転生したら天魔人だった件   作:通りすがりの気分屋

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この本によれば、我が魔王リード・テンペストはユーラザニアへ使節団団長として向かった。しかし、帰還の前日我が魔王の優しさと行動力でユーラザニアの国家機密である三獣士スフィアの妹のもとへ黙って一人で向かってしまう。
そこでスフィアの妹が暴走し、我が魔王はジオウオーズアーマーに変身、召喚したアンクと共に暴走を抑えた。
そして彼女をテンペストに連れていくこととなった。


帰還中のトラブル

 

「もうすぐ到着だな」

 

リード達が馬車に乗ってユーラザニアを出発して数日が経ち、リードは窓の景色を楽しんでいた。

 

「まったく、コウホウ達の報告を聞いた時は寿命が縮みましたよ…」

 

「俺はお前がカリオンにケンカを売ろうとしたとき正気かと疑ったよ」

 

隣に座っていたベニマルはリードを責めるような視線を向けていた。

実際、あの晩のリードの行動を聞いたときのベニマルの顔色がソウエイと同じくらいの色にかわっていったようだ。(リードは疲労で寝ていた見ていないが)

しかし、ベニマルも戦闘種族故かカリオンにケンカを売ろうとしたが、リードが直前でベニマルを力ずくで止めた。(その時のリードの目が怖く、ある意味のトラウマになったのは秘密だが…)

 

「まあ、カリオンの人柄も知れたのでよしとしましょう」

 

「だな………!?赤兎!ちょっと降りてくれ!」

 

「「「?」」」

 

リードが赤兎に下降するように指示し、比較的平らな道に降りると他の馬車も下降してきた。

 

「どうしたのですリード様?」

 

「一瞬強い魔素を感じた」

 

「え?コウホウ感じたか?」

 

「いや、なにも…」

 

「気のせいではないのですか?」

 

「………ちょっと探してくる」

 

リードがスフィアの妹をベニマルに渡そうとした時、スフィアの妹が目覚めた。

 

「あれ?リード様、どこに行くのですか?」

 

「ああ起こしちゃったな。これから少し調べに行かないといけないからベニマルと一緒に待ってくれないか?」

 

「…帰って…きますか?」

 

「………」

 

少女を震えた声で俺に聞いた、この時俺はどこか前世の自分を重ねて見ていたが、少女の目には不安の色が見えた。

この目をさらに暗くさせるわけにはいかない。

そう考えたリードは驚きの行動にでた。

 

チュッ

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

ベニマル達が驚いた表情をし、少女は何をされたのかわからずにいた。

それはなんと少女の額にリードが口づけをしたからだ。

 

「あ…あのリード様…今のは?」

 

「ん?大丈夫のおまじない!」

 

俺は前世で幼いとき姉にしてもらったことを真似した。

前世で俺が悪夢をみたときに姉さんにこれをしてもらって安心したのを今でも覚えてる。

 

「安心した?」

 

「はい…」

 

「よかった、じゃあ行くぞ!リグル、ウォズ、コウホウ、ホウテン!」

 

「「「「は、はい!」」」」

 

俺はリグル達を連れて森の中に入っていった。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

森の中を素早く移動するリード達。しかし、ウォズはどこか落ち着かない様子だった。

 

「我が主」

 

「なんだウォズ?」

 

「先ほど少女にしたアレは一体?」

 

「ん?………!ああアレ!さっきも言っただろう、安心させるためのまじない」

 

「では他意はないのですね?」

 

ウォズのこの質問の意味が俺にはよくわからなかった。

だって俺はただ姉さんがしてくれて安心したからあの娘も安心するはずと思っただけで、何故そんな深く詮索するんだ?

 

「当たり前だろ、取りあえず広いところに出るぞ」

 

リード達が広い場所に出ると、リードは目の前に現れた光景に驚いていた。

 

「これは…」

 

「ひどい有り様だ…」

 

それは車輪が破壊された馬車と魔人の死体が辺りに転がっていた。

さらに魔人の死体は体の部位がないものもあった。

 

「何があったんだ?」

 

「少し調べてみましょう」

 

「だな」

 

ウォズが破壊された馬車を、ホウテンは魔人の死体を調べているとコウホウが血痕を発見した。

 

「リード様!我はリグルと共にこの血痕を調べて参ります!」

 

「わかった気をつけろよ」

 

「は!行くぞリグル」

 

「ああ」

 

コウホウとリグルが血痕を辿り森の中に入ると、リードは奇妙な形の切り株を見ていた。

 

「なんだこの切り株?」

 

伐られたにしては表面があまりにもきれいだが、まるで何かにか噛まれて折れたような痕のような激しい凹凸になってる。

仮に伐られたものだとして、こんなきり方があるか?

それに魔物が噛み砕いた痕にしては表面がキレイすぎる…一体何が、うん?

リードが切り株の断面を触れようとしたが一瞬直前で触れることが出来なかった

 

『(大賢者、これは一体?)』

 

『解。おそらく空間属性によって出来たものだとおもわれます。』

 

『(空間属性?)』

 

『空間属性とは主に対象を覆うバリアを張る、位置座標を利用して移動するこの二つがあります。』

 

『(それが攻撃に使われたらどうなるんだ?)』

 

『攻撃に使われた場合、切り傷にバリアが張られ回復薬が効かなくなります』

 

『(反則な属性だな………!?まただ)』

 

大賢者の説明を聞いた俺は断面を撫でていたが、『魔力感知』で感じた魔素を感じ、森の奥に行った。

しかしこの時リードの向かった方向はコウホウとリグルが向かった方向とは()であった。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

血痕を辿って森の中を進むコウホウとリグルはある違和感を感じた。

 

「コウホウさん」

 

「ああ妙だ」

 

「『魔素感知』は?」

 

「広げている。だからおかしい」

 

「ええ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

コウホウとリグルは警戒して進み続けると、血痕が途切れた場所についた。

 

「これは…」

 

「………」

 

そこにあったのはナイトスパイダーの死体であった。

しかしその死体の脚は何本かなく、頭の半分もなくなっていた。

 

「…リグル、剣をかせ」

 

「え?ああ、はい」

 

コウホウがリグルの剣を借りるナイトスパイダーの死体に近づくとナイトスパイダーの腹を切った。

中に入っていたのは、わずかに溶けた魔人の手足や頭であった。

 

「…このナイトスパイダーがあの馬車を襲ったのでしょうか」

 

「………」

 

リグルが周囲に警戒を続けると、コウホウが腹の中のものを出し始めた。

 

「えっ!?何をしているのですかコウホウ殿?」

 

「………」

 

リグルがコウホウの突然の行動に驚いていたが、コウホウは構わず、中のものをすべて出した。

そして中にあった手足、頭を出し並べた後、コウホウがそれを少しの間見ていた。

 

「…やはり」

 

「何がです?」

 

コウホウの呟きを聞いたリグルはコウホウが何に対しての言葉か聞いた。

そしてコウホウの答えは

 

「足りない」

 

「?なにがです?」

 

「馬車の周りに転がっていた体の部位がない死体の数に対して、ここにある手足と頭の数が合わない」

 

「えっ!?」

 

リグルは並べられた手足と頭の数と馬車の周りにあった部位の欠けた死体の数を思い出すと、足りないことに気づいた。

 

「おそらくこのナイトスパイダーはおこぼれをもらい、その後あの惨劇を生み出したものに遭遇し、逃げる途中でやられたのだろう」

 

「それじゃあ、周囲に他の生物の魔素が感じられないのは…」

 

「おそらく、そのものがこの辺りの大型のをすべて狩り尽くしたのだろう」

 

「だとしたら!」

 

「ああ急いで合流して、ここから離れるぞ!」

 

「はい!」

 

コウホウとリグルは瞬動法で、ウォズとホウテンがいる場所に向かった。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

現場に残っていたウォズとホウテンは何を積んでどこに向かおうとしていたのかを調べていた。

ホウテンは魔人達の装備を念入りに調べていた。

 

(この装備はやっぱりあの国の……なんでこんなところを通ったんだ?)

 

そしてウォズは何が積んでいたのかを記録したものを確認していた。

それに書かれていたのは、

 

『行き先 傀儡国ジスターヴ

取引品は_______』

 

そこから先は血が付着し読むことが出来なかった。

 

(傀儡国ジスターヴは確か魔王クレイマンが納める国、つまりこの馬車はジスターヴに向かう途中で何かに襲われた。そして取引の品は…)

 

ウォズは目の前に広がる古い魔方陣に視線を移した。

 

(この魔方陣は確か…魔物や魔人を捕らえるための魔方陣、しかし一部消えているな、一体何が…うん?)

 

ウォズは足元に落ちている服を広げるとそれは、紫をベースにした白い袖の服であった。

 

「これは…西側諸国の小国でも見たことないな」

 

「ウォズ!何かわかったか?」

 

ホウテンに呼ばれたウォズは見つけた服を持って馬車から降りた。

 

「わかったことはこの馬車は何かの魔人を連れて傀儡国ジスターヴに向かっていたことだ」

 

「ジスターヴ?それは本当?」

 

「ああそっちは?」

 

「…この魔人達は東の帝国の者だってことがわかった」

 

「東の帝国だって!?」

 

東の帝国。それは、最も古き国家の一つ。

正式名称は、ナスカ・ナムリウム・ウルメリア東方連合統一帝国。

その歴史は古く、二千年前には既に帝国の基礎として国家を運営していた、と言われている。

そんな東の帝国には圧倒的な軍事力があるため西側の国は東の帝国の進軍にもっとも警戒していた。

 

「だがなぜ東の帝国が魔人を…」

 

「東の帝国には魔人だけの部隊があって、おそらくこいつらはその隠密部隊だろう」

 

「君は魔王だけでなく、東の帝国まで詳しいね」

 

「200年くらい前に潜入したことがあってな、その時いろいろ知ったんだ。ただちょっと死にかけたが…ところでお前の持ってるそれはなんだ?」

 

「ああこれかい?馬車の中で見つけたんだが、見覚えあるかい?」

 

ウォズが回収した服を広げるとホウテンの表情が徐々に驚きにかわっていった

 

「この服!?」

 

ホウテンがウォズから服を奪うと、じっくりとその服を見ていた。

 

「間違い、竜を祀る民の服だ!」

 

「竜を祀る民?」

 

「ああミリム様の納める土地、忘れられた竜の都に住む者のことだ」

 

「なんだって!?」

 

「彼らはミリムを祀る龍人族(ドラゴニュート)で、ガビル達とは少し違うんだ」

 

「どう違うんだい?」

 

「ガビル達はリザードマンから進化してドラゴニュートになったが、彼らはドラゴンが人化して人間と交えた末裔で今では殆ど竜の姿にはなれず、人とあまり変わらないんだ」

 

「人と変わらない?」

 

ウォズが転がっている死体を見渡すが、人の死体はどこにもなかった。

 

「おそらくここら辺の魔物に食われたのだろうコウホウ達が戻ってきたら「おーい!ホウテン!ヒョロガリ秘書!」…来た見たいだな」

 

コウホウとリグルが慌てて走って戻ってくるところをウォズとホウテンは疑問に感じた。

 

「どうした?そんなに慌てて?」

 

「急いでここから離れるぞ!」

 

「何があったんだい?この脳筋ボディーガード」

 

「先ほどナイトスパイダーの死体があり、そこから魔人達の手足や頭が出たのですが…」

 

「が…どうした?」

 

「ここの死体と数が合わないんだ」

 

「なに!?」

 

「…そこに人間の死体はなかったかい?」

 

「え?ありませんでしたが…」

 

「………!?なあ誰かリード様を見なかったか?」

 

「「「!?」」」

 

ホウテンがリードがいないことに気づいたときリグル達も辺りを見渡したが、リードの姿はどこにも見あたらなかった。

 

「…全員『魔力感知』を最大範囲まで広げましょう」

 

「「「…ああ」」」

 

その後『魔力感知』を最大範囲まで広げた彼らはギリギリのところでリードを見つけ、リードのもとへ向かった。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

魔力感知で感じた魔素を辿って森の奥に進むと、広い窪地に到着した。

そこははっきり言って凄まじかった。なぜなら一本の巨木を中心に大量の魔物の死体が転がっていたからだ。

そして巨木の空洞に一人の子どもが座っていた。

俺はゆっくりと降りて、死体を踏まずにその子どもに近づいた。

 

「…はじめまして」

 

「………」

 

俺は子どもに挨拶をするとその子どもはゆっくりと顔をあげてくれた。まさかこんなに早く会えるなんて。

その子どもは「夜の蝶」の水晶で見たドラゴニュートの少年であったが、この少年もまだどこか幼さが残っていた。

 

「はじめまして俺は「リード・テンペスト様ですか?」………なんで知ってるの?」

 

「少し前、ある声が聞こえてきたので…」

 

「声!?」

(おいおい、もうこれ偶然じゃないよな…)

「ねえ、詳しく教えてくれない?」

 

「………その前に証拠を見せてください」

 

「証拠?」

 

「天使の翼と悪魔の羽があるのか、見せてください」

 

「…それくらいならいいよ」

 

俺は翼と羽を広げると、それを見た少年は驚いた表情になっていった。

 

「本当だった…」

 

「さあ、教えてくれない?」

 

「………故郷から拐われて運良く魔方陣が消え、ここまで逃げた後…」

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

その日は近くの魔物を仕止めてなんとか命を繋いでいました。

その晩に突然聞こえてきたのです。

 

『拐われたドラゴニュートよ』

 

「!?」

 

辺りを警戒して見渡しても誰もおらず、それでもその声は聞こえてきたのです。

 

『故郷に戻る気はありますか?』

 

「………ありません、拐われた息子など、父上(あの人)はきっと必要としません」

 

『では、これから現れるあるお方について行

くのです』

 

「あるお方?」

 

『その方は天使の翼と悪魔の羽を持つ種族半天半魔(エンジェデーモン)のリード・テンペスト』

 

「…本当にそのような方が現れるのですか?」

 

『はい』

 

「………期待しないで待ってます」

 

『あなたに自分が必要とする方々に会えることを祈ります』

 

それを最後にその声は聞こえなくなり、その日はなぜか眠ることが出来たのです。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

話を聞いた俺はその声が気になっていた。ホウテンにあの少女、そしてこの少年の聞いた声は一体何なのか?なぜ俺の名前を知ってるのか?

様々な疑問が頭に過ったが、俺は目の前の少年に集中した。

 

「ねえ君?一緒に俺達の国に来ないか?」

 

「え?」

 

「俺達の国は別に強さだけで、地位が決まってないからきっと居心地がいいぞ!」

 

「………本当ですか?」

 

「ああ、きっと気に入るぞ!」

 

少年はなぜかリードのこの言葉には嘘がないと感じた。何よりよそ者の自分に向ける笑顔があまりにも眩しく見えた。

 

「…リー「しっ!」?」

 

囲まれてる

 

「!?」

 

大丈夫、もうすぐ俺の配下が来るから

 

次の瞬間リードの後ろで一部の樹木が吹き飛ぶと、そこから屍となった武装した魔人が数十体とリグル達が現れた。

 

「「「「みつけましたよーー!!リード様!!!」」」」

 

「おお、お疲れ!」

 

「お疲れじゃないですよ!」

 

「まったくあなたは少し目を離すだけで!」

 

「少しは慎重に行動して下さい!」

 

「だいたいなんでこんなところに………ん?」

 

ホウテンが少年の存在に気付き、リグル達も気付くと「またですか?」と目で訴えるとリードは笑って頷いた。

 

「「「「はぁーー」」」」

 

「というわけで、こいつら殲滅するの手伝って」

 

「………わかりましたよ」

 

「まったく…我が主は本当にトラブルが多いね」

 

「数はざっと100から200程だな」

 

「装備から見て傀儡国ジスターヴの兵士ですね」

 

俺は少年の前に立ち、リグル達は少年を囲むような位置に立ち、戦闘準備を整えた。

そして森の中から武装した魔人が現れてきた

 

「リード様…(やつがれ)も!」

 

「大丈夫!お前は休んでろ」

 

少年は俺達と一緒に戦おうとしたが、安心したせいか魔素が安定しなかったから休ませるように言った。

リードはドライバーを出現させ、ジオウウォッチを起動させた。

 

ジオウ!

仮面ライダージオウ!

 

「こいつでいくぜ!」

 

俺はダブルウォッチを起動させた。

 

ダブル!

 

ダブルウォッチをドライバーに嵌め込み、回転させた。

するとメモリドロイドサイクロン、メモリドロイドジョーカーが現れた。

 

アーマータイム!サイクロン!ジョーカー!ダブル!

 

リードの両肩にメモリドロイドがメモリの形となって装着され、仮面にはマゼンタでダブルの文字が入った。

 

「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え過去と未来を繋ぐ時の王者!その名も仮面ライダージオウダブルアーマー!レジェンドライダーの力を顕現させた瞬間である!!」

 

「………さあ、お前達の罪を数えろ」

 

リードのこの言葉を合図に戦闘が始まった。




こうして我が魔王がこのドラゴニュートの少年を守るために私達と共に敵と戦うが、ある魔王がこちらに接近してきていた。
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