Re. 海竜のヒーローアカデミア 作:willtexture
ありがとうございます!!
これからも頑張ろうと思います。
入学式──否、個性把握テストの翌日のこと。
とても意外なことに翌日からは普通の授業が始まった。
あまりにも普通な英語の授業などに至っては普通過ぎてコレジャナイ感が凄かった。
プレゼントマイクの授業なんだからもう少し可k…………特殊な授業かと思っていた。
お昼も何かあるんじゃないかと思ったが、特に何もなかった。
昼を抜いて走らされるとか、戦闘訓練なんてこともなかった。
兄さんあてのファンレターを読み上げさせられるとかもなかった。
ホントに自分で読めよ…………枚数ホントに多かったんだからな。
昼休みには普通にクックヒーローの料理を安価で食べることができた。
海鮮丼は美味しかったです。特にカジキが美味しかった、鮮度も高かったし
夏休みはまた海で採りたいなぁ。
海鮮系の食材は採りたてで新鮮なままがやっぱり一番美味しい。
──が、普通なのはここまでだ。
…………カジキが普通じゃないというツッコミは受け付けないZE
先輩の友達も食べていたって言ってたから割と普通なはず…………
「わーたーし──が!!!──普通にドアから来た!!HAHAHA!!」
午後からついに始まるヒーロー基礎学──先生は勿論、オールマイトだ。
もしこれでオールマイトじゃなかったらクレームが凄そう。
絶対に教師やっているってことが知れたら来年の倍率が笑えるレベルで跳ね上がるんだろうな。
生きる伝説とも言うべき彼の登場にクラスの皆は大盛り上がり。
兄さんが臨時教師でいつか行くとか言っていたけど来ないよね?
まぁ、来たらそんときはそん時だ。
その話を聞いた姉さんの目も割とガチだったんだよな…………
「すげぇ!!本当にオールマイトだ!!」
「銀時代のコスチューム着てるけど、本当に教師やってるんだ!?」
「画風が違い過ぎて鳥肌が…………」
「ヒーロー基礎学!!ヒーローの素地を作るために様々な訓練を行う科目だ!!
あ、単位多いから気を付けて」
素早く必要なことを説明するオールマイトに皆付いて行けていない。
だが、聞き返す前にオールマイトは、今日の内容を示した。
「早速だが、今日はこれ!!──戦闘訓練!!」
──戦闘訓練!?
その言葉に皆が気を引き締めた。
好戦的な者達は既に瞳をギラつかせていた。無論、悠雷もその一人である。
戦いの中で自らを研ぎ澄ます事は悠雷が好きなことの一つだ。
「さらに、こちら!!入学前に貰った個性届と要望に沿って作られた──」
──戦闘服!!
「「「「「おお!!」」」」」
オールマイトが叫ぶが否や、教室の壁が開き、中にはそれぞれのコスチュームが入っていた。
その登場にクラスのボルテージも更に上昇する。
こんな仕掛けがあったんだなと、そのうち壁が忍者屋敷よろしく回転しても可笑しくないな。
ホントにどうなってるんだか
「さあ!!着替えてグラウンドβに集合だ!!」
オールマイトの言葉に皆が頷き、それぞれのコスチュームを持ち、そして纏った。
それによりグラウンドβに現れたクラスメイト達は皆…………
コスチュームを纏った一人のヒーローだった。
「…………要望通りのいいコスチュームだな」
悠雷はコスチュームを作る際に制作会社に自身の素材を持ち込み
それを使ってコスチュームを作ってもらった。
自身の素材を使っているためにその親和性は凄まじく既に身体に馴染んでいた。
海竜の素材を惜しげもなく使ったそのコスチュームは紺碧の輝きを放ち、強靭な竜を思わせた。
雄英が抱えるいくつかのコスチューム会社の中から2人のおすすめを選んでよかった。
自身の素材はあらゆるものに対しての耐性を一定値以上備えているため、熱や電気などの攻撃はもちろんのこと、ピストル程度の銃弾なら難なく弾いてくれる。
そこまで重くないから、軽装備にすることができたし
今なら5メートルほどなら跳び越えることができそう。
改めて纏ってみると兄さんがあそこまで必死になるのもわかるんだよなぁ。
軽くて防御力が高いとかそれもうわけわかんないや。
「悠雷、そのコスチュームよく似合ってるじゃん」
「もしかしてだが、自分の身体の一部を使ったのか?」
「そうだ、これは俺の身体の一部を使って作ってもらった。
響香と障子のコスチュームも似合っているぞ」
響香のコスチュームは軽装だが、靴が普段とは違う装備重視。
足にはスピーカーの様なものがついている。
障子のコスチュームもまたシンプルだが、動きが制限されないような性能重視なものだ。
常闇は壁に寄りかかって瞑想でもしているのか?
あいつもコスチュームが似合っているし、後で話しかけてみるか。
見ていると過去の黒歴史が抉り出されるような気もしなくないが
「性能重視の考えなんだな2人共。
響香のコスチュームについているのは遠距離用の装備か?障子は動きやすさを重視したのか」
「そうだよ。ウチはプラグを伸ばせてもどうしても接近戦になるしね。
遠距離から攻めてくる敵への対策として遠距離攻撃用の装備が欲しかったから」
「俺も複製する以上は動きを制限したくないからな。
だが、俺も遠距離攻撃の手段を確保したほうがいいだろうか?」
「その方が絶対に良いだろうな。
いくら地上での戦いが強いからって空に逃げられたら何もできなくなってしまうし」
「コスチューム改良の際に考えてみるか」
それからも互いにここを望んだ。そこにはもう少し何かが欲しかった等の会話を続けていく。
他のもところも同じような会話であった。
──八百万と葉隠のコスチュームとか他の話題もあったけどね。
正直、葉隠が手袋とブーツだけなのは驚いた。
透明なやつを見えるヴィランがいたらどうするんだろうか?
念の為に服くらいは来た方がいいと思う。
光学迷彩とかもあるし、氷とかを相手にする場合全裸だときつすぎるだろ。
ちなみにその会話はオールマイトが来るまで続いた。
「さあ!!有精卵共!!──戦闘訓練の時間だ!!──内容は屋内の対人戦闘さ!!」
「先生!!ここは入試演習場ですが、また市街地演習を行うんでしょうか?
「いいや!!もう二歩先に踏み込む!!屋内での対人戦闘さ!!」
いきなり屋内での戦闘訓練なのか…………最初は外がよかったな。
屋内戦の場合はどう頑張っても切り札ともいえる竜化を活用できない。
自ら縛りプレイを行っているようなものだ。
「敵退治は主に屋外で見られるが、統計でいえば屋内のほうが凶悪敵の出現率は高いんだ。
監禁、軟禁、裏商売…………このヒーロー飽和社会──ゲフン──真に賢い敵は屋内に潜む!!
君達にはこれから『ヴィラン組』と『ヒーロー組』の二つに分かれて
2対2の屋内戦闘を行ってもらう!!」
「基礎訓練も無しに?」
「基礎を知るための実践さ!!ただし今度はぶっ壊せばオーケーなロボじゃないのがミソだ!!」
それを聞いたクラスメイト達が口々に質問を始める。
「勝敗のシステムはどうなります?」
「ブッ飛ばしてもいいんスか?」
「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか?」
「別れるときはどのような分かれ方をすればよろしいですか!!」
「このマントヤバくない!?」
「んんん~聖徳太子ィィ!!!」
さすがのオールマイトも一切に質問されると答えれないようだ。
あと、最後の奴のは絶対に今言う事じゃないだろ。
オールマイトがカンペを見ながら説明を続ける。
「いいかい!?状況設定は「敵」がアジトに「核兵器」を隠していて「ヒーロー」はそれを処理しようとしている」
「ヒーロー」はそれを処理しようとしている」
なかなかに設定がアメリカンだな。
オールマイトが実際に経験をしたことのあるシチュエーションなのかね?
カンペなのは何も言わない方がいいだろうな。
優れた選手が優れた指導者になるとは限らないだったか?
オールマイトはその言葉によく当てはまっている気がする。
「今回のコンビ及び対戦相手はくじだ!!」
「適当なのですか!?」
「プロは他事務所のヒーローと急造チームアップする事が多いし、そういう事じゃないかな?」
「全く知らない相手と組むこともなくはないだろうしな。
臨機応変に対応できるようにっていう事だろう」
「そうか!!先を見据えた計らい。失礼いたしました!!」
「いいよ!!早くやろ!!」
肝心のチーム分けは──【H】だった。
組む相手は確か──
「蛙吹だったか?よろしくな」
「ええ、よろしく蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで」
「わかった。よろしくな梅雨ちゃん」
「ケロケロ」
ちなみに他のチームのメンバーはこんな感じだ。
Aチーム 麗日&緑谷 Bチーム 障子&轟
Cチーム 耳郎&八百万 Dチーム 飯田&爆豪
Eチーム 青山&芦戸 Fチーム 峰田&常闇
Gチーム 上鳴&砂糖 Hチーム 海藤&蛙吹
Ⅰチーム 尾白&葉隠 Jチーム 切島&瀬呂
「良し!!──まずはAチームがヒーロー!!Dチームがヴィランだ!!
──それ以外の皆はモニター室に行こう!!」
記念すべき一回目はAチームの麗日&緑谷VSDチーム飯田&爆豪だ。
不安定な緑谷と、そんな緑谷に過剰な反応を見せる爆豪。
正直なところ、かなり不安だ…………事故とか起きないといいけど
オールマイトに質問しているときに明らかに緑谷のことを見てたし
「さあ皆!!クラスメイトの動きから学べることはどんどん学んでいこう!!」
モニタールームにあるスクリーンを見上げると
ちょうど緑谷と麗日がビルの内部に入っていったところだった。
彼らが入ってしばらくすると爆豪が緑谷目掛けて奇襲を行う。
「うおおっ爆豪ズッケェ!!奇襲なんて男らしくねえ!!」
「緑くん、良く避けたねえ──!!」
爆破によって起きた煙幕が晴れると掌から爆炎をあげている爆豪と
今日、はじめて着るコスチュームのマスクが半分失われた緑谷が対峙していた。
「爆豪の攻撃を良く避けることが出来たな。
あそこで避けれなければ、もう勝負はついていたかもな」
「なんか爆豪、スゲーイラついてんな」
緑谷に隠れていてよく見えなかったが、麗日が戦線を離脱して上を目指したのが見えた。
二人で相手するよりもひとりが先に核の位置を割り出しておいた方が合理的だ。
「麗日が核の確保に動いたな」
「緑谷は引き付けて時間稼ぎか」
「制御が効かない個性のみで入試2位を相手取ってやがる!!」
「すげぇな!!あいつ!!」
モニタールームで観客が口々に思ったことを言っている間にも
戦況はどんどん変わっていく。
どうやら麗日が最上階に辿り着いて機会を窺っているようだ。
しかし…………
「あら。お茶子ちゃん、飯田ちゃんに見つかったみたい」
「何かしらの物音を立ててしまったのか」
「下も再び対峙したようだ」
「爆豪少年!!ストップだ!!殺す気か!!」
突如として声を荒げたオールマイトの姿に皆は疑問符を浮かべるが、
その理由はすぐに皆の知るところとなった。
──ドオオオオオッ!!!
轟音と揺れが地下にあるモニタールームまで届く。
この部屋って耐震工事とか施されているはずなんだけどな…………
それほどまでに大きな爆発なんだろう。
それの中心地にいた二人はどうなったんだ?
「マジか!!授業だぞコレ!!」
「緑谷少年!!」
「…………ワザと外したのか?」
「先生止めた方がいいって!!爆豪あいつ、相当クレイジーだぜ!!殺しちまう!!」
当たっていなくても尚、これほどの威力なのか…………
オールマイトの忠告を受けた後、再開された戦いでは器用に爆破を操り緑谷を攻撃している。
戦闘センスが天才的に高い。
考えながらの動きには見えないが、全部計算して動いているんだろうな。
「リンチだよコレ!!テープ巻いたら捕まえることになんのに!!」
「ヒーローの所業に非ず…………」
「緑谷もすげぇって思ったけど、戦闘能力において爆豪は間違えなくセンスの塊だぜ!!」
「緑谷逃げてる!!」
「男のすることじゃねえけど仕方ねえぜ…………
でも、妙だな。なんで個性を使わねえ?」
「いや、あの位置は核の真下だ。何か企んでる」
二人は数言か交わして、互いに構える。
爆豪の攻撃…………右手は確実に緑谷を捉えて、先程のものほどではないが大きな爆破が起きる。
一方の緑谷の攻撃は天井を突き破って核のある部屋まで到達する。
麗日が核に触れてヒーローチームの勝ちとなったが、勝負の結果とは真逆の状態だな。
…………本当に個性の制御が出来ていないんだな。
腕の一振でビルを破壊するってオールマイトみたいだな。
スピードとかはないが、それっぽい動きは出来るようになるのかね?
「次は場所を変えて!!──ヒーローはBチーム!!ヴィランはⅠチームだ!!」
「障子のチームか、頑張れよ」
「ああ」
──そして、訓練が始まり、世界が凍った。
「まさかビルごと凍結させるとはね…………想定以上にヤバい個性だったな」
ビルごと凍結させるってヤバいじゃん。
寒いの苦手なんだけど…………南極とかでも泳げるけどさ、得意かは別じゃん?
戦う時は工夫しないとキツイかな。
竜化すれば話は別なんだけども、それに頼らないと勝てないっていうのもな。
「仲間も巻き込まずに核兵器にもダメージを与えず、尚且つ敵も弱体化!!」
「しかも、火まで使うのかよ。相性最悪じゃん…………」
「アンタにも弱点ってあったんだね」
「響香が俺にどんなイメージを持っているかが知りたい…………」
氷は根性で耐えれるけどさ、火は無理。
生物全てに共通して火は弱点だから
人間だって火を扱えても燃えるでしょ?
水辺なら勝てるけど都会だとマジツライって
雄英体育祭で戦うことになったらどうしようか…………竜化してゴリ押すか?
でも、ゴリ押しはなるべく使いたくないんだよな…………
訓練が終わったBチームとⅠチームの面々が帰って来て、批評が終わり次に移る。
批評の時にオールマイトが困っていたのは少し面白かった。
ナンバーワンもこんな風になることがあるのね。
まぁ、評価のしようがなかったし、仕方ないか。
「──次の対戦相手はCチーム対Hチームだ!!」
「俺達がヒーロー側なのか」
「頑張りましょうね」
「悠雷、負けないからね」
「相手にとって不足無しですわ」
ビルの前に移動して、相手のチームである響香と八百万が中に入っていくのを見届けて
梅雨ちゃんと作戦会議を行う。
「さて、どう攻める?相手に響香がいる以上こちらの動きは筒抜けと思った方がいい。
相手にこちらの行動を知られている前提で動いた方がいいな」
「創造も厄介ね」
「俺は空を飛んだりできないからな。正面突破になるが、梅雨ちゃんは壁を登れたりしないか?」
「できるわよ。カエルっぽいことなら基本出来るわ」
「分かった。じゃあ、梅雨ちゃんは壁を登って最上階から核探してくれ。
俺は下から探していく。交戦は最小限に抑えてなるべく2体1の状況に持ち込むようにしよう」
「わかったわ。敵を見つけたら知らせてちょうだい。直ぐに向かうから」
「頼む。こちらもすぐに向かうようにするが、
どうしても時間がかかると思うからなるべく深追いはしないようにしてくれ」
『それでは──訓練開始!!』
「それじゃあ行くか、健闘を祈る」
「そちらも頑張ってね」
梅雨ちゃんが壁を登っていくのを見届けて建物の中に入る。
建物の中には様々なトラップが仕掛けられていた。
個性把握テストでこちらの身体能力が高いのも知られているだろうし
響香には電気と液体を使えることも体の一部を変化させれることも話している。
正面戦闘では分が悪いと判断して時間稼ぎに徹底するつもりなのだろう。
「──だが、まだ甘いな。この程度なら2人の訓練よりはるかに簡単だな」
悠雷のことを鍛え上げた人はドラグーンヒーローである竜間龍子と
このヒーロー飽和社会に置いて僅か数年でナンバー3にまで上り詰めたホークスである。
二人は悠雷が理想とするヒーローになることのできるように
スパルタとしか言いようのない訓練を施したのである。
まあ、それを喜んだ悠雷も悠雷である。
おまけ程度に公安の人からも色々と教育を受けている。
公安の人が少し引いた顔で俺のことを見ていたのは余談である。
悠雷は仕掛けられたトラップを完璧に解除しながら上に上がっていく。
上がりながら梅雨ちゃんと連絡を取る。
予想ではそろそろ最上階につくはずだ。
「梅雨ちゃん、そちらの状態はどうだ?」
「もう間もなく、最上階につくわ」
「分かった。着き次第中を探ってみてくれ。もしも誰もいないようなら突入してみてくれ」
「了解よ」
悠雷は無線を切ってその足を進める。
しばらく進むと階段の上で八百万が待ち構えているのが見えた。
この周りにはトラップはないものととらえて問題ないかな。
「流石、推薦入学者。あの短時間でよくもあの数のトラップを仕掛ける事が出来たな」
「だというのに、随分と余裕ですわね」
「まあ、実際に余裕だからな」
「言ってくださいますわね!!」
八百万は事前に創造していたであろう大砲をこちらに向けて打ってくる。
それをバク転で回避すると壁を走り距離を詰める。
階段にも何かしらの仕掛けがあると踏んだためである。
無いとは思うが、警戒しとくに越したことはない。
作戦通りに梅雨ちゃんに伝えておこう。
『梅雨ちゃん、3階の中央階段に八百万がいた。只今交戦中だ』
『わかったわ。ただ、こっちも耳郎ちゃんに見つかって交戦中よ。
悪いけれど助けには行けないわ』
『わかった。八百万を倒したらそっちに向かう。何階だ?』
『最上階よ。この階に核もあるわ』
『了解』
「こっちを見もせずに会話するとは随分と舐められたものですわね!!」
「ッ!!」
会話をしている隙を突かれて大砲の直撃を食らう。
一台目に隠すようにして少し小さめの二台目を設置していたのだ
耐久力には自信があるから問題はないが
かなり吹き飛ばされるし、窓から外に追い出されれば時間の大幅なロスに繋がる。
その間に梅雨ちゃんが捕まりでもしたら最悪だ。
大砲に玉を詰めているのを確認すると壁を蹴り、距離を詰める。
今度は先程と同じようなミスは犯すつもりはない。
大砲は斜線に入らなければ驚異ではない。
銃などを創造するまでに可能な限り距離を詰めたい。
「甘いですわ!!その動きは想定済みですわ!!」
八百万は事前に創造してたであろう網をこちらに投げつけてくる。
材質はなんだろうか?合金あたりだろうか
これくらいならば簡単に切り裂くことができる。
「そうだな。こっちも想定済みだ!!」
投げられた網を爪で切り裂く。
鉄くらいなら簡単に切り裂けるからな。
ミスディレクションの要領で八百万の背後を取り、首に手刀を食らわせる。
「八百万は接近戦に弱すぎるんだよな。もう少し格闘術を覚えたほうがいいと思うんだけど
まあ、気絶しているし聞こえてないか」
手刀を真面に食らった八百万の意識は既に刈り取られていた。
恐ろしく早い手刀俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。
八百万にテープを巻くと梅雨ちゃんの援護のために最上階へ向かった。
気絶だけでも条件には問題ないが、実戦を想定しとこう。
▼▼▼
梅雨ちゃんは焦っていた。
悠雷と別れて壁を登ったはいいものの
最上階問わず、窓には全てカーテンが張られ中が見れないようになっていた。
そのため梅雨ちゃんは悠雷に中の様子を伝える事も出来ずに
苦渋の策として最上階の窓を蹴破って入ったのはいいものの
響香のプラグと八百万が作ったであろう剣に牽制され近づくことができないでいた。
核があるのを確認はでき、それを伝える事は出来たがその後の進展はない。
ヒットアンドアウェイを繰り返してはいるが、
決め手に欠けているために勝負を決めることが出来ない。
また、響香も決め手に欠けているために
ヒットアンドアウェイを心がける梅雨ちゃんを捕らえることが出来ないでいた。
向こうの方がリーチが長く、下手に攻勢に出た瞬間に核のある部屋に行かれてしまう。
その上、無線でヤオモモが捕まってしまったことと
悠雷がこちらに向かっていることを知ったためにさらに焦りを強くしている。
時間まではまだ5分程残っており、耐久戦は無理。
勝つのならば、最低でも悠雷が来るまでに梅雨ちゃんを無力化しなければいけない。
先程の放送で八百万が捕らえられていることを
梅雨ちゃんが知っているためにさらに逃げに重点を置いた立ち回りになっているため、
攻撃するのすら困難な状態となっている。
先程も言った通り、深追いすれば核のある部屋に行かれてしまう。
その膠着状態は悠雷が最上階にたどり着くまで続いた。
「伏せろ!!」
最上階に辿り着き、必要最低限の言葉を伝える悠雷。
梅雨ちゃんがしゃがむのを確認すると、
最上階に来るまでに発電しておいた雷撃を横なぎに放った。
響香は何とかしゃがんで躱すが、
しゃがんだ後隙に梅雨ちゃんの舌に捕らえられた。
『ヒーローチーム──WIN!!』
戦闘訓練は悠雷達の勝利で終わった。
▼▼▼
「さて、今回のMVPは誰かわかるかな?」
「はい!!」
「飯田少年!!」
「海藤君だと思います!!
個性を活かした作戦に罠への対応。戦闘能力や状況判断能力。
そして、最後の攻撃も核兵器に配慮したもの。文句のない結果だと思います!!」
「その通り!!プロでもできる人は少ない!!皆も見習うように!!
三人にアドバイスを送ると、蛙吹少女は作戦に自分の意見を加えられるといいね!!
八百万少女は海藤少年が言っていたように近接戦の対策。
耳郎少女は戦闘における決定力を得られると更に成長出来ると思うぞ!!」
「わかりましたわ。精進しなくては!!」
「決定力か、わかっていたけどウチもまだまだだね」
「次は海藤ちゃんに頼らずに勝利を決めて見せるわ」
「四人ともお疲れ様!!さあ、次のチームはヒーローがEチーム。ヴィランがGチームだ!!」
▼▼▼
ヒーロー基礎学が終わり、放課後。
悠雷が荷物を纏めて帰ろうとしていると上鳴が話しかけてきた。
「なあ、今日の帰りにマックで反省会をしようと思っているんだけどお前も来ないか?」
「響香達も参加するのか?」
「うん。悠雷が参加すれば来ないのは緑谷と爆豪、轟だけだね。
ウチも相談したいことがあるから来てほしいんだけど」
「女子からの誘いを断るわけにはいかないな」
「また、そんなこと言って」
「時間が勿体ない。もう行くんだろ?」
「おう!!行こうぜ!!俺も聞きたいことあったしな!!」
「そういえば上鳴に身体強化のやり方を教えてなかったな。
実践はできないからやり方とイメージだけでも教えるよ」
「やったぜ!!」
その話を聞いた他のクラスメイト達もマックに行きたいと述べ、
結果的にかなりの大人数で行く事になった。
この現場を相澤先生に見られたらなんて言われるんだろ?
即、除籍!!みたいな事にはならないよね?
案の定、マイク先生と一緒にいる相澤先生に見つかるのは別の話。
…………本当になんでいたんだろう。
こうして戦闘訓練は終わりを迎えた。
──だが、彼らは知ることになる。
プロヒーローの対峙する真に賢いヴィランの恐怖を
今のところは書き直す前と大体同じですが
USJでの戦闘辺りからアンケート結果をもとに変えていくつもりです。
ちなみに毎日などではなく不定期更新です。
追記、三人称問わず梅雨ちゃんは梅雨ちゃんです。
読みずらかったら申し訳ないです。