そして、遂に我が
明朝、シェアハウスのリビングで
「それじゃあ、最終確認をする」
俺は、みんなの表情を一人一人確認していく、みんなの表情に迷いなんてものは始めからないという事は知っているが、念のためである。
「それじゃあ、まずコハクとリュウエイ」
「「ハッ!/はい!」」
「二人は、フォス、ネム、ステラの三人と行動を共にする。その後は二人の判断に任せる」
「「了解しました/わかりました」」
コハクは初陣が残酷なのか少し震えていたが、リュウエイが手を握り落ち着かせる。
「次に、ギドラとゲリオン」
「「ハッ!」」
「二人は『影移動』で、少数の部隊に奇襲を仕掛けて、これがあれば、『
俺は、みんなに渡した腕輪を確認させる。これは、俺と
ギドラは腕に、ゲリオンは角に腕輪をとおすと吸い付くように装着された。
「次にレミン」
「はい」
「レミンは孤児院を守って、レミンの魔法なら、十人位の騎士を一時なんとか出来ると思うけど…」
「問題ありません。ベルンが後で助太刀に来てくれるなら守りは完璧です」
流石は、先代の魔王ルミナス・バレンタインの姪、自身満々だな。
「次、リグル、ウォズ、コウホウ、ベルン」
「「「「ハッ!」」」」
「ベルンは正面から来た百騎以上の騎士の足場を崩した後、レミンが守る孤児院に向かって」
「了解しました」
「そして、リグル、ウォズ、コウホウが騎士達の相手をする。三人とも大丈夫?」
「我一人でも事足ります」
「私の最初の任務に比べたら、全く楽な仕事です」
「コウホウ達に鍛えられたこの力を存分に使える良い機会で、全く問題ありません!」
三人とも、凄まじい自身で答える。まあ、この三人なら問題ないか。
「最後に、ホウテン」
「ハッ!」
「お前がこの作戦で、最も重要な役目である事は、変更前と全く変わらない」
「もちろんです」
「それじゃあホウテン、みんなの援護をお願い」
「お任せを、最低でも二十人程はあの世に送ります」
ホウテンは、背中に大量の矢が入った包みを背負いながら答える。
「そして俺は、リムルが襲撃にあったら救出に向かう何か質問は?」
「よろしいですか?」
「なんだウォズ?」
「何故急に作戦を変更したのですか?」
「……………」
「当初の作戦は我が主が
ウォズの言いたい事はわかっている。ウォズは俺が急に作戦を変えたことの理由が知りたいというのだろう。おそらくこの場にいるみんなも…
隠しても仕方ないか。
「命よりも大切な
「………いえ、十分すぎます」
「それじゃあ、『テンペスト防衛戦』の最終確認はこれで終わり、後は各々で準備して」
『『『『ハッ!』』』』
俺は、自然義兄さんと合流するためにみんなよりに先にシェアハウスを出た。
「コウホウ、我が主のあの目隠しは一体?」
「なんでもまた『聖眼』と『魔眼』の調整が出来なくなってしまい、その負荷を軽減するためにシュナ様に頼んで作ってもらったそうだ」
「………そうかい」
この時、ウォズの脳裏に最悪の未来にいた主の姿を思い出していた。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
ヨウム達が泊まっている宿泊所に、シゼンは朝食を
「やっぱり、
シゼンは楽しそうに食べていたが、フラメアは浮かない顔をしていた。
それに気づかないシゼンではなく、
「どうしたフラメア?」
「………シゼン様、私に何か隠してませんか?」
「………そういえば、お前とはミュウランより長い付き合いだったな」
「……………」
フラメアはシゼンがこの世界に来て、助けた者の一人でその時衰弱していたフラメアを看病し、シゼンが軽い気持ちで『名付け』をした者であった。
幸いにもシゼンは弱体化することはなく、寧ろ強くなっていったので安心された。
その後、シゼンと行動を共にし、シゼンのサポートまでするようになっていた。
「確かにお前には隠している事がある。だけど言えねぇ」
「っ!…それは私が弱いと…?」
「ちげぇよ、俺が弱い部分を見せれる数少ない存在だからだ」
「!?」
シゼンは食器を片付け、着替え始める。
「だからフラメア、俺から主として
「……………」
「必ず戻るから、ここから一歩も出るな」
「っ!………はい!」
「………行ってくる」
シゼンは準備を終えるとそのまま宿泊所を後にした。
取り残されたフラメアは、服を強く握り締めた。自身の弱さに、そしてその弱さがシゼンの足枷になっていることにフラメアは気づいていたのだ。
「なんで私のユニークスキルは戦闘系じゃないの?」
自身のユニークスキル『
しかし、このスキルのお陰でシゼンはフラメアに完全に心を開くことが出来た。
過去の嬉しさと今の悔しさ、矛盾する気持ちがフラメアの心に広がっていった。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
もうすぐお昼になろうとしている。
その間、ウォッチのメンテナンスをしていた。自然義兄さんがクウガの力を得ると、ウォッチは消滅することなく再び俺が起動させても、変わらず力を使う事が出来た。
不思議に思ったが、起こってしまった事をいちいち気にしてたら大変だ。
「よう!待ったか?」
「ううん、大丈夫」
「そうか」
自然義兄さんと並んで俺達は、
これから起きる戦い、これを終えたら俺はもしかしたら盟主の地位を追われるかもしれない。いや、みんなから恨まれて、俺は追放になるな。
それだけの事を俺はこれからするんだ。けど、シュナを守るためなら安い代償だな。
「覚悟は出来た?」
「自然義兄さんは?」
「俺は、いつでもお前と一緒に行くぜ!」
「………暑苦しから、それは勘弁して」
「なんだと!」
「………フッ」
「………へ!」
今のやり取りをしてると、本当に、
「それじゃあ」
「おお!」
俺はジクウドライバーを、自然義兄さんはアークルを出現させた。
『ジオウ!』
『ディディディケイド!』
「「変身!」」
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!アーマータイム!カメンライド!ワーオ!ディケイ、ディケイ、ディケイド!』
俺は仮面ライダージオウディケイドアーマーに、自然義兄さんは仮面ライダークウガマイティフォームに変身した。
「それで、どこに飛ぶんだ?」
「上空」
「………え?」
俺は自然義兄さんと一緒にイングラシア付近へ転移魔法で移動した。
それと同時に
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
「うおぉぉぉーーー!バカバカバカ!!どこの世界にいきなり空高い位置に転移する馬鹿がいるんだよ!!」
「この世界。そしてこの俺」
「俺空飛べないんだけど!?」
上空に転移すると自然義兄さんは反射的に俺の足を掴んだ。
正直言って放してほしい。百キロ以上の重さを持つ自然義兄さんを吊り下げるのは、いろいろとキツい。まあ百キロ以上の筋肉の塊である自然義兄さんを吊り下げてる時点で俺も異常なのだろうけど。
そんな事を考えていると、六角形上のドームのような結界を見つけた。
「
「西方聖教会が対魔物用に開発した結界『
「俺ら人間は?」
「人間は元素魔法が使えなくなるくらいかな?」
「じゃあ問題ねぇわ。………!?オイ聖司アレ!!」
「ん?………!!姉さん!」
ゲイツに変身したリムルが戦っていたのは、俺が十年以上会いたかった
(………綺麗になったなあ、姉さん)
俺は今すぐ、会いたい衝動に駆られたがなんとか心の底へ押し殺す。
頬に水滴が流れるのを感じる。変身しているから滴は落ちないから自然義兄さんに気づかれないだろうけど…
「ホントにお前によく似てるな~、特にあの怖い目付きとか」
「あ゛あ゛あ゛?」
自然義兄さんの目は節穴かな?どこをどう見たら姉さんのあの目付きが怖いの?
というか今の姉さんは静かに怒ってる感じだから、目付きはそんなに怖くないっての!!
俺は腹いせに、自然義兄さんを掴まれていないもう片方の足で蹴り落とした。
「テメェこの野郎ーーーーーーー!!!」
「言葉は選べ、馬鹿義兄」
さて、自然義兄さんに後は任せて、俺は姉さんの部下
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
ヤバイな、ゲイツに変身出来てもドライブアーマーを纏う暇は与えてくれないか。
このヒナタってヤツ、まるでリードを相手にしてる気分だ。
「戦闘中に考え事なんて随分余裕そうね」
ヤバッ!そう思って瞬間、一瞬で懐に入られて
ゲイツに変身していても結構なダメージだな。
さて、説得は相手がまともに聞く耳を持ってないから無理、かといって勝つとなるとな…
「ぅぉぉぉおおおおおお!」
うん?なんか空から聞き覚えのある声が聞こえてきたんだが、どうやら幻聴ではないようだ。その証拠にヒナタも上空を見上げた。
俺も上空を見上げると、その音源らしきものを見て唖然としてしまった。
だって、仮面ライダークウガが空から落ちてくるって誰が予想出来る?
そのまま仮面ライダークウガは地面に落下し、巨大なクレーターが出来た。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
「あ、あの野郎…あ、後で絶対にぶん殴ってやる!俺じゃなきゃ死んでたっつうの!」
クウガに変身したシゼンは穴から脱出すると、ヒナタとリムルがいると思われる方角を見ると、リムルもヒナタもシゼンに注目していた。
(か、仮面ライダークウガ!なんでこの世界に?!)
ヒナタは、リムルが仮面ライダーに変身したことに驚いていたが、今目の前に自身も何度も見たことあるヒーロー仮面ライダークウガが現れたことに言葉を失いていたことにリムルもシゼンも気づいていない。
そして、シゼンはゲイツに変身したリムルを見つけると一瞬でリムルの前に移動し、頭を下げていた。
「………お久しぶりです。三上さん!」
「!?その声!お前自然か!?」
「はい!詳しい事はアイツから聞いてます。ひとまず三上さんは先に逃げて「自然!」」
シゼンがリムルを逃がそうとしていると悟ったヒナタは、背後から
「正義の味方の仮面ライダーが魔物を見逃すなんて、信じられないわね」
「………魔物っていう理由だけで殺すのも、正義とは思えないけど」
シゼンは
「三上さん、取りあえずここから逃げて後で合流しましょう。」
「だけど、それじゃお前が!」
「俺達、二十年以上
シゼンはマスク越しで満面な笑みを浮かべサムズアップをする。
これは、シゼンが他人を安心させるための癖である事をリムルはよく知ってる。だからリムルは何を言っても聞かないとわかった。
(変わらないな、相変わらず)
「………じゃあ悪いけど頼むぞ!」
「はい!」
「逃がすと思う?」
ヒナタはリムルの逃亡を阻止しようと再び襲いかかるが、シゼンは
「同じ人間兼聖人同士、仲良くしようよ」
シゼンは棒に力を込めると、魔石製の棒は青い棒『ドラゴンロッド』へと変化し、クウガの赤い鎧は青い鎧へと変化していき、仮面ライダークウガドラゴンフォームへフォームチェンジした。
「…確かに今の一撃を止められたら、貴方の言うことは嘘じゃないようね。その上で残念だわ」
「その理由は?」
「決まってるでしょう。貴方が魔物の味方をしているからよ」
ヒナタの言葉にシゼンは考える素振りを見せる。ヒナタは先ほどから二回も自分の攻撃を止めたこの男に言動に細心の注意をはらって観察していた。
「………確かに、弱いヤツは、自分たちより圧倒的に強いヤツの存在を恐れているのはよく分かる。だけど、正直俺は魔物も人間もそんな変わんないと思うぜ」
「なんですって?」
「だって俺、人間だけどバケモノみたいな強さ持ってるから」
「………?」
シゼンの言葉に理解出来ていなかったヒナタ。
しかし次の瞬間、その意味がいやでも理解出来た。
シゼンが一瞬で間合いをつめ、ドラゴンロッドを振るう。ヒナタはこの時、受けようとしたが、何故かそれが間違いと直感し回避する。ヒナタはその直感に救われた。
振り下ろされたドラゴンロッドは直径二メートル程のクレーターを作った。
(ドラゴンフォームにこれ程の力はないはず!まさか…)
「お前に良いこと教えてやるよ。俺の筋肉量は常人の十数倍。そして筋肉の密度は常人の数十倍。この意味が分かるか?」
「!!」
ヒナタはこの時今目の前にいる人間は自分より格上の強さ持っていることに気づいた。
「さあ、お前の実力を見せてくれよ、
シゼンは、再びヒナタに仕掛けていった。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
「う~ん、やっぱり奇襲攻撃には弱いな」
俺は気絶させた
俺は
でもまさか、
実力的には、今のベニマル達じゃあ厳しいかもな。
でも、その問題もすぐに解決するな。
「さて、俺もリムルと合流………うん?」
なんだ?『魔力感知』に何か引っ掛かった。
………調べてみるか。
俺は転移魔法で魔力感知で感じた場所にとんだ。
こうして、我が魔王と私たち
それは、我が魔王に大きな心の傷を負わせる結果になるのだが、それすら我が魔王にとって覚悟の内であった。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
ファルムスの騎士団長フォルゲンは目の前の光景を理解できずにいた。そしてそれは彼の部下も同じことでもあった。
「は、話が違うぞ!」
「この
百騎近くいた部下のうちおよそ三分の一が、二人の鬼人と人類の英雄の一人ウォズによってその命は絶たれた。
「弱過ぎるな」
「確かに」
「ファルムスがそれ程油断していたってことさ。それにしても、『味方が殺された又は殺されそうなら、魔物や人間関係無く最悪殺して構わない』とは我が主は流石だね」
ウォズはそう言って、近くにあった遺体を抱いた。
「私は、彼らを運んでくる、ここは君たちに任せても大丈夫かい?」
「もちろん!」
「寧ろ思いっきり暴れられる」
「…頼んだよ」
ウォズはマフラーで、遺体を中央の広場へ運んで行った。
「さて、行くぞリグル」
「おお!」
ここから二人の鬼人による、一方的な虐殺が始まった。