転生したら天魔人だった件   作:通りすがりの気分屋

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カイジンさん達とエルフの店で打ち上げ会をしていると、ドワルゴンの大臣ベスターが俺達にひどい仕打ちをしてそれにキレたカイジンさんがベスターを殴り飛ばし、俺達は王宮に連行された。


ドワルゴン 後編

俺は檻の中で天井に吊るされたゴブタを見ていた。実はここに戻って来るまですっかり忘れていた。

カイジンさんはどうやら昔ベスターの上司だったそうだが庶民の出であるカイジンさんが上司であることを侯爵家の出であったベスターは目の敵にしていたそうだ。そして功を焦ったベスターが当時進めていた計画『魔装兵計画』が失敗してしまったそうだ。

ここまではあまりにありきたりというか予想出来ていたしかし、どうやらベスターは軍の上層部を抱き込んで偽の証言を上げ、全ての責任をカイジンさんに擦り付け軍を辞めさせられたそうだ。

ちなみにドワーフ三兄弟はカイジンさんをかばって一緒に軍を追われたそうだ、やはり慕われてるなぁ…。

しばらくリムルとカイジンさんが話しておると、唐突に凄まじい眠気に襲われ俺はそのまま眠ってしまった。

 

       ⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪

 

目を開けると空の景色を見ながら翔んでいた。そして5人の冒険者が複数の巨大な蟻に追われていて、そのうち2人は戦おうとしたが俺は『竜巻』と『大海』を使って助けていた。直接顔を見ると俺は驚いていた、何故なら戦おうとしていた2人の内1人は『夜の蝶』の水晶玉で見た女性「シズエ・イザワ」そして俺が転生する前から知っている人物「ウォズ」であったから。

そこからまた目を閉じ、再び開けるとシズエ・イザワが苦しみ炎の渦に包まれると5mの体で炎を纏った男のような魔人が現れた、そして俺は自分の意思とは無関係に『ジクウドライバー』と『ジオウウォッチ』を起動させようとしていることに驚いていた。

 

(なんだこれ!?なんで使おうとしてんだ?)

 

そう思いながら自分の右手を止めようするが全くいうことを利かずジオウウォッチの表面を90度回転させスイッチを押すと周りの景色が突然消えた。

 

       ⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪

 

「……ド、リード!リード!!」

 

「う、うん?…リムル?あれ?………俺、いつの間に寝てた?」

 

俺は目を擦るとすぐ横にリムルがおり、カイジンさん達は眠っていた。

 

「大丈夫か?…まさか丸2日寝るとは、疲れがたまってたんだな…」

 

「2日!?1日じゃなくて!?」

 

「丸2日寝てた…、一応朝起こそうとしたが、全然起きなかったし、魘されてたんだぞ……大丈夫か?」

 

「あ、ああ、ごめん心配かけて、そうだ今日はなんだった?」

 

「今日は代理人と打ち合わせをしたくらいだ明日が裁判だから体調には気を付けろよ、もし辛くなったら言えよ!良いな?」

 

「は~い」

 

リムルはそう言ったら、吊るされたゴブタの近くに行くと『粘糸』で遊び始めた。

 

(………まあいいか、大賢者、以前俺が獲得したエクストラスキル『王の器』『王の威圧』『時の王者』『天界の翼』『魔界の羽』の説明お願い出来る?)

 

『了。まず『天界の翼』と『魔界の羽』の説明をします、よろしいですか?』

 

(頼む)

 

『了。『天界の翼』は個体名リード:テンペストが天使の翼を出すと自動発動し『閃光』『太陽』『大海』『竜巻』の能力が上がり、『魔界の羽』は同様に個体名リード:テンペストが悪魔の羽を出すと『凶星雲(オミノス・ネビュラ)』の能力が上がりますなお、この2つを同時に使うとさらに能力が上がりますが、さらにあらゆる環境の中でも発動可能で、最高飛行速度は音速を越えます』

 

(マジか!じゃあ…次に『王の器』について頼む)

 

『了。『王の器』は通常のスキルをエクストラスキルにまで進化させるエクストラスキルです、今あるスキルの内『嗅覚』も『王の器』によって進化させることも可能です』

 

(え、じゃなんで牙狼族時、進化させなかったの?)

 

『解。あの場の状況に最も相応しいと私が独断で判断し、エクストラスキル『繋がる者』で進化せさました』

 

(成る程、サンキュー、でもこれからは俺の許可をとってからにしてくれ)

 

『了。しかしスキル『嗅覚』を進化させますか?』

 

(YESで頼む)

 

『スキル『嗅覚』エクストラスキル『超嗅覚』に進化しました』

 

(次は『王の威圧』について頼む)

 

『了。『王の威圧』は意思の弱い者は身動きがとれず、意思が強い者でも魔素の量が個体名リード・テンペストより少なければ、動きを鈍らせるエクストラスキルです』

 

(なんか、どっかのアニメで似たようなのスキルだなぁ~、それじゃ最後に『時の王者』について説明を頼む)

 

『了。『時の王者』は未来予知、時間逆行、などがありますが、現在使えるのは()()()です』

 

(!!)

 

大賢者の説明を聞いて俺の中の時間が一瞬止まった、それじゃ俺が見たあれは未来ってことになる。

 

(そうか、大賢者ありがとう)

 

俺は大賢者にお礼をいうと天井をじっと見つめた。

 

(……覚悟決めないといけないな…)

 

俺は裁判に備えて再び眠った。その夜は予知夢を見なかった。

 

       ⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪

 

翌日リードとリムルはこの世界で初めて本当の“危機感”を感じていた。

それはドワルゴン現国王ガゼル・ドワルゴン

リードは最悪今仕舞っている自分の翼と羽で皆を連れて逃げようと考えていたがそれは無駄になると理解した。何故ならガゼル王は先程からリードに集中して殺気をとばしているからだ。

この時ガゼル王はエクストラスキル『英雄覇気』を使用していたが、リードはある考えのためリムルと『繋がる者』の接続を切っている状態であったため、リードはその事を知らず自身のエクストラスキル『王の威圧』で対応していた。

 

俺はカイジンさんから聞いた話からベスターがどう出るのかある程度予想がついていた。それは自分達の弁護人の発言だ。

 

「___と、このように店で寛いでおられたベスター大臣に因縁をつけ、カイジン達は複数で暴行を加えたのです」

 

俺は予想通り過ぎてため息が出る、十中八九この弁護人はベスターに買収されたな、チラリとベスターを見ると顔面を1発しか殴られていないのに重傷の芝居をしていて、勝ち誇った笑みを浮かべていたことに俺は呆れた。しかもこの国は裁判の発言の許可は伯爵位以上の貴族のみ、許可なく発言すると、その時点で有罪になるらしい、これでは旅人が不便だと思った。

 

「王よこの者達への厳罰を申し渡しくだ「ちょっと発言失礼しま~す」な!貴様!」

 

皆の視線が俺に集まる、リムルも驚いた感じで俺を見ていた。

 

「貴様!有罪「少し黙ってくれ、俺は王に言いたいことがある」なんだ、ヒッ…!」

 

一人の貴族が俺を咎めようとしたが俺は『王の威圧』で黙らせた。

 

「………よかろう、発言を許可する、だがその殺気を仕舞ってくれ」

 

「あんたの殺気を仕舞えば俺も仕舞うよ」

 

俺がそう言うとガゼル王は殺気を仕舞ってくれたので、俺も殺気を仕舞い言いたいことを言った。

 

「あんたさぁ、本当は全部知ってるんでしょ、ベスターが偽りの証言をさせてることや、今回の騒動の原因も」

 

そう言うとガゼル王の表情が僅かに揺らいだ。

何故そう思ったのか、理由は簡単だ、ガゼル王の『眼』が答えだ、この王は全てを知っている上でベスターの悪事を放っていた、いや自分から自白し、悔い改めるのを待っている親のような眼をしていたからだ。

 

「………フッ、お前はどうやらかなり鋭い魔物のようだな」

 

「あなたも俺が思ってたのとは違う王だったな、先程の非礼は申し訳ない、しかしこの法律は旅の者には少し不利なので改変をおすすめします」

 

「…考えておこう、………カイジンよ、久しいな息災か?」

 

「は!王におかれましても、ご健勝そうで何よりでございます」

 

ガゼル王の問いにカイジンさんは膝をつき、答えた。

 

「よい、それよりも戻ってくる気はあるか?」

 

この言葉にベスターの顔色が悪くなり、弁護人はもともと土色の肌が白くなり怯えていた。

 

「恐れながら王よ、私は既に主を選びました、王の命令であれど、主を裏切ることは出来ません」

 

カイジンのこの言葉に兵士は槍をかまえようとしたが、リードが『王の威圧』を使い動きを封じた。

そしてガゼル王は目をつむった。

 

「…で、あるか………判決を言い渡す!カイジン及びその仲間は国外追放とする!今宵日付が変わって以後、この国に滞在する事を許さん!以上だ、余の前から消えるがよい」

 

その言葉にカイジンは涙を一滴流し、ガゼル王は寂しそうな表情を皆に気づかれないようにしていたが、リムルとリードは薄々感じとった。

 

       ⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪

 

リムル達や貴族達が退出し、裁判所はガゼル王とその側近、ベスターだけになった。

 

「ベスターよ」

 

「…っ」

 

「これを見よ」

 

ガゼル王は側近の者にあるものをベスターに見せた、それはリムルがドワーフ三兄弟の治療に使った回復薬とリードが門で瞬殺した冒険者達の装備と武器であった。

 

「ま、まさか完全回復薬(フルポーション)!?

そんな我らの技術を持ってしても上位回復薬(ハイポーション)までしか作れないというのに一体どうやって……………!これは」

 

ベスターがリムル(大賢者)の作った回復薬を見たあと、冒険者達の装備と武器を見ると言葉を失った。

 

「やはり気づいたか、ベスター…お前の察した通りその装備は『魔鉱石』で作られた装備だ」

 

その装備には()()()()()()()()()()。魔鉱石で作られた装備は並大抵の攻撃なら防げる、しかし使用者によっても最低でも、中級魔法で破壊可能な装備の筈が破壊されていたからだ、そして武器の状態もベスターは信じれずにいた。

 

「…そしてこの武器も『魔鉱石』によって作られた武器」

 

その武器は()()()()()()()()()()。普通の武器でも砕けるならまだ理解出来る、しかしこれはそれよりも高い強度がある武器が溶けていた。

この真実を知ったベスターは

回復薬の事やどうやって魔鉱石で作られた装備と武器を破壊したのか知りたい目をしていた。

 

「…惜しいものだ、そのような目が出来る臣を失う事になるとは」

 

ガゼル王は非常に残念そうな表情でベスターに言った。

 

「!!王よ、お待ちください私は……」

 

「その回復薬をもたらしたのはあのスライムであり、その装備と武器を破壊したのはあの新種の魔物だ」

 

「!!」

 

ベスターの発言を遮ったガゼル王の言葉にベスターは恐怖し震えた、この装備と武器を破壊した化物に自分はあんなことをしたのかと。

 

「お前の行いが、あの魔物達の繋がりを絶った

ベスターよ何か言いたいことはあるか?」

 

ガゼル王は静かに言うとベスターに問い詰めた。

ベスターは何故自分が王に問い詰められているのか考えているとそこで理解した。自分が道を誤ったことに、あまりに自分が愚かだったことにそしてそれに気づくことがあまりに遅かったと悟ったベスターは膝を着ついた。

 

「何も…何もございません王よ」

 

「…そうか、今後王宮への立ち入りを禁止する、二度と余の前に姿を見せるな」

 

ガゼル王は振り返りベスターへの判決を言い渡すと最後に

 

「だがベスターよ、これまでの働き…大儀であった!」

 

ベスターにこれまでの働き対する評価を言うと、ベスターの涙はしばらく止まらなかった。

 

       ⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪

 

王宮の庭にガゼル王が1人いた。

 

「暗部よ、あのスライムと新種の魔物の動向を監視せよ」

 

「は!」

 

ガゼル王は柱の影に隠れていた暗部に我が魔王とその友リムル殿の動向を監視するよう命じた。

 

「決して気取られるなよ」

 

「この命に代えましても」

 

暗部はそう言い風となって消えた。

 

「あんな化物共がこの世に解き放たれていたとは

あのスライムはまさに暴風竜ヴェルドラの如く、そしてあの新たな魔物、余が夢で見たあの最低最悪の魔王となるやもしれぬ」

 

ガゼル王はそう言うがそんなことは決して私がさせない。

 

………私が誰だって?それはすぐにわかる事さ、さてあの3人の冒険者達に合流するか。

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