者が一人いた。
土砂降りの崖の洞窟で眠っている一人の青年、そこに柄の悪そうな男2人が来た。一人は剣持ち、もう一人は杖を持っていた
「おいおいこの兄ちゃんみてみろ奴隷で売ったら高く売れるぞ」
「ああ女みてぇな顔だから娼夫として…」
ズサッ
「え?」
剣を持った男の喉に矢が刺さっていたそのまま男は何故自分に矢が刺さっていたのかわからず倒れた。
「てっテメェ!」
「睡眠を邪魔されたんだから当然だろ、あと自分の実力を考えず出来ないことを言うのは愚か過ぎて笑える」
「なんだ…と?」
杖を持っていた男は攻撃しようとしたがいつの間にか身体中に切り傷が出来ていた。
そして青年の背中が僅かに見えた。
「ま…まさかテメェは…
青年は答えずそのまま男の首をはねた。
「死んだから教える、才能がありすぎて仲間に裏切られた」
青年は自分の荷物と冒険者2人の遺体から役立ちそうな物を物色し、洞窟をでた。
「さて、あと二月でジュラの大森林か…あの声のいうことが本当ならオレは再び空を……ま、取り敢えず行くか」