そこに助太刀に来た
この戦いの鍵を握るのは、アダルマンと一騎討ちをしているシュナ様であった。
アダルマン:(まったく、あの
朱菜:(エンゴお義兄さまの傍にいるあの気配、何故懐かしいと感じたのでしょう?)
アダルマン:「スマンが急がせてもらうぞ!怨念の亡者共よ、生け贄を捧げよう!」
この地で息絶えた者達の憎悪の魂がシュナに迫るが、シュナは両膝を地に着け、祈りの体勢をする。
聖なる巨大な鐘が魂を浄化させた。
それを見たアダルマンは、動揺を隠せていなかった。
アダルマン:「……馬鹿な…神聖魔法…だと…!」
アダルマンが驚くのも無理はない。
神聖魔法とは、神の信仰なくして出来ない。しかも、魔物の弱点でもあるために、仕様すら出来ない魔法それがアダルマンの認識だった。
それをシュナが見事に使えた事に驚きを隠せていなかった。
朱菜:「神聖魔法は、人間にのみ許された魔法ではありませんよ。ティアノが教えてくれました。神聖魔法とは善も悪も関係なく、思いの強さが力に変わるものだと」
だから、わたくしは使えた。
その言葉をシュナはのみ込む。シュナはリードの事を想い信じている。だから使う事が出来たのだと、
しかし、アダルマンはシュナの顔を見てある事に気づいていた。
それは千年程前、アダルマンをこの地に縛り付けた魔王カザリームによってこの地の守護を任せられた時、同僚のノベクがアドバイスで言った言葉。
ノベク:『真に覚悟を決めたヤツ程、恐ろしいヤツだって事を忘れるな』
あの時のアダルマンには理解出来ていなかったが、今ならそれがわかった。この娘は自分では想像がつかない覚悟を決めているのだと。
朱菜:「どうやら貴方は神聖魔法を扱えぬようであれば、わたくしの敵ではないと確信しました」
アダルマン:(…っ!?)「娘よ、名はあるか?」
朱菜:「…シュナと申します」
アダルマン:「シュナ殿、なぜ、私が神聖魔法の使い手だと思ったのだ?」
アダルマンは、シュナにかつて自分が神聖魔法の使い手だったと見抜かれた事に驚き問いかける。
それにシュナは冷静に答えた。
朱菜:「その姿です。高位の者にしか羽織れぬ、純白の聖職衣。それを着る資格があるのは高位の者だと聞いています」
レミンから、神聖魔法の使い手の特徴を教えてもらった時、アダルマンの法衣が神聖魔法の使い手の中では上位者だとシュナは聞いていた。
朱菜:「神聖魔法の未練だけでその衣を纏うなど、警戒する必要もなかったようですね」
アダルマン:「………言わせておけば、好き勝手な事を!!」
アダルマンは、今激怒した。
それは、シュナに対してではなく、覚悟の足りない自分自身に対してだった。
自分の百分の一程度しか生きていないシュナに悟らされた事に対しての怒りだった。
自分を信じて死んでいった仲間達を残して死ぬこと出来ない、そう悟らされたのだ。
アダルマンは骨の両手で印を結び、詠唱を始めた。
アダルマン:「神へ祈りを捧げ給う。我は望み、聖霊の御力を欲する。我が願い、聞き届け給え───」
アダルマンは、自分の目を覚まさせたシュナに感謝をしているが、魔王カザリームによって自殺する事を出来ないのだ。しかし攻撃の余波なら話は別である。
アダルマン:(すまぬなシュナ殿、道連れにさせてもらうぞ)
アダルマンの神聖魔法最強技、
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アダルマンの神聖魔法が完成する前に、キョムが持つ火炎剣烈火が光り出した。
キョム:「これは…!?」
そして、火炎剣烈火と呼応するように幾つかの小さな本が赤く光り出した。
縁護:(一体何が起こっている!?)
縁護が戸惑っていたわずかな隙に火炎剣烈火と本がシュナとアダルマンの方へ飛んでいった。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
そして今、シュナとアダルマンを包み込むように、積層型魔方陣が展開されていく。
アダルマン:「万物よ尽きよ!」
アダルマンの魔法が完成する直前、赤い閃光がアダルマンの魔法を破壊した。
シュナ・アダルマン:「「!?」」
シュナの目の前に突き刺さった閃光の正体、火炎剣烈火と幾つかの小さな本が、シュナを呼ぶように光っていた。
シュナのユニークスキル『
普段のシュナなら警戒するはずが、まるで引き寄せられるように火炎剣烈火に手を伸ばした。
シュナ:(不思議です。初めて見る剣のはずなのに…どこかで見た気がします)
そして火炎剣烈火の柄を握り、引き抜くと使い方が頭の中に流れ込んできた。
『確認しました。個体名シュナはユニークスキル『
世界の言葉が聞こえてくると、シュナの腰に変身ベルトである聖剣ソードライバーが巻かれ、一冊の本を手に取り、表紙をめくる。
『ブレイブドラゴン!』
『かつて全てを滅ぼすほどの偉大な力を持った神獣がいた』
表紙を閉じ、右端に本を挿入し火炎剣烈火を聖剣ソードライバーに納める。
朱菜:「変身!」
『烈火抜刀!ブレイブドラゴン!』
剣を抜くと、本に描かれていたドラゴンが現れ、十字の炎の斬撃を描くと、黒と白のスーツをベースに右肩に先ほどのドラゴンが纏った。そして、十字の炎の斬撃が仮面になる。
『烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!』
シュナは、仮面ライダーセイバーブレイブドラゴンに変身した。
アダルマン:「なんと…」(なんと美しいのだ!)
セイバーに変身したシュナを見たアダルマンは、シュナが神に愛された者だと感じた。
一方、シュナ本人はセイバーに変身したことで今までにないほどに力が湧いてきているのを感じていた。
シュナ:「先ほどの魔法お見事でした。その覚悟を見せて頂いたお礼にこの地から解き放って差し上げましょう」
シュナが火炎剣烈火を聖剣ソードライバーに再び納めトリガーを押し、勢いよく抜く。
『必殺読破!ドラゴン!一冊斬り!ファイヤー』
朱菜:「火炎十字斬!」
聖属性を纏わせた炎の一閃がアダルマンを斬ると、火の粉が包囲網中に広がっていき、
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
朱菜:「………ふぅ~」
シュナは息を吐き、ライドブックを抜き取り変身解除する。
縁護:「シュナ!!」
朱菜:「エンゴお義兄さま」
縁護:「大丈夫か?!どこも異変は感じないか?!」
朱菜:「はっはい…」
縁護:「よかった…お前に何かあったら、
縁護は転移魔法でシュナの傍に現れ、無事を確認すると安心した。
白老:「いやはや、今の剣はお見事の一言でしたよシュナ様」
蒼影:「ええ、今回はシュナ様のお陰です」
レミン:「ありがとうございます、シュナ様」
ハクロウ達がシュナの活躍を称賛するなか、ウォズとティアノは違っていた。
ウォズ:(今のは私も
ティアノ:(
虚無:「少々よろしいですか?」
朱菜:「貴方達は…」
キョムの呼び掛けにシュナが視線を向けると聖剣鬼衆がいた。
朱菜:「貴方達の助太刀感謝しています。なんとお礼を申せば…」
虚無:「………では」
キョムが変身を解除すると、他の聖剣鬼衆が変身を解除し、その姿を現した。
朱菜:「えっ…」
白老:「なんと…」
蒼影:「っ……!?」
朱菜や白老、蒼影は彼らの姿を見て言葉を失った。
なぜなら、朱菜達と同じ角を持つ
朱菜達が驚いているなか、キョムが跪くと他の聖剣鬼衆もそれに続いた。
虚無:「どうか、我々をあなた様とあなた様が愛したお方の配下に加えください!!」
聖剣鬼衆一同:『『『お願いします!!』』』
朱菜:「え…」
ティアノ:「シュナ様!このキョムという男はグレイドと互角に戦える実力者で、私の同胞でもあるのです!どうかこの者達の願いを叶えてください」
縁護:「シュナ、この者達は信用出来る。私もこの者達の提案を受けるべきだと思うぞ」
朱菜:「え…?ティアノ、エンゴお義兄さま…」
縁護:「それに……………!?全員迎撃準備!!」
朱菜達:『『『『『!!』』』』』
縁護の合図と同時に、ウォズ達はシュナを守るために囲み、縁護がクレイマンの城の方角を警戒していた。
縁護:「………来る!」
縁護がそう言うとクレイマンの城から爆発が起き、そこから縁護達に向かって何かが飛んで来た。
そしてそれは、シュナ達の前に土煙をあげて落ちてきた。
???:「いや~♪久しぶりの
レミン:「!?」
???:「つーか、『勇者』がいるな、しかも本物の♪こりゃあアダルマンが負けた訳だ♫」
土煙が収まると、上半身裸でボロボロのズボンを履いた、背中まである長髪で金髪の男がその姿を現した。
???:「なぁそこ兄ちゃん、ちょっと聞きたい事が───危ねぇぇ!」
男が縁護に何か訪ねる直前、縁護は問答無用で頭部に目掛けて蹴りを放つが、紙一重で躱される。
縁護:「ちっ!」
???:「危ねぇな♪いきなり何すんだよ♩」
縁護:「殺気が駄々漏れの男の言葉など、聞く訳「お父様…」なに?」
???:「やっぱり…レミンか?」
レミン:「!!………お父様ーーーー!!!」
レミンが変身解除をし男に抱きつくと、男もレミンを優しく抱き締めた。
???:「もう、会えねぇと思ってた」
レミン:「うぅ…ワタクシもです…お父様!うわあぁぁああ!!」
レミンが泣きながら、男を更に強く抱き締めると、男はレミンの頭を優しく撫でた。
縁護達:『『『……………』』』
縁護達は、状況がよく飲み込めずにいたが、レミンにとって大切な者である事はわかった。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
縁護:「実の父親!?」
レミン:「はい、ワタクシは
???:「レント・ロッゾだ♪いや~まさか娘の主の義理の兄に、主の恋人だったとは♫さっきのは悪かったな♩」
縁護:「いや、こちらもいきなり攻撃をしてしまい申し訳ない」
レミン:「エンゴ様、気にしないでください。お父様は少し喧嘩っ早いところがあるので」
レント:「レミン!?」
レミンによると、この男はレミンの父親のレント・ロッゾで縁護と同じ『聖人』にまで進化した男である。レントは妻つまりレミンの母親レミアス・バレンタインの故郷を守る事が出来ず、失意のドン底にいた時魔王カザリームによって捕らえられ、魔王ヴァレンタインの情報を聞き出す拷問を受けていたらしい。
しかし、カザリームが死に、クレイマンによって地下深くの牢に今までずっと囚われていたのだが、先ほどの戦闘でレミンの気配を感じて出てきたそうだ。
その時、アダルマンと互角に戦えている気配(このとき感じたのはシュナの気配)を感じ、感情が昂り殺気が漏れていたようだ。
ティアノ:「本当ですかシュナ様!?」
朱菜:「はい、恩人の望みなら」
虚無:「ありがとうございます!!」
聖剣鬼衆一同:『『『ありがとうございます!!』』』
一方シュナの方も、聖剣鬼衆を受ける事となった。
そして、縁護は『万能感知』である気配に誰よりも先に気づいた。
縁護:「レント、すまないが
レント:「!?………わかった♪」
縁護:「すまない……シュナ!」
朱菜:「はい!」
縁護:「朱菜達は先に城に行ってくれ、私とレントは少し回復してから向かう」
朱菜:「わかりました」
シュナ達が、皆を連れてクレイマンの城に向かったのを見届けると、縁護はメダジャリバーを構えた。
縁護:「出てこい、隠れているのは分かっている」
縁護の言葉で現れたのは、シュナに敗れたアダルマンだった。
レント:「やっぱ生きてたか、アダルマン♫」
縁護:「襲ってこない時点で、戦う力が残っていない事は分かっていたが、一体何の用だ?」
アダルマン:「……………」
縁護の問い掛けにアダルマンは答えない代わりに跪いた。そして、他の
アダルマン:「エンゴ
縁護:「…様?」
(なんだ…凄まじく面倒臭い予感がする)
この後、縁護の予感は的中し、アダルマンの願いを説得して修正し引き受ける事となった。
縁護:(まったく、まさか同じ頼みを
レント:(コイツも大変だな…)
縁護は精神的な疲労が溜まり、レントは縁護に同情した。
一方、依頼したアダルマンは、何やら嬉しそうに小躍りしていたのだが、その姿が不気味だったと縁護は僅かに恐怖した。
一方シュナ達は、クレイマンの城を簡単に陥落させた。
こうして、シュナ様達によって傀儡国ジスダーヴを落とした。
残すは、
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
クレイマンが長々と話しているなか、リードは頭の中でクレイマンに恐怖させる方法を既に、10パターン以上完成していた。
自然はそんなリードの考えていることに察し、心の中でクレイマンに念仏を唱えた