転生したら天魔人だった件   作:通りすがりの気分屋

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ラージャに攻めてきた隣国の将を我が魔王の義兄(あに)(ぎみ)様達によって討ち取り、残りは元凶であるラキュアと暴走したヒイロのみとなった。
ラキュアはともかく、暴走したヒイロを救うには一体どうすれば………


ラージャ防衛戦 後編

イフリートと聖剣鬼衆(せいけんきせしゅう)一人にして仮面ライダースラッシュのスズネが先行して周囲を見回る。

 

錫音(スズネ):「シュナ様、シズ様、トワ様大丈夫です」

 

錫音が手招きをし、聖剣鬼衆がシュナ達の周りを守りながら移動してきた。

しかし、後ろの岩壁が崩壊しその中から、暴走したヒイロとベニマルそしてコウホウが現れた。

 

聖剣鬼衆:『『!!』』

 

聖剣鬼衆は降ってくる岩を破壊するが、一際巨大な岩がシュナ達に降ってくる。

すると、ヒイロをベニマルを突き飛ばし、岩を一撃で粉々に破壊した。

 

朱菜(シュナ):「兄様(あにさま)、正気に…」

 

シュナとトワが希望の眼差しを向けるが、ヒイロはうめき声をあげるだけで特に変化がない。

 

紅丸:「いや…」

 

黄奉:「戻りきっていないだろうな」

(だが、兄者(あにじゃ)の心はまだ生きている!)

 

するとヒイロの足下からエネルギーが溢れだし、そこから太刀のようなものと、幾つもの小さな塊が出現する。

そして、跳躍し町へと向かう。

 

黄奉:「マズイぞ!」

 

紅丸:「ここから離れろ!」

 

ベニマルとコウホウがヒイロを追い、シュナ達も安全な場所へ移動する。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

ヒイロは、ところ構わずエネルギー弾を放つと建物が倒壊し、それでもヒイロは歩むのをやめず、ただただ進んでいく。

 

紅丸:「クッ…このままじゃ、被害が大きくなるばかりだ」

 

黄奉:「ならば!」

カイガン!ニュートン!リンゴが落下!引き寄せまっか!

 

仮面ライダーゴーストニュートン魂へフォームチェンジし、右手のリパルショングローブでヒイロを吹き飛ばす。

 

黄奉:「このまま向こうの橋まで押す!援護しろ!」

 

紅丸:「わかった!頼むぞコウホウ!」

 

今度は、紅丸がコウホウのサポートし、ヒイロを谷にある橋まで押し込んでいく。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

上空に逃げたラキュアだったが、俺とリムルが追ってきたのに気づくと、逃げるのを止めて向かい合った。

 

リムル:「どうした?もう逃げないのか?」

 

リード:「まあお前程度なら、逃がさないけどな」

 

ラキュア:「ほ、ほざけ!」

 

ラキュアは魔力弾で攻撃してくるが、リムルがジカンザックス弓モードで全て撃ち落とす。

 

ラキュア:「くっ…」

 

チクアン:「ラキュア殿、加勢しますじゃ!」

 

そこに、行方不明になっていたヤブ医者のチクアンが参戦してきた。

 

リード:「リムル、あのヤブ医者の相手を任せていいか?」

 

リムル:「任せろ!ランガ、アイツらが逃げないように待機していてくれ」

 

嵐牙:「承知!」

 

ランガが後ろに下がり、俺はジオウⅡウォッチを、リムルはゲイツリバイブウォッチを起動させる。

 

ライダータイム!仮面ライダー!ライダー!ジオウ・ジオウ・ジオウⅡ

 

スピードタイム!リバイリバイリバイ!リバイリバイリバイ!リバイブ疾風!疾風

 

チクアン:「新参の魔王ごときワシの敵ではないのじゃ!」

 

チクアンは魔力弾でリムルを打ち落とそうとするがゲイツリバイブ疾風の速度の前ではそんな遅すぎる攻撃が当たるはずもなく、難なく全て回避する。

 

リムル:「お前は確実に始末させてもらう」

(じゃないと生夢(ショウム)に…)

 

生夢:『は?覚醒魔王に進化して究極能力(アルティメットスキル)を獲得したのに逃がした?なにやってるんですか?それは()に解剖されて構わないという意思表示でいいですね?』

 

逃したことに対して弟分である怒りの生夢に刃物(メス)を投げつられながら追いかけまわされる未来を想像すると、リムルは内心震えた。

そして、ゲイツウォッチとゲイツリバイブウォッチを押す。

 

フィニッシュタイム!リバイブ!

 

リムル:「行くぞ」

 

百裂!タイムバースト!

 

ジカンジャックローつめモードで生成された無数の爪を見てチクアンの顔色が悪くなる。そして無数の爪がチクアンを襲う。

 

チクアン:「ぎゃぁああああー--!!

 

悲鳴を上げるチクアンだったが、すぐに爪の攻撃によってかき消された。

攻撃がおさまると、チクアンの姿がなくリムルが片づけた合図を送ると、俺も送り返す。

 

リード:「ま、当然の結果か…さて」

 

ラキュア:「ひっ!」

 

リード:「次はお前の番だ悪魔族(デーモン)

 

ラキュア:「なめるなよ新参の魔王ごときが」

 

ラキュアは持っていた結晶に自身の魔力を籠めると剣のような形に変形した。

どうやらまだ次元の違いがわからないようだな。俺は『闇黒之王(エレボス)』を極限まで解放させると、D'9サイドが輝き、ジオウⅡが黒く輝いた鎧を纏った。

名づけるならジオウ(ツー)ダークネスアーマーだな。

 

リード:「ほら、こいよ」

 

ラキュア:「デヤァアアーーー!!」

 

ラキュアは雄叫びを上げえ突っ込んでくるが、俺は左手のみで捌いていく、魔素の密度や質量でも圧倒的に俺が勝っているから、余裕で捌くことが出来る。

数撃捌いた後、『気闘法』で強化した手刀で結晶ごと破壊し、首筋にもう片方の手刀を突き付ける。

 

リード:「さて、お前の遊びに付き合う程、俺は暇じゃないんでな」

 

ラキュア:「ま、まて!私を殺してみろ『あのお方』が黙っていないぞ!」

 

リード:「あのお方?」

 

ラキュア:「そうだ!我が主にかかればお前ごとき魔人など───」

 

ヴィオレ:『ねぇラキュアさあ』

 

リード・ラキュア:「「!!」」

 

これは、『思念伝達』!?

主従関係もしく波長の合う仲間同士によって使えるスキルのはずなのに何で俺にも聞こえるんだ?

 

ラキュア:「おお!原初たる神よ!」

 

原初!?まさかラキュアが言っていたあのお方っていうのは原初の悪魔のことか!?ホウテンの話じゃ今受肉していないのは(ブラン)(ジョーヌ)(ヴィオレ)三柱(さんにん)。この三柱の内の誰かってことになるな。

 

ラキュア:「ここです!あなた様の忠実なる(しもべ)ラキュアはここですぞ!」

 

ヴィオレ:『だまれ。君さあ、名前を得て受肉したからって随分好き勝手してくれたみたいだね』

 

ラキュア:「まさか…誤解です…トワに大いに魔力を使わせました!あのからだがヴィオレ様のものとなるのはもう間もなくです!」

 

なるほど、今回の件の黒幕は原初の紫(ヴィオレ)か…しかし、あの口調読めてきたぞ。

 

ヴィオレ:『あのさ、僕はね望んでからだを差し出してほしかったんだ。誰が余計なマネしろって命じたの?僕監視しろとしか言ってないよね?』

 

やっぱりか、どうやらヴィオレはラキュアを完全に見捨てる気だな…この流れを利用するか

 

リード:「原初の紫(ヴィオレ)聞こえるか?俺は原初の無(レイアン)グレイドの主リード=テンペストだ!その様子ならこのラキュアは始末していいな?」

 

ヴィオレ:『!?………うん、好きにしていいよ』

 

ラキュア:「…!?」

 

ヴィオレから殺害の許可がおりたことに絶望するラキュアだったそれ以降何も聞こえなくなった。

おそらく、本当に見捨てたのだろう。

 

リード:「さて、お前の主からお許しが出たな」

 

ラキュア:「ま、待て…」

 

リード:「お前のようなヤツを生かしておくほど俺は甘くない。観念しろ」

 

ラキュア:「………クソが、どうせやられるなら………あれ?」

 

リード:「お探し物はこれか?」

 

ラキュアが外套(コート)の内から何か出そうとしていたから、先ほど攻防でくすねた禍々しい宝珠を見せる。

 

ラキュア:「な…!?」

 

リード:「(ちり)も残さず始末してやるよ」

 

(かい)(じん)(りゅう)

 

龍の形をした漆黒の炎がラキュアを飲み込み、宣言通り塵も残さず始末した。

さて、残すはヒイロさんだけか…

先ほどから激しい戦闘の音が聞こえる方角に目線を向けると、今だベニマル達が激しい戦闘を繰り広げていた。

 

リード:「…急ぐか」

 

俺はジオウⅡセイントアーマーにフォームチェンジ、ラキュアが持っていた宝珠の解析を始めた。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

ヒイロとベニマルの攻防は激しくなる一方、コウホウはヒイロが生み出した魔力弾をゴーストエジソン魂で打ち落としていた。

 

黄奉:「兄者!目を覚ませ!これ以上トワ様を不安にさせる気か!?」

 

コウホウは何度もヒイロを正気に戻すように呼び掛けるが、ヒイロに戻る気配がない。

 

紅丸:「…くっ、やむをえまい」

 

ベニマルはヒイロから離れると自身の刀に『黒炎(ヘルフレア)』を纏わせる。

 

シズ:「ベニマル君まさか…」

 

朱菜:「あっ…」

 

トワ:「ヒイロ…」

 

ベニマルの本気を谷から見ていたシュナ達は見届けるしかなかった。

 

黄奉:「ベニマル!」

 

紅丸:「これしか手がないんだ!頼むから死ぬなよ」

 

ベニマルがそう呟いた直後、ヒイロが大太刀を振るい、それに合わせて必殺のカウンターを繰り出す。

 

(おぼろ)黒炎(こくえん)(ざん)

 

ベニマルの黒炎がヒイロを包むと、先ほどのベニマル達の攻防で橋が崩壊する。空中でセキトが現れ、コウホウとベニマルを乗せ、安全に着地する。

 

黄奉:「助かったぞセキト。ベニマル大丈夫か?」

 

ベニマル:「ああ」

 

朱菜:「お兄様、コウホウ!」

 

シュナ達が駆け寄ると瓦礫からなんとヒイロが現れた。

 

ベニマル:「まだ動けるのか」

 

ヒイロは自身を蝕んでいた黒炎がなくなるとすかさず、襲い掛かるために跳躍しようとするが、体勢を崩した。

 

身体狩り(フィジカルハント)

 

黄奉:「これは…!?」

 

リード:「コウホウ、これをヒイロに飲み込ませろ!」

 

リードが神々しい緑色の宝珠を渡すと、受け取ったコウホウはフォームチェンジをした。

 

カイガン!ゴエモン!歌舞伎!ウキウキ!乱れ咲き!

 

ゴーストゴエモン魂で素早い動きで動きの鈍くなったヒイロに接近し、地面に組み倒す。

 

黄奉:「さっさと正気に戻ってくれ!兄者!!」

 

コウホウは、宝珠をヒイロに飲み込ませる。すると膨れ上がった肉体は元の鬼人の姿になっていった。

 

ベニマル:「兄者!」

 

トワ:「ヒイロ!…うっ!」

 

ベニマル達が、ヒイロに近づこうとすると、トワが突然に頭痛に襲われた。

 

ヴィオレ:『契約破棄は、こちらの落ち度だから。いままで楽しませてくれたお礼にほんの少しお詫びを奮発しておくね』

 

そんな声が聞こえてくると、ティアラから魔力が流れだし、トワを蝕んでいた呪毒が完全に消えていた。

 

リムル:「何が起きたんだ?」

 

リード:「帰ってきたらディアブロに聞けばいいだろう」

 

空で状況を見ていたリムルとリードはランガに乗って、ベニマル達のもとへ降りた。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

黄奉:「リード様、先ほどの宝珠は一体?」

 

コウホウが俺に先ほど渡した宝珠の事で聞いてくると、俺は隠さず話した。

ラキュアからくすねた宝珠を解析し、そこから反対の能力になる宝珠を『知識之王(ラファエル)』で制御しながら『時空之王(ジオウ)』で生み出したものだ。

もっとも上手くいくかは、完全に賭けであったが、無事成功してなによりだ。

それより、大事なことを伝えないとな…

 

トワ:「リード殿…ヒイロを救っていただきありがとうございます」

 

ヒイロ:「なんとお礼を申したらいいか…」

 

リード:「あー-すまん、それよりも残念なお知らせがあるんだ」

 

トワ・ヒイロ:「「?」」

 

俺がある方向に指を向け、トワさん達もその先をみると、

 

生夢:「見つけたぞ!トワ!ヒイロ!

 

怒りのオーラ完全開放の生夢義兄(にい)さんと、申し訳ない表情で謝罪の合図を送る縁護(エンゴ)義兄さん達がいた。一応説得したようだが、これは比較的軽い半日お説教コースだな。俺の記憶上じゃ、一番酷いのは、全快直後に鎖で吊るされて的にされては、メスを投げれられたことだからな。まあ死にはしないだろう。

トワさんとヒイロさんも、どうやら察したようで、大人しくなった。

 

リード:「リムル、悪いが俺は先に戻っていいか?」

 

リムル:「なんで?」

 

リード:「実はヴェルドラ一人留守番させるのは、俺はどうしても心配でならないんだ」

 

リムル:「なるほど………わかったここは任せて先に戻ってくれ」

 

朱菜:「では、わたくしも同行します」

 

リード:「えっ?いいのか?」

 

朱菜:「当たり前です!」

 

俺の質問にシュナははっきりと答え、ベニマルに視線を向けると、言う通りにしてくださいと諦めた表情で頷かれ、俺とシュナは一足先に転移魔法で帰った。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

家の中に転移すると、覚えのある気配が凄まじい速度で接近していた。

 

リード:「まったくアイツは…」

 

朱菜:「フフフ、おやつを持ってきますね」

 

シュナが台所に向かい俺は外に出て家とその周りに結界を張ると、覚えのある気配は凄まじい衝撃を響かせながら着地した。

 

ミリム:「リード!遊びに来てやったぞ!」

 

リード:「ミリム、頼むからもう少し静かに着地してくれていつも言ってるだろう…」

 

ミリム:「細かいことはいいではないか!………うん?リードなんだその指輪は?」

 

ミリムはリードの左手の薬指に嵌められていた指輪に気づいた。

ミリムの記憶では魔王達の宴(ワルプルギス)の時には嵌めていなかったのを覚えている。

 

リード:「これか?ワルプルギスの後にシュナが俺にくれたんだ」

 

ミリム:「シュナが?そんなに大事なものなのか?」

 

リード:「ああ…俺の命より大切なものだ」

 

ミリム:「っ…!?」

 

ミリムはリードの今まで見たことがない表情に、胸に痛みを感じていたが、その理由まではミリム自身気づいていなかった。

しかし、今はっきりとわかっているのは一刻も早くここから離れなければいけないということであった。

 

ミリム:「あっ!ワタシ用事を思い出したから帰るのだ!」

 

リード:「えっ!?ミリム!?」

 

いつもテンペストに来ては、料理に真っ先に食いつくミリムが何も食べずに帰ることに驚き静止させようとしたが、ミリムはこちらに来るよりも早い速度で飛んで行ってしまった。

 

リード:「どうしたんだ?」

 

朱菜:「リードさん、ミリム様は?」

 

リムル:「それが、用事を思い出したって言って帰ったんだ…」

 

朱菜:「え?どうしたのでしょうか?」

 

俺とシュナはミリムが飛んで行った方向をしばらく見ていたが、戻る気配がなく家の中に入った。

その様子を離れた場所で見ていたティアノとダイロスは、

 

ティアノ:「ねえダイロス、ミリム様はもしかして…」

 

ダイロス:「………親子だねえ」

 

ティアノとダイロスは数千年以上前の事を思い出しながら、ミリムをかわいそうに思いながらもリードにグレイド達の件を報告にむかった。




こうして、ラージャ小亜国の危機は去った。我が国テンペストにつかの間の平和が訪れるのだが、その平和は長くは続かなかった。

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

ルベリオスのとある一室に、闇のタロスがテンペストに対する報告書を作成していると、後ろから二人の男が転移魔法で現れた。

タロス:「戻ったかタナトスヒュプノス

タナトス:「はっ、一匹も残さず始末しました」

ヒュプノス:「これで残りは一割ほどにまでなりました」

タロス:「そうか、ならば一時掃除は中止だ」

タナトス:「なぜ?」

タロス:「ラージャ小亜国と隣国とで戦争が起きたのだが、どうやらテンペストが介入したらしい。それの調査を全員で頼む」

ヒュプノス:「そういう事でしたら」

タロス:「では行け」

タナトス・ヒュプノス:「「ハッ!」」

タロスの命令を下すと、タナトスとヒュプノスは転移魔法で姿を消す。
一人となったタロスは報告書を仕上げた。

タロス:「さて、コリウス王国の調査報告書はこれで大丈夫か」

タロスは仮面を外し、月を見ながらワインを飲みながらチーズをつまむ。しかし、あることが気になっていてワインの香りやチーズの味を楽しむことが出来ていなかった。

タロス:「………七曜の老師(あの老害ども)、今度はルベリオスとテンペストで戦争を起こす気か」

タロスは自身の心配がただの杞憂であってほしいと願った。
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