彼らはオークロードを倒した私達を見極めるのが目的であったが、条件付きではあるが私達を信用してくれた。
そして、リムル殿がヨウムに自分達が人間の味方であると世間に伝えるために協力を依頼するとヨウムもこれを引き受けてくれた。
一方、我が魔王は前世の思い出のペンダントが『万能空間』の中に現れていた。その後、我が魔王はこの世界にいる姉を探すことを決意した。
しかし、災厄の魔物が復活しようとしていることに私達はまだ知らない。
ヨウム達の件から数週間が経ち、ジオウに変身したリードはコウホウのもとで稽古をしていた。
「ふっ!はあ!」
蹴り、裏拳などの多くの近接技でコウホウに攻撃をするが対するコウホウは軽く防いだり、弾いたりして攻撃を防いでいた。
(くそ!相変わらず堅いな…なら!)
リードは左拳を出そうとした瞬間、間合いをとった。
コウホウもリードのこの行動には驚いていた。
(!?何故今間合いをとるのですかリード様?それでは敵に疲れたと教えているようなものです!)
コウホウが一気に間合いを詰め拳を放つと、リードはからだをねじり、コウホウの腕を両腕で掴み投げた
「!?」
コウホウが気づいた時は既にリードはコウホウの放った勢いと遠心力を利用し投げられていた。
「おらぁ!!」
そしてコウホウの背中は地につき、土煙が上がった。
「はぁ、はぁ、はぁ」
リードも地面に倒れると変身が解除された。
「やっと一勝できた」
「クハハハハ、まさかそのような方法でくるとは予想外でしたぞ!」
「まだ二本しか出してないその状態で言われてもなあ…」
そう言ってリードは苦笑いしながらコウホウの角の二本を見ていた。
「たくっ、角の本数で強さが変化するってどういう仕組みだよ…」
「リード様には言われたくありません」
「おーい!リード!」
「うん?」
ミリムがリードに向かってスライディングをしようとした時ホウテンとウォズがミリムの両肩を掴んだ。
「ミリム様、リード様に抱き付くのはかまいませんが、お召し物が汚れてしまうのでお気をつけください」
「おお、そうであった!」
「ありがとう、ウォズ、ホウテン」
「なあなあ、リード!今日も大量なのだぞ!すごいだろう!」
「本当か?、いつもありがとうなミリム」
「えへへ」
ミリムがリードに褒めてほしそうに自慢するとリードが望み通りミリムの頭を撫でるとミリムはうれしいそうだった。
「(…最古の魔王がまるで幼い少女に見えるのだが…)」
「(ミリム様は素直なお方なので自分をここまで褒めてくれるのがうれしいのでしょう)」
「(…まあ、まだ大丈夫か)」
「………ミリム、リムルにも大量だったこと教えてくれないか?
「わかったのだ!」
リードがミリムにリムルの報告を頼むとミリムはそのままリムルのもとに飛んでいった。
「…何か用、トレイニーさん」
リードがそう呼ぶと突風が吹き、木の葉が舞うと赤いオーラを纏い、半透明のトレイニーが現れた。
「さすがです、リード様」
「トレイニー殿、どうしたのです?いつもと様子が…」
「…実はご報告があります」
「何?」
「
トレイニーの報告を聞いたウォズ、コウホウ、ホウテンが驚愕の表情になったが、リードは首を傾げた。
「カリ…カリュブ…「申し訳ありません。足止めをしている妹が限界のようなので失礼します」あ!ちょっと…」
トレイニーが報告だけ済ませるとすぐに消えてしまい、いつものトレイニーとは思えないほどの慌てようにリードは不安を感じ、ウォズ達を見た。
「ウォズ、カリュブ…カリュブティ「カリュブディス」そうそれ何?」
「それなら、ホウテンが一番よく知っていますよ」
「えっ、!?どうしたホウテン、顔が真っ青だぞ?」
リードがホウテンに視線を合わせるといつもどこか余裕の表情を見せていたホウテンの顔がこの世の終わりのような顔になっていた。
「…カリュブディス、死と再生を司る
「天敵?」
「はい、その巨体から信じられない速度で空を飛び、気流を乱し、さらに『魔力妨害』で我らの有利な空中戦を最悪の場所に変える恐ろしい魔物です」
「『魔力妨害』?」
「魔素の動きを乱す効果があります、おまけに『超速再生』を持ち、異界から召喚する魔物…
「なるほど」
(つまり物理攻撃じゃないと意味がないってことか…)
ホウテンの話を聞いたリードは何か考えていたがすぐに行動に移った。
「一旦町に戻るぞ」
「「「は!」」」
リードはとホウテンは空から、ウォズはマフラーで、コウホウは瞬動法で町に急いで戻った。
⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
町に戻ったリード達はリグルの案内で会議室に向かっていた。
「リグル、メガロドンに関する情報は何かない?」
「先ほどトレイニー殿の妹トライア殿が現れまして、その方の話によるとメガロドンも『魔力妨害』を持っているようです」
「なんだと!?」
「ですがカリュブディスほどの範囲ではないようです」
「………」
リグルの報告で相手が自分達の想像を越えていることを思い知らされたウォズ達だったが、リードだけが何か考えがあるようだ。
「コウホウ」
「は」
「頼みたいことがあるんだがいいか?」
「………なんなりと」
リードがコウホウに頼むとそれを聞いていたウォズ、ホウテン、リグルは覚悟を決めた表情になっていき、コウホウも笑みを浮かべていた。
「出来るか?」
「お任せを」
コウホウはそう言って何処かへ走って行った。
「…さて、それじゃあ俺も」
リードはウォズ達を連れて会議室に向かった。
⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
リードが会議室に来てわかったことは二つ。
一つはリムルの中にいるヴェルドラを狙っている可能性があるということ。
もう一つはミリムは今回の戦闘に参戦出来ないということ。何故ミリムが参戦出来ないというと、シュナとシオンが自分達の町の問題に友達を巻き込むワケにはいかないということことだった。既にリムルも泣きそうな思いを押さえ込んでいることもリードは理解した。
そして、コウホウ以外の幹部全員が集まり作戦会議が始まった。
「さて、それじゃあ今回の作戦会議を「その前にリムルちょっといいか?」うん?どうしたリード?」
会議を始める直前リードが言いたいことがあり、それを言うために立ち上がった。
「…メガロドンを俺達だけで一掃したい」
「………はあ!?」
リードの突然の提案にリムルをはじめ、ベニマル達も驚いていた。
「お前なに言ってるんだ!?いくらなんでも無茶だぞ!?」
「それは分かってる。でもそうしないといけない理由はいくつかある」
「…なんだ?」
「一つ目はリムルや他のみんなは魔法攻撃がメインの奴が多いこと、二つ目は俺と俺の部隊は物理攻撃がメインだからメガロドンを一掃するくらいは出来るはずだ」
「………」
「(大賢者、リードを止める良い考えは無いか?)」
『告。仮に止めたしても、個体名リード・テンペストは間違いなく出撃します。』
「(やっぱり…)」
『個体名コウホウがいないのはおそらく例の部隊を召集するためと推測。もう既に出撃準備は大方完了していると思われます。』
「(コイツ~)」
大賢者でも止める術が無いとリムルはリードは睨んだが、リードはしてやったりというような笑みを浮かべた。
『告。それと個体名リード・テンペストの目的はメガロドンの一掃だけではありません。』
「(え?それって?)」
『それは____』
大賢者の報告を聞くとリムルはリードのやろうとしていることに納得した。
「わかった、いいぞ」
「お待ちくださいリムル様いくらなんでもそれは危険過ぎます!!」
「ベニマル落ち着け、リードはメガロドンを一掃するとは言っているが別に本気じゃない」
「…どういうことですか?」
リムルの言葉にベニマルは疑問を抱き、リードに答えてほしいというアイコンタクトを送ると、リードはリムルの大賢者に自分の目的が知られたことに悟った。
「さすがリムル!その通り俺の目的はあくまで時間稼ぎだ」
「時間稼ぎ?」
「俺のあの部隊なら、数もある上に機動力もある。戦闘配置や住民の避難とかいろいろ出来るだろ」
「ですが「諦めろベニマル」っ…!」
「リード様は本気だ」
ベニマルはなんとかリードに考え直すように言うが、今この会議に参加している者のなかで新参者のホウテンですらリードの性格は理解し、止めるのは不可能と悟っていた。
すると大きな足音が会議室に近づき、勢いよく扉が開くとコウホウが姿を現した。
「リード様!召集、完了しました!」
「ありがとうコウホウ…それじゃあリムル行ってくる」
「待てリード」
「…なんだ?」
「ヤバいと思ったらすぐに撤退しろ、いいな?」
リムルはこれだけは譲れないと目で訴えるとリードもそれは妥協した。
「…わかった。行くぞリグル、ウォズ、コウホウ、ホウテン」
「「「「は!!」」」」
リードはリグル達を連れて会議室を後にした。
⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
町から少し離れた開拓した土地。そこにコウホウに召集された兵士がいた。
その部隊はジュラの森出身の者で、リザードマンやオーク、ボコブリンなどで構成されおり、彼らの隣にはセキトが連れて来たペガサスがおり、その総数は千騎であった。
リードはこの部隊での初陣であるため、急ごしらえの台に上っていた。
リグル達はその台の横に並んでおり、彼らも既に準備を終えていた。
「…それではこれより我が主リード・テンペスト様による
ウォズが魔イクで説明すると、集まった兵士全員の表情が緊張した表情になった。
リードの今回の服シュナに以前作ってもらった死覇装の上に白い羽織でおり、背中に『天魔』の文字が縫われていた服装だった。
台の上に立ち、ウォズから魔イクを受け取ったリードは大きく息を吸い宣言した。
「まず、俺から最初に言うことは……命の惜しい奴は避難民のもとに逃げても構わない」
リードのこの言葉にこの場にいた者全員がどよめいた。
「どういうことだ?」
「何故リード様はそのような甘いこと?」
兵士達はリードがカリュブディスに既に屈したのでは思う者もおり、不安が広がる中リードはそのまま続けた。
「そもそもこの初陣で、カリュブディスとメガロドンを相手にするということ自体、俺自身予想もしてなかった。それで今回は逃げたい奴は逃げても構わない」
リードが自身の本心を包み隠さず兵士に伝えると兵士達は唖然とした表情になっていた。
「だけど、逃げた奴は覚悟がいる。万が一俺達が負けた時カリュブディス達が避難民を狙ってきた時逃げた奴がカリュブディス達を相手にするという覚悟だ!」
今度は兵士達の顔色が真っ青に変わっていった。
もし自分達が逃げ、先に戦った者達が敗れれば今度は自分達が避難民を守るために戦わねばならない。彼らが怯えるには十分すぎる言葉であった。
そして、リードは魔イクを捨て大声で続けた。
「カリュブディスとメガロドンに立ち向かうための覚悟を決めるか、俺達が負けた時、避難民のための盾になる覚悟を決めるか、それは今ここでお前達が決めろ!!」
リードが兵士達に選択の機会を与えると宣言すると、兵士達は静まり返った。そして
「家族や仲間を守るためなら逃げる気はありません!」
一体のリザードマンが大声で宣言した。
「そうだ!リード様が戦うなら俺も戦うぞ!」
「私もです!」
「オイラも!」
呼応するように他の者を戦う意を示した今この場に逃げる者がいないというのは誰が見ても明らかだった。そしてリードが深く息を吸い込んだ。
「…全員覚悟を決めたか?!」
『おおーー!!』
「それでは、出撃するぞ!!」
『おおおーーー!!!』
リードが翼と羽を広げ一番に飛ぶと、ホウテンも翼を広げ足も元の鳥の足に戻し飛び出すとリグルとウォズがホウテンの両足に掴まり共に行き、コウホウもセキトに乗り空を飛ぶと、他の者達もペガサスに乗ってリード達に続いた。
「今回はこいつだ」
リードはドライバーを出現させジオウに変身した。
『仮面ライダージオウ!』
そして赤と白のウォッチ『電王ウォッチ』を起動させた。
『電王!』
すると空間に穴が開きそこから電王の乗り物『デンライナーゴウカ』が出現し、さらに『デンライナーイスルギ』『デンライナーレッコウ』『デンライナーイカズチ』も出現した。
「なんだアレは?」
「大丈夫味方だ!」
兵士が動揺を見せるがリードの一言で多少は落ち着ついた。
そして、電王ウォッチをドライバーに嵌め込み、回転させるとデンライナーゴウカの先頭車両が開き、両肩にデンライナーを模したアーマー『電王アーマー』が飛び出し、空中で分離するとリードに装着された。
『アーマータイム!SWORD FORM!電王!』
アーマーが装着され、仮面にマゼンタで『デンオウ』の文字が入った。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え過去と未来を繋ぐ時の王者!その名も仮面ライダージオウ電王アーマー!レジェンドライダーの力を顕現させた瞬間である!!」
ウォズが声高らかに祝福するとデンライナーから、声が聞こえてきた。
「よう、ちゃんと俺達の力使いこなせよ?このガキ」
リードがデンライナーゴウカを見るとそこに、赤鬼をモチーフにした怪人モモタロスがいた。
「そっちこそ、しっかりサポートしてくれよ」
「なんだと!?」
「先輩~落ち着きなって、そんなんじゃ大物は釣れないよ」
今度はデンライナーイスルギに青い亀をモチーフにした怪人ウラタロスがいた。
「まあ、俺がいるから大船に乗ってつもりでおればええ」
次にデンライナーレッコウに黄色い熊をモチーフにした怪人キンタロスがいた。
「僕が全部倒しちゃってもいいよね?答えは聞いてない!」
最後にデンライナーイカズチに紫の竜をモチーフにした怪人リュウタロスがいた。
リードにとって彼らの増援は頼もしいものであり、ついにやけてしまった。
「…全員!死にそうって思ってたら撤退しろ!!いいな?!」
『は!』
リードのこの命令に全員が了承し、彼らはそのままカリュブディスとメガロドンのもとまで飛んで行った。
そんな中リードはチラリと
こうして我が魔王はカリュブディスとメガロドンに対して打って出た。果たしてこの戦いでどれだけ相手の戦力を削ぐことが出来るのか?