シュナやみんなの参戦で、リードの暴走を止める事に成功した。
だけどその後、
さてリード君、この隠し事はちょっと許せないぞ
煉武:「───これが私の知っている
リムル:「‥‥‥」
町に戻る途中に、煉武の知りえている限りのリードの過去を教えてもらい、俺は言葉が出ない。
そして町に着くと、上空でルミナスがヴェルドラをしばいていた。
リムル:「…縁護、
縁護:「町について、ヴェルドラが自分の出番がなかったことに文句を言っていましたが…」
生夢:「ルミナスの存在に気づいて、大声で魔王ルミナスと呼んで…」
釈迦人:「それが、
自然:「ぶちギレたルミナスが、今までの恨みを晴らすために、現在ヴェルドラをしばいてるところです」
縁護達からの説明を聞いて、俺はヴェルドラに呆れてしまう。
一方煉武は信じられないものを見て呆然としていた。
煉武:「
リムル:「うん」
そう答えると、煉武が膝から崩れた。
多分、ヴェルドラが自分の想像からだいぶかけ離れていたことに強いショックを受けたな。
煉武:「アレがこの世界最強の“竜種”の一体なのか…」
縁護:「兄上、心中お察しします」
リムル:「ところでリードは?」
生夢:「それが…」
釈迦人:「帰りついてすぐに、大量の酒を持ってどこか行ったみたいです」
生夢の言葉が詰まると、代わりに釈迦人が説明するが、その表情は陰りがあった。
リードが今この場にいないなら、そちらの方が好都合だ。
リムル:「縁護、生夢、釈迦人、自然ちょっと来てくれないか?煉武、シズさんとシュナを呼んでくれ!」
煉武:「わかった」
縁護達:『?』
縁護達を、ひと気のないところに連れて行き、それから少しして、煉武がシズさんとシュナを連れてきた。
自然:「
リムル:「…
縁護達・シズ:『!?』
シュナ:「‥‥‥」
縁護達の反応から、俺がリードの過去を知ったという事には気づき、縁護がその要因である煉武を睨み付けた。
縁護:「話したのですか兄上!?」
煉武:「これ以上、あの子が傷つくのは見たくなかったからな。それにあの子は
縁護:「…っ」
シズ:「ごめんねリムルさん。リード君の事黙ってて…」
リムル:「いや、シズさんは悪くないよ。だけど、本当に悪いと思ってるなら、俺達に協力してくれない?」
生夢:「協力?」
リムル:「ああ。リードとヒナタを本当の意味で再会させる」
釈迦人:「…それって、長男命令と兄貴分命令?」
煉武:「そうだ」
自然:「なら俺達に逆らえないじゃん」
自然が笑ってそう言うと、生夢も釈迦人も笑って頷く。縁護は乗り気じゃなかったようだが、覚悟を決めて俺と煉武を見る。
シズ:「…わかった。私も協力する」
イフリート:「私も忘れてもらっては困るぞ」
シズさんも賛同すると、小人サイズの状態でイフリートが現れ、協力すると約束してくれた。
シズ:「イフリート…」
イフリート:「勝手に出てきてすまない。しかし、私もリード様に恩があるのだ。協力させてほしい」
シズ:「…ありがとう」
イフリートは、頭を下げると、シズさんはそれを認めてくれた。
後は、シュナだけど…
シュナ:「リムル様と煉武お
どうやら、シュナも協力してくれるらしい。
よし!これで人手は十分に足りるな。
リムル:「…それじゃあ、まず───」
こうして、俺と煉武が考えたリードへのお仕置きを皆に話し、その流れを説明した。
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段取りを決め、ヒナタ達のところに戻ると、ルミナスがレミンを抱きしめていた。
どうやら、ヴェルドラを一通りしばいたようで、ヴェルドラはいうとぐったりと倒れていた。
まあ、自業自得なので少しほっといて問題ないな。
しかし、美少女が美少女を抱きしめるという美しい光景だが、ルミナスがレミンを見る目に僅かな違和感を感じたが、これは触れないでおこう。
レミン:「伯母様、皆見ています!離れて下さい!」
ルミナス:「よいではないか。二千年ぶりの再会なのだぞ。かわいい姪を愛でるくらいさせよ」
レント:「レミン諦めろ。ルミナス
レミン:「お父様ぁ…」
まあ、レミンにとっても二千年ぶりの家族の再会だから今は近づかないでおくか。
ヒナタ:「あの、煉武…さん」
煉武:「ん?なんだヒナタ」
ヒナタ:「ルミナス様から、煉武さんは、真実に気づいていたと聞いたのですが、いつから?」
煉武:「違和感を感じたのはルベリオスに入った時から、真実を知ったのはそれから一ヶ月後だ」
ヒナタ:「最初から!?」
煉武:「部下に止められなければ、どうなっていたか。まあ、ヒナタが知っていて黙認したと知って、私も条件付きでルミナスに協力していたがな」
まあ、もし煉武とルミナスがぶつかったら、ルベリオスはただでは済まないだろうな。煉武の部下、ナイス!
リムル:「それじゃあ、今からウチ自慢の温泉に案内するよ」
シズさんにアイコンタクトを送り、シズさんは黙って頷いた。
さて、作戦開始といきますか。
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シズさん達女性達に、ヒナタ達を女風呂に案内させ、俺達は男風呂へ向かった
煉武:「悟、まさか
リムル:「え?何か問題あるか?」
煉武:「大有りだ!これを捕食しろ!」
止めに入った煉武が、懐から骨の入った小瓶を俺に見せ、縁護達も煉武の目的に気づき、中身が同じ小瓶を出してきた。
リムル:「…なんの骨?」
煉武:「お前の分骨」
リムル:「…は?」
煉武:「お前の兄に頼んで、私達五人分分けてもらったのだ」
リムル:「‥‥‥それ持ってるなら、もっと早く出してほしかったんだけど、特に縁護達」
縁護達:『色々ありすぎてスッカリ忘れてました』
全く、まあでもありがたくいただくとしますか。
『
答えはもちろんYESだ。
すると黒霧が全身を包み、次に目をあけると目線の高さが大きく変わっていた。
自然:「おお!懐かしい!」
釈迦人:「というか俺達が知ってる三上さんってこっちだもね」
縁護:「私達だけの時と男風呂に入る時はそちらの姿の方が良いでしょうね?」
生夢:「確かに…配下の皆はともかく、他国の奴らは混乱するな」
縁護達の目線が近くなり、どうやら前世の肉体に完全に擬態出来たようだ…無性だから、アレはないが…
リムル(三上悟の姿):「久しぶりだな、この体。けど何でシズさんの姿だと問題あったんだ?」
煉武:「…私達に間接的にシズさんの裸体を見ろというのか?」
リムル(三上悟の姿):「あっ…」
煉武:「そんなんだから、お前はモテないんだ。このデリカシーなし男」
リムル(三上悟の姿):「うるせぇ!お前こそ独身だっただろう!」
煉武:「生憎私は結婚出来なかったのではない、結婚しなかっただけだ」
リムル(三上悟の姿):「同じだろうこのツンデレ長男!」
煉武:「やる気か?連戦完敗男」
自然:「お!始まったな」
釈迦人:「煉武
生夢:「やっぱりあの二人はああでないとな」
紅丸:「そうなのですか?」
縁護:「私達にとってはアレは日常の一部だったからな」
前世のリムルの姿に驚いていたベニマル達だったが、縁護達の言葉に、皆ただ黙ってしまった。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
男風呂で、レナード達
鍛えていないところがないほどに、鍛え抜かれたその肉体は一種の芸術とも思える程であった。
服で隠していたからこそ気づくことが出来ず、彼らの体格を完全に誤解していた彼らにとって煉武達の肉体は圧倒的であった。
そして、その時魔兄弟は完全に寛いでいた。
煉武:「ああ…癒される」
縁護:「同感です…」
生夢:「こうやって、兄弟全員でゆっくり入るのって何年ぶりだっけ?」
釈迦人:「う~んっと、数年くらいだな…」
自然:「三上さんも一緒となると、十五年ぶりくらいですかね?」
リムル(三上悟の姿):「そんなに経つんだな~」
レナード:「あの…レンム殿」
煉武:「‥‥‥なんだレナード」
レナード:「レンム殿は、ルミナス教の真実を知った上でヒナタ様に従っておりましたよね?」
煉武:「そうだが」
レナード:「やはり、レンム殿
煉武:「貴様と一緒にするな」
レナードの言葉を遮り、さらには否定する煉武の声に怒りが籠っていた。
これは、俺でも干渉してはいけない怒りだな。
レナード:「…な、何故ですか!?ヒナタ様を信じていたのでしょう!!」
煉武:「だからこそだ。貴様は七曜のあの支離滅裂の会話をあんな簡単に信用した。そんなヤツと同等と思われること自体、私には屈辱でしかない!」
レナード:「っ!」
アルノー:「レンム殿、それは言い過ぎ───」
煉武:「貴様もだアルノー」
アルノー:「な、なんですか?」
煉武:「縁護から聞いたが、貴様あの子に対して信用出来ないと言ったそうだな」
アルノー:「そ、それは…」
煉武:「いや分かっている。あの状況ではヒナタの負担を少しでも軽くしたいという意志があったことはな。だが、あの子の心はれっきとした人間だ。それもまだ二十歳にも満たない者な」
アルノー:「そ、そんなはずは───」
煉武:「あの子の言動から、それなりの年齢があると思っていたようだが、あの子は誰よりも強さを理解している。だからお前を責めるような事はしないのだ」
煉武は、ヒナタの時とは正反対の対応で、レナードとアルノーの相手をする。
しかも、今の煉武は虫の居所が悪いから、手加減はしないだろう。ましてや弟の事なら尚更だ。
煉武:「しかし今回の一件でレナード、貴様はこれから死ぬまで、ある罪を背負ってもらうつもりだからな」
レナード:「どういうことですか?」
煉武:「じきに分かる」
煉武は、そう言って一番に温泉から上がる。
おそらく、これ以上レナード達と話していると、余計なことまで話してとしまう考えたんだろう。
さて、シズさんはうまくいってるかな?
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
女風呂では、皆が着替えをしているなか、ヒナタは籠の底に手紙があることに気づいた。
その手紙に書かれていたのは、
『日向へ』
その文字を見たとき、ヒナタを目を疑った。
ヒナタ:(この字は…何で?そんな訳無い。ここにあるはずが…)
ヒナタは頭では否定していたが、指を震わせながらも手紙を取り出し、中を開いて読み始める。
ヒナタ:「‥‥‥そんな…嘘、でしょう…」
手紙を読み終えたヒナタの手から手紙が落ち、それをシズが拾った。
ヒナタ:「シズ先生」
シズ:「‥‥‥」
ヒナタは、光を失った目で弱々しくシズを見上げる。
ヒナタ:「あの子は…リード=テンペストは…」
シズ:「‥‥‥うん」
ヒナタ:「…っ!?」
シズの頷きで、ヒナタは自分が取り返しのつかない失敗をしたことを知り、絶望した。
ヒナタ:「私は…私は、あの子に…なんてことを…」
ヒナタの脳裏に浮かぶは、まだ小さく幼い弟が笑顔で自分を呼ぶ姿だった。
しかし、それを深く傷つけてしまったのだと、ヒナタは激しく後悔した。
シズ:「…ヒナタ」
ヒナタ:「私は、あの子に…許されない事を…」
シズ:「ヒナタ」
ヒナタ:「私は、あの子に…」
シズ:「ヒナタ!」
ヒナタ:「!!」
シズの叱責で、ヒナタは再びシズと目線を合わせる。
シズ:「ヒナタ、その手紙にはなんて書いてあったの?そしてあなたは何をすべきなの?それくらい、わからないあなたじゃないでしょう?」
シズの優しい言葉に、ヒナタは自分の弱さを痛感する。シズの優しさに依存したくないから、ヒナタはシズの下から離れたのに結局助けられてしまう。すると、手紙が再び視界に入ると、弟の長所にして短所の部分を思い出した。
ヒナタ:(そうね、仮に許されなくても謝罪くらいはしないといけないわね…)
「シズ先生」
シズ:「なに?」
ヒナタ:「あの子は…リード=テンペストは…聖司はどこに?」
ヒナタは人類の守護者としてではなく、一人の姉として一刻も早く、弟に会わないといけないと決めた。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
宴会場で、俺はシズさんの姿になり、煉武と共に、皆が来るのを待っていた。
シズさんからイフリートを通して、連絡が入り、ヒナタは生夢が肌身離さず持っていた実の母親の遺書を読んでくれたようだ。
これで後は、皆がここに来るのを待つだけだな。
煉武:「悟」
リムル:「なんだ?」
煉武:「…ありがとう」
リムル:「それはリードの事か?それとも縁護達の事か?」
煉武:「弟たちに関する事全てだ」
リムル:「‥‥‥」
煉武:「今思えば、お前には弟たちの心を救ってもらってばかりだな」
リムル:「リードはちげぇよ」
煉武:「それでも、救おうと協力している。本当に感謝している」
リムル:「…そりゃあ俺は、縁護達の兄貴分だし、リードがお前の
俺が、そう答えると、煉武はキョトンとした表情になったが、小さく笑った。
リムル:「何笑ってるんだ?」
煉武:「くっく…すまん。だが、お前らしいな」
(そう、お前のような聖司とは違う優しさのおかげで、あの子達は、一握りの明るさを持つ事が出来たのだったな)
煉武は心の中で、リムルに恩を感じていた。自分が出来なかった事を、
そんな事をしていると、縁護達とルミナス達が入ってきた。
皆が席に座っていくが、ヒナタは席につかず、真っ直ぐと煉武に近づき、
ヒナタ:「煉武さん、あの子はどこに?」
煉武:「‥‥‥」
ヒナタの質問に煉武は答えずに、袖からコダマスイカアームズを出す。縁護も、タカウォッチロイドを出す。
二体の小型ロボットは、宴会場から出るが、ヒナタの様子を伺うように止まる。
シズ:「行くよヒナタ」
ヒナタ:「…はい!」
シズに手を引かれ、宴会場を出ると、コダマスイカアームズとタカウォッチロイドが先行していった。
レナード:「ヒナタ様!」
釈迦人:「おっと、ここから先は誰も通さないよ」
自然:「どうしても通りたいなら」
生夢:「
レナードが後を追おうとするが、それを俺達が道を塞ぐ。
ウォズ:「リムル殿、どういう事か説明してください」
リムル:「それは、煉武に任せる」
俺は煉武を前に出すと、煉武は皆の前で腰を下ろした。
煉武:「…まず、みなにはある真実を教えるとしよう」
こうして、煉武から最悪の事実を告げる時間となった。
シズさん、ヒナタ、ここは俺達に任せてしっかり再会を果たしてこい!
こうして、ヒナタはシズさん達と共にはリードのもとへ向かった。
さて、リード君、お前は少し自分を犠牲にし過ぎた。その落とし前はきっちりつけないとな。