俺達は嵐牙狼族に乗り、ドワーフの王国を目指していた。嵐牙達のスピードは異常に速く俺はリムルに教わった『粘糸』を使って固定していた。じゃないと振り落とされるおそれがあるからだ。
一瞬ゴブタの方を見たら、顔がスゴいことになっていた。因みにリムルは俺の前にいる、絶対これ俺を壁代わりにしてるだろ。
『(リムルさん、頭に乗っても良いんですよ?)』
『(いやいや、この位置が落ち着くから良いよ別に)』
そんなことを言っているが明らかに楽をしているのが分かったので、強引に頭の上に乗っけた。
『(ちょっとリード君!良いって言ったよね?!)』
『(いやいや遠慮しないでこの速度を楽しみましょう!)』
『(勘弁してーーーーーー!!)』
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あまりの速さに最初はキツかったが、だんだん馴れてきてそのうち『思念会話』でリードとリムルは休憩をするよう促し、川辺で休憩をとっていた。
「なあリグル、君のお兄さんは誰に名前を与えたんだ?」
「はい!兄はゲルミュッドという魔人に名前をもらいました」
魚を捕りに行ったリード達を待つ間、リムルはリグルの兄の名付けを行った者のことを聞くとリグルは真っ直ぐリムルの方を向き答えた。そこに魚を捕りに行ったリード達が戻って来た。
「その話なら俺も聞いた。確か魔王軍の幹部の者で数日滞在して、お兄さんに見所があるとか言って名付けたんだっけ?」
「おかえりなさいませリード様!ハイその時は兄は我々程の変化はありませんでした」
『(名付けって付ける者によって変化が違うのか?)
『(そうらしいな、あっ!リムルすまないが俺はちょっと嵐牙に用があるから少し離れるぞ)』
『(ああ、構わない)』
リグルの話を聞き『繋がる者』での脳内会話でリードは川で水を飲んでいる嵐牙のところに向かった。
「嵐牙、少し良いか?」
「ハッ!もちろんです我が主!」
「他のヤツは先に飯をすませてこい」
「お前達に我が主の指示だ、先に行ってくれ!」
嵐牙はそういうと、配下の嵐牙狼族をリムルのところに向かわせた。
「して我が主!何か御用で?」
「いや、ずっと聞こうか悩んだがやっぱり聞きたい、
………………お前は親父を殺した俺とリムルが主で不満じゃないのか?」
リードはこれまでずっと嵐牙のことが気になっていた、格下と思っていた相手に敗れ、自身の父親を殺されて嵐牙は自分たちのことが憎くないのかと。
「…………リード様がおっしゃりたいことは分かります。しかし貴方様方は敗れた我々に配下になる機会を与え、それだけでなく我々に名を与えくだり我々は悲願の進化に達成しました。恩を感じていますが仇なすつもりはありません!」
「そうか……それを聞いて安心した」
「それに…」
「?」
「貴方様はリムル様が眠っている間、毎晩死んだ我らの仲間やゴブリン達のために墓を建ててくれました。
こんな素晴らしい主達は他にいません!!」
リードは嵐牙に3日間墓を建ててたのを気付いていたことに驚いていた、何故なら彼は墓を建てている間自分が反応出来る最低限の範囲で『魔力探知』を展開していたからである。
「………いつから気付いてた?」
「リムル様が眠っていた初日からです!」
「………マジかぁ、嵐牙スマンがこの事は内緒で頼む」
「ハッ!」
「じゃあ飯にするか、皆待ってる」
「分かりました!」
こうして、俺達は飯を食べるためにリムル達のところに戻った、リムルにはどうやら『繋がる者』で聞かれていたらしいが皆には黙っていてくれた。
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夜になり、森で休憩をとっていたリムル達はリードが仕留めた鹿の魔物の肉を食っていた。
「そういえばゴブタ、ドワーフの王国ってどんなところだ?」
「ハッハイッス、正式には武装国家『ドワルゴン』ってところで、中には魔物も入ることが出来るんっす」
「へー、良い国だな」
「エルフや人間も多いことで有名っす」
『(エルフ!!)』
『(落ち着けリムル…)』
「しかもその国は千年無敗の国でもあるんです」
『(千年!敵にしたくない相手だな)』
『(同感でもなんか順調すぎて、嫌な予感がするんだが?)』
『(考え過ぎでしょう)』
ゴブタとリグルの話を聞いたリムルとリードはドワルゴンの凄さを知り驚いていた、そしてリードの胸騒ぎをリムルは軽く否定した。
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ドワルゴンに着いたリムルとリード達はゴブタだけを連れて行くことにした。理由はあまり大型の魔物を連れて行くと怖がられるからだ。リグル達はしょんぼりとした顔で了承してくれた。
「ずいぶん厳しいチェックだな?」
「ハイっす、でも中に入った後は自由に動けますけどね」
「ふーん」
「おいおい、魔物がこんなところにいるぜ?」
リードが憂鬱の顔になり、ゴブタは怯えながら後ろを向くとリードの頭に乗っているリムルはリードと一緒に後ろを向いた。
「まだ、中に入ってないからここなら殺してもいいんじゃなねぇの?」
『(何でこういう時に嫌な予感は当たるのかな?)』
『(ドンマイ、リード君)』
絡んできた人間の2人の冒険者は三流の悪役台詞をはいていたが、リムルとリードは脳内会話で聞き流していた。
「てゆうか、しゃべるスライムって高く売れるよな、
おい兄ちゃんそのスライム俺らに売ってくれる?」
「あぁ?(怒)」
冒険者の言葉にリードが流石にキレた、それもそのはずリムルのことはやはり先輩として尊敬しているところがあるからだ。それなのに売れと言われてまずキレないはずがない。
「ゴブタ君」
「はっはいっす!!」
リードの普段聞いている低い声に殺気がのり、ゴブタは失禁寸前であった。
「リムルを少し頼む」
「りょっ了解っす!」
「あと、後ろを向いて耳を塞いでくれ良いな?」
「はっはいぃぃぃぃぃ!!」
「おっおいリード、やり過ぎるなよ!」
「分かってる」
リムルも今のリードが危険と判断したのかやり過ぎないよう注意したが心配している。
「おい格下冒険者」
「なっ何だよ?」
「あいにく、俺達はお前達みたいな無能な連中に用はないさっさと消えろ」
「テメェ、人が下手に出れば調子にのるな!」
リードの発言に怒りを表した冒険者はそれぞれ持ってた武器を抜きリードに襲いかかった。
じゅうぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!
「はっ?」
冒険者達は確かにリードを切った。しかし、リード本人は涼しい顔をしている。何故なら刃の部分が溶けていたからだ。
「てっテメェなにした?!」
「何って?見ての通り溶かした」
「ふっふざけるな!!テメェ魔物か?」
「さあ?格下に教える必要はない、ところで後ろに控えてるそちらの仲間は来ないの?」
リードがそう言うと後ろにいた冒険者達の仲間3人が戦闘態勢でこちらに来た。リードに襲いかかった冒険者達は勝ち誇った笑みを浮かべた。
「へっ!いくらがテメェが強くても冒険者5人じゃこっちが有利だ!」
「…あっそ、今度はこっちから行くぞ?」
リードはそう言うと右手を引き、左手を前に出した。
そして、瞬間リードの姿が消えた。
そして次の瞬間
ドガッ!ボゴォ!メキッ!ドンッ!ダンッ!
冒険者達は何が起きたのか分からず、殴り倒されていた。
「リっリード、お前今なにした?」
いつの間にかゴブタを眠らせてきたリムルが恐る恐る尋ねた。
「武器を溶かしたのは俺のエクストラスキル『太陽』
日が昇るとそれに比例して膨大な熱量を得て、さらには小さい太陽をつくることが出来る。しかし、昼を過ぎるとだんだん弱くなる特殊なスキルだ」
「冒険者達を倒したのは『閃光』のスキルか?」
「ああ、ちなみに拳には『太陽』の力をちょっとのせて殴った」
リムルは言われて冒険者達の方を向くと確かに拳の跡のような火傷が一人一つずつあった。
「ちなみに牙狼族の時に使ったのは速度と数を上げるために『閃光』を、威力を上げるために『竜巻』を、そして『大賢者』に軌道修正してもらった「こらーー、お前達何をやってる!!」ヤッベ!」
他の説明をしている途中で騒ぎを聞きつけた兵士がこちらに来て俺達は檻に入れられた。
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リードとリムルは門で起きた出来事を門番に説明していた。
「_________というわけで俺達は襲ってきた相手を撃退しただけです」
「うん、まあ目撃者の証言と完全に一致するな」
俺達はこの国の兵士であるカイドウはリードの言い分が目撃者の証言と一致することから真実だと理解してくれた。しかし、慌ててこっちに走って来る足音が近付いてきた。
「隊長、大変だ!鉱山でアーマーザウルスが出て、鉱山夫が何人も怪我を負ったそうだ!」
「何だと!で、アーマーザウルスは?」
「そっちは討伐隊が向かったから大丈夫!けど怪我が酷い上に回復薬も戦争の準備の為とかで殆ど備蓄がない!」
「回復術師は?」
「それが討伐隊と一緒に行って見習いしか…」
「くそ!」
兵士が鉱山で起きた事故に必要な『回復薬』や『回復術師』などの手段がない状況にカイドウはなんとか救う方法がないかと考えている緊張感の中、リードとリムルは脳内会話で話し合っていていた。
『(なんかヤバい状況だな?)』
『(そうだな、…………あ!リムルお前回復薬あるか?)』
『(うん?あるけど、…そうかわかったそこの樽を取ってくれ!)』
『(了解!)』
「くそ!どうすれば「ちょっと良いですか?」うん?
あ!お前らなに出てるんだ!」
カイドウが悩んでいると後ろからリードに話しかけられ、振り向くと檻を出ているリムルとリードをみて驚いていた。
「いやいや、ちゃんと後で戻りますよ、その前にこれをご覧ください」
リードがそう言うと樽の蓋を開けカイドウ達に見せた。
「こっこれは?」
「こちらのスライムが造った回復薬です」
「飲んで良し!かけ良し!の優れもの」
この回復薬はリムル(大賢者)特製の回復薬でゴブリン達の瀕死の重症をこれで治していた。
カイドウは魔物からの提供物を信じて良いのか悩みながらみていたが樽の蓋を勢いよく叩き閉め担いだ。
「お前らここから出るなよ!」
「うい」「分かってます」
「行くぞ!」
「隊長マジですか?そいつら魔物ですよ!?」
「うるせぇ!さっさと案内しろ!」
カイドウ達は回復薬の入った樽を持って事故の起きた鉱山に向かった。
リード達は壊した檻を『粘糸』で修復したあと、リムルは『粘糸』であや取りをして時間を潰し、リードは横になったあとスキルを使ったせいかすぐに眠った。
ちなみにゴブタはリムルの『粘糸』で宙吊りにされていた。
一時間経ち、複数の足音がし、リムルはリードを起こしてすぐにカイドウと後ろに三人のドワーフを連れてやってきた。
「助かった!ありがとう!!」
「いえいえ、困った時はお互い様って言うし
それにお礼ならリムルに」
「いやいや、提案したのはお前だろ!」
「イヤ!あんたらがいなかったら死んでた!ありがとう!」
お礼を言われ、リードは照れ臭くなり、リムルは当然の事をしただけであるが嬉しくなった。
「今でも信じられんが千切れかけてた腕が治ったよ!」
「良かったですね」
「………ウン………ウン……ウンウン」
((…いやなんか喋れよ!))
「いや~本当に助かった、出すのに1日かかるけど待ってくれ!俺がいい鍛冶師紹介してやる!」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
翌日檻から出たリムルとリードはカイドウの案内でこの国で凄腕の鍛冶師の元に向かっていた。
所々に置いてある剣が僅かに光ってるのにリムルが気づいた。
「おいリードこの剣光ってるぞ」
「ホントだ、なんか綺麗だな」
「今から会う鍛冶師がそれを打ったヤツだよ」
カイドウのから製作者を聞き、やがて紹介してくれる鍛冶師の店に着いた。
「アニキいるか?」
カイドウが鉄を打っている鍛冶師に声をかけたが鉄を叩いている音のせいか聞こえていないようだ。リードとリムルはカイドウに続いて入ると見覚えのあるヒトに出会った。
「「あっ!」」「うー!」
「「おっ!」」
そこには昨日リムル(大賢者)の回復薬で助かったドワーフ三兄弟であった。鍛冶師もその声でやっとリムル達の存在に気づいた。
「ん?何だお前ら知り合いか?」
「カイジンさんこのヒト達だよ、俺達を助けてくれたのは!」
「そうだったのか!こいつらを助けてくれありがとな」
「いやいやそれほどでもないよなーあるよなーハッハッハッハッハ!」
「当然の事をしただけです、それに俺人間じゃないので」
「なに?本当か?」
「本当だよアニキ、ジュラの森で生まれた新しい種族だってよ」
「証拠を見せますね」
リードはそう言うと翼と羽を広げるとカイジンにドワーフ三兄弟が驚いて目を見開いた。
「あんた、本当に魔物か?人間とそんな変わんないが?」
「はい、
リード達はここに来た目的をカイジン達に話すとカイジンは難しそうな顔をしていた。
「そいつは良いがちょっと今立て込んでてな」
「……良ければ協力しましょうか?このスライムいろいろ持ってるから何か役に立つ素材を持ってるかもしれませんし」
「…………」
「親父さん、相談してみましょう」
「………わかった、実は……」
最初カイジンは相談すべきか悩んだが、ドワーフ三兄弟の後押しもありリムルとリードに相談した。
「成る程…剣に必要な素材が足りないと」
「ああ、残ってた在庫で1本造れたが」
「それなら断ればよかったじゃねか」
「バカやろう、俺だって言ったよ『無理だって!』そしたらクソ大臣のベスターが…」
___おやおや、王国でも名高いカイジンどのとのもあろうお方がこの程度の仕事も出来ないのですか?(笑)
「なんてぬかすんだ、許せるか?」
カイジンの愚痴もあったせいか話が脱線していると思ったリードは質問した。
「その剣じゃダメなのですか?」
「こいつは普通の剣だ、ここに来るまでに光ってる武器があっただろ?あの武器は『魔鉱石』を素材していてな、それを20本造らないといけねぇんだ」
『(うん?『魔鉱石』って………あ!リムルお前洞窟で魔鉱石大量に食ってなかった?)』
『(おお、成る程ここで恩を売ればいろいろ助かるな!)』
『(違う違う、回復薬みたいに大賢者で造ってもらうんだ)』
『(そういうことか、大賢者可能か?)』
『解:素材があれば可能です』
『(よし、じゃあ早速!)』「カイジンさん完成している普通の剣と魔鉱石で造った剣両方持ってきてください」
「?なんだかよく分からんがわかった」
カイジンはリードの言った通り魔鉱石で造った剣『
「カイジンさん、俺達があなたの悩み解決したらうちの村の技術指導者になってくれませんか?」
「別に構わないが?」
「ありがとうございます!ではリムルお願いします!」
「ウム!」
リムルは鋼の剣と長剣を『捕食者』で捕食した。
「お、おい!なにしてんだ!」
「まあ見ててください」
そうするとリムルから長剣が20本出てきた。
「魔鉱で造った長剣20本完成!」
「「「「え、エーーーーーーーー!!!!!」」」」
「う、ウーーーーーーーーーーー!!!!!」
店からは4人の職人と1人の兵士の声が響いた。