Re. 海竜のヒーローアカデミア 作:willtexture
少しだけ遅くなってしまった………
本当は日曜日にでも投稿予定だったんだけれど
決勝戦が始まる前。
悠雷は自らに割り当てられた控室で蓄電を行っていた。
まだまだ余力十分だが、準備できるならしておくに越した事は無い。
そういえば三年生の方はもう終わったらしいが、姉さんは見に来ているのだろうか?
ねじれちゃんもいるだろうから間違えなく来ているだろう。
これは決勝で無様を晒す訳にはいかないな。
竜化すると場外アウトが怖いから、それは無しの方向性でいこう。
場外アウトというルールさえなければ竜化したんだがなぁ。
足がうっかり外に出て負けましたとかなったらどうすればいいんだろうか………
この前、ドクターに無理するなと言われた気がするが、そんなこと気にしなければいい。
別に首がへし折られたくらいなら治る。
尻尾切られてもしばらくしたら生えてくるし、問題はないはず。
身体の内側からダイナマイトで爆発でもされたら流石に無理だけれどさ。
そんなことを考えていると、突然控室のドアが開く。
入ってきたのは…………
「爆豪か………何か用か?」
「わりぃが邪魔する。俺と本気で戦えや。要件はこれだけだ」
こいつ本当に爆豪なのか?大人しすぎやしないか?
まさか、試合前だからという理由でこちらに気でも使っているのか?
気遣いはありがたいが、今はいらないな。
少し話でも今のうちにしておこうかな。
「随分と大人しいんだな。まだ爆破もしてないし、言葉遣いも荒くない。
何かイヤな事でもあったのか?相談位なら乗るぞ?」
「テメェ…………いい度胸じゃねえか…………そんなにここでブチ殺されてぇか!!」
「やっぱり爆豪はこうじゃなきゃな。そういうところ嫌いじゃないよ」
「男に好かれても気持ちわりぃだけだ」
「俺の性癖はノーマルだ。あくまでも友人としてだ」
「ハッ!!テメエの全力、真っ向から殺し尽くしたるわ!!
……おいこら、クソトカゲ。テメエは半分野郎みてーに手ぇ抜くんじゃねえぞ」
友人っていうところは否定しないんだな。
否定するのも面倒臭いだけかも知れないけれども、ここはかっちゃんがデレたと考えよう。
ツンデレは女子のものしか受け付けないが、これはこれでいいな。
まぁ、いまは真剣な会話だからちゃんと受け答えしよう。
確か…………轟の件だっけ?
「轟が炎を消した件か。まあ、俺も思うところはあるが今は置いておこう。
…………で、全力という話だがな、爆豪。お前相手に加減などする必要はない。
そこは安心してもいいぞ?俺がお前に黒星をくれてやる。
…………ところでコーヒーでも飲むか?」
「いらんわボケェ!!つか、何でそんな砂糖を入れてやがる!!」
そんなに砂糖を入れてやがると言われても困る。
コーヒーには砂糖を3杯がデフォルトだ。
試合前だから普段の倍は入れているけれど
まぁ、脳がカフェインと糖分を必要としているから仕方ないね。
年を重ねてしまうと飲めなくなる可能性があるから今のうちにってことで
「これはこれで美味いぞ?お前は辛党だから口には合わないだろうがな」
「知るか!!勝手に飲んでろ!!」
入ってきた時とは違って、荒々しく扉を締めていく爆豪。
開けっ放しにしない辺り、案外きっちりしているのか。
みみっちいとでも言えばいいのか?
ところで俺が再び蓄電を初めてしまい、
話し掛けるタイミングを掴めないでいる姉さんはどうしようか?
試合前は気を使ってくれる人が多くて助かるよ。
まぁ、兄さんなら試合前でも関係なしに入ってくるだろうし
姉さんにはこちらから声を掛けることにしよう。
外でどうしようかと悩んでる姉さんは割とレアだからもう少し見ていたいけれどね。
出来ることなら写真を撮って置きたいけれど、それは無理そうだ。
「姉さん。入ってきても大丈夫だぞ?」
「悠雷…………やっぱり気づいていたのね。
流石に彼の言葉を聞いた後だと入りづらくてね」
「プロならばいつでも最高のパフォーマンスを行えるようにってよく言うじゃないですか
別に多少会話をしても問題にはなりませんよ。
今度、買い物に荷物持ちとして付いて行けというならば別ですが」
「大切な試合前にそんなこと頼みはしないわよ。
激励の一つでも入れようと思ったけれど必要なさそうね。最後まで頑張って来なさい」
「ありがとう。姉さん」
姉さんは頑張ってというと部屋から出て行った。
そういえばねじれちゃんが何位だったのか聞くの忘れてた。
後できっと会うだろうし、その時に聞くことにしよう。
そろそろ時間だ…………最後まで楽しんでやろう。
周囲への被害を考えづに戦えることなんてあまりないのだから
『さァいよいよラスト!!雄英一年の頂点がここで決まる!!
決勝戦爆豪VS.海藤!!!今!!START!!!!』
「先手必勝!!」
取りあえずは小手調べで!!出力は40パーセントくらいの放電をブチかます!!
だが、その攻撃は爆破で跳び越えられる。
そしてそのまま突っ込んでくる爆豪の攻撃をいなす。
反撃で部分的に竜化させた尻尾で爆豪を弾き飛ばす。
咄嗟にガードをした爆豪は即座に受け身を取って距離を取る。
「流石にこれくらいじゃなきゃ当たらないよな!!やっぱり勝負はこうじゃなくちゃ!!」
「ハッ!!これで全力って言うんじゃないだろうな!!?」
「まさか!!お前もこれくらいで終わってくれるなよ?」
「野郎………ブチ殺してやる!!」
「やってみろ!!」
尻尾のにならず、身体全体に鱗と甲殻を張り巡らせる。
なんだかんだこの姿を見せたのは入学してから初めてじゃないのか?
竜化は既に何度も見せたことがあるのにな。
「そうだよな!!本気で来い!!それを上から叩き潰してやる!!」
「やれるものならやってみろ!!今の俺は…………負ける気がしねぇ!!!」
「寝言は寝て死ねぇ!!」
再び突っ込んで来た爆豪の攻撃を身体で受け止めて、首を掴んで地面に叩き付ける。
その際に攻撃に雷を纏わせるのを忘れない。
これで並のヴィランならば確実に仕留められるが…………
「効かねぇよ!!」
地面に叩き付けられた爆豪はその体勢のままこちらに爆破を放ってくる。
別に効いてないが、このまま攻撃されるのは流石に辛いので腕を掴んで放り投げる。
それに合わせて跳躍し、殴り飛ばす。
「チッ!!」
鱗と甲殻により通常時よりも威力の高い攻撃は流石に効くみたいだな。
爆豪といい、切島といいタフすぎて嫌になるね。
ヴィランとの戦いは相手をいかに早く戦意喪失させるかなのにさ。
「死ねぇ!!」
「こんなんじゃ死ぬ訳ねぇだろ!!もっとギア上げていけ!!」
「うるせぇ!!俺に命令するなぁ!!」
爆豪はより攻撃の手を強めていく。
その攻撃をしゃがんで跳んで躱していく。
爆破の攻撃の威力はどんどん上がっていくが、俺の防御力を越えれていない。
この程度の威力ならば俺の鱗を傷つけれない。
「なんだ?この程度か!?」
「黙れ!!大人しく死ねぇ!!『榴弾砲着弾』!!」
その攻撃を完全竜化させた両腕でガードする。
これまでの戦いでの爆破に回転を加えただけあって流石の威力!!
これ以上は食らうとマズいかな。
そのまま殴り掛かり吹き飛ばす。
「そろそろ終わりにさせてもらおうか。久しぶりに楽しかったぞ」
「こんなところで終われるか!!俺はまだ!!」
先程の攻撃で場外アウトギリギリになっていた爆豪へ攻撃する。
直撃させる寸前に尻尾だけを完全竜化状態にし、吹き飛ばす。
爆豪はフィールドの外に吹き飛び、観客席にめり込んだ。
「やべ、少しやり過ぎたかも」
『以上で全ての競技が終了!!
今年度雄英体育祭一年優勝は────…………A組海藤悠雷!!!!』
まぁ、勝ったから良しとしよう。
当たった瞬間にあばら骨が何本か折れた感触があったけれど…………
そのあとに結構なスピードで壁にめり込んだけれど、大丈夫なはず。
いろんなところから出血しているけれど大丈夫だよね?
▽▽▽
決勝戦が終わり暫くしたのちに表彰式が始まった。
空にはいくつもの花火が打ちあがり、盛り上がりは最高潮に達している。
なにせ今年の雄英にはオールマイトがいるからな。
普段は神出鬼没で真面にその姿を拝むことすらできないヒーローだからな。
その点、エンデヴァーは自分の事務所周辺を張っていれば目にすることはできるからな。
ファンサービスなんかは期待できないけれどね。
ベストジーニストも同じ感じだな。多少はファンサービスも見込めるだろうけど
兄さん…………ホークスはって?頼んだら自撮り写真とかも撮ってくれるよ。
見かけたら積極的に頼んでみようね!!
「それではこれより表彰式に移ります!!」
「あれ?爆豪は?」
「ああ、悠雷の攻撃であばらが折れているうえに出血多量だってさ」
「ヤベぇくらい血が出ていたからな」
「…………自業自得」
皆の言葉が心に突き刺さる…………常闇の自業自得って少しだけ恨みこもっているだろ。
ちなみに言っておくと一位は俺で二位は爆豪。
三位は轟と常闇になっている。
飯田は兄がヒーロー殺しに襲われてしまったようで、ここにはいない。
大事になっていないといいんだけれどな。
家族を失うって言う事は酷く辛い事だから…………
「メダル授与よ!!今年メダルを贈呈するのはもちろんこの人!!」
『私が、メダルを持って来「我らがヒーローオールマイトォ!!!」た…………』
「今年の一年は良いなァ」
「オールマイトに見てもらえてんだよなー」
本当にオールマイトに見てもらえるっていうだけで雄英に入ってよかったと思う。
兄さんが勧めてきたようになんてことない高校に行かないでよかった。
もしそうなっていたら公安委員会に頼み込んで転校でもしていたかも知れない。
コネとか言うんじゃないぞ?使えるものは何でも使うだけだ。
「常闇少年おめでとう!!強いな君は!!」
「もったいないお言葉」
「ただ!!相性差を覆すには"個性"に頼りっきりじゃダメだ。
もっと地力を鍛えれば取れる択が増すだろう」
「…………御意」
「轟少年、おめでとう。
準決勝で炎を収めてしまったのにはワケがあるのかな」
「緑谷戦できっかけをもらって………………わからなくなってしまいました。
あなたが奴を気にかけるのも少しわかった気がします。
俺もあなたのようなヒーローになりたかった。
ただ…………俺だけが吹っ切れて終わりじゃ駄目だと思った。
清算しなきゃならないモノがまだある」
「…………顔が依然と全然違う。
深くは聞くまいよ。今の君ならきっと清算できる」
「さて海藤少年!!伏線回収おめでとう!!
素晴らしい戦いだったよ!!ただ、力の調整はまだまだなようだね」
「ですね。そこのところはご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」
「その心意気良し!!これからは皆もビシビシ鍛えていくからな!!」
「楽しみです」
今までの授業も充実していたが、実践的なという部分では公安で鍛えられていた方がよかった。
本当にこれからが楽しみだ…………その前に職場体験先を決めとかないとな。
『この場の誰にもここに立つ可能性があった!!ご覧いただいた通りだ!!
競い!!高め合い!!さらに先へと登っていくその姿!!
次代のヒーロー確実にその芽を伸ばしている!!てな感じで最後に一言!!
皆さんご唱和ください!!せーのっ!!おつかれさまでした!!!』
「プルス…………」「プルスウル…………えっ?」
「プルスウルトラ?」「プルスウルト…………」
「そこはプルスウルトラでしょオールマイト!!」
「ああいや…………疲れたろうなと思って…………」
そこは何というか…………オールマイトというか…………
そういうところがオールマイトの魅力なんだよな。
というか、爆豪の姿は最後まで見えなかったぜ…………ヤベーイ。
病院にいって看護師さんから聞いたところ命に別状はないみたいです。
体育祭が終わってみなと共に教室に戻る。
そういえばだけれどもこれって学校の行事だったんだ………すっかり忘れてた。
雄英体育祭って過去のオリンピックなどと同等の行事なんだもんな。
「おつかれっつうことで明日明後日は休校だ」
「!!」
「プロからの指名等をこっちでまとめて休み明けに発表する。
ドキドキしながらしっかりと休んどけ」
流石にその日の打ち上げは気分が乗らなかったから遠慮した。
が、兄さんに帰り道拉致られました。
そして…………打ち上げをすることになりました。
こんなことならば、クラスの方に行けば良かったかもしれない。
「いや~お疲れ様!!そして優勝おめでとう!!」
「おめでとう悠雷。素晴らしい戦いだったわ」
「ねぇねぇ!!私も優勝したんだよ!!凄くない?凄くない?」
「凄いですね~出来れば俺も先輩の試合を見てみたかったです」
「録画ならあるわよ。後で観ましょう。
勿論、悠雷の試合も録画してあるわ。ねじれも一緒にね」
こんな感じで、楽しいひと時を過ごすこととなった。
ちなみにだけれど職場体験先の話になった途端にお開きとなった。
兄さんと姉さんの間で俺の取り合いが起こっているみたい。
しっかりと考えて決めないとなァ。
いっそのことエンデヴァーの事務所とかを選択肢に入れてもいいかもしれないな。
▽▽▽
雄英体育祭の翌日。
俺はA組のみんなと一緒にカラオケに来ていた。
昨日は病院送りになった(俺が送った)爆豪と遠慮した俺。
そして兄であるインゲニウムがヒーロー殺しにやられてしまった飯田が来ていなかったそうだ。
ちなみにだが、爆豪も来ている。
いくらなんでもさ、復帰が速すぎやしないか?
一切の運動等の行為は禁じられているらしいけどそれでもヤバいわ。
インゲニウムさんは何とか一命を取り留めたそうだ。
これからのヒーロー活動は無理となってしまったそうだが…………
これからの飯田の動向には注意しておかないとな。
家族が傷つけられた人がどんな行動をとるかなんて一つしかないからな。
え?カラオケなのに歌わなかったのかって?
勿論、歌ったとも Law of the victoryを。
本当にこの曲はいい曲だよな。
「おい海藤、こっち来いよ!!みんなで歌うぞ!!」
「わかった今行こう。というか爆豪も歌うんだな」
「なんか悠雷に負けてから少し大人しくなったよな」
「どーせすぐ元に戻るんだって。早くまたあのツンツン爆豪を見たいぜ」
「上鳴がそれを見れるかは怪しいけどな」
「え?」
「「後ろ見ろ、後ろ」」
「おい、阿保ヅラ…………表出ろや」
「切島、悠雷…………パソコンのデータは消しておいてくれ」
「いいぞ」
「逝ってこい」
上鳴は…………いい奴だったよ。
その後、結局のところ爆豪は元に戻ったよ。
お詫びとして優勝した時に貰ったチケットをあげることにした。
あんまり興味とかなさそうだけれど貰いものだったらきっと行くでしょ。
なんだかんだいって爆豪は律儀だし。
俺は姉さんと兄さん宛のチケットを使えばいいから問題ないな。
あっても行くのかはまだ決めてないけれどね。
雄英体育祭が終わり、次はいよいよ職場体験…………結局のところどこに行こうか
次回はIFルートか職場体験編となります。