Re. 海竜のヒーローアカデミア 作:willtexture
今日の午前中の授業が終わりいつもよりも早く昼ご飯を食べるようにと言われて
いつもよりも急ぎ目で食堂に向かったとある日のこと。
時刻はPM0.50
珍しく教室に寝袋を持ってきていない相澤先生から今日のヒーロー基礎学について説明が入る。
一言余計だったかな? なんか睨まれてしまったぜ。
もしかしてだが、個性の使い過ぎで心の壁も抹消できるようになったのだろうか?
実はあくタイプだけでなくエスパー複合だったのだろうか?
初代の環境なら最強なんじゃないか?素早さとかとくこうが高そうだし
技範囲は他と比べて割と狭そうだけど、ふいうちとかが強そう。
「今日のヒーロー基礎学だが…………
俺とオールマイトそしてもう一人の三人体制で見ることになった」
「三人体制?」
「ハーイ!!何するんですか!?」
「災害水難なんでもござれ、人命救助訓練だ!!」
今日のヒーロー基礎学はオールマイトだけじゃないんだな。
多くのヒーローから学ぶことができるという事は嬉しいが、
それだけこの前のマスコミの件を問題視しているという事なのだろう。
何も起きないといいんだけどな、嫌な予感がするんだよな…………
アニメやマンガ問わず、こういった予感はよく当たるものなのだ。
少しだけ思考がメタよりになっているかな?控えよう。
「レスキュー…………今回も大変そうだな」
「ねー!!」
「バカおめーこれこそヒーローの本分だぜ!?鳴るぜ!!腕が!!」
「水難なら私の独壇場ケロケロ」
「火災現場での救助には不安しか残らない…………」
ヒーローであるからにはそういった場面に出くわすことがあるだろうが可能な限り避けたい。
俺の個性ならホースの水を操ることが出来るから、消火活動の方に…………
水を纏って奥に取り残された人の元に向かう自分が見えた。
今後のために今回の授業は特に集中して取り組まないとな。
「おい、まだ途中。今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。
中には活動を制限するコスチュームもあるだろうからな。
訓練場所は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上準備開始」
言い終えた相澤先生はそそくさと教室を後にした。
残された悠雷達もまた除籍やらの問題を悟って素早く身支度を終えると校内バスへと向かった。
相澤先生は「遅刻か、じゃあ除籍な」っていう感じで除籍にしてきそう。
絶対にしないという確信はあるし、
先生が除籍にしてきた生徒への理由も知っているからそんな事はないはずなんだけどね。
雄英の校舎から少し離れた場所にある人命救助訓練の会場に向かうためのバスに乗る前に
「バスの席順でスムーズにいくよう、番号順に2列で並ぼう!!」
「飯田君、フルスロットル…………」
数日前に決まった委員長である飯田は個性的であるがゆえに
未だ纏まりのないクラスを纏めようと実に張り切っていたのだが…………
「こういうタイプだったか、くそう!!」
「意味なかったねー」
バスは前半部分が対面式の座席になっており、あっさりと飯田の予想は裏切られた。
結局、適当に好きな場所に座ることになった。
俺は適当な席の窓側に座ることにした、隣には響香が座っている。
座ってから互いにスマホで曲を聴き始めたから会話はないがな。
別に会話が無くて寂しいなんて思ってないからな?
母としか会話がないなんてことも幼少期に引っ越す前はざらだったんだから
なんなら話し掛けたとたんに逃げられてことだってある。
子供のころの何たら菌みたいな感じでな。
そのころに比べると今は本当に恵まれているよ。
イヤホンについてだが一応、片耳だけにイヤホンを付けて会話は聞けるようにしている。
急に相澤先生が何か言いだすかもしれないし
というか、響香のイヤホンジャックってイヤホンの代わりに使えるんだな。
耳をふさがずに音を聞けるっていうのは少し羨ましいな。
隣の芝生は青く見えるというが、本当にそう思う。
都市伝説の人の個性を奪える個性というものがあれば欲しものだ。
奪うという前提条件なため、ほぼ確実にヴィラン落ちすると思うけどな。
大きな力を手に入れるためなら人は簡単に捨てることが出来るのだよ。ワトソン君。
「私、思ったことは何でも言っちゃうの。緑谷ちゃん」
「あ!?はい!?蛙吹さん!!」
「梅雨ちゃんと呼んで、あなたの個性オールマイトに似てる」
「!!!」
「そそそそそうかな!?いや、僕はそのえ──」
「待てよ梅雨ちゃん。オールマイトはケガしねぇぞ。似て非なるアレだぜ?」
緑谷…………個性について聞かれただけで動揺しすぎだろ。
そんなにオールマイトに似ていると言われて嬉しかったのか?
もはや尊敬を通り越して崇拝じゃないか?
部屋にオールマイトの像が飾ってありそうだなぁ。
いや、間違いなく何体かのフィギュアはあるな。
にわかファンというレベルの俺でさえ、それくらいはあるもの。
オールマイトのではなくホークスやリューキュウのものだがな。
勿論、二人からの贈り物だ。
俺の誕生日に兄さんが面白半分で送ってきてそれに姉さんが対抗する形で増えていった。
「しかし増強型のシンプルな個性はいいな!!派手で出来る事が多い!!
俺の硬化は対人じゃ強ぇけど、いかんせん地味なんだよな──」
「僕はすごくかっこいいと思うよ。プロにも十分通用する個性だよ!!」
「プロなー!!しかしやっぱヒーローも人気商売みてぇなとこあるぜ!?」
「僕のネビルレーザーは派手さも強さもプロ並み⭐︎」
「でもお腹を壊しちゃうのはヨクナイね!!」
あ、青山があっさりと撃墜された。悪意のない純粋な一言ってかなり効くよな。
しかし、人気商売か…………ヒーロー職業の一つだからそういう面があるのは仕方ないんだよな。
ランキング上位の人って基本的にスタイルとか顔がいいし
ヒーロー以外の副業にも多く手を出しているんだよな。
あのエンデヴァーでさえもコーヒーの広告塔になっているくらいだし
試しに買ってみたら苦すぎて飲めなかったけど
「派手で強ぇっつったら、やっぱり轟と爆豪そして海藤だよな!!」
「ケッ」
「爆豪ちゃんは切れてばかりだし人気でなそ」
「んだとコラ出すわ!!」
「ホラ」
「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格って認識されっるってすげぇよ」
「てめえのボキャブラリーは何だコラ殺すぞ!!」
「低俗な会話ですこと!!」
「でもこういうの好きだ私」
「低俗な会話が好きなら早くいってくれよ…………じゃあ、お言葉に甘えて…………」
「甘えたら言葉に表せないほどの激痛がその身を走ることになるぞ?」
「何でもないです…………」
「ナイス悠雷」
「爆豪くん、君本当口悪いな!!」
「フッ」
「何笑ってんだてめえ!!」
「悠雷はこういう会話に参加しないんだね」
「こういうのは外から眺めているほうが楽しいからな。
そういう響香だって会話に参加していないだろう?」
「ウチは話しかけられたら参加するスタンスだから」
「俺もだいたいそんな感じだ」
「もう着くぞ、いい加減にしとけよ…………」
「「「「「ハイ!!」」」」」
相澤先生の鶴の一言で皆が静まり、下車の準備を始める。
いままで、ヒーロー以外の職業を考えたことはなかったが先生とかもやりがいがありそうだな。
兄さんが理想とするヒーローが暇を持て余す社会を作るのにも役立ちそうだし
ヒーローオンリーと違って収入も安定してそうだしな。
「すっげ──────!!USJかよ!!!」
「水難事故、土砂災害、火事…………etc…………
あらゆる事故や災害を想定し、僕がつくった演習場です。
その名も────ウソの災害や事故ルーム!!」
(((((USJだった!!)))))
「スペースヒーロー「13号」だ!!救助活動でめざましい活躍をしている紳士的なヒーロー!!」
「わ──私好きなの13号!!」
ん?何かを相澤先生と話してる?生徒には聞かせられない話か?
遠くてよく聞こえないが…………「仮眠室で休んでる?」だって?
それに指を三本立てているしどういうことだ?
オールマイトがいないのは休んでいるからなのだろうか?
ナンバーワンヒーローなのだからそりゃ忙しいか。
ヒーロー活動を終えた後の姉さんは生きる屍みたいなことも多かったし
俺らが指導を受けることができるというのがすでに異常なレベルだからな。
あの動画を見たものとしてオールマイトから教わりたかったが仕方ないな、残念。
「えー始める前にお小言を一つ二つ…………三つ…………四つ…………」
(((((増える…………)))))
「皆さんご存じかと思いますが、僕の個性はブラックホール。
どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」
「その個性でどんな災害からでも人を救い上げるんですよね!!」
麗日の首がすごいスピードで動いてる。
もはや残像が見える勢いじゃないか?首取れたりしないよな?
「ええ…………しかし簡単に人を殺せる力です。皆さんの中にもそういう個性がいるでしょう。
超人社会は個性の使用を資格制にし、
厳しく規制することで一見成り立っているようには見えます。
しかし、一歩間違えれば容易に人を殺せる
いきすぎた個性を個々が持っていることを忘れないでください。
相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、
オールマイトの対人訓練でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います。
この授業では…………心機一転!!人命のために個性をどう活用するか学んでいきましょう。
君たちの力は人を傷つけるためにあるのではない。
助けるためにあるのだと心得て帰って下さいな。
以上、ご清聴ありがとうございました」
「ステキー!!」
「ブラボー!! ブラーボー!!」
13号先生かっこよすぎかよ。最光だな。
とりあえず帰ったら13号先生のアカウントをフォローしなきゃ。
個性の危険性は兄さんや姉さんからも教えられていたが、
ブラックホールという個性の13号先生が言うとやはり説得力が違うな。
「そんじゃあまずは…………」
相澤先生がそこまで言ったとたん、背筋に悪寒が走る。
どうやら嫌な予感は外れてくれなかったようだ。
広場のほうを見ると何もない空間から突如として何十人ものヴィランが現れた。
あの人数を集めるだなんてどれほどの組織なんだ?
そんな大規模な組織が存在しているだなんて…………
「ひとかたまりになって動くな!!」
「え?」
「13号、生徒を守れ!!」
「何だアリャ!?また入試の時みたいにもう始まってるパターン?」
「動くな、あれはヴィランだ!!!!」
「13号に…………イレイザーヘッドですか…………
先日頂いた教師側のカリキュラムではオールマイトがここにいるはずなのですが…………」
「やはり先日のはクソ共の仕業だったか」
「どこだよ…………せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ…………
オールマイト…………平和の象徴…………いないなんて…………子供を殺せば来るのかな?」
あの手だらけの奴が今回のリーダーか?
隣にいる黒い霧に包まれたやつの個性でここに侵入してきたのだろう。
とても珍しいワープ系の個性が敵の手の中にあるなんて…………最悪だ。
…………脳がむき出しのあいつからかなり濃い死臭が漂ってくる。
あいつは確実に数人は殺している。
個性は身体強化の類だろうか?
見た感じかなりの筋肉量なのでそうでなくとも脅威には違いない。
奇しくも俺達の命を救うための訓練時間に奴らは現れた。途方もない悪意を身に纏って
嫌な予感は外れてくれなかったか…………フラグはへし折るためにあるんじゃなかったけ?
「敵ッツ!?バカだろ!?ヒーローの学校入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!!」
「先生、侵入者用センサーは!!」
「もちろんありますが…………!!」
「どうやらそういうことのできる個性がいるようだな。
電話や個性で連絡を試してみたが、妨害されている」
普段なら衛星通信が可能な端末を持っているのだが、今はない。
まさか授業中にヴィランの襲撃に会うなんて思わないだろ。
連絡出来たところで数分間は耐え凌がないといけないにしろあった方が絶対にいい。
なんで俺はそれを置いてきてしまったんだよ…………馬鹿か?馬鹿なのか?馬鹿だわ。
「現れたのはここだけか学校全体か…………校舎と離れた隔離空間。
そこに少人数が入る時間割…………バカだかアホじゃねえ。
これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」
「13号、避難開始!!海藤、連絡を試し続けろ。上鳴、お前も個性で試せ」
「はい!!」「っス!!」
「先生は一人で戦うんですか!?あの数じゃいくら個性を消すって言っても!!
イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ!!正面戦闘は…………」
「覚えとけ緑谷。一芸だけじゃヒーローは務まらない」
「相澤先生!!あの脳がむき出しの奴から嫌な感じがします。
ただの勘ですが、気を付けてください!!」
「お前のそういう勘はよく当たるらしいからな。
気に留めておくことにしよう。後の事は13号!!任せたぞ」
相澤先生は広場に飛び降りると、個性を消しつつ相手の連携を妨害していく。
こんな時ほど自分がただの生徒の一人であることが悔やまれるな。
せめて仮免だけでも持っていれば。一緒に戦えるのに………………
あの島で一人生き残ったからか、本能で死臭を感じ取れるようになっている。
間違いなくあの怪人の近くで誰かが死んでいる。
相澤先生がやられなければいいんだが…………どうも不安だ。
「させませんよ」
相澤先生にその場を任せて逃げようとする俺達の目の前に黒い影を纏ったヴィランが現れた。
こいつが間違いなくワープの個性持ちだ。
こいつを倒すことが出来れば戦況を有利に進められないか?
見た感じ実体がないのか?物理でダメージを与えるのは難しいと考えていた方が良さそうだ。
「初めまして、我々は敵連合。
せんえつながら…………この度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは
平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして
本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ…………
ですが何か変更があったのでしょうか?
まぁ…………それとは関係なく…………私の役目はこれ──」
そこまで奴が言ったところで切島と爆豪の2人が攻撃を仕掛ける。
切島の硬化で強化された拳と爆豪の爆破が襲いかかるが効いてないようだ。
ワープゲートか何かで攻撃を受け流したか?
二人の攻撃が当たったのはどちらも靄の部分。
もしかしたらだが、それ以外のところなら攻撃が通るのではないか?
「それまでに俺たちにやられることは考えてなかったか!?」
「危ない危ない…………そう…………生徒といえど優秀な金の卵──」
「ダメだどきなさい2人とも!!」
不味いな。2人が先生の射程にいる。このままでは先生が攻撃できない。
俺も攻撃したいが、ここからだと遠距離攻撃以外は出来ないし
どうしても切島か爆豪に当たってしまう。
それに近距離からの攻撃は恐らく間に合わないうえに避けられてしまうだろう。
『散らして、嬲り殺す』
黒い霧を纏ったそいつが放った
その言葉を最後に霧に包まれて目の前が真っ暗になった…………
次回は戦闘シーン多め!!乞うご期待!!
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