この進化で果たしてシオン君達は生き返る事が出来るのか。私達には最早かける事しか出来ない。
ランガが町につくと、眠りついたリムルをシズが、リードをシュナが受け取った。
「リムルさん…」
「よくぞご無事で…」
「おいギドラ!どうした?」
「それが急に眠ってしまって…」
「なんだと?…っ!?これは…っ!?」
ウォズとコウホウがギドラを受け取ると、シゼン以外の
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リードは深い眠りについていた。そんな心の奥底にある強い思いに答えるかのように、進化は続いていく。
『告。
更なる力を欲するリードの願いを叶えるように、更に続いていく
『告。ユニークスキル『大賢者』より世界の言葉へ請願。『大賢者』の進化を申請。』
『了。ユニークスキル『
『『
『告。『
この世界でごく僅かの者にしか辿り着けない超克進化に成功する。
そしてこれを切っ掛けに奇跡が続く。
『更に
更にエクストラスキル『闇』とそれに連なるスキル、そしてユニークスキル『
この瞬間、リードの意識だけが深層心理で目覚めた。
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「おいお前ら、そろそろ………」
このやり取りを五分以上していて流石にやり過ぎと感じたシゼンが止めよとした時、
『告。個体名リムル・テンペストとリード・テンペストの進化が完了しました。続いて、系譜の魔物と人間への
「ギフト?なんだそりゃあ?………は?」
シゼン達が世界の言葉を聞くと、すぐそばにいたシズとイフリートが倒れた。
「シズさん!?…おいおい、どうなってんだ!?」
回りを見渡すとシズだけでなく、町の住民も次々に倒れていった。
(どういう事だ?三上さん達の進化の影響かさっきの
シゼンが一瞬で冷静になり状況を分析していくなか、シュナは必死にリードに近づき、手を握った。
「リード…さん………」
シュナがリードの名を呼び力強く握ると眠りに落ちたが、リードの手も一瞬だけ強く握り返した。
すると、スライム状態だったリムルが人型になり目覚めた。すると、シゼンは全神経をリムルに集中させた。
(なんだこいつは?見た目は完全に人間に擬態した時の三上さんだけど、纏う空気と気配は完全に別人………まさか、三上さんのスキルって自立稼働型!?)
シゼンは思考加速を限界まで引き伸ばし、仮説を立てていく中、今度はリードが目覚めた。
しかしシゼンはこのリードが別人だと直感した。
(おいおい、どうなってんだ!?)
『告。後は任せて眠りにつきなさい。』
リムルの口から柔らかく穏やかな声が頭に響きと、最後まで耐えていたベニマルとウォズ、コウホウが眠りについた。
一方リードは、手を握っていたシュナを横抱きにした。蝶や花以上に慎重に大切に抱える。
「お前ら
シゼンの問いに、二人はそれぞれ答えた。
『代行者』
「審判者」
「なに…?」
二人は、シゼンの問いに答えると死者蘇生の儀式"反魂の秘術"の準備を始めた。
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「なんだここ?」
俺は意識だけが、深層心理で目覚めたという事しか分からず、真っ暗な空間にたたずんでいた。
何故この空間が深層心理だと知っているのか、それはわからない。けど何故かわかるのだ。
「ようやく…来たか…」
「!?」
聞き覚えのある声が俺に語りかけ、声の発生源を見ると、そこにいたのは精霊の棲家で見たヤツだった。
「お前は…!」
俺が戦闘態勢にはいろうとすると、ヤツは両腕を挙げて戦う意志がないことを伝えた。
「………?」
あの時と違い、まるで何かを伝えたいように感じるとヤツは俺の後ろを指差し、俺もつられて後ろを見たら。
「何…これ…」
そこにあったのは、でたらめな大きさである扉だった。強大な錠前で固定された鎖のセットが十組以上かあり、地面に同じようなものが二組落ちていた。
俺は錠前を拾い裏を見るとそこには、
「ギィ・クリムゾンにこっちはラミリス。なんであの二人の名前が………え?」
錠前に彫られた名前に驚いていたが、それよりも驚くものが目の前に現れた。
「この扉って………」
それは、母が再婚する前に住んでいた家の扉だった。
茫然とする俺にヤツが耳元で呟いてきた。
「何故お前は…実の父が死んだと…知っていたんだ?」
「それは、姉さんが………アレ?」
俺はなんで、父さんが
まだ幼い俺が、誰かに言うかもしれない可能性を姉さんが考えていなかったなんて思えない。
いや、そもそも姉さんが俺に教える必要はどこにもない。こんなこと、誰にも言わないのが普通だ。
じゃあなんで俺は、父さんが死んだって知ってるんだ?
なんで?なんで?なんで?
「答えは…その扉の…先に…ある…決めるのは…お前の…意志だ」
ヤツは俺から離れると、俺はこの扉の先を知らなければならない。
しかし、開けてはダメという声も聞こえる。
そして俺は意を決して、
「………ふーー、ふん!」
扉を開けた。
そしてその先にあったのは、
「………え」
心臓から大量に血を流し死亡した父と、血塗られた包丁を持っていた幼い時の俺だった。
「ああ…ああああ……ああああああああ!!!」
そうだ、思い出した!
父さんを殺したのは、姉さんじゃない!まだ幼い俺だったんだ!
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当時優しかった父さんが急変したのは、父さんの会社が倒産し、借金をしただけでなく、ギャンブルに手を出したのだと中学に上がって時に母から聞いた。
しかし、当時の俺はそんなこと知る筈もなく父さんが母さんに暴力を振るう姿を見ていて機嫌が悪すぎるとその暴力が俺を守ってくれた姉さんにも振るわれることがあった。
姉さんは俺を父さんから守ると頻りに、
「大丈夫、大丈夫だよ。あなたは私が守るから安心して聖司」
と、頭を撫でて俺を不安にさせないようにしてくれた。
だけど、その時の俺は、今の父さんは姉さん達を傷つける敵でしかないという認識になっていった。
そして、ある日酒を飲んでリビングで眠る父さんを台所から持ってきた包丁で、心臓のある箇所を狙って振りおろした。
刺された父さんは、俺の姿を見ると驚いた表情をすると何故か、笑いかけてくれた。
「ごめんな、聖司…大きくなったらお前が母さん達を…守るんだぞ」
父は、血まみれになった手で俺の頭と頬を撫でてくれるとこの世を去った。
大量に血を流す父さんを見て、当時の俺は何を言われたのかよく分からなかった。
けど今なら分かる。父さんは、俺に時魔家の血を濃く受け継いでいることを気づいていたんだ。だからいつかこうなる事は、分かっていたから父さんはあの言葉をかけてくれたんだ。
その後、父さんの遺体を最初に目撃した姉さんが状況を一瞬で理解して、包丁と父の遺体を何処かへ捨てて行き、それから小学生になるまで毎晩一緒に寝てくれた。
だけど、それは俺が悪夢を見て怖い思いをさせないためじゃない。
「いい聖司、お父さんを殺したのは私。これは私達二人だけの秘密だから誰にも言っちゃダメ。わかった?」
「………うん」
「じゃあ私が言った事をもう一度言ってみて」
「お父さんを殺したのはお姉ちゃんで、この事は僕達だけの秘密だから誰にも言っちゃダメ」
「そう、よく出来たわね」
姉さんは、俺の心を守る為に毎晩同じ事を繰り返し言わして、それが真実だと信じ込ませたんだ。
俺の心が罪悪感や後悔で押し潰されないように、ずっと俺は姉さんに心を守られていたんだ。
「………ありがとう姉さん。俺をずっと守ってくれて」
俺は泣きながら感謝の言葉を口にした。
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「お前は…姉を…憎むか?」
元の真っ暗な空間に戻るとヤツが尋ねた。
憎む?俺が?姉さんを?そんなこと
「そんなこと、天地がひっくり返ってもあり得ない!」
はっきりと答えるとヤツ微笑むと、自分の胸部を自身の手で貫いた。
「!?」
驚く俺を無視し、透明な球体を取り出し俺に与えた。
『告。ユニークスキル『
何やらとんでもない言葉が聞こえてくると、ヤツ続けて両手から何か出してきた。
「卵に…種?」
ヤツは卵と種を出すと、自分の体内に取り込むと、体が光り出し有るものへと形が変わっていった。
「これは…ジオウⅡウォッチ!」
ジオウⅡウォッチの完全版が俺の手に収まるとD'9サイドが黒くD'3サイドが白く輝きだした。
俺はあまりの眩しさに目を瞑り、光がおさまるのを感じて目を開くと、
「っ!これが俺の新しい力」
そのジオウⅡウォッチを使う時の自身の姿を確認すると、俺の意識は再び深く眠った。
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「どうなってんだこれ…」
シゼンは目の前の光景を理解する事は出来ていたが、そう言わざるを得なかった。
リムルとリードの見た目をした奴らは、この町を覆っていた四つの結界でシオン達の魂を完全に保護し、後はそれをシオン達の遺体に宿せば完了のはずなのだが、何故かそれを実行しようとしない。
すると、リムルの傍に三体の
「我が主ただいま戻り…まし…た…」
グレイドがリードに抱えられているシュナを見ると、驚愕のあまり口が開き、しばらく塞げずにいた。
「グレイドまさか…」
「間違いないのかい?」
ティアノとダイロスの問いに頷いて答えるとティアノとダイロスも同じ表情に変わった。
一方、リムルに召喚された
「ただいま戻りました我が君」
「
「やめろグルーシス、コイツらは三上さんと聖司が呼んだ
「はい。あなた達に敵意はないのでご安心してください。本来なら儀式が終わるまでまつつもりでしたが、どうも
『…是。規定に必要な
その言葉で慌てる
「お待ちください我が君!代用にご自身の生命力を用いずとも……良き考えがございます」
「この者共をお使いくださいませ。この者達も貴方様のお役に立てるなら光栄です。それこそが我等にとっての最大の喜びなのですから」
配下の
そんな光景をシゼンは兄貴分の見たことない冷酷で冷たい瞳に不安を覚え、今のリムルが豹変しない事をただただ祈る事しか出来なかった。
『了。規定に必要な
『
『規定に必要な
それはまさに神の奇跡、シオン達百名の魂が全員に宿ったのだ。
(この世界に来て学んだ事は、あり得ない事象が少なすぎるってことだ)
シオン達の蘇生を終え、スライム状態になって地面に落下しかけるとシゼンがすかさず受けとめ、
一方リードは、何やら召喚魔法を発動させていた。
「我が呼びかけに答えよ!
リードが魔法を発動させると、光と闇の上位精霊が二体一組、それが五組現れた。
「眠っている五人の勇者のもとへ行け」
五組の精霊の内一組は西へ、三組は南へ、そして最後の一組はシゼンに直進してきた。
「!?」
突然の事でシゼンも反応が遅れそのまま二体はシゼンに宿った。
「なんだ!?今のは一体?!」
『告。個体名
ユニークスキル『
「………は?」
シゼンが聞いた世界の言葉に理解が追い付いておらず、声をあげると、リードが後ろに倒れるの気づくのが遅れた。
「聖司!」
シゼンがリードを支えようと動く前に、グレイドが後ろを、ティアノとダイロスはシュナが落ちないように支えた。
「お疲れ様です。我が主」
リードとシュナが無事と分かり安堵したシゼンは、何やら小さな音が聞こえてきた。それは、シオン達のところからである。
「!?」
シゼンがシオン達を見ると、シオンがゆっくりと目を開けるところを目撃した。
どうも~ウォズが眠ったから俺が変わるぜ
こうして、三上さんと聖司はシオン達の蘇生に成功した
けど、あの時召喚された精霊達は一体どこへ行ったのかは方角以外何もわからない