一方、別行動をとっていたディアブロとグレイドは、ディアブロを先に行かせ、グレイドは何かを焼いていた。
グレイド:「…こんなものか」
グレイドは出来上がったものを丁寧に箱に入れる。
すると、念のために同行させていたティアノから連絡が入ってきた。
ティアノ:「(グレイド~、良い知らせと悪い知らせどっちから先に聞きたい?)」
ティアノのこの言葉で、グレイドは大きなため息を吐く、それは、ティアノの知らせの予想が出来ていることに他ならない。
グレイド:「(良い知らせから…)」
ティアノ:「(あなたの予想通り、ラージャ小亜国に
グレイド:「(やはりか………で、悪い知らせはなんだ?)」
ティアノ:「(ディアブロと
グレイド:「(……………は~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~)」
予想通りの知らせに、グレイドはさらに長いため息を吐いた。
最初に誕生した原初であるグレイドからすれば、ディアブロの性格のせいで喧嘩になっているのだと、すぐに結論に至る。
そのため、グレイドは念のためにティアノとダイロスを行かせたのだが、ディアブロだけを先に
グレイド:「(ティアノ、ダイロス。ディアブロとヴィオレに伝言頼む)」
グレイドはティアノとダイロスに伝言を伝え、箱を結界でさらに包み、ディアブロ達のもとへ向かった。
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岩が宙に浮く、特殊な空間でディアブロとヴィオレが激しく戦闘を繰り広げている中、ティアノとダイロスは結界で守りながら、グレイドの伝言を伝えた。
ティアノ:「ディアブロ!!ヴィオレ!!いい加減喧嘩をやめなさい!!」
ティアノが大声で喧嘩をやめるよう言うが、ディアブロもヴィオレも、ティアノに視線を向けただけでやめる気配がない。
ダイロス:「仕方ない………二柱とも!いい加減やめないとグレイドから喧嘩両成敗されるよ!!」
ダイロスの言葉で、ディアブロとヴィオレの動きがピタリと止まった。
何故なら、グレイドが他の原初に対して怒るのは、配下が
最近の件だと、ギィの配下のオルトロスが人間の国で好き勝手していた時、グレイドは腕一本顕現させ、オルトロスの頭を握り潰した。
その後、魔法通信でギィに一週間説教を行い、安易に配下を増やすなと釘を刺した。
そんなグレイドが説教ではなく喧嘩両成敗なら、強制的に精神世界に連れられ恐ろしい目に会う。
ティアノ:「やっぱり一番効くのはこれね」
ダイロス:(君の言葉なら、
すると、ディアブロ達の空間の空が紅く染まり、宙に浮いていた岩が消えた。
ヴィオレ:「これは!?」
ディアブロ:「っ!?」
グレイド:「ディアブロ、いかに同じ原初とはいえ言い方には気をつけろと、あれ程言った筈だが」
ディアブロ:「!?!?」
背後から怒りのオーラ駄々漏れのグレイドの気配に、恐怖のあまり動けないディアブロ。それもそのはず、かつてギィと戦った時に怒らせた時と同じ出力で『魔王覇気』を放っているのだ。
ディアブロ:「あ、兄上!落ち着いてください!」
ヴィオレ:「グレイド兄さん!!」
ヴィオレが笑顔でグレイドに抱きつくと、グレイドは箱に気を配りながら、ヴィオレを受け止めた。
グレイド:「はは!久し振りだなヴィオレ」
ヴィオレ:「グレイド兄さんも久しぶり!いつ
グレイド:「つい先日だ。事情はダイロスから聞いている」
ここに来る途中、ダイロスから事情を聞いていたグレイドはラージャ小亜国にティアラを与える代わりにゲームを持ちかけていたのを知った。
ヴィオレ:「そう。ならグレイド兄さんも分かるよね。僕は正式な取引を結んだんだよ」
グレイド:「ああ、だから残念だ。ラージャ小亜国から手を引いてくれれば、
ヴィオレ:「!!」
ヴィオレはグレイドが自分の為に焼いたケーキがあるのを知ると、思考を最大にはたらかせた。
ヴィオレ:(待って、今グレイド兄さん、
グレイド:「お前がラージャから手を引いてくれたらと思ったのだが、無理なら仕方ない」
ヴィオレ:「手を引くならくれるの?」
グレイド:「後始末もあるがそれもやるんだぞ」
ヴィオレ:「?どういうこと?」
グレイドの言葉の意味を理解できず、聞こうとするとヴィオレの料理人と執事が現れた。
執事:「お嬢さまご報告が」
ヴィオレ:「なに?」
執事:「ディアブロ様達のおっしゃっていたようにラキュアめが勝手な振る舞いを」
執事からの報告で女王の体に呪毒以外に手を加えていたこと、隣国に偽の情報を流し、攻めるように仕向けたこと明らかに契約違反であるのは、報告からも明らかだった。
グレイド:「ヴィオレ、しっかりと後始末をすればこれは渡してもかまないぞ」
ヴィオレ:「もちろん!そんなんで良いならちゃんとやるよ」
グレイド:「では、交渉成立だな」
グレイドはケーキの箱を渡し、地獄門を出現させる。
グレイド:「もし、やり残したことが一つでもあれば、どうなるかわかっているな?」
ヴィオレ:「もちろんだよ、グレイド兄さんを敵に回すなんてギィでもまずしないよ」
ティアノ:「あっ!ヴィオレ帰る前に聞きたいことがあるんだけど」
ヴィオレ:「なに?」
ダイロス:「僕とティアノの神器の所在に心当たりはないかい?」
ヴィオレ:「いや。知らない」
ヴィオレの答えに、ダイロスとティアノは残念な表情を浮かべる。
ヴィオレ:「………まさか」
ヴィオレが呆れた表情でダイロスとティアノを見たあと、ディアブロに視線を向けると、ディアブロは頷くだけであった。
ディアブロは少し前の、あの事を思い出していた。
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それは、
虚無:「お前らもう一度聞くぞ。神器どうした?」
ダイロス:「失くしちゃった♫」
グレイド:「売っちゃって回収した!」
ティアノ:「
虚無:「アホかーーーーーー!!!!」
グレイド達の答えに、虚無が大声で突っ込んだ。
虚無:「俺達の結束の証として賜った神器を売った!!?」
グレイド:「配下達の活動資金が必要だったのでな。金貨1万枚で売れたぞ。その後、ギィがその国滅ぼして回収してくれた」
虚無:「盗まれた!!?」
ティアノ:「天星宮に封印された時に没収されちゃった」
虚無:「失くした!!?」
ダイロス:「精神世界のどこかで落としたのはわかってる」
グレイド達の答えに絶句する虚無、流石のディアブロも虚無が可愛そうに思えてきた。
ディアブロ:「兄上、流石にそれはないですよ」
グレイド:「………」
ディアブロの目線に耐えられず、明後日の方へ目線を反らすグレイド達。その日は、グレイド、ティアノ、ダイロスが支払う事となった。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
ヴィオレ:「…わかった。
自身の縄張りに帰ったのを見送ると、ディアブロが不機嫌そうな目でグレイドを見ていた。
ティアノ:「ディアブロ、どうしたの?」
ダイロス:「まさかと思うけど、グレイドのケーキを食べたかったなんて言う気かい?」
ダイロスの指摘に目線を反らすディアブロ。その様子にグレイドが呆れていた。
グレイド:「なんだ?食いたかったのか?言えば作ってやるぞ。ファルムス内情調査は半分以上はお前の手柄なのだから」
グレイドとディアブロはファルムス攻略ため、内情調査を既に終えているが、その六割がディアブロの仕事であるためグレイドはディアブロには何か礼をしようと考えていた。
ディアブロ:「………この件が片付いたら、私のいれた紅茶とセットでお願いします」
グレイド:「………わかった」
ディアブロのあまりにも可愛い要望にグレイドは笑みを浮かべ、ディアブロの頭をなでならが、リムル達のもとへ向かった。
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トワ女王はシズとシュナの肩をかりてなんとか歩いている状態のため、イフリートと
シズ:「大丈夫トワ女王」
トワ:「わたくしの事よりもヒイロが…」
弱気になっているトワをシュナは励まして、出口を目指す。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
暴走し、手当たり次第に壊すヒイロを相手に、ベニマルとコウホウは苦戦をしいられていた。
殺さないように手加減しているため、ベニマルが接近戦、コウホウは仮面ライダーゴーストロビン魂で援護していた。
黄奉:(まずいぞ。このまま兄者が暴れ続ければ、肉体が保たん。だが、我とベニマルではおそらく理性を呼び戻すのは難しい。やはりリード様が来るまで抑えるしかないか)
コウホウは心で悪態をつきながら、ヒイロに殴り飛ばされたベニマルを受け止めた。
黄奉:「ベニマル大丈夫か?」
ベニマル:「ああ。お前はサポートに集中してくれ」
黄奉:「任せろ」
ベニマルとコウホウは見事な連携で、ヒイロに仕掛けていく。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
リムル:「どうした?鬼ごっこはおしまいか?」
リード:「それともネタ切れ?」
ラキュア:「ぬかせ!」
トロッコで逃げるラキュアを挑発するが、ヤツは先に分岐点のポイントの存在に気づいた。
リード:「!リムル!」
俺は、リムルに指示を出すと同時にラキュアが魔力弾をポイントに直撃させ、リムルとランガは左に、ラキュアと右に曲がった。
リムルに『思念伝達』で二手に別れると伝え、ランガから飛び降り、翼を出して追いかけた。
ラキュア:「キハハハハ!新参者の魔王ごときが!貴様達が暴風竜の意を借りているだけだと、とっくに調べはついているのだ!」
リード:「そのわりには、ここの地理には疎いんだな」
リムル:「前みろよ」
ラキュア:「え?」
リムルの指摘で前を見るとレールがなくなり、そのさきは、マグマだった。
ラキュア:「だぁあああーーー!!」
ラキュアは悲鳴をあげ、落下していくがマグマに落ちたのはトロッコだけであり、ラキュアの笑い声が聞こえてきた。
ラキュア:「ぐへへへ、アハハハ」
すると、悪魔の羽を出し、下衆な笑いをあげて飛んで逃げた。
というか…
リード:「
リムル:「(どうした縁護?)」
縁護:「(どうやら、隣国の将が悪魔に成り済ましていたようです。コイツら始末しますが問題無いですよね?)」
リムル:「(いいぞ)」
リード:「(本気でやって)」
縁護:「(それでは遠慮なく)」
俺とリムルは、空を飛びラキュアを追いかけた。
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南では、縁護がオーズタトバフォームでメダジャリバーで将に成り済ましていた
スキャニングチャージ
メダジャリバーを構え、縁護はある事を考えていた。
縁護:(
縁護:「時魔流武術
縁護が過去最高速度でメダジャリバーを振るうと、
それと同時に他の三ヶ所から同じ轟音が響き渡った。
レミン:「………流石は勇者の力を持つだけの事はありますね」
ゲルド:「っ!?」(なんて強さだ!!)
レミンは称賛し、ゲルドはただただ圧倒されていた。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
東では、
自然:(まさか、将が
自然はライジングドラゴンスプラッシュの構えをとるが、この時、自然は縁護と同じ考えをしていた。
自然:(あの技、使ってみるか)
「時魔流武術神の型」
神滅功!!
凄まじい刺突撃は、デーモンはもちろん背後の岩を粉々に粉砕した。
自然:「うーん…まだ力に頼りすぎだな」
ゴブタ:(いや、もう十分に化物すっよ)
自然の言葉にゴブタは心の中で引いていた。
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北では、
釈迦人:「それじゃあ、終わりにするぞ」
PERFECT KNOCK OUT CRITICAL BOMBER!
釈迦人:「時魔流武術神の型」
神滅功!!
縦に振り下ろされた斬撃は、デーモンを一刀両断し、足元の地面にも見事な穴を開けた。
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西では、
生夢:「こっちは急いでるんだ!!」
DRAGO KNIGHT CRITICAL STRIKE!
生夢:「時魔流武術神の型」
神滅功!!
十字の攻撃が
生夢:(さて、残りは三上さん達だな)
生夢は既に、勝利を確信して空を見上げた。
こうして残りは、ラキュアとヒイロのみとなったが後は任せても問題無いね。
しかし、ヴィオレがどう対応するのかはこの時、誰も分からなかった。