しかし今この町に向かってきているものたちの存在を我が魔王たちはまだ知らない。
「ふぁああ~~」
ホウテンがこの町に来て数日が経ちここでの生活に慣れたのか、大きなあくびをしてホウテンはリビングに向かっていた。
(ここのベット、ネムだったらずっと寝てるな~)
などと考えながらリビングの扉を開けた。
「おはようございます……どうした?ウォズ、コウホウ」
リビングにはウォズとコウホウが顔を真っ青にして座っていた。
ホウテンはそんな彼らを不思議そうにみているとウォズとコウホウが同じ方向に指を指した。
その方向は台所であり、ホウテンが顔をのぞかせるとリードが鼻歌を歌いながらボールで何かをかき混ぜていた。
「あの~リード様…それは一体?」
「おお、おはようホウテン!いや今日は俺が一番に起きたから朝飯作ってる」
「…左様ですか…」
「もうすぐ出来るから座っててくれ」
「……ハイ」
主が楽しそうに料理をしているところをみたホウテンはいらないと言えずリビングの椅子に座った。
「おいウォズ今日は起きるのが遅かったのは何故だ!?」
「すまない、シオン君の指導が遅くなってしまった…そういう君は?」
「我は今日の訓練の計画の確認を遅くまでしてしまった…」
「まさかこうなってしまうとは…」
「今日の訓練は、最悪なしになるな…」
二人は顔を上にあげ、タメ息をつくとホウテンはリードの料理が気になり質問した。
「二人はリード様の料理を食べてどうだったんだ?」
「…その日の記憶がなかった」
「…我は先に逝った奴らが川の向こうで手を振っていた」
「………」
二人の答えにホウテンは沈黙し、自分の死を予感しているとリードが笑顔で料理を運んできた。
「出来たぞ!」
リードが作っていたのは前世で一般的なサイズよりも少し大きなパンケーキだった。
上には以前、町にやってきたハチ型魔蟲のハチミツがかけてあり、さらにその上にはゴブイチに作ってもらったバターが僅かに溶けてのっていた。
「それじゃあ、いただきます!」
「「「…いただきます」」」
リードはフォークでパンケーキをスゴイ勢いで食べていくが、ウォズたちはまだ食べることが出来ずにいた。
「あっ、俺今日リグルに用があるから先に行くぞ」
「それはもしや先日お話ししたアレですか?」
「そう!」
「受けてもらいますかね?」
「そこはゴリ押しする」
「リード様らしいですね」
「それじゃあごちそうさま!」
「「「えっ?」」」
リードは少しの間話すといつの間にか自分の分を食べ終えており、食器を片付けていた。
「いつの間に…」
「お前らもしっかりたべてから来いよ」
リードは出発する準備を『閃光』ですませ、ウォズたちに朝食を食べるように言って出掛けた。
「「「………」」」
取り残された三人はフォークでパンケーキを刺し、そのまま口に入れた。
その後、時間になっても来ない彼らを心配してきたベニマルが迎えに行くとそこには一口かじられたパンケーキと痙攣して倒れている三人がいたそうだ。
⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
「リグルー、いるか?」
リードはベニマルが指導している訓練場でリグルを捜しているとリグルがリードの呼び声に気づいた。
「リード様!今日はどういったご用件で?」
「ああちょっとお前に話したいことがあってな少し来てくれ」
「はっ、ベニマル殿少し失礼します」
「ああ、構わん」
「サンキュー、ベニマル」
リードはリグルを連れて訓練場をあとにした。
⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
リードはリグルを連れて会議場にいき、そこの置いてあった椅子にリードが先に座った。
「お前もそこら辺の椅子に座ってくれ」
「はい」
リグルが近くにあった椅子を近くに寄せリードと向かいあうようにして座った。
「それでリード様、私と話したいこととはなんですか?」
「ああ、実は少し前から考えていたことなんだが…」
「…はい」
リードは一瞬黙ってリグルに視線をあわせた。
「…リグル、俺は自分の少数の精鋭部隊をつくりたいと思ってる」
「少数の精鋭部隊ですか…?」
「ああ」
「理由は…?」
「表向きは大人数の部隊にとって不利な戦いに備えるため」
「
「そう、本当の理由は俺がオーマジオウになったときにその部隊で俺を殺すため」
「なっ…!?」
リグルはあまりの驚き立ち上がりその拍子に座っていた椅子が倒れた。
「どういうことです!?」
「落ち着け、最後まで聞け」
「………」
リグルは何か言いたげな表情であったが、倒れた椅子を立たせ座った。
「ウォズとコウホウ、そしてホウテンには表向きの理由しか伝えてない…まあ、ウォズは薄々気づいてると思うけど」
「……何故ですか?」
リグルが真剣かつ悲しい表情で聞くと少しふざけて言っていたリードも真剣な表情で答えた。
「………あくまでも本当の理由は保険。表向きの理由も嘘じゃない」
「………」
「でも…少しでも可能性があるならその対策もとりたいんだ」
「……ですが「リグル」…!?」
「これは俺の力を最初に教えたお前だから一番に教えたんだ」
「っ!?」
「だからリグル、その精鋭部隊の一人になってくれないか?」
「……私なんかに務まるでしょうか?」
「ウォズもコウホウもホウテンもお前の実力は認めた上で言ってるんだ」
リグルはリードの瞳をみた。その瞳には覚悟が感じられた。
「…わかりました」
リグルは立ち上がり跪いた。
「このリグル、リード様の精鋭部隊の一人となります」
「…すまない、お前にいつも面倒かけるな」
「いえ」
リグルは立ち上がりリードを安心させるために笑うとリードも笑いかえした。
「さて、用も済ませたし俺は仕事に行くよ。本当の理由は他言無用だぞ」
「わかりました」
「(リード様緊急事態です)」
リードとリグルが仕事場に戻ろうとしたとき、突然ホウテンの思念伝達が送られてきた。
「(どうしたホウテン?)」
「(先ほど500騎の武装したペガサスがここに到着しました)」
「(武装したペガサス500騎?)」
「(はい。統率者は武装国家ドワルゴン国王、ガゼル・ドワルゴン)」
(ガゼル・ドワルゴンだって!?)
リードはドワルゴンでの裁判の出来事を思い出していた。
あのドワルゴンの国王が何故この町に訪れてきたのか様々な疑問があるが真っ先に疑問に思ったことは…
「(なんで到着前に教えてくれなかったんだ?)」
「(え~っと…皆に弓を教えていて、それに夢中になってしまい…)」
「(わかった、次から気をつけろ。今からリグルと一緒にいく)」
ホウテンはリードに連絡が遅れた原因が主の料理のせいとは言えず、別のことで誤魔化すことが出来、ホッとすると気持ち切り替え現在状況を報告した。
「(は、現在リムル様が対応していますが、お早く)」
「(ああ)、リグル、一緒に来い」
「何かあったのですか?」
「事情は行きながら教える」
リードはリグルと共にリムル達の元に向かった。
⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
リードにガゼル・ドワルゴの到着の連絡が届く少し前、リムルは現在新しく出来た自宅を満喫していた。
(ハ~平和って素晴らしい)
「(リムル様緊急事態です)」
ソウエイからの突然の報告に一瞬驚いた。リムルだったがすぐに切り替えた。
「(何があった?ソウエイ)」
「(北の空に武装集団を確認しました。その数およそ500。一直線にこちらへ向かって来ています)」
「(リードへの報告は?)」
「(その役目はホウテンになっていますので、おそらくそろそろ伝わっているでしょう)」
「(わかった)シオン、リグルドに避難命令を出すよう伝えてくれ」
「はい!」
リムルはシオンに指示を出すと、急いでソウエイから聞いた場所に向かった。
(それにしても空からか、この世界の航空機には初めてお目にかかるな)
そうして目的地につき、空を見上げた。
そこにいたのは…
(……ペガサス!?彼らが頭上を通過するだけって可能性はあるか?)
『解。目標が下降を開始しました。目的地はこの場所で間違いありません。』
(統率のとれた武装集団か、ヘタしたら20万のオークより脅威だ。一体何しに来たってんだ?)
「リムル様!」
住民の避難を済ませてきたベニマル達が急いでリムルの元に駆けつけた。
(そもそも何者なんだ?あいつら…)
「!?あれは…」
「ウォズ何か知っ___なんでホウテン死にかけてんだ?」
リムルはウォズへの質問より、なぜホウテンが死にかけてコウホウに担がれているのか気になっていた。
「…我が主が一番に起きたため」
「ああ~なるほど、で?何か知ってるのか?」
リムルが事情を理解すると気を取り直してウォズにペガサスの武装集団のことを質問した。
「…まだギルドの英雄と呼ばれ始めた頃、ギルドの極秘依頼で共闘した部隊です」
「何て言う部隊だ?」
「……武装国家ドワルゴン国王直属の極秘部隊『
やがてペガサスは下降し、ウォズ達とともに来ていたカイジンが降りてきた者を見るとすぐに跪いた。
「…お久しぶりでございます___ガゼル王よ」
その者__ガゼル王本人に
「久しいなカイジン、それにスライム。余__いや俺を覚えているか?」
「ああ」(忘れるわけもない)
リムルはドワルゴンであった裁判にベスターに嵌められそうになったが、ガゼル王のおかげで事なきを得た。
「お久しぶりですガゼル王」
「おおウォズか!あのとき俺の誘いを断ったとき以来か?」
「はい。ところで一体なに用でしょうか?」
「うむ、そこのスライムと__あの珍獣をいないのか?」
「珍獣?」
「光と闇の瞳を持っているあやつだ」
「ほう?」
ガゼル王がリードの貶す発言をしたせいで、ウォズは笑顔だったが目が笑ってなく、コウホウは方天戟に手をのばし、いつの間にか復活していたホウテンは矢を握っていた。
(ヤバいウォズ達攻撃しそう、しかも鬼人達も爆発寸前だ)
リムルは冷や汗が止まらずガゼル王がこれ以上刺激させないことを祈った。
「ガゼル王、あなたの発言次第では少なくとも私を含む3名で100騎失うことにありますよ」
「ウォズ落ち着け。俺が相手をする」
「は」
リムルがウォズを宥めるとガゼル王の前に出た。
「うちの者がスマンな。でも、ウォズ達が怒る理由をあまり与えないでくれ。」
「「「………」」」
最初のリムルの言葉にバツが悪そうに視線をそらすウォズ達
「それから俺の名前はリムル。スライムだがスライム呼ばわりはやめてもらおう。これでも一応ジュラの森大同盟の盟主の片割れなんでな」
「化けた!?」
リムルが人の姿になると騎士達は突然の変化に驚いていた。
「これが本性って訳でもないんだが、こっちの方が話しやすいだろ?」
「お~い、リムル!」
リードの声が聞こえ上空を見上げると、翼と羽を広げリグルをつれてきたリードの姿が見えた。
「天使の翼に悪魔の羽!?」
下降してきたリードの姿を見た騎士団はさらに驚いていた。
「来たか珍獣いや時空の魔王になるものよ」
「………なるほど用があるのは俺か?」
「その通り」
ガゼル王が剣を抜きリードに向けた。
「貴様を見極めるにはこれがよかろう」
「…一応俺もこの森の盟主の片割れだから、気軽に戦闘したくないんだけど」
「ふん、この森の盟主などという法螺吹きには分というものを教えてやらねばなるまいな」
『(煽んないでほしいな…)』
『(ヤバい、ウォズ達マジでヤる気だ…)』
ガゼル王の発言でベニマルは左手で黒炎を出し、ソウエイは背中の剣を握っていた。そしてウォズはいつの間にかドライバーを着け右手にウォッチを握り、コウホウは方天戟を抜きはじめ、ホウテンは矢をを包みから出しており既に臨戦態勢になっていた。
その一色触発の状況に一枚の葉が風にのって落ちてきた。
「我らが盟主に対し傲慢不遜ですよドワーフ王」
そこに現れたのはトレイニー達だった。彼女達が現れたことで騎士団はまた驚いていた。
「よう、トレイニーさん」
「ナイスタイミング」
「ご無沙汰しておりますリムル様、リード様、同盟の締結以来ですわね」
「ふはっ、ふはははは!森の管理者がいうのであれば真実なのであろう。法螺吹き呼ばわりは謝罪しようリムル、リードよ」
ガゼル王は
「それじゃあ「しかし」えっ…」
「リード貴様の人となりを知るのは別の話得物を抜けい!」
「まだ無礼を重ねると…」
「いいよトレイニーさん」
トレイニーが仕掛けようとしたのをリードが止めウォッチを握っていた。
「要は俺が無害かどうか知りたいんだろ?なら本気で証明させるだけだ」
「……分かりました。では立会人はわたくしが行いましょう」
リードはジオウウォッチを起動させドライバーに嵌めた。
『ジオウ!』
『仮面ライダージオウ!』
「剣が2本でも良いか?」
「構わん」
「サンキュー」
リードがガゼル王に許可をもらうと左手にオレンジと青のウォッチ『鎧武ウォッチ』を起動させた。
『鎧武』
ドライバーに嵌めるとリードの頭上に円上のファスナーが出現し、そこから仮面ライダー鎧武の巨大な頭のようなアーマーが現れた。リードはドライバーを回転させた。
『ライダータイム!ソイヤ!鎧武!』
アーマーがリードに落ちてくると日本の鎧を思わせるアーマーに展開し仮面にはマゼンタで『ガイム』の文字が入り、両手には鎧武の武器『大橙丸』が握られていた。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え過去と未来を繋ぐ時の王者!その名も仮面ライダージオウ鎧武アーマー!レジェンドライダーの力を顕現させた瞬間である!!」
「いくぜ……ガゼル王」
「来い!」
「それでは始め!」
果たしてリードはガゼル王に自分は無害と証明できるのか?