Re. 海竜のヒーローアカデミア   作:willtexture

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悪いところ、良いところがあれば感想で教えてくださいお願いします。


第2話 入学と波乱の個性把握テスト!

 雄英高校の入試から数日が経った頃。

 悠雷は配達された荷物を前にひとつ深呼吸をしていた。

 ちなみに入試を終えてからは兄さんの事務所に顔を出したり

 姉さんの事務所に顔を出し、後輩が欲しかったという先輩に振り回され

 母の実家があった島にあるお墓に報告に行ったりしていた。

 

 今ではあの島にも鳥やら植物やらが住み着き始めている。

 生態系がどんな風に移り変わるのかという研究対象や

 ヴィランの脅威を忘れないようにという観光名所的な感じになっているとか

 あの島で過ごしていた人が忘れられないという事はいい事なんだろうけど、なんか複雑だ。

 それらが終わった頃に届いた雄英からの手紙。

 時期を考えるならば当然、合否判定を知らせるものだろう。

 逆に不合格通知とかないよね?

 流石に最高峰の学校がブラックジョークはないよね?

 

「よし、開けるか」

 

 今となっては珍しい蜜蠟による封を丁寧に剝がして中身を取り出す。

 入っていたのは、数枚の紙と小さな機械だった。

 先ずは、目に付いた紙を手に取る。

 折りたたまれた紙やよくわからない機械と違って、これだけは中身が見えていた。

 

「成程ね、これは空中に映像を投影する機械なのか。

 やけにハイスペックだが、金の出どころはどこなんだろうか。

 ヒーローは国家公務員だし国民の血税か?

 まあ、いいか。そこは考えるべきではない気がする。今は結果だ」

 

 機械を起動して、机の上に置く。

 すると、独特の騒動音と共に空中に四角いディスプレイのようなものが映し出される。

 そして──

 

『私が投影されたぁっ!!!』

 

 画面いっぱいに映る、彫りの深い顔のドアップと大きな声に、

 ついつい後退りながら臨戦態勢を取ってしまった。

 以前、幼い頃に連れられて行ったお化け屋敷でこういうのはトラウマになっているんだよな。

 何度か克服しようと頑張ったこともあったがダメだった。

 学校で行われるだろう肝試しみたいな行事は参加せずに行こう。

 

「オ、オールマイトなのか?」

 

『HAHAHA!!驚いてもらえたかな!?実は来年度から雄英に勤めることになってね。

 こうして合格通知のプレゼンターに選ばれたのさ!!」

 

「マジかよ…………ナンバーワンに指導してもらえるのか!!」

 

 悠雷にとっても否、ヒーローを目指す少年少女にとってオールマイトは憧れそのものなのだ。

 もっとも、ホークスとリューキュウに指導を受けている時点で

 悠雷には怨みを込めた視線が飛んでくること間違えなしなのだが

 

『それでは早速だが、結果を発表しよう!!

 海藤少年、勿体つけるつもりはない。君は合格だ!!』

 

「ん…………?受かったのか?そうなのか?…………良かった。受かっていて」

 

 えらくさらっというのねオールマイト…………

 いきなりすぎて理解が追い付かなかったぞ…………

 

『筆記試験は文句無し!!何せ数学以外は満点だ!!

 スゴいぞ、私も試しにやってみたが何問か間違えてしまったほどのレベルだとというのに!!!

 続いて実技試験!!獲得したポイントは60と上位クラス!

 さらに評価対象はそれだけじゃあないっ!!

 人助けこそがヒーローのお仕事、そこを見ないはずがないさ!!

 審査制の救助活動ポイント!!32点!!合計92ポイント!!文句なしの首席合格だ!!!』

 

 モニターが切り替わり、順位表らしき物が映し出される。

 総合2位と15ポイントの差をつけての首席合格だ。嬉しくない筈が無い。

 ただ、数学で満点取れなかったんだな。

 主席なのは報告するけど、点数は黙っておこう。

 高校に入ると数学の難しさは訳の分からないものになるだろうし、今のうちに予習を始めよう。

 

『改めて言おう!!海藤少年!!合格だ!!待っているぞ君のヒーローアカデミアで!!!』

 

 その言葉を最後に動画は終わったらしく、空中への投影も止められた。

 部屋には静寂が満ちたが、悠雷は感動の余韻に浸っていた。

 そのれから10分たったころ我に返った悠雷は

 合格した事を義兄と義姉に伝えようとスマホを手に取った。

 その後、合格祝いと称して二人の予定をすり合わせてお高い寿司を食べに行った。

 最近、すこし外食しすぎな気がするな。

 野菜などをもっと取った方がいいだろうか?

 でも、身体の作り的には野菜の過剰摂取は毒になるって言われたし難しいところだな。

 あまり好きじゃない海藻なら問題は少ないみたいなんだけど

 

 

 

 そして、月日が経ち、雄英の入学式の日。

 悠雷は雄英の制服に袖を通し、人々の視線を浴びながら登校していた。

 先輩の言うとおり凄い人の量だった。

 改めて兄さんってすげえな、こんな沢山の人にさりげないファンサービスを行っているって

 校門にたどり着くまでの道には倍率300倍という倍率を突破した新入生を一目見ようと

 普段よりも多くの人がここを通っているようだった。

 迷子になったりしないように何度か来たことがあるからわかる。

 早めに家を出ることにしておいて非常によかった。

 最悪の場合、入学初日に遅刻なんてこともあり得るだろうしな。

 

「先輩に聞いていた通り、教室の扉も大きいな」

 

 悠雷は無駄に広い校舎を進み、

 指定された教室である【1ーA】に辿り着くとその扉を見上げてポツリと呟いた。

 

 規格外の肉体を持つ者が多い異形系に対応するためだろう。

 所詮バリアフリーであり、手で掴んでも驚くほどに軽かった。

 これってどんな素材を使っているのだろうか?

 

 教室の中は静かだったがどうやら、既に何人か来ているようだ。

 そのうちの一人は実技試験の際に助けた女の子だった。

 知り合い?がいるのは少し嬉しい。

 知り合いがいない空間に何人かに囲まれているって結構つらいし。

 嬉しいことに席もかなり近い。

 仲良くなれれば休み時間の間、話す相手には困ることがなさそうだ。

 

「久しぶり。試験の時はありがとう」

 

「ん、おはよう、あの後大丈夫だったのか?

 一応、保健室に確認しに行ったが、その時には居なかったし」

 

「それはこっちのセリフだよ。0ポイントと戦っていたんでしょ?

 ウチは何もできないのはヤダったから避難誘導とかしてたけど

 そのおかげで入学出来たようなもんかな。

 敵POINTだけだとウチ足りてなかったみたいだし」

 

「ああ、そうだったのか。

 確かに敵ポイントだけだとなかなかにキツいと思うぞあの試験は

 敵POINTだけで突破できた奴は戦闘センスの塊だと思う。

 0ポイントの仮想敵についてだが、あの程度なら問題にもならないぞ?

 あれはデカいけどある程度の能力があれば簡単に突破できるし

 アレには本来ミサイルとかの兵器を積んで空母のように使うものだしな」

 

「アレを問題にならないいて規格外だね、アンタ。

 アンタも十分に戦闘センスの塊だと思う。

 しかも、本来の使い道ってなんなのよ…………なんでそんなこと知っているの?」

 

「少しいいか?」

 

「俺にもその話を聞かせてくれないか?」

 

「ん?」

 

「俺は障子目蔵。お前があの時0ポイントを落雷で粉々にしたのか?」

 

「俺は常闇踏影だ。こっちはダークシャドウだ」

 

「ヨロシクナ!!」

 

「ああ、よろしく。障子の試験会場は…………俺達と同じだな。それなら間違いなく俺だな。

 落雷じゃなくて、雷を収束させて放ったビームの様なものを爪に纏わして殴っただけだけどな」

-

 

「遠くから見ていたけど凄かったね。雷を操る個性なの?」

 

「いや、少し違うな。あれはあくまでも応用だ。

 俺の名前は海藤悠雷。個性は『海竜』リューキュウの海版の様な感じだ。

 できることはのちのち見せることになると思うからその時に解説していく。よろしくな」

 

「俺の個性は複製腕だ。腕とか目や耳を増やすことができる」

 

「俺の個性は黒影(ダークシャドウ)だ」

 

「その影が個性なのか、初めて見るタイプだな」

 

「ああ、俺もだ」

 

「でもかっこいい個性だな。自律思考する個性なんてできることの幅も広いだろうしな」

 

「ウチは耳郎響香。個性はイヤホンジャック。

 プラグを刺して音を探ったり、心音を流し込むことができる。よろしく」

 

「耳郎ってなんか呼びづらいから響香って呼んでもいいか?」

 

「うん。大丈夫だよ」

 

「それじゃあ、これからよろしくな。響香、障子、常闇」

 

「うん、よろしく海藤」

 

「よろしく」

 

「よろしく頼む」

 

 互いに実技試験のことを話したり、個性について話していると

 何時の間にかクラスメイトが全員登校を終えていた。

 講義室で質問していたメガネも注意されていた緑髪の少年もこのクラスのようだな。

 とても賑やかなクラスになりそうだな。

 そう言えば、このクラスの担任はどんな人なんだろうか?

 先輩はとても合理的な思考をする先生がいるって言っていたな。

 過去に何人か除籍をしているとか

 

 悠雷が先輩から聞いた事を思い出していると

 

 ────お友達ごっこがしたいなら他所に行け。

 

「ここはヒーロー科だぞ?」

 

 という教室に響く男性の声が聞こえた。

 声の低さから明らかに生徒の声でないことが分かる。

 タイミング的にも考えられる選択肢は担任位だが、そこにいたのは寝袋だった。

 

「なぜに寝袋?そういう個性なのか?それとも自律思考型の寝袋か?」

 

「ダークシャドウじゃないんだから…………よく見なよ、頭出ているでしょ?」

 

「ツッコミありがとう」

 

 悠雷の的外れな答えに響香がツッコミを入れる。

 見てみると首に巻かれている物は束縛用の道具だろうか。

 このあたりで活躍するヒーローの中に該当するヒーローはイレイザーヘッドくらいか

 取り敢えずそう仮定して動こう。個性『抹消』を見る機会があればいいのだが

 

「はい、静かになるまでに12秒かかりました。時間は有限──」

 

 ──君達は合理性に欠くね。

 

 寝袋から出て来た、黒い服とボサボサの髪の男。

 その男の言葉が深く刻まれていくのを感じ取ると同時にその男の異質さも感じ取っていた。

 

 注意を払っていなかったとはいえ、全く気配を感じ取ることができなかった。

 

 教室だからと油断していたのか、会話に夢中で気付かなかったのか

 だが、あんなのが来れば気付かない筈が無い。

 まとハズレなことを言っていたが、内心結構焦っていた。

 最近ではようやく模擬戦において手加減抜きで戦ってもらうことが

 出来るようになってきたのにも関わらず気配を感じれなかったのだから

 

「…………流石雄英、教師のレベルも高い」

 

 悠雷は見た目はともかく、男が確かな実力者だと感じた。

 しかし、その男はこちらに目も向けず、寝袋の中から幾つかのジャージを取り出すと

 それらを配りながらこう言った。

 

「俺は担任の相澤消太だ。よろしくね。──そして、これ着てグラウンドに出ろ」

 

「担任!?──質問よろしいでしょうか!」

 

「──却下」

 

 説明会のようにメガネの生徒が質問をするが有無を言わさずに却下する。

 プレゼントマイクと違ってノリがいい先生ではないようだ。こちらのほうが好みだけどな。

 少なくとも仕事はちゃんとやっていそう。

 髭を剃っていなかったり、髪がボサボサなところはいただけないが

 ベストジーニストが見たらなんて言うのだろうか

 

 その後は何も言わずに教室を出てしまったので、

 残された生徒たちはとりあえず指示に従うしかなく、

 急いでグラウンドに向かうことを余儀なくされた。

 グランドで何するんだろうか?

 見たところ隣のB組は入学式に向かっているようなのですが?

 

 

 

 

 

 ──────────────────────────────────────────

 

 

 

 

「個性把握テスト!!?」

 

 辿り着いたグラウンド。

 そこに既にいた相澤先生の説明に誰かが叫び、麗日が先生に詰め寄った。

 ちなみに名前は黒板の席順から見つけた。一応名前は全員把握している。

 

「入学式は!!ガイダンスは!?」

 

「ヒーローにそんな悠長な事をしている時間はない。──雄英は自由な校風が売り文句」

 

 ──先生側もまた然り。

 

 麗日の問いも一蹴する相澤先生の言葉通りに担任の先生に入学式すら参加の有無があるらしい。

 まさに自由であり、そういう意味ならばこの場も納得するしかない。

 ──というか諦めた。

 姉さんに教えられたことだが、上司の言うことは絶対なので流れに身を任せろと

 どんな社会にも黒い部分は存在するようだ。

 こういう場面に合うと兄さんの意見に賛同したくなるから困る。

 俺も雄英の教師にでもなろうかな…………そんな簡単になれるようなものでもないか。

 

「中学のころからやっているだろ?個性禁止の体力テスト

 国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けている合理的じゃない。

 まあ、文部科学省の怠慢だよ」

 

 ──ここまで言うのかよこの人。

 たとえ思っていたとしてもいう人なんてなかなかいないぞ?やばいな、最高かよ。

 

「入試一位は海藤だったな。

 海藤、中学の時のソフトボール投げ何メートルだった?」

 

「確か62メートルでした」

 

「じゃあ、個性を使ってやってみろ。円からでなきゃ何してもいい。早よ、思いっきりな」

 

「わかりました」

 

 悠雷は円の真ん中に進み、右腕と背中を変化させる。

 腕は鱗を纏い、背中には背電殻が生えてくる。

 この状態の腕は殴ることなどには向いていないなので別の方法を使う。

 背中の背電殻に電気を蓄積させてある電気を使って

 電磁誘導を起こすのに必要なだけの電気を用意する。

 変化させる必要は別にないが、個性を知ってもらうという面ではいいと思う。

 あとはこっちのほうがそういう雰囲気あるし

 以前は両腕を使う必要があったが、今なら片手でできる。

 とある学園都市の超電磁砲に憧れたなんて言えない。

 兄さんが持ってくる本はどれも面白いからとても困る。

 今度、面白い本がないか聞いてみよっと

 

「超電磁砲ッ!!!」

 

 レールガンによって打ち出されたボールは

 雷鳴の様な音を出して雄英の敷地内ギリギリで着弾した。

 

 その記録は──

 

「──2998メートル」

 

 雄英の敷地内は悠雷がいた地点からちょうど3キロ。

 狙った距離を打ち出すことができて悠雷は満足している。

 精密な個性の扱いを練習しまくったからな。

 当たれば即死級の威力の攻撃を外す訳にはいかないしね。

 

「まず自分の「最大限」を知る。それが、ヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

「2998メートルってマジかよ!!」

 

「個性思いっきり使えるんだ!!さすがヒーロー科!!」

 

「なんだこれ!!すげー面白そう!!」

 

 8種目か、竜化出来る種目はないな。

 できたとしても持久走くらいか?良くも悪くも海に特化しているからな俺の個性は

 反復横跳びなんかは絶対に使わない方が良いだろうし

 できるかもしれない種目も竜化をしなくても身体強化で乗り切れるかな?

 そこはクラスメイトの結果を見ながら判断していこう。

 

「──面白そうか。ヒーローになるための三年間。そんな腹づもりで過ごすつもりなのかい?

 よし、トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し除籍処分としよう」

 

「「「「「はあああ!!??」」」」」

 

「生徒の如何は先生の自由。ようこそこれが、雄英高校ヒーロー科だ」

 

「最下位除籍って!!入学初日ですよ!?いや、初日じゃなくても理不尽すぎる!!」

 

「自然災害、大事故、身勝手な敵たち…………

 いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽にまみれている。

 そういう理不尽を覆していくのがヒーロー放課後マックで談笑したかったならお生憎。

 これから3年間雄英は全力で試練を与え続ける。Plus Ultraさ。全力で乗り越えて来い。

 さて、デモンストレーションは終わり、こっからが本番だ」

 

 第1種目50メートル走

 

「3秒04!!」

 

 流石に早いな。足から煙が出ているがそういう個性なのだろう。

 見たまま足が早くなるのかな?

 恐らくだけれど、足技が主体な戦い方をするのだろう。

 

 その後に走っていた青山って変な奴だな。ナルシストか?

 個性の使い方に対しての発想はいいと思うが、なぜに転んだんだよ。

 転ばなければ、もっといいタイム出ただろうに

 

「さて、俺の番か。確か上鳴だったか?よろしくな」

 

「ああ、よろしくな海藤!!」

 

 海藤悠雷、記録1秒27

 

「海藤早くないか?どうやってるんだよ?」

 

「元々の身体能力が高いのもあるだろうが

 雷で身体の末梢神経を刺激して、身体能力の底上げをしてる。

 多分だけどお前にも出来ると思うぞ?

 さっき電気を纏えるとか言ってたし、今度暇なときにでも教えてやろうか?」

 

「マジかよ!!頼む!!教えてくれ!!」

 

「後でな、残念なことに今はテスト中だ」

 

 第2種目握力

 

「200キロを何とか超えれるくらいか…………障子には遠く及ばないな」

 

「得意種目くらいは勝たせてもらうぞ」

 

「いや、その結果なら十分でしょ。アンタは何を目指してるのよ…………」

 

「ヒーローだが?」

 

「そういう事じゃないから」

 

「2人ともヤバいな!!ゴリラかよ!!」

 

「海竜だ。間違えるなよ?」

 

 第3種目立ち幅跳び

 

「これは普通に跳ぶか」

 

「普通に飛んでたね結構な記録出てたけど」

 

「俺は海竜だぞ?空中に浮かべるわけないだろう。いやいけるか?」

 

 なぜか、浮ける気がする。バグ技か何かに近い気もするが

 兄さんの羽を使えば、実は空中戦で姉さんに勝てる。

 使わなかったら、問答無用でボコボコにされるけど

 空中から襲って来て、相手を一方的に殴るだなんて…………この卑怯者!!

 なんか寒気がしたんだけど…………

 

 第4種目反復横跳び

 

「100回越え達成!!」

 

「すげぇな!!雷纏ってカッコよかった!!」

 

 第5種目ソフトボール投げはもうやったので休み。

 

「お疲れ様2人とも」

 

「俺は満足出来る結果だな」

 

「ウチは全然。こういうのに個性使えないからツラい」

 

「これは個性が合わないやつにはキツイからね。

 でも、今のところの結果だと最下位はないと思うぞ?」

 

「全部覚えているのか?」

 

「ああ、兄さんと姉さんに鍛えられたんだ。ヒーローになったら必要だって」

 

「アンタって一人っ子じゃなかったんだ。上の人ってやっぱり凄い人?」

 

「ああ、尊敬する人であり命の恩人でもある。

 まぁ、自由奔放なところがあったり、書類整理が苦手だったりするけどな」

 

「そうなんだ」

 

「その話は後でいいか?あの緑髪の少年──緑谷だったか?

 あいつの個性ってなんなんだ?未だに平均を超える結果を出てないが

 このままでは間違いなく除籍処分となってしまうぞ」

 

「あ?あいつは無個性の雑魚だぞ!!」

 

「無個性!?彼が入試時に何を成したのか知らんのか!?」

 

「は?」

 

 この爆破の個性持ちの爆豪と緑谷は確か同じ制服を着て講義室にいたな。

 恐らくだが、幼馴染などの関係にあるのではないだろうか?

 じゃなかったら「かっちゃん」や「デク」とは呼ばないだろう。

 デクは意味考えると罵倒に近いだろうがな。

 

「46メートルか…………絶望的だな」

 

「指摘を受けていたようだが」

 

「除籍宣告だろ」

 

 思ったよりも早く『抹消』を見ることができたな。

 ただ、緑谷は大丈夫なんだろうか?

 流石にクラスメイトが初日で一人脱落とか考えたくないぞ。

 かっちゃんこと爆豪は確信があるような言い方だったが…………

 

「…………705.3メートル」

 

「やっとヒーローらしい記録出したよ──」

 

「指が腫れ上がっているぞ。入試の件といい、おかしな個性だな」

 

「スマートじゃないよね」

 

「超パワーと引き換えに大怪我を負うのか?それとも制御が出来ていないのか?」

 

「どーいうことだ。こら!!ワケを言え、デクてめぇ!!」

 

「うわぁぁ!!!」

 

「落ち着け爆豪。暴れるな抑えづらいから」

 

「なんだテメェ!!邪魔すんな!!」

 

「よくやった海藤。何度も個性使わすなよ。俺はドライアイなんだ。

 時間がもったいない。次準備しろ」

 

 なんにせよあまり授業中に暴れないで欲しい

 どうせなら放課後とかにやってくれればいいのに

 というか。ドライアイなんですね…………いい個性なのになんか残念だな。

 

「アンタよく咄嗟に抑え込むことが出来たね」

 

「反射的に出来るまでやらされたからな…………」

 

「そんな遠い目をするってどんな経験をしてきたのよ…………」

 

「サイドキックの方々とエンドレスで模擬戦闘」

 

 第6種目上体起こし。第7種目長座体前屈。第8種目持久走が終わり結果発表の時間となった。

 

「んじゃ、パパっと結果発表。

 トータルは単純に各種目の評点を合計した点数だ。

 口頭で説明すんのは時間の無駄なので一喝開示する。ちなみに除籍はウソな」

 

「「「「「!!?」」」」」

 

「君らの最大限を引き出す合理的虚偽」

 

「「「「「は──────!!!??」」」」」

 

「あんなのウソに決まっているじゃない。ちょっと考えればわかりますわ」

 

「最下位であったとしても見込みがあったんだろうな。なかったら緑谷は除籍されていた筈だ」

 

「そゆこと。これにて終わりだ。

 教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ。

 緑谷、リカバリーガールのとこ行って治してもらえ。明日からもっと過酷な試練の目白押しだ」

 

 凄く濃い時間だったな。クラスメイトの個性も把握出来た。

 帰ったら対策を考えるとしようか。

 やはり、雄英に入って正解だった。

 とても楽しい学校生活とやらを送れればいいな。

 

「海藤、2位って凄かったね」

 

「ありがとう響香。だが、残念なことに創造には勝てなかったな」

 

「あれは凄かったね。創造ってどんな盤面にも対応出来るんじゃない?」

 

「対策を考えるのが大変だよ。正直、創造する前に決着をつけるとか位しか思いつかないな」

 

「まあ、なんにせよ。何とか乗り切れたね」

 

「そうだな。明日も頑張ろうか。またな響香」

 

「送ってくれてありがとう。じゃあまた明日ね」

 

 こうして俺のヒーローアカデミア初日が終わった。

 入学からの個性把握テストとは中々のハードスケジュールだったが

 ヒーローになるためだからな。頑張っていこう。

 

 ──まだ、俺のヒーローアカデミアは始まったばかりだ。

 

 




☆9と☆1評価がついていました。
評価がつくことは嬉しいのですがどこら辺が悪いのでしょうか?
そこのところも感想で教えてくれればと思います。
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