転生したら天魔人だった件   作:通りすがりの気分屋

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この本によれば、テンペストに魔王カリオンの側近黒豹牙フォビオが訪れた。その対応をしていた我が魔王に無礼を働き一色触発の空気を魔王ミリムによって止められた。
そして彼らが去った後懐かしい者達がこの国を目指していた。


訪れる者達 後編

 

「ではリード様いきますよ?」

 

「ああ頼む」

 

リードは封印の洞窟で研究しているベスターに自分の体の検査をしてもらっていた。

そして最後の採血が行われようとしていた。

注射針がリードの腕に刺さった。

 

「………」

 

「大丈夫ですか?」

 

「ああ」

 

ベスターがリードから血をゆっくりとり、赤い液体が注射器の中に注がれていった。

血が半分ほどたまるとベスターはゆっくりとリードの腕から注射針を抜き、血を絆創膏で止めた。

リードの今日の服はあるアニメの主人公の大罪人の第2期の服であった。

 

「それじゃあベスター、結果が出たら教えてくれ」

 

「はいお気をつけて」

 

ベスターに見送られ、封印の洞窟から出たリードは翼と羽を出し空を飛んだ。

 

(さてミリムはリムルが見ていてくれてるし少し寄り道して帰るか…あの時の夢って一体なんだったんだ………ん?)

 

リードが空を飛びながら、行方不明となっていた自身の姉ヒナタに剣で刺される夢のことを考えていると凄まじい土煙が上がっているのに気づいた。

 

「………なんか以前、見たような光景だな……行ってみよう」

 

リードは苦笑いを浮かべながら、土煙の方角に飛んでいった。

 

      ⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪

 

「やっぱりガバル達か…」

 

リードが土煙の正体を確かめると、その正体は以前リード達の町が小さい時にシズと共に訪れた冒険者ガバル、ギド、エレンの三人と初めてみる顔の男性だった。

しかも前回同様この集団は魔物から逃げている様子でもあった。

 

「どうせガバルがまた巣を刺激したんだろ…でももう一人は誰だ?」

 

リードはこのまま助けにいくのは彼らの為にならないと思い、本当に命に関わるような状況になるまで観戦することを決めていた。

 

「おっ!どこかの団体と共闘始めた」

 

広い所に出るとガラの悪そうな集団と鉢合わせ共闘を行った。

 

「へ~、あの人達結構強いな………!?そろそろいくか」

 

リードが状況把握のために『聖眼』と『魔眼』を使っているとあることに気付き急降下するとドライバーを出現させた。

 

      ⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪

 

(しまった…剣が保たなかった!!)

 

ガバル達と共に戦っていた集団のリーダーヨウムは貴族から支給された武器が限界に達し折れると死を覚悟した。

 

「ヨウムさん!!」

 

戦っていた魔物槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)の強靭な脚がヨウムを狙ったが、

 

ザンッ!

 

何が斬れる音がしたことといつまで経っても痛みがこないことに不思議に思い目を開くと

 

「大丈夫か?」

 

見たことのない鎧を纏った戦士が見たことのない剣を持って立っていた。

 

「リード旦那!!」

 

「ガバル久しぶり今日はどうしたんだ?」

 

「おい!ヤツはまだ…」

 

男がリードにナイトスパイダーのことを伝えようとすると頭上から何か落ちてきた。

 

「!!」

(ナイトスパイダーの…脚!?)

 

落ちてきたものに驚いているとナイトスパイダーが悲鳴を上げた。

 

(まさか斬ったというのか?あの硬い外骨格!?)

 

「ちょっ!なんでリード様がいるんすか?」

 

「おおゴブタ!良いところに来たちょっとお前らガバル達守って」

 

「なっ…おいアンタ一人で戦う気か!?いくらあのナイトスパイダーの脚を斬ったからって…」

 

「確かにちょっと硬いな…こいつでいくか」

 

リードは左手に青と赤ウォッチ『ビルドウォッチ』を起動させた。

 

ビルド!

アーマータイム!ベストマッチ!ビルド!

 

 

リードがドライバーにビルドウォッチを嵌めると青と赤のハーフボディのアーマーが出現し両肩には赤と青の巨大なボトル、右腕にはドリルクラッシャークラッシャーが装着された。

するとマフラーでウォズがやってきたがなにやら中が騒がしかった。

 

「狭いだろうコウホウ!放したまえ!」

 

「貴様が突然移動するということはリード様が新たなアーマーを装備したということなのだろう!だったら我も来るに決まっているだろう!」

 

そこから取っ組み合いをしていたウォズとコウホウの姿が現れた。

 

「ええい!!続きは後でだ!

オホン、祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え過去と未来を繋ぐ時の王者!その名も仮面ライダージオウビルドアーマー!レジェンドライダーの力を顕現させた瞬間である!!」

 

「………ってウォズ!?」

 

「これはこれはギルドマスターお久し振りです」

 

「ウォズとコウホウの二人は周囲に他のヤツがいないか調べてくれ」

 

「了解しました我が主」

 

「おまかせを」

 

リードはウォズとコウホウに指示を出すと二人はすぐに森の中に入っていった。

 

「さて、実験を開始しよう」

 

リードが両手を合わせ擦りあっているとナイトスパイダーが襲いかかってきたが、リードはドリルクラッシャークラッシャーで攻撃を流した。

 

「思ったより使いやすいな」

 

「リード様それ今日の晩ご飯なんすからなるべく傷つけないでくださいっす!」

 

「わかってるわかってる………!?」

 

リードのナイトスパイダーから意識が逸れるとナイトスパイダーはその隙をついて体液を吐いた。

 

「こんな簡単に避けれる………よっ!」

 

リードが横に飛ぶとリードがナイトスパイダーの吐いた体液の軌道上のものに気づいた。

 

「!?しまった!」

 

ナイトスパイダーの体液は後ろにいたヨウムを狙っていた。

ナイトスパイダーの体液が自分を狙っていると気づいたヨウムが防御の体勢をとるが、体液が直撃する直前赤い光線が体液を吹き飛ばした。

 

「今のは!?」

 

「カシラー!油断しすぎだぜ!」

 

「えっ!?」

 

光線が放たれた方角から声がし、リードがまさかと思いその方角をみると、赤い城を思わせる怪人キャッスルハードスマッシュ、青いクワガタを思わせる怪人スタッグハードスマッシュ、黄色いフクロウを思わせる怪人オウルハードスマッシュがいた。

 

「三羽ガラス!?なんで!?」

 

「なんでってカシラが呼び出したんでしょ?」

 

「えっ」

(どういうことだ?ビルドウォッチにそんな能力はないはず…)

 

リードが考え込むところでナイトスパイダーが再び脚で攻撃してきた。

 

「させるかー!」

 

キャッスルハードスマッシュが前に出てナイトスパイダーの脚を受け止めた。

 

(考えるのは後だ!)

「赤羽そのままおさえろ!黄羽、青羽お前たちはコイツの頭を上にあげてくれ!」

 

「「「おお!/了解!/わかった!」」」

 

ナイトスパイダーは他の脚でキャッスルハードスマッシュを攻撃するが、キャッスルハードスマッシュは平然としていた。

 

「そんな攻撃効かねえよ!」

 

するとスタッグハードスマッシュが間に入りナイトスパイダーの脚を切断した。

 

「もう少し切りごたえがあるのか思ったぜ」

 

ナイトスパイダーが悲鳴を上げ体を上に仰け反った。

 

「もう少し上むいて!」

 

畳み掛けるようにオウルハードスマッシュが素早い攻撃でナイトスパイダーの体を上にさせた。

 

「上出来だ三羽ガラス!」

フィニッシュタイム!ビルド!

 

するとリードがドライバーを回転させると公式の図のような斜線がナイトスパイダーを固定した。

 

ボルテック!タイムブレイク!

 

「はぁぁ!!」

 

リードはその斜線に乗りドリルクラッシャークラッシャーを回転させて滑りナイトスパイダーの頭を貫いた。

そのままリードはうまく着地した。

 

「ワルいゴブタ、頭潰したから量が…」

 

「いいっすよ、また別なのを見つければ「いい加減負けを認めろウォズ!」ん?」

 

「君こそしつこいんじゃないか?」

 

森の方からウォズとコウホウが言い争いながらナイトスパイダーの死体を一人1体ずつ運んできていた。

 

「よく見たまえ!私の仕留めたほうが君のより長い!つまり私の勝ちだ!」

 

「はっ!貴様こそよく見ろ!我の仕留めたほうが貴様のより重い!つまり勝負は我の勝ちだ!」

 

自分の仕留めたナイトスパイダーで勝負して、その勝利が自分だと言い張る二人にリードはため息をついた。

 

「まったくあの二人は…」

 

リードが指をならし、二人に近づくとそれぞれの頭に一発ずつ鉄拳をおろした。

その音が辺りに響き周りの木に止まっていた鳥たちが一斉に飛び去った。

 

「どっちもだいたい同じくらいだから引き分け!これで文句ないな!」

 

「「はい…」」

 

大きなたんこぶを作ったウォズとコウホウは正座させれてリードの説経を受けた。

一通り説経し終えたリードはあることを思い出したそれは

 

「そう言えば、三羽ガラスは俺が消えろって念じれば消えるのか?」

 

「そうだよ」

 

「まあ今回はカシラが無意識に俺らを呼び出したから出てこれたけど多分次はこうならないと思うぜ」

 

「そこんとこ注意してくれよカシラ」

 

「わかった、次呼ぶときもよろしく」

 

「おう!/ええ!/うん!」

 

リードは三羽ガラスを消し変身を解除させるとガバル達と同行していた男が話しかけてきた。

 

「あなたが魔物の町の主で間違いですかな?」

 

「あなたは?」

 

「こちらはブルムンド王国の自由組合支部長(ギルドマスター)のフューズ殿です」

 

「はい、本日は貴方達に会うためにここを訪れました」

 

「俺達に?それなら町まで案内するよ」

 

「よろしいのですか?」

 

「もちろん、そちらも俺達に用があって?」

 

「ま、まあそんなとこだ…」

 

「じゃあ一緒に行こう!」

 

リードを先頭にフューズ達は少し戸惑いはしたがすぐにあとを追った。

 

      ⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪

 

「___というわけで、ブルムンド王国とファルムス王国の方々をつれてきた」

 

「お、おう」

 

リムルはリード達がつれてきた者達を見て少し驚いていたが最初のリードの説明のおかげですぐに対応ができた。

 

「本題に入る前にそちらのスライム殿に少々よろしいですか?」

 

「なんだ?」

 

「その…ギルドの英雄が…アイコン?というもののおかげで今も生きているのは…本当ですかな?」

 

「シズさんのこと?それなら本当だよ」

 

リムルがギルドマスターのフューズの質問に答え事実と証明するためにアイコンを取り出した。

 

「なんだそれ?目玉みてぇだな」

 

「シズさん久しぶり!」

 

「元気にしてたでやんすか?」

 

「まだ新しい体は手に入ってないんですね」

 

「みんな久しぶり、まだしばらくかかるかな…」

 

「えっ、ええええ!ちょっちょっと待て!」

 

あまりに異常なことにファルムス王国から来たヨウムが待ったをかけた。

 

「…なに?」

 

「いやなにじゃねぇよ!なんで目玉が喋ってんだ?!なんでスライムが喋ってんだ?!なんで人間とスライムが主なんだ?!ていうかなんで誰もいろいろ突っ込まないんだよ?!」

 

((ごもっとも))

 

ヨウムが今抱えている疑問を息をきらすまで全部吐き出すとリムルとリードは心の中で同意した。

 

「黙りなさいリムル様とリード様に失礼です」

 

「うるさい黙ってろおっぱい!!」

 

「「あっ」」

 

シオンが黙るよう注意するがヨウムは勢いは凄まじく失言を大声で言ったときリムルとリードの声がシンクロした。

そして次の瞬間、シオンが愛刀『剛力丸』を鞘で納めたままヨウムの頭に振り落とした。

 

「…シオン君」

 

「あ!つい…」

 

「ついでも我慢しなさい」

 

「はい…」

 

ウォズがシオンにお説教をしているとリムルは回復薬でヨウムの頭を治した。

 

「…ゴメンな相棒の秘書は少し我慢が足りなくてな、…さてそろそろそちらが俺達に会いに来たワケを教えてくれないか」

 

「我が主、彼らが来たのはおそらくオークロードが関係していると思います」

 

「え?ウォズどういうことだ?」

 

リードの質問にウォズが代わりに答えると今度はリムルがウォズに質問をした。

 

「ブルムンド王国とファルムス王国、この二国はどちらもこのジュラの森の隣にあり、さらにこのジュラの森に訪れるにはそれ相応の理由でない限り大抵の者はここを訪れません。そうですよねギルドマスター?」

 

ウォズの説明にギルドマスターのフューズは頷いた。

 

「さすがはウォズだ。しかしその口ぶりだと俺達の前に訪れた者がいるようだな」

 

「ええ、ドワルゴン国王ガゼル王本人が」

 

「なんだと!?」

 

「さらに、我が国はドワルゴンと国交を結んでおります。証人なら、私とシズさんでは不足ですかな?」

 

「!?」

(あのウォズがここまで言うならば本当だろう…しかしまさかあの賢王が…)

 

フューズはガゼル王がこの町に訪れたことやドワルゴンとこの町が国交を結んでいることまでは知らず、直接訪れたことが正解だったと僅か安堵していた。

 

「ところでファルムス王国から来たあなた達は正規の部隊じゃないよな?」

 

「はい、よく分かりましたね…」

 

「俺の眼ってちょっと特殊だから…で、なんでそんな市販で売ってそうな格安装備だったんだ?」

 

リードの真剣な質問に眼鏡をかけた魔法使いロウメルが答えた。

 

「実は私たちを派遣した領主が強欲で寄せ集めの集団にまともな装備を与えてくださらなかったのです」

 

『(どうりでガラの悪い連中が多いと思った)』

 

『(でも良い人達だったよ)』

 

『(そうか)』

 

「まあ、ファルムス王国ならそうだろうね」

 

ウォズがどこか呆れた表情になりながらヨウム達に同情の視線を送った。

リムルとリードは先ほどのウォズの発言が気になったが、後日聞くことにし話を続けた。

 

「なんで逃げようとしなかったんだ?」

 

「ああ?」

 

「危険な任務に安い装備、それにウォズとそこのロウメルの話じゃ雇い主からの報酬は危険度と見合わないと思うけど」

 

「んなこたは分かってるよ、でもな、オークロードの情報教えてやらねぇと、町の(やつら)が危ねぇじゃねーか」

 

『(………うん?)』

 

『(あれ?こいつ…)』

 

「あの町にゃ説教くせぇジジイや酒場のお節介なババアやあとをついてまわるうぜえガキ共だっているんだ。勘違いすんなよあいつら死んだら目覚めが悪いと思っただけだ」

 

『(…リムル、こいつ言葉遣いや態度は悪いけど)』

 

『(実は結構いい奴なんじゃないか?)』

 

リムルとリードはヨウムが態度とは裏腹に素直じゃない善良な人間だとわかった

 

「まあ、あのタヌキ伯爵が困る姿は見てみたいけどな。それにロウメルの話じゃ防衛の強化に充てるべき国の援助金を着服してたってんだぞ」

 

「最っ低だな」

 

「実にあの国らしい、それにロウメル君のような若い魔法使いを使っている時点で捨て駒として扱っているね」

 

ヨウムが自分たちが派遣されたこと包み隠さず話すとリードの中でのファルムス王国の評価が下がっていき、ウォズも呆れ果て大きなため息をついて同情の視線をまた送った。

 

「…でもガバル達を助けてくれてありがとな」

 

「いや、別に戦力になるとは思わねぇよ。あんたがいなかったら危なかった、寧ろ礼をいうのは俺のほうだ。にしても人間が魔物を従えてるってすげぇ光景だな…」

 

「ああ、その事なんだけど俺も魔物だから」

 

「………はっ?」

 

ヨウムはリードが言っていることが理解出来ずにいるとリードは普段仕舞っている翼と羽を出した。

 

「天使の翼に悪魔の羽って…」

 

(なんか定番になったなこれ………うん?)

 

ヨウムの反応に半ば見飽きたリードは、いつの間にかミリムにリボンを結ばれていたリムルのリボンが激しく揺れていた。

 

(また何か企んでるな)

 

「フューズさん、オークロードが倒されたという情報は既に知れ渡っているのか?」

 

「いえ、この事を知っているのは国王とごく一部の者だけです」

 

「そうかなあヨウム君」

 

「あ?なんだよ」

 

「君、英雄になる気はないかね?」

 

リムルが平然とヨウムに英雄になってくれと願い出た。

 




リムル殿の突然の申し出、一体リムル殿の意図はなんなのか?
そして、この申し出での我らのメリットとは?
すぐにわかることでしょう。

       ⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪

リードの『万能空間』の中から一つの小さな光が反射していた。それは龍が彫られた懐中時計型の銀のペンダントであった。
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