そして、レンム様のおかげで状況は逆転し、我が魔王の手によって七曜を始末することに成功したのであった。しかし、こちらに戻って来ると今までに見たことのない姿に変わり、怒りの咆哮をあげるのだった。
リード:「うあああぁぁーーー!!!」
リードの怒りの咆哮が響くと、その振動で
縁護:「兄上!
俺と
そして、サイキョージカンギレードを
煉武:「先に行くぞ」
リムル:「ああ!」
次の瞬間、煉武が俺の隣から消え、リードにロケットキックをくらわせた。
サーレ:「は、はあ!?」
ガビル:「?…??」
ウォズ:「スタートと終わりだけは見えた」
ベニマル達のような魔王種や仙人クラスの者には、何が起きたのか理解出来ていなかったが、ルミナスやヒナタ、シズのように覚醒魔王、聖人クラスの者には見えていた。
ルミナス:(なんじゃ今のデタラメな速さは!本当に人間か!?)
ヒナタ:「っ…!?」
シズ:(一瞬で速度を上げて、リード君を吹き飛ばすなんて…私の知る限りじゃ、
認識出来たゆえに言葉を失っていたが、この場で最も驚いていたのが、グレイドとティアノであった。
ティアノ:「ウソでしょう…」
グレイド:(なんという速さ。いや、それ以上に驚くべきなのは、その潜在能力だ。ルドラを越える可能性を持つ勇者をこの目で見る時がくるとは…)
リムル:(『神速』の煉武は健在だな)
煉武:「
リムル:「任せろ!」
縁護達とヒナタ達をリード直伝の魔法で保護するように囲む。すると、縁護が文句を言ってきた。
縁護:「三上さん、どういうつもりですか!?」
生夢:「今の
リムル:「大丈夫だ生夢」
生夢:「!」
俺は、昔みたいに笑顔で言った。
リムル:「ここは俺達に任せろ!」
釈迦人:「三上さん…」
自然:「ッ………だあぁ!ヤバいって判断したら出してくださいよ!」
リムル:「ああ」
俺は煉武の隣に移動する。この感じ久しぶりだな。
煉武:「悟、すまないが少しの間だけ、私一人で相手をさせてほしい」
リムル:「はあぁ!何言って───」
煉武の真剣な眼差しを向けれ、俺は何も言えなくなる。コイツは弟のことになると、最低限の筋を通そうとする。例え、それが命の危機になったとしても、
リムル:「………数分間だけだぞ」
煉武:「…ありがとう」
俺は、煉武達から離れるが、いつでも助太刀出来るように、ドライバーにウォッチを装着させた。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
煉武:「‥‥‥」
リード:「‥‥‥」
二人はただ静かに向かい合っていると、最初に仕掛けたのはリードだった。
その速さは、ヒナタとの戦闘での速さとは比較にならず、サイキョージカンギレードに籠められた力は、掠っただけで魔王種や仙人級の者を即死させてしまうだろう。
その凄まじい一撃を煉武は、何もせずにまともに受けた。
全員(リムルと時魔兄弟以外):『!?』
先ほどの煉武の動きを見た者達から見れば、先ほどの攻撃を避けることは造作もないはずだった。それなのに防御も回避をとらず、まともにリードの攻撃を受けたことに、煉武をよく知らぬ者達は驚いていた。
受けた傷は大きく、深い。二メートルの身長がある分、その痛みや出血量は尋常ではない。しかし煉武は涼しい表情で立ち、涙を流す。
それは肉体の痛みからくる涙ではなかった。
煉武:「辛かったな、聖司?」
煉武にとって今受けた傷はかすり傷に等しかった。
リードの心に受けた傷や痛みを考えれば、自分の傷など、どうでもよかったのだ。
ヒナタとレナード達からの報告を聞いたとき、リードが自分達より先にこの世界にいたことはすぐにわかった。それも幼なじみである
しかし、リードが得た力を知った時、煉武は怒りのままに自室を大いに荒らした。
煉武:『何故あの子なんだ!!何故あの子ばかりにこんな惨い仕打ちをするんだ!!何故兄である私ではない!!あの子が一体何をしたというんだ!!何故、世界はこんなに一方的にあの子を苦しめる!!!』
リードがどれ程、姉であるヒナタに会いたかったのかは煉武達時魔兄弟が一番理解していた。そのリードが、ヒナタを守るために再会することを諦めたことがどれ程辛いことだったのか、煉武は察し世界に対して大いに怒った。
そして、今回の件も自分が強引な手段を使えば、この戦いは起こらなかったはずだった。しかし、ヒナタに正体を明かすわけにはいかなかった上に、リードの気持ちを優先させたことで戦いは起こってしまった
つまり、リードを暴走させた責任は自分にもあるのだと煉武は考えていた。
そして、『
煉武:「聖司!お前のその怒り、私は肯定しよう!」
煉武が大声で言うと、ルベリオスの者達は、意味が理解出来ていなかった。
リードもお構いなしで、一撃必殺の攻撃を連続で繰り出すが、今度は煉武は全て対応する。
煉武:「お前がそれ程怒り狂う理由は私達兄弟が最も理解している!しかし、今のお前が誰か一人でも殺せば、お前が正気に戻った時、お前は間違いなく自責の念に囚われ、さらに傷つく!」
煉武は、少しでもリードに届くように訴えるが、リードはさらに攻撃の速度が上がる。煉武もそれに合わせて速度を早める。
しかし、この状況が続けばレンムが先に倒れると考えたルミナスはリムルに意見を言った。
ルミナス:「リムルよ!貴様このままでレンムが死ぬぞ!そなたが手を貸さぬなら妾が───」
リムル:「黙ってくれないか」
ルミナス:「…なに?」
リムル:「煉武が負ける?あり得ない!煉武が弟を救うのに失敗する?もっとあり得ない!!」
リムルは、誰よりも煉武を理解し、信用していた。ゆえに断言できた。
リムル:「良いか?アイツは絶対に死なない!そう簡単に殺せるなら、時魔家長男なんて務まらないんだよ!!」
リムルの気迫に、ルミナス達は驚いたが、ベニマル達も驚いていた。
それだけリムルが煉武の事を信頼している証拠であった。
リードが、攻撃の出力も上げると、ついにその刃が煉武に迫る。
煉武:(時魔流武術
刃が煉武を切り裂いたと思われた次の瞬間、煉武がまるで霧になったように散ると、リードの背をとった。
煉武:「待っていろ聖司」
両手でリードの頭を掴み、『
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
煉武:「ここは…」
(神社‥‥‥宗教に良い印象を持っていないあの子の今の精神状態を考えると…ここはヒナタが飛ばされた場所か!)
煉武の意識が目覚め、周囲の景色を見渡すと、そこはリードにとって最悪な場所である神社だった。
すると、鳥居の先から、すすり泣きが聞こえてきた。
煉武は、
煉武:「聖司!」
煉武が手をのばすと、陣の回りの力で弾かれてしまう。しかし、そのおかげで、リードは煉武の存在に気づく。
煉武:「聖司、手をのばせ!」
煉武は、リードに手をのばすよう求めるが、リードは首を横に振り、こう言った。
リード:「煉武
煉武:「っ!」
リードはそれだけ伝えると、煉武を現実世界へ吹き飛ばした。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
煉武:「はっ!」
煉武の意識がな現実世界に戻ると、リードは手を後ろにかざしてエネルギーを魔力弾として溜め込んでいた。
サイズは小さいが、その破壊力は、シオンの極大魔力弾が可愛く見えるほどである。
煉武:(鏡花水月での回避は無理だ。この射線にはヒナタがいる!
煉武の選択は、凶弾の射線を僅かに逸らそうと、横に跳躍するが僅かに遅れてリードの魔力弾が放たれる。
リードの必殺の魔力弾の狙いは的確であり、煉武の心臓に被弾してしまうと、煉武自身覚悟をした。
そして、
リムル:「時間切れだ煉武。喰らい尽くせ『
全てを飲み込む
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
煉武:「まさか、お前に助けられるとはな。一生の恥だ」
リムル:「殴るぞお前!」
ゲイツリバイブ疾風に変身し絶体絶命の危機を救ったのになんだよその態度!
だけど、コイツとのやり取りはこうじゃないと落ち着かないな。
煉武:「それで、何がわかった?」
リムル:「リードの
煉武:「つまり、聖司に怒り以上の別の感情を持たせる、または意識を手放させないと、暴走は続くということか」
リムル:「そういうことだ。あとコレ」
俺は、今朝リードからなぜか鎧武ウォッチを預けられ、それがさっきから煉武に反応するように光っていたので投げ渡す。
煉武は、俺の意図にすぐに気づいて鎧武ウォッチを起動させた。
世界の言葉:『確認しました。個体名:
世界の言葉が響くと、煉武の腰に戦極ドライバーが巻かれる。
煉武:「こうやって、暴れまわる弟をお前と一緒に止めるのは、二十年以上前になるな」
リムル:「生夢と釈迦人の時はお前のせいだろう!俺ヒドい目にあったんだからな!」
煉武:「確かにあの時は悪かったが、縁護と自然の時は、お前のせいだったぞ。止めるのに苦労した」
リムル:「それは悪い。まあ、いつもなら武力はお前、メンタルケアは俺の仕事だが、今回みたいに、共闘は初めてだな」
煉武:「遅れるなよ」
煉武は、カチドキロックシードをドライバーに装着させ、起動させる。
カチドキアームズ!いざ出陣!エイ、エイ、オー!
仮面ライダー鎧武カチドキアームズに変身し、火縄大橙DJ銃を無双セイバーと合体させ、片腕で振り回す。
リムル:「お前もな」
俺もジカンジャックローつめモードを握りなおし、構える。
今ここに
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
ルミナス:「おい、あの二人は共闘は初めてと言っておったな?」
縁護:「私の記憶では、確かにそうですね」
レナード:「なんと…」
アルノー:「俺達、とんでもない人に喧嘩売られたんだな…」
ギャルド:「こればかりは運がなかったとしか言いようがない」
リティス:「確かにそう言えるけど…」
バッカス:「私たちの時はずっと抑えて戦っていたのか…」
フリッツ:「化物だ…」
ルミナス達は、目の前の状況に驚いていた。
それは、リムルと煉武が完璧なコンビネーションでリードを圧倒しているという事もあったが、それ以上にルミナスが驚いていたのは、その完璧なコンビネーションを二人は『思念伝達』やアイコンタクトを一切とらずに成立させていたという事であった。
物理攻撃を煉武が対応し、魔法等のエネルギー攻撃をリムルが喰らう。
聞くだけでは、大したことのないように聞こえるが、それをリードが未来を見るより先に動き続けているというなら話は変わってくる。
煉武は、時魔兄弟最速であり、経験値もリードを除けば兄弟の中ではずば抜けているのは言うまでもない。その煉武の動きにリムルは、
煉武:「どうした悟!やっぱりスキル頼りだから動きに目が回るか?」
リムル:「うるせぇ!お前こそ何か方法ないのか考えろ!」
二人の連携になす術なく、攻撃を受け続けるリード。このままいけば、止める事が出来ると誰もが思った瞬間リードの仮面の二つの針が十二時を指す。
そして、
リードは、停止したリムルと煉武から距離を置き、鎧の砕けた部位を再生させていき、何事もなかったように完全に再生が終える。
煉武の横を通り、通り過ぎろうとしたその時、
その衝撃で時間が再び動き始めると、リードは近くの岩まで吹き飛ばされた。
ルミナス:「!?」
生夢:「何が起きた!?」
釈迦人:「え?マジで待って、今のなに?」
縁護:「馬鹿な!?何も感知出来なかったぞ!?」
鳳天:「…っ」
(クレイマンの時と同じだ!)
縁護達ですら何が起きたのか分からず混乱していたが、自然だけは同じ現象を経験しており、何が起きたのかすぐに理解した。
自然:「まさか…聖司のヤツ時間を止めやがった!」
ヒナタ:「時間を!?」
シズ:「そんな事可能なの?」
自然:「間違いありません!」
(でも、そういうことなら…煉武兄貴はその空間を動けたのか!?)
自然は、瞬きもなかった現状の変わり様から、全てを考察すると、冷や汗を流した。
リムル:「時間停止!?」
煉武:「ああ、もしかしたら使えるのではないかと思ってな。少し警戒していたら、大正解だった」
リムル:「だったら何でお前は動けたんだ?」
煉武:「…おそらく、私の中に宿っている八属性の聖霊のおかげだろう」
煉武を少し調べると、確かに精霊王よりさらに上の存在である聖霊の力を八つも感知した。
いや、まあぁ、煉武だし…
だって、コイツが常識離れしたことをするなんて珍しくもないし…
そんな事をしていると、リードが戻ってきた。
リムル:「(どうする?また時間停止されたら厄介だぞ)」
煉武:「(…私の中にある聖霊を全て解析鑑定し、自分の力にしろ)」
リムル:「(今か?!)」
煉武:「(早くしろ。
リムル:「(わかった…やるだけやって…!?)」
リードが翼を出現させ、羽根が二十本抜けると、形と大きさが変わり、光と闇が混ざりあったようなジオウとクウガからビルドアーマーを纏った分身体が出現した。
煉武:「素晴らしい!数を増やして、私たちの動きを抑えるつもりか!」
リムル:「褒めてる場合か!!縁護、生夢、釈迦人、自然は、ヒナタ達を守れ!シズさん、ベニマル達は手を貸してくれ!」
縁護:「っ‥‥‥わかりました」
紅丸:「また無茶を…」
グレイド:「いや、数ならこっちが有利になるぞ」
グレイドが上を見上げ、ベニマルもそれにつられると、空間にヒビが入っているのを確認した。
黄奉:「やっと来たか…」
空間が割れ、そこから現れたのは既に変身を終えているシュナ以外の
リグル:「全く、世話のかかる主ですね」
今ここに
遂に、我が魔王を止めるために我ら
しかし、暴走状態とはいえ、これ程の多彩な技や能力を駆使するとは、これは一筋縄ではいかないだろうね。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
シュナは、リードの執務室で待機していたが、指輪を通してリードに異変が起きたことに既に気づいていた。
そう呟くと、
朱菜:「皆さん、参りますよ!」
聖剣鬼衆:『はは!』
シュナの言葉に従い、クラヤミが空間を切り裂いた。
朱菜:「わかっていますよクラヤミ」
クラヤミの注意を聞き、シュナが先頭を歩くとキョム達も後に続いた。