拝啓
天国のお母さん、お父さん、お祖母さん、お祖父さん、その他全員、いかがお過ごしでしょうか?僕は元気ですが、誰か助けてください。
僕は今カルデアというところで働いています。ここは善良な一市民をいきなり拉致するようなヤバいところですがそれなりに楽しく過ごせていました。しかし最近、サーヴァント(僕の同僚のような人たちです)のアプローチが激しくて気が狂うのではないかと危惧しています。この前こんなことがありました。
僕にはマシュという後輩がいます。カルデアに所属していたのはマシュの方が先なのですがなぜか僕の方が先輩です。そのマシュの盾をメリュジーヌが壊そうとしたときの会話です
「先輩!大変です!メリュジーヌさんが私の盾を壊そうとしています!」
「えぇ……今そっち行くから待ってて」
向かうと確かにメリュジーヌが暴れていました。
「
「何してるのメリュジーヌ」
「マスター!僕は最強のアルビオンだよね!」
「えっ、うん」
「スキルで攻バフ40%被ダメカット500HPアップ2000NP30%!さらにスター集中、毎ターン&即時のスター獲得!ダメ押しのNP100%宝具威力30%宝具の全体と単体の切り替えまでできる!宝具効果でNP獲得量40%スター獲得特殊耐性対策のダメージアップ付与!無敵貫通とバスターUP60%にやけどまで付く!単体と全体両方対応できるパーフェクトで最強のサーヴァントだよね!」
「いや間違ってはいないんだけどちょっと違……」
「さらに、マイルーム性能も完備。僕の表情一つ、言葉一つで多くの人間を魅了できる。もちろん全部マスターだけのものだけどね。さらに霊衣もすでに二つ獲得する運営からの優遇っぷり。これは僕がメインヒロインの神ストーリー『オイオイネーの春風』の実装も確定したようなものだよ。もちろん僕はマスターのメインヒロインであることは言うまでも無いけど、マスターとのふれあいはいくらあっても良いものだからね。ああ、僕を泥から抱いて救ってくれたマスター。あのときは凄く温かかったよ」
「いや僕じゃな……」
「というわけで、最強の僕さえいればもう他のサーヴァントいらないよね!だからカルデアの召喚式壊そうと思ってさ!とりあえず触媒のマシュの盾からやるね!
「話し聞いて?」
「どうしたのです、我が夫」
「あー……モルガンか……かくかくしかじかで」
「まるまるうまうま、というわけですか。なるほど、わかりました」
「うん、絶対わかってないと思うけど、どうするつもり?」
「ランスロットに加勢して盾を壊してくればよいのでしょう?」
「違うよ?」
「ええ、私も前々から不満だったのです。あなたは私の夫だというのに、仕事仕事でろくに夫婦の時間もとらない。仕事と私とどっちが大事なのですか。たまの休みにしても出かけてばっかりで、たまにはバーヴァン・シーの面倒も見なさい!あの子も寂しがっていますよ!」
「(なぜか休日のお父さんの気持ちがわかる)」
「とはいえ、そうなってしまった理由もわかります。それというのも、あなたが関わらなければならないサーヴァントが多すぎるからでしょう。まったく、だから私と娘の友達以外のバーサーカーを解雇しなさいと言ったのです。よって、これ以上サーヴァントを召喚できないように盾を破壊します、ついでにランスロットも座に帰してきます」
「いや、ちょっ……」
「
「
「まってぇぇぇぇぇーーーーーー!」
結果として、マシュの盾は無事でした。傷一つ付いていません。さすがに人理焼却砲を耐えただけのことはあります。ただ、なんとか二人から盾を取り返しマシュに盾を返したとき、
「本当に壊れてしまえば良かったのに」
とボソッとつぶやいた声が忘れられません。僕は時々マシュが怖いです。
また、会話の途中に出てきたモルガンですが彼女とは婚姻関係を結んでいません。カルデアで初めて会ったときから僕のことを夫として扱ってきます。なぜか僕には大きい娘までできたことになっています。今この手紙を書いているときにも心が折れそうですが僕はまだ元気です。
そんなカルデアの生活ですが概ね快適です。僕にはちゃんと個室が用意されていますし、各種娯楽もそろっています。ただどこに行っても視線を感じるのはなぜでしょうか、もはやなれてきたのでいいのですが。しかし、一つだけ不満があります。食事の時に髪の毛や体液を混ぜてくることをやめてほしいです。
カルデアには静謐のハサンという子がいます。その子は体液が全て猛毒になるという特殊体質であるため、これまで人とふれあうことができなかったそうです。しかし、僕はカルデアに来てから、大抵の毒が効かないからだとなりました。そのため僕は彼女に触れることができるのですが、それが彼女にとってとてもうれしいことだそうです。それはいいのですが、僕に毒が効かないことをいいことに体液を盛ってきて、それを食事中にバラすのはやめてほしいです。恍惚のポーズで
「ああ……やはり私の毒はあなただけは殺さない。私の心を……身体の全てを……あなたに捧げましょう……マスター」
等と言ってくるのはやめてほしいです。食事中には重すぎます。食事中に盛ってくるのは静謐のハサンだけではないので、一時期僕の食事には何かしらが入っている状態でした。それが原因かどうかはわかりませんが、最近妙に食事が薄味に感じますが僕はまだ元気だと思います。
女性サーヴァントのアプローチは激しいですが、男性の方々には一部を除いて良くしてもらっています。特にエドモン・ダンテスという人には心理カウンセラーかセラピストか、なんと言えばいいのかわかりませんが、まともな睡眠を取ることに協力してもらっています。彼に助けてもらう前は、秒単位で夢の風景というか、世界が変わっていたのでとても休めなかったのです。ただ、今日医務室に担ぎ込まれている真っ白に燃え尽きていたエドモンさんを見ました。何があったのでしょうか、知りたくもありません。今日僕はまともに寝ることができるのでしょうか。夜が怖い。僕は元気なはずです。
男性サーヴァントの中で腹立つ存在のやつがいます。ダサい金ぴかの鎧を着ているか半裸というアホみたいなファッションセンスのギルガメッシュと言う奴です。長いのでギルと略します。そいつは僕の顔を見るたび吹き出して、
「愉wwwwwwww悦wwwwwww」
等と言って爆笑していたのです。何がそんなに面白いのかと聞くと、
「いやなに、我には千里眼というスキルで貴様の未来が見えるのだがなwwwwwwwwこれがwwwwwwwww」
「何が起こるってんだよ」
「知りたいか~~~~~?ん~~~~~~?知りたいか~~~~?」
「……知りたい」
「教えてあ~~~~げな~~~~~~いwwwwwwwwwwwwwww」
と言って去って行ってたのです。一発殴らせろあの野郎。ああ、あの頃に戻りたい。まだ、ハーレム系ラノベ主人公レベルのアプローチですんでいたあの頃に。今のギルは
「雑種か……」
「ギルガメッシュ……」
「……すまぬな」
「なに?ギルガメッシュに謝られると気持ち悪いんだけど」
「……せめてこれをやろう」
などといって、素材やQPを渡してくるのです。なぜだ、笑えよギル。お前が大好きそうな人の不幸だぞ。毎日胃痛がしてんだぞこっちは。今朝吐血したんだよ。毎日毎日修羅場でいつカルデアが壊れるかずっと不安なんだぞ。そんなシリアスな面するなよ。笑ってくれよ。こんな現状どうにでもなると笑い飛ばしてくれよ。皆心配そうな顔するか般若の形相しかしてくれないんだよ。たまに笑顔を見せてくれたと思ったら作り物かハイライト消えてるし。皆が笑ってくれるように頑張ったんだぞこっちは。なんでこんなことになってんだよ。何が悪かったんだよ。
……大丈夫です。僕は元気じゃ無きゃダメなんです。これ以上皆に迷惑かけちゃダメなんです。
誰か……助けて……
敬具
どうしてこうなった。
元々はコメディの予定でした。
次はぐだに救いのある話を書きます。
追記
この話は一応この第一話で完結しています。しかし、それではあまりにも救いがないと私は思ったので残りの話を書きました。この第一話の雰囲気が好きな人はそのままこの話を堪能してください。