転生したら天魔人だった件   作:通りすがりの気分屋

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ヴェルドラに[リムル・テンペスト]、[リード・テンペスト]の名を得た俺とリムルは無事に洞窟の外に脱出、近くの森でゴブリンの群れに会いバンダナをつけたゴブリンが俺たちに話しかけてきた。


ゴブリンと牙狼族

「強き者達よ、この先に何か用かな?」

 

 バンダナをつけたゴブリンが片言であるが、俺たちに質問してきた。

 

『(俺たちのことか?)』

 

『(そうだろうな、とりあえず挨拶をして警戒心を解くか)』

 

『(それが良いでしょう)』

 

 俺はリムルが声を出す準備が終わるのを待ってる間念のため近くに強い魔物がいないか『魔力感知』で調べたが、俺たちより強い魔物はいなかった。

 

『(よし準備できぞ)』

 

『(ではお先にどうぞ)』

 

『(ああ)』「初めまして、俺はスライムのリムル」

 

「俺は半天半魔 (エンジェデーモン)のリード」

 

「「「「…………っ」」」」

 

アレ?なか固まったぞ?何で? そう思っていたらゴブリン達は急に平伏をした。

 

「強き者達よ、あなた達の強さは十分に分かりました!ですからどうか声を静めてください!!」

 

『(思念伝達が強すぎたのか?)』

 

『(いや出来るだけ抑えて出したぞ、けどもう少し弱めて)』

「うっうん!で俺たちに何か用か?」

 

「ハイ、強力な魔物の気配を感じて警戒に来た次第です」

 

「強力な魔物の気配?」『(リード感じたか?)』

 

『(いや、さっき『魔力感知』の範囲を半径50mまで広げてみたが、俺たちより強い魔物の魔力は感じなかった……ってもしかして?!大賢者まさか)』

 

『解:個体名リード・テンペストの予想道理半径100m以内にあなた達を越える魔素を持つ魔物はいません』

 

『(やっぱり、『強き者達』って俺たちのことか) 』

 

「ご冗談を!そのようなこと言っても我々は騙されませんぞ」

 

『(……なあリムル)』

 

『(なんだ?)』

 

『(今度俺たちの力、どれくらいか確認するか)』

 

『(奇遇だな、俺も思ってた)』

 

「強き者達よその異常な妖気(オーラ)を見込んでお願いがあります」

 

 俺たちはゴブリン達に案内され、彼らの村に着いた。

 その村はボロ藁で即席に作ったようなもので軽い衝撃で倒壊しそうな家ばかりだが、寝床を確保出来るならこれくらいなんともないか。

 俺たちは一番頑丈そうな家に案内された。

 

『(ボロいが寝床がある分ましか)』

 

『(コラコラ、お茶まで出してもらってるんだから言うなよ)』

 

『(わかってる、わかってる)』

 

「お待たせしました」

 

 俺たちがお茶飲みながら待っていると、年老いたゴブリンと後ろにはさっきのバンダナのゴブリンが一緒に入ってきた。

 

「大したもてなしも出来ずに申し訳ない。私はこの村の村長をさせて頂いております」 

 

「いえいえ、お気遣いなく」

 

「それで俺たちに頼みたいことってなんだ?」

 

「………一月程前、この地を守る竜の神が突如消えてしまったのです」

 

(神ってヴェルドラのことか?)

 

(可能性は高いな)

 

「そのせいで近隣の魔物がこの森に目を付けたのです」

 

 俺たちの頼み事はこの森に目を付けた魔物で特に危険な『牙狼族』から守ってほしいとのことだった。

 

「話はわかったが俺たちはそんな大層な魔物じゃないぞ」

 

「俺も実戦経験は皆無だ」

 

「ご謙遜を新たな種族にしてその妖気(オーラ)を放ち、スライムの貴方様もそれと同等の妖気(オーラ)をお持ちなのですからその上名持ち(ネームド)ならばさぞお強いはずです」

 

『(…………リムルちょっと『大賢者』に用があるけど良いか?)』

 

『(構わないけどどうした?)』

 

『(まあちょっとね)』

 

 俺は村長たちがさっきから言っている妖気(オーラ)が気になって大賢者に頼んだ。

 

『(大賢者、『魔力感知』をゴブリンたちの視線に合わせること出来る?)』

 

『了:『魔力感知』の視線を切り替えます』

 

切り替えてみたら、俺とリムルのからだから凄いもやが部屋に充満し、それでも狭いのか外に漏れていた。

 

『『((うわ!!だだ漏れ!!!))』』

 

『(これじゃあさっきからのゴブリンの態度も頷けるし、ある意味俺らこいつらを脅してるようなもんじゃん)』

 

『(だな、取り敢えず)』「フッ、俺たちの妖気(オーラ)に逃げず話せるとはなかなか見所があるな」

 

(誤魔化せるのそれで?!)

 

「おお、我々を試していたのですね!」

 

(誤魔化せたし!!)

 

 リムルは誤魔化しながら妖気(オーラ)をしまうことが出来た。俺もしまおうとしたら妖気(オーラ)と一緒に羽と翼も消えた。

 

『(アレ、何でこれまで?)』

 

『解:個体名リード・テンペストは妖気(オーラ)を抑えようとすると、翼と羽も消え、完全に人間レベルまで抑えることが出来、他の者には人間と認識されます』

 

 大賢者のそんな説明を聞いていたが、村長の話が途中だったのに気付き話を戻した。

 

「スマン村長話の腰をおって、ところで牙狼族の戦力はどれくらいかわかるか?」

 

「はっはい、牙狼族は我らが10匹でも厳しく、牙狼族は100匹に対しこちらは戦えるの雌を含めて60匹です」

 

 牙狼族はどうやらかなり強いらしい、しかも絶望的な戦力差であるのは明らかだ、リムルも絶望的だと考えたのか萎んでいたが、再び膨らんだ。

 

「その情報は間違いないのか?」

 

「はい、リグルが調べたから間違いないかと」

 

「リグル?」

 

 村長の話ではこの村で一番強く彼が命と引き換えに得た情報のようだ。

 

「自慢の息子でした。そしてこれの兄でもあった」

 

 そう言うとバンダナのゴブリンが涙を必死に抑えていた。

 兄弟仲がとても良かったと見ただけでわかった。

 

「俺たちがお前たちを助けるとして、お前たちは俺たちに何を差し出す?」

 

 リムルがいきなりとんでもない質問をし驚いたが、リムルはきっと体裁を整える為だと気付きゴブリンたちの答えを待った。

 すると村長とバンダナのゴブリンは互いに目を合わせて頷き合いこっちに視線を戻した。

 

「我々の忠誠を捧げます」

 

 彼らを迷いなくはっきりと答えた。死んでいった仲間たちのためにもなんとしても生き残る、そんな思いを彼らの視線が語っていた。

 

うぅうぉぉぉぉぉん!

 

「牙狼族の遠吠えだ…!」

 

「ち、近いぞ」

 

「おしまいだ!」

 

 ゴブリンたちがパニックを起こし村長とバンダナのゴブリンが落ち着かせようとしたが、なかなか落ち着かなかった。

 

『(リムル、俺が今何を考えてるかわかるか?)』

 

『(このゴブリンたちを助けたいだろ?だったら俺も同じ考えだ、この場は俺に任せろ)』

「怯える事はない」

 

 リムルの一声でゴブリンたちの視線が集まるがリムルははっきりと言った。

 

「お前たちの望みを叶えよう」

 

「では……」

 

「ああ、約束する、暴風竜ヴェルドラに代わりこのリムル・テンペストと」

 

「リード・テンペストが」

 

「「聞き届けた!」」

 

 一瞬の沈黙ののちこの場にいるゴブリンたちが一斉に平伏をした。

 

「我らに守護をお与えください、さすれば今日より我らはリムル様とリード様の忠実なるシモベになります!」

 

 これで俺たちは守るべき者達が出来た、ちゃんと守らないと、俺は自身のユニークスキルを使う資格がない。

 

       ⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪

 

 俺とリムルは別行動をとることにした、リムルは重症のゴブリンの治療、俺は柵の製作に取り掛かった。

 しかし、柵の棒はそれなりに頑丈だがロープの強度がそれ程なかった、これでは数発程度の衝撃しか保たない。そんな事で悩んでいるとリムルの治療が終わってこっちに来た。

 

「どうだリード、出来ばえは?」

 

「強度がちょっと脆い。これじゃすぐに破壊される」

 

「成る程なら俺に任せろ!『粘糸』!」

 

リムルは洞窟で獲たスキル『粘糸』を使い、柵を強度を上げた。これなら多少は保つ。

 

「サンキューリムル、俺のスキルって戦闘系しかないから今度幾つか憶えるよ」

 

「いいぞ別に、それに使いようによってはかなり強力になるから他のスキルも積極的に使うように」

 

「了解、あっそうだ、みんなに大至急作ってほしいものがあるんだけど頼めるか?」

 

「「「?」」」

 

 こうして俺たちは日暮れまでに出来るだけ、牙狼族の対策を施した。

       ⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪

「リムル来たぞ、数は情報どうり100匹はいる」

 

「そうかじゃ、行くぞリード!」

 

「おお!」

 

 日が完全に落ち、月が照らす夜に牙狼族が俺たちの前に現れた。

 

「良いことを教えてやる!これ以上来ると命はないぞ!」

 

「命が惜しかったらさっさと帰れ!」

 

「スライム風情と人間如きが何を言っている!ゴブリン共を皆殺しにしろ!!」

 牙狼族の数匹が俺たちを襲おうとしたが、突然何かに切り裂かれような傷を負い絶命した。すると周りにリムルのスキル『鋼糸』が柵の前に張り巡らされていた。

 

「!!貴様らの仕業か?!」

 

「正確にはこのスライムの仕業」

 

「おのれ!!行け、血の色と臭いであの糸を突破しろ!!」

 

 リーダー格の牙狼族の指示で再び牙狼族が数匹が『鋼糸』を避けて来てが、俺はリムルたちに頼んでいた弓を構え1本の矢に俺のスキル『閃光』と『竜巻』を溜めて放った。

 すると放たれた矢は5本になり、光の速さで牙狼族の眉間を射貫いた。

 しかし、弓は放った衝撃で二つに折れてしまった。

 

「貴様……何者だ!?」

 

「あんたと同じ魔物…といっても最近生まれた新しい種族で、この力の力加減もまともに出来ないけどな」

 

「おのれ!小賢しいことを許さん!!!」

 

「親父殿!!」

 

 リーダー格は息子であるであろう星の痣がある牙狼族の静止を聞かず、こちらに突っ込んできた。俺の弓も流石に間に合わないがもうこの戦いは詰んでいる。

 何故ならリーダー格がリムルを襲おうとしたら空中で止まったからだ。

 

「な!?こっこれは?!」

 

「勝負は決したな」

 

 実はリムルは『鋼糸』と『粘糸』の二重の罠を仕掛けておいた。

 

「おのれ!こんな糸などすぐに………貴様どこに行く!」

 

「リムル………」

 

「ああ、スキル『水刃』!!」

 

 リムルが『水刃』を放ち、リーダー格の首が落ちた。戦いは牙狼族のリーダー格の死によって決した。

 

「お前たちのボスは死んだ!選べ、服従か死か!」

 

『(ちょっとリムル何言ってんの、それじゃ最悪「服従するくらいなら死を!!」ってなって犠牲がもっと増えるぞ!!)』

 

『(スマン、失敗した…あ、良いこと思いついた!)』

 

 リムルはそう言うと牙狼族のリーダー格の死体を捕食した。

 

『告:個体名リムル・テンペストがスキル『超嗅覚』、『威圧』、『思念伝達』を獲得、エクストラスキル『繋がる者』で獲得しますか?』

 

(YESで)

 

『告:エクストラスキル『王の器』により、スキル『威圧』がエクストラスキル『王の威圧』になりました』

 

 ………なんか、スゴいスキルになったがこれの確認はあとにして、俺は牙狼族の警戒を続けていたら、リムルが捕食したリーダー格に擬態していた。ちなみに擬態はリムルが捕食したものなら、変身出来ることを洞窟脱出の時に知った。

 

「ククク、仕方がないな今回だけは見逃してやろう、我に従わぬと言うのであればこの場より立ち去ることを許そう!!」

 

 リムルがそんな芝居をして牙狼族を逃がそうと遠吠えまでしたが、牙狼族はそれでも近づいてきた。

 

(ヤるしかないか)

 

 俺は再び弓を取ろうとする。

 

「「「我ら一同、貴方様達に従います!!!」」」

 

((え?/は?))

 

 すると、牙狼族が皆、服従の姿勢をみせた。

こうしてこの戦いは俺たちが勝利し、牙狼族が新たな仲間になったということで幕をおろした。

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