果たして、この戦いで七曜を誘き出すことは出来るのだろうか。
自然:「たくっ、この程度じゃ眠気も覚めやしねぇ」
かすり傷一つ負わず、
あれだけの数を、全員一撃で気絶させただけでなく、息を僅かも乱さず欠伸までするその行動に恐怖せざるを得ない。
レナード:「なぜ…」
自然:「うん?」
レナード:「なぜこれ程の実力があるのに魔王の味方をする!?勇者を名乗るなら、人間の味方をするのが道理ではないのか!?」
自然:「‥‥‥」
レナード:「魔王リードと魔王リムルは二万の騎士を躊躇わずに屠った残虐な魔王!それに味方をするなど───」
自然:「あぁん?」
レナードの言葉が、自然の逆鱗に触れてしまった。
自分への侮辱は気にすることはない上に、並大抵の言葉なら聞き流す事も出来る。しかし、一方的に
その証拠に自然の足場を中心に、
自然:「随分と好き勝手な事をぬかすな。礼儀てってもんを叩き込んでやる」
一歩歩もうとした自然の前に、
自然:「どけ!生夢兄貴、釈迦人兄貴」
生夢:「そうはいかないよ」
釈迦人:「自然にほとんど獲物譲った俺達ケッコー暇になっちゃたんだよ?」
結界内では、気絶した
それの意味に気づいた自然は、怒りの籠った目で兄たちを見る。
自然:「チッ!分かったよ。残りは兄貴達に譲るよ」
自然は結界の端に移動し、胡座をかいた。
生夢:「さて、貴方達の相手は僕たちです!」
釈迦人:「しっかり保ってよ」
二人の腰にゲーマドライバーが巻かれ、生夢はマキシマムマイティXガシャットを、釈迦人はガシャットギアデュアルを起動させた。
自然:(二人もしっかり怒ってるじゃん…)
自然が二人に残りを譲ったのは、生夢と釈迦人も怒っていたからである。
もし、逆らって喧嘩になったらその余波で
自然:(
生夢・釈迦人:「「変身!」」
二人はガシャットをドライバーに装填させ、変身する。
先ほどの自然以上の蹂躙が始まった合図だ。
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リード:「初めまして、
ヒナタ:「‥‥‥まさかそんな丁寧に紹介するなんて思わなかったわ」
ヒナタは、リードが想像していたよりかなり優しい者だとわかり戸惑っていた。
リードの言葉は信頼というよりも尊敬している者の声に聞こえたからだ。
リード:「俺はあなたを人類で最も信頼出来る人だと信じています。だから、あの戦闘が終わったらあの部隊を国に帰してください。そうすれば俺はあなたを信用します」
ヒナタ:「それは───」
アルノー:「何を言う!この状況でこちらの戦力を戻せば、ヒナタ様はどうなる?ヒナタ様を呼び出した貴様が何もしないと誰が保証出来るのだ!?」
俺の発言に憤慨したように叫んだのは、おそらく“空”のアルノーさんだろう。
それだけで姉さんを慕ってくれているとよく分かる。姉さんの負担を少しでも軽くさせようとしているのもだ。
だけど、やっぱり魔王の言葉を簡単には信じてくれないか…わかっていたつもりだけど正直堪えるな。
アルノー:「なんだ貴様は?」
縁護:「私は魔王リード=テンペストの
アルノー:「貴様が…!」
縁護:「お前がこの会話に参加する権利などない。少し静かにしていろ」
アルノー:「…へぇ、そうか、よ!」
アルノーさんは、縁護
縁護義兄さんは、その剣を素手で受け止めた。
縁護:「随分と血の気が多いな。なら少し遊んでやろう」
縁護義兄さんは、アルノーさんが反応出来る速度で蹴りを放つと、アルノーさんは両腕で防御をし森の奥へ飛ばされた。
リード:「縁護義兄さん…」
縁護:「わかってる。殺さないようにする」
縁護義兄さんは、笑って森の方へ向かった。
この時、ウォズ達は気づいていたが、俺は縁護義兄さんの眉間にシワがよっていた事に気づいていなかった。
フリッツ:「アルノー!」
ウォズ:「仲間の前に自分の身を心配をしたらどうだね?」
ウォズとコウホウが、“風”のフリッツさん、“地”のバッカスさんに狙いを定めると、二人もそれに察し、場所を移動する。
リティス:「ええ、そうですね」
ホウテンは、“水”のリティスさんと共に離れる。
これで残ったのは、俺と姉さんだけ。姉さんは持っていた剣を露にすると、落胆よりも怒りが沸いた。
リード:「何ですか、そのナマクラは?」
ヒナタ:「…!!」
俺は『聖魔覇気』で姉さんを威圧する。はっきり言ってあの剣は、そこいらの三流剣士の手の中にある方がお似合いだ。
ヒナタ:(これは本気で戦った方がいいわね)
ヒナタもリードの怒りの理由を察し、七曜から賜った
ヒナタ:「先ほどは失礼したわね。お詫びに全力で相手をするわ」
リード:「…え?」
ヒナタ:(何をそんなに驚いているの?)
リード:「それって、俺を『強い』って認めてくれたって捉えていいですか?」
ヒナタ:「?その通りよ」
姉さんの言葉に、俺は笑いを抑える事が出来ない。
よかった、あの七年は無駄じゃなかった。この世界に来た二年も無駄じゃなかった。俺が強くなりたいと思ったのは、守りたいものを守るためと、姉さんに褒めてほしかったからだ。
これだけでも嬉しい。だけど今の俺の強さをもっと知ってほしい、もっと褒めほしい。そんな欲求を抑えることが出来なくなっていった。
リード:「それじゃあ、俺も本気でいきます!」
俺はジオウ
リード:「変身!」
姉さん、今の俺を見て!今の俺の強さを褒めて!
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ウォズとコウホウに、フリッツとバッカスは互いの自己紹介を終えていても今だに戦いが始まっておらず、縁護とアルノーの戦いを見ていた。
現状は、アルノーの剣技が縁護を圧倒しているように見えていた。
フリッツ:「やっぱり、アルノーが優勢だな」
ウォズ:「…マズイね」
黄奉:「ああ非常にマズイ。あの縁護が怒っている」
バッカス:「何を言っている?」
バッカスとフリッツは首を傾げるが、ウォズとコウホウは以前リムルから縁護達の注意点を聞かされていた。
リムル:『いいか?縁護の眉間にシワが寄ってるときは、怒っているって思え!その怒りは自然曰く、怒りレベル7以上のリードと同等と思え!』
それを聞いたホウテンが、僅かに震えていたので、相当危険なのだと全員はしっかりとおぼえていた。
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時魔兄弟の中で、縁護は一番穏やかな性格をしている。例えるなら森林のように静な性格である。しかし、一度怒らせるとその怒りは、大地震のように激しく非情なものとなのである。
そんな縁護を怒らせたアルノー、ヒナタの負担を軽くするためとはいえ、行動を誤った。
アルノー:(何故だ?)
剣を振るうアルノーは、少しずつ少しずつ恐怖を感じていた。
アルノー:(何故一撃も掠りもしない!?)
己の全力の剣が全く通用しない。ルベリオスではヒナタとタロスを除いて
縁護:「無駄だ。お前の動きを既に全て予測し終えている。お前程度なら最初の一太刀ですぐに動きはわかる」
縁護は腕を組み、最小限の動きで回避し続ける縁護の言葉がハッタリではないとすぐに理解する。
アルノー:「成る程、ならば受けてみるか、俺が最強の聖騎士の一人と呼ばれる由縁を」
アルノーの剣に、五属性の精霊の力が宿る。
そして、あらゆる魔物を一刀の下に切り捨ててきた必殺の秘剣を放つ。
アルノー:「その身に刻むがいい、魔を浄化する精霊の輝きを。くらえ!」
眩い五色に輝く剣閃が、縁護を襲う。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
アルノー達の戦いを観戦していたタロスは呆れていた。
タロス:「全く、アイツらは人の報告を聞いていたのか?」
ラダマンティス:「主?」
タロス:「その程度の技で倒せる相手なら
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アルノー:「ば、馬鹿な…」
アルノーはそう言うことしか出来なかった。自身の必殺の剣を、縁護は片手で受け止めていた。
縁護:「言ったはずだ、お前の動きは予測し終えている。と」
縁護は、指に力をこめると、アルノーの剣をへし折った。
縁護:「たかが五属性の精霊ごときの力で私が倒せると思っているとは、ルベリオスは随分とぬるい稽古をしているのだな」
縁護は、アルノーが剣に精霊の力を纏わせていた時には既に仕組みを理解し、それを越える方法を見つけていた。
縁護:「私は、七属性の
縁護の指は五色に輝き、手の平では光と闇の
それにアルノーは驚く。
アルノー:「馬鹿な、それ程の力を宿せば体にもどんな影響が出るのかわからないのだぞ!?命が惜しくないのか!?」
縁護:「それがどうした?」
アルノー:「なに?」
縁護:「私は、あの子達の『兄』だ。
縁護は消息が掴めていない兄である煉武と自分達を受けれいれてくれた兄貴分である
自分もいつかは兄二人のような存在になりたいと思うようになった縁護は、持ち前の観察力と感知能力で兄たちの長所を徹底的に学習していった。
その結果、縁護は煉武のように弟達のためなら自分の命を代価にかけ、リムルみたいに優しい兄へと成長したのだ。
縁護:「お前と私達とでは、覚悟の次元が違うのだ!!」
その縁護の怒りの気迫を前にアルノーは、無言で敗北を認めて膝を地につけた。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
自然は、持ってみていたクッションで寛ぎながら、傍観していた。
自然:「
仮面ライダーエグゼイドマキシマムゲーマーレベル99に変身した生夢と仮面ライダーパラドクスパーフェクトノックアウトゲーマーレベル99に変身した釈迦人の連携を前に、
自然:(つーか、あの二人いつの間に時魔流武術
釈迦人:「ねー、まだやるの?」
生夢:「もう実力の差を認めて。お前達じゃ僕達にかすり傷を負わせることすら出来ない」
ギャルド:「黙れ!貴様らも魔王に与するのはやめて俺達につけ!勇者ならそれが道理のはずだ!」
ギャルドの怒号に、生夢達はあきれていた。
ここまでやっても、認めようとしないとなると殺さざるを得なくなる。しかしそれは、リードが傷つく可能性があるため出来ないのが現状である。
そこで釈迦人が最も手っ取り早く、相手の戦意を消失させる方法が思い浮かび、提案した。
釈迦人:「じゃあさ、こういう
レナード:「ゲーム?」
釈迦人:「あんたらが一番強い攻撃を俺に撃つ、俺がそれでやられたらこの結界解いてあげる」
レナード:「その攻撃にあなたが耐えたら?」
釈迦人:「お前達は大人しく降伏する」
ギャルド:「いいぜ、その提案受けてやる」
ギャルドが
一方、釈迦人は自身の
特に消費削減と永久維持が主に使う権能であり、消費削減はどれ程魔力の消費が激しい魔法でもその減少量は、釈迦人と全
お互い必殺の一撃の準備が整い、ギャルドの攻撃が放たれる。
ギャルド:「喰らえ!」
そう、並の実力者なら
釈迦人:「レオンや
PERFECTKNOCKOUTCRITICALBOMBER!
しかし、彼らが相手にしていたのは、魔王レオン・クロムウェルが一目おき、
ガシャコンパラブレイガンを振るい、ギャルドの攻撃を真っ二つに切り裂いた。
釈迦人:「はい俺の勝ち!」
ギャルドは、信じられないのかうわ言のように呟くが、レナードは決断を下す。
レナード:「降伏する。部下達に寛大な処置を期待したい」
レナードの降伏宣言に生夢と釈迦人は変身を解除する。
生夢:「俺達はお前達と違って種族が理由で殺さないよ。だから、出来れば話し合いがしたかったんだけどね」
生夢の視線の先をレナードも見ると、そこには仮面ライダージオウ
それを見て驚いたレナードだが、何故二人が戦っているのかわかっていなかった。
レナード:「なぜ…なぜ、二人は戦っている?」
自然:「馬鹿か?軍隊率いて迎え撃たないヤツなんているか?」
自然の言葉に、レナードは七曜に利用された事を悟った。自分が部隊を率いたせいで、交渉不能にしたことと、ヒナタが
レナードは顔を青ざめるが、もはや止める事は出来ない。ただ見ることしか出来ないのだ。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
ヒナタは戸惑っていた。それは、リードの戦い方や態度ではない。自身のユニークスキル『
リードの実力は、本物である。魔物としての身体能力の高さに慢心することなく、達人レベルの技術を持つ。あのような大剣を片手で操り、もう片方の腕は体術で使われる。
この者は間違いなく、自身より格上であるはず、それは『
ヒナタ:(こんな事は初めてよ。けどだからといって戦いをやめてとは言えないわね)
勝算のない戦いのはずであるのに、ヒナタの心は高揚を感じ、小さく笑った。それはリードも同じであった。
リード:(未来を視て数秒以内に攻撃が飛んでくる!姉さんでこのレベルなら、もし煉武義兄さんが相手ならキツいな)
姉さんの戦い方は、極端に言えばフェンシングのような刺突を放ってくる。
この世界で十数年も戦ってきたんだ。当然と言えば当然か。
縁護義兄さん達も
姉さんもそれに気づき、攻撃がおさまる
ヒナタ:「ねえ、リード君提案があるのだけど?」
リード:「なんですか?」
ヒナタ:「次の一撃で決着をつけましょう。私の奥義を全力で仕掛けるわ」
リード:「それに耐えたら俺の勝ち、耐えられなかったら俺の負けということですか?」
ヒナタ:「ええ、そうね」
リード:「すいませんが、奥義勝負に変更出来ませんか?俺の全てをあなたに見せたいです」
ヒナタ:「…良いわよ、この技はとても危険だからそれで相殺出来るならかまわないわ」
姉さんからの許可を貰うと、俺は『
進化したことで、凄まじく強化されたこの二つの
そして、俺の両腕は光と闇が混ざりあったような腕に変わると、両手でサイキョージカンギレードを持つ。すると刀身が元々の輝きに更に二色の輝きが加わる。
姉さんは、左手で
ヒナタ:「覚悟はいい?」
リード:「そちらも、気をつけてください」
静かに全員が見守るなか、俺は呼吸を整える。
そして、お互いの剣技を繰り出す。
俺たちの技の勝負は俺が勝った。
まだまだ戦う力は残っているが、精神的に限界だった。それに姉さんはもう戦う力は残っていないはずだ。
ヒナタ:「ふふふっ、あははははっ!」
すると、姉さんが笑い出した。
ヒナタ:「凄いね、あんな技を使えるなんて。私の負けよ」
姉さんが、優しい笑顔で褒めてくれた。これだけで、俺は充分に心が満たされた。泣きそうになるが、なんとか涙を抑える。
その時、最悪の未来が視え、直後に姉さんが捨てた大剣が光だした。
リード:(あんな思いはもうしたくない!!)
ヒナタ:「しまった!ここまでするのか、七曜ーーッ!?」
姉さんが動くより先に、俺は姉さんを縁護義兄さんのところまで突き飛ばす。
そして、閃光が防御した腕ごと俺の胸を貫いた。
時魔兄弟:『聖司ーーーーーッ!!』
リードは強制変身解除され、崩れ落ちた。
こうした決着したかに思えた戦いに我が魔王は、ヒナタを守って倒れた。
この落とし前はきっちりつけと貰わないとね。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
リムル:「なんだって!?」
リムル:「(ベニマル、シオン、ソウエイ、ハクロウ、ガビル、シズさん!今すぐ俺の執務室に集合してくれ、リードがヤバい!)」
リムル:(少しの間耐えてくれリード!)
リムルは、リードの身を案じた。それは、相棒としてではなく、兄貴分としての心配であった。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
丘の上で見ていたパンドラ達は、驚きを隠せずにいた。突然のことでまだ状況を理解していなかったようだ。
しかし、“闇”のタロスは違った。
全てを瞬時に理解し、堪忍袋の緒が切れたのであった。
タロス:「七曜ーーーー!!」
タロスが怒りは凄まじく、自身にかけていた
パンドラ:「あ、主?」
タロス:「もういい…」
パンドラ達:『え?』
タロス:「“闇”のタロスはここまでだ!!」
タロスの肉体が膨れ上がり、