遂にクレイマンを倒した私達は、けど黒幕の正体まで知る事は出来なかった。
だけど、リード君のお陰でリムルさんは魔王の称号を得る事は出来たの!
フレイ:「ねえニクス良いでしょう!」
鳳天:「その着せ替えの服がおかしいのですよ!!」
確かに、フレイの配下(ルチアって言ったっけ?)が持ってきた服はどれも女性服でホウテンにとっては苦痛以外ない。
だから、ミリムやカリオンに口止めしていたのか…心中御察ししちゃうよ。
鳳天:「リムル様も見てないで助けて下さい!」
ホウテンの訴えに俺は聞こえないふりをした。何故だって?そんなのフレイに怒りをかわせるだけだからだ。ここはホウテン君には尊い生け贄になってもらうのが後々楽になるんだよ。
自然:「久しぶりの姉の願いくらい叶えさせろ!」
そう言って自然は力づくホウテンの抵抗をやめさせ、フレイに空き部屋に連れていかれた。
鳳天:「シゼン様ー--ー-!!!」
ホウテンの怒りの叫びが廊下に響いたが、自然は聞き流しソファで仮眠をとり始めた。
一方リードは、
リード:(クレイマンが最後に言った『カザリーム』、ホウテンの話だと、こいつがクレイマンと同じ
リードはこれまでの情報を合わせていき、ある程度のことの予測を立てられていたが、肝心のクレイマン達の協力者の正体がつかめないままであるがために見えてこない部分が多すぎた。
さらに考え込む直前、頬に生温かい感触を感じた。
リード:(なんだよ、今色々と考えているのに………)
感触の正体を見ると
おそらく、リードをリラックスさせようと鼻先を近づけていたのだろう。
リード:(……まっ、ギドラの妹分を救出できたし、クレイマンも片づけたんだ。深く考えるのは情報がさらに集まった時だな…)
リードは
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ギィ:「さて、今回の
ギィ:「オレとしちゃあこれで終わりにしてもいいんだが、せっかくの機会だ。何か言いたいことがあるヤツはいるか?」
ギィの言葉でフレイが静かに手を挙げる。…さっきまで満足そうな満面の笑みを浮かべていたのに、公私をしっかり分けているな…
フレイ:「いいかしら?私から提案というよりお願いがあるのだけど?」
ギィ:「いいぜ、言ってみろ」
フレイ:「私は今日より、ミリムに仕える事にしたわ」
ミリム:「ええっ!」
鳳天:「っ!?」
フレイの驚きの発言にミリムとぐったりしていたホウテンが驚いていた。
フレイ:「という訳で、魔王の地位は返上させてもらうわね」
ギィ:「おいおい、いきなりだな?」
ミリム:「待つのだフレイ!ワタシはそんな話、初耳だぞ!?」
フレイ:「ええ、言ってなかったもの」
フレイは何か思い出していると、ホウテンが何かに気づいた。自分の知る姉は、自分たち姉弟以外完全には信じていなかった。しかし、その何かが姉を変えたのだとホウテンはそう思った
フレイ:「理由は色々あるわね。でも一番の理由は、私は魔王としては弱過ぎると思うのよ。さっきの戦いを見て確信したのだけど、クレイマンと戦っても良くて互角、まして、覚醒したクレイマンにはどうあっても勝てなかったね………」
ダグリュール:「だがフレイよ、お主の得意とするのは、大空での高速飛行戦であろうが?そこまで自分を碑か卑下することはないのではないか?」
ダグリュールがそう言うが、フレイは首を横に振った。
フレイ:「空での戦闘なら私より強い者がいるし、ただ有利というだけではどうしようもない場合もあると、私は知ったのよ」
フレイはそう言いながら俺とリムル、ホウテンを見た。どうやら自分の力量はしっかり把握出来ているようだ。
フレイ:「だからね、私はミリムの配下につくと決めたのよ。それにミリムだっていつまでも我儘ばかり言ってはいられないでしょう?そろそろ、自分の領土の運営を考えるべきでなくて?」
なるほど、フレイの狙いが読めてきたぞ。
確かに、フレイは魔王として弱いかもしれないが、策士としては一流だな。ミリムの配下になることで領土の安全を確かなものとしたいのだろう。フレイの領土を攻撃するということはミリムと戦うということになる。誰も最古の魔王の怒りを買おうとするわけがない。
しかもフレイやその配下達は戦力としても申し分ないのが、またいいところだ。
しかし、ミリムはうろたえながら断ろうとしている。どうやらこの件が片付いたら
カリオン:「ちょっと待ってくれや。そういう話なら、俺様にも言いたいことがある」
そう言って、カリオンが割り込んできた。
カリオン:「俺様もよ、ミリムとタイマン張って負けた身だ。ここは潔く軍門に下ろうと思う」
ミリム:「えっ!?」
カリオン:「てな訳で、俺は今日からミリムの配下になる。宜しくな、大将!」
なるほど、カリオンはカリオンで魔物のルールに従っての行動だ。むしろ正当性もある。
ミリム:「ちょっと、カリオン!ワタシは操られておったのだ。知らんぞ、そんな事!」
ミリムの言い訳は通らないだろうが、これはあと一押しくらいは必要だな。
リード:「諦めろミリム」
ミリム:「リ、リード…」
リード:「そもそも、お前が首都ラウラを吹き飛ばしたのが原因なんだ。俺たちも出来るだけの事はしたいが限界がある。なら、原因を作ったお前にも責任があるんだから、我儘言えるわけないだろう」
ミリムは賢いが、この場合では簡単に追い詰めることが出来る。予想通り、考えることが面倒になり、ついに爆発した。
ミリム:「ええー--いっ!わかったのだ。もう勝手に好きにすればいいのだ!!」
ギィ:「いいだろう!たった今より、フレイとカリオンは魔王ではない。貴様達の望みのままに、ミリムに仕えるがいい」
ギィの宣言より、フレイとカリオンは魔王の地位を返上した。この流れならクレイマンの領地もミリムが引き継いでくれるだろう。
俺はそう思い安心していたが、自然義兄さんは違っていた。
自然:(この流れ……
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リムル:「そうか、十大魔王じゃなくなったんだな」
リムルのこの言葉に魔王達が反応した。そして自然は、
自然:「(はい!出ました!三上さんの特性『余計な一言』!!)」
シズ:「(自然君どういう事?)」
自然:「(実はですね………)」
自然はシズに『思念伝達』で語った。
曰く、物事が終わりそうな時に限って
自然:「(俺の記憶じゃあ、十回は超えますね。
シズ:「(そ、そうなんだ…)」
自然の説明に何とか返事をするシズだが、言葉の重みが違うため、きっと自分の想像以上に苦労したのだろうと察してしまった。
そうしている間も魔王達の話し合いは続いていた。
ヴェルドラ:「お?名づけの話か?それなら、我が友リムルとリードが得意としておるわ!」
良し!ヴェルドラは後で一回反省させるか。その前に、これ以上の面倒事はご免だ!
リード:「それなら、リムルの方が数多いからリムルの方が経験あるぞ」
リムル:(リードお前!)
リムルが睨んでくるが、俺はこれ以上面倒事をやりたくない。
それに他の魔王もリムルに期待の視線が向けられていた。
ギィ:「今日、新たな魔王として立つリムルよ、君に素晴らしい特権を与えたい」
リムル:「あ、いらないんで、遠慮しときます」
リムルはそう言って断るが、ギィが大円卓を真っ二つに割った。
ギィ:「そうだとも。我等の新たなる呼び名を付ける権利、それを君に進呈する。これは大変名誉な事だから、当然引き受けてくれるよな?」
自然:「(三上さん、そもそもさっきの余計な一言がなければこんな問題にならなかったんっすよ。ここは諦めてください)」
ギィと自然によって逃げ道が完全に塞がれてしまい、ついには諦めた。
リムル:「わかったよ。気に食わないからって、文句言うなよ?」
リムルがそう言うと魔王全員が安心した満面の笑みを浮かべた。
そして、リムルが少し考えると、
リムル:「"
そう言うと魔王の全員反対せず、むしろ賛成している者が殆どだった。かくいう俺もリムルの言った名前が気にいっていた。
ギィ:「決まり…だな」
今日この時より魔王達は、新たなる呼称で畏れられる事になった。
以上、九名。
俺とリムルにはジュラの大森林全域が支配領土となった。
ミリムは元々の領土に獣王国ユーラザニア、天翼国フルブロジア、傀儡国ジスダーヴが支配領域となった。
そして、俺とリムル、シズさんに自然義兄さん、ランガにホウテン、
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神聖法皇国ルベリオス、聖都の外れで中庸道化連のラプラスの笑い声が響いていた。
先程殺したヴァレンタインからクレイマンの死を聞かされ、友の代わりに、ラプラスは嗤っていた。
すると、拍手する音が聞こえてきた。
ラプラス:「………?」
???:「素晴らしい。新月とは言えあのヴァレンタインを倒すとは」
姿を表すと、西方聖教会所属の
ここまでの接近を許した事に動揺するラプラスだったが、自身が冷静でなかった事を思い出した。
ラプラス:(コイツは確か、ボスの情報にあった)
「もしかして半年前にもう一人の副団長になったっていう"闇"のタロス・ヘイムさんですか?」
タロス:「ああ、ゴミ掃除の帰りにまさか貴重な情報を聞けるとは、私も運がいい」
ラプラス:「さいですか…」
タロス:「そこで物は相談なのだが…貴様の依頼主の情報を教えてはくれないか?そうすればここでの事は見なかった事にしてやる」
ラプラス:「はん!ワイを舐めると痛い目あいまっせ。『
タロス:「そうか、残念だ」
ラプラスの言葉を遮り、右の手袋を脱がしだし、手の甲までいった次の瞬間
ラプラス:「!?」
ラプラスは、力業で土煙をあげ、そのまま逃走した。
ラプラス:(なんや今の、あのまま右の手袋を脱ぎきってったらワイが殺されてた!)
ラプラスのユニークスキル『
しかし、この時ラプラスが見たのは、一瞬で何をされたのか分からず、自分が殺されていた光景だった。
しかも、複数のパターンでどれも素手によるものだったのが分かったもののその方法まで見ることが出来なかった。
この時、ラプラスは心底恐怖していた。
しかし、タロス・ヘイムは、未来が見えたその時まで自分でも倒せると思っていたが、その認識が覆された。
強さの底が見えない怪物を見た気分を味わっていた。
タロス:「………つまらん。どれ程の実力者かと思えばあの三公より弱いな」
???:「………タロス様」
タロスの影から、別の男の声が聞こえてきた。
タロス:「ラダマンティス、首尾は?」
ラダマンティス:「はっ、掃除が完了し、残りは半分をきりました」
タロス:「そうか、引き続き頼んだぞ」
ラダマンティス:「はっ」
タロス:「それと………」
タロスが懐から、小さな袋を影に落とした。
タロス:「アヤツらと共に何か食べてこい、しばらく掃除は出来なくなるからな」
ラダマンティス:「ありがとうございます」
影から気配が消えるとタロスは聖都に足を運んだ。
タロス:(宗教など私にとっては
タロスはルミナス教本部を憎悪の目で見ながら、自室に向かっていった。
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ジュラの大森林と魔導王朝サリオンの国境で転移魔方陣が現れた。
すると、よく似た顔をした二人の男が現れた。
???:「本当に
生夢:「彼がこういう嘘は言わないのは僕達が一番よく知ってるだろ
釈迦人:「まあ、確かにな。………取り敢えず歩く?」
生夢:「…だね」
首に龍が彫られたペンダントをかけていた二人は、首都リムルに向かって歩き始めた。
遂に、
これで残すは………ヒナタの事だけだね…
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リード:「…シュナ…」
シュナ:「お帰りなさいリードさん」
リムル達が気を聞かせて二人きりにすると、俺はシュナを抱き締めた。
リード:「無事でよかった…!」
シュナ:「リードさんもご無事で…!」
互いに見つめ合い、ゆっくりと俺とシュナの唇の距離が縮まっていき………ここから先は言い表せない幸せに満たされた。