原神ふれんず!   作:コトバノ

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 特に前書きでこともないので簡潔に……



 イベントめっちゃよかった!最高!

 この物語話が全然進まない!なんで!?

 ぐらんぶるめっちゃおもろい!酒!
 
 感想評価ありがとうございます!助かってます!

 ……以上っ!



第13話 鹿狩り 『ふごっ……!ふぉえっ、ふごごっ……!』

 

 騎士団との追いかけっこに、ディルックとの借金交渉、果てはリサちゃんとのお昼と、なんとも濃密な1日を過ごして、翌日。

 

 いつも通りの晴れ空の下、僕は、鹿狩りの一部をお借りして、久しぶりに相談屋を開いていた。

 

 長らくやっていなかった影響からか、始めてからの客足は好調。そんでもって、今現在のお客さんは、花屋のバイト兼恋する乙女のドンナちゃんだ。

 

 「──それで、ドンナちゃん。今回の相談内容を伺ってもいいかな?」

 「あ、はい!え、えっとですね……その、前回の相談で私、し、慕っている人がいるけど、どうすればいいのかって話をしたじゃないですか」

 

 両肘をテーブルにつき、組んだ手にあごをのせる──いわゆるゲンドウポーズをとりながら尋ねると、モジモジと、恥ずかしそうにドンナちゃんが話し出した。 

 

 「そしたら相談屋さんが、「何もせずに諦めるべきじゃない、諦めるのは何かしてからでも遅くない」って言ってくれて……それで私、相談の後、自分でもよく考えてみて、たしかにその通りだと思ったんです。会えることを想像するだけで、何もしないのが1番良くないなって」

 

 つらつらとドンナちゃんが自らの思いを述べていく。途中でなんか、僕が言ったことのない台詞をさも言った風に話してるように聞こえた気もしたが……多分、気のせいだろう。もしくは実は、ほんとにそんなこと言ってたとか。ってかそう絶対そう。

 

 「──だから私、あの人に、大胆なのは無理ですけど、ちょっとずつでもアプローチをかけていこうかなって、そう思ったんですけど……そこで問題が出てきて……」

 「お、問題とな?いったいどういう……?」

 「………………あの……ア、アプローチ以前にまず私、あの人との間に接点がありませんでした……」

 

 (おもて)を下げ、絞り出すようにドンナちゃんがそう告げ……え???……いやいや……この娘は何を言ってるの???

 

 僕は俯く彼女を困惑の眼差しで眺めつつ、原作での様子を思い出す。

 

 ──花屋のドンナちゃん……短めの、赤みがかった茶髪を後ろで2つに束ねた彼女は、メインとなるストーリーでこそ大して出番はないが、数多くあるサイドストーリーでは大きな存在感を示していた娘だ。主にディルック・マジLOVE・ガールとして。

 

 加えて彼女は、モンドという、他の七国と比べて狭く、また人々の交流が盛んといった特色を持った国の娘でもある。

 

 そんなドンナちゃんなのだから、流石にディルックと恋人とまでは当然いかずとも、それでも顔見知り程度ではあると、そう考えていたのだが……実際は、ディルックとは接点すらないと……なるほどなるほど。

 

 「ところでドンナちゃん、唐突だけど、君にこんな言葉を送ろうと思う」

 「な、なんて言葉ですか……?」

 「──人間諦めが肝心、って言葉なんだけど……」

 「前と言ってもらったことと真逆ですっ!?」

 

 ドンナちゃんが、ビックリ仰天と声を上げる。だがちょっと待ってほしい、ビックリ仰天をしてるのはこっちも同じだ。

 

 「──いやだってさぁっ、前相談聞いたときと前提が違うんだもんっ!あのときは、「どこまで仲が良いかは分からないけど、顔見知りだったらワンチャンがなきにしもあらずだよね」って思って、安西先生しといたのに、君っ……関わりすらないって!関わりすらないって!なんでそんな人好きになってんのさ!?」

 「だ、だってだって、ディルックさまはそんなことなんて気にならないほど素敵な方なんですからっ、仕方がないじゃないですか!……って、あぁっ、ちがっ!ディルックさまっていうのは違くてっ、えっと……!」

 

 すると突然、何やら顔を赤く染め、身体の前でわちゃわちゃと腕を振り回して慌て出すドンナちゃん。おそらく、わざわざ隠していた慕っている人の名前を、思わず大声で言ってしまったから慌てているのだろう。……だけどだ。

 

 「──ドンナちゃんドンナちゃん。別に慌てなくても大丈夫だよ。ドンナちゃんのしゅきぴなあの人がディルックだっての、僕、元々知ってたから」

 「えっ!?ど、どうして……?も、もしかして私、口に出しちゃってましたか……?」

 「え?あー……まぁ、そんなとこだね」

 

 僕がそう言うと、「うわぁ……」と頭を抱える彼女。本当はね、はい、原作知識のおかげですけども……まぁ、そんなこと正直に言うわけにもいかないし、ねっ?

 

 「ま、送る言葉とかは冗談だから、気にしないでいいけど……それでもやっぱり、アプローチとかは止めといた方がいいと思うよ?知らない人からグイグイ来られてもあれだし……それにディルックはお金持ちのボンボンだからね。変な印象を与えちゃって、お金目当てに近付いてきた奴だとか思われたら最悪だし」

 「そ、それは物凄く嫌ですね……でも、それならどうしたら……?」

 

 僕の言った未来を想像したのか、顔色を青くしてドンナちゃんが問うてくる……が。

 

 「ぶっちゃけどうするもこうするもないよね。怪しまれないためには、おどおどしたりしないで、普通に話しかけるしかないけど、そもそもディルックはあんまり会う機会がないから、会話するためには自分からディルックを探しに行かないと駄目なわけで、でもそうすると怪しいし……けどまぁ、そこら辺は任せてよ」

 「そ、相談屋さんがどうにかしてくれるんですか?今の話を聞く限りは、八方塞がりみたいに思えたんですけど……」

 「ははっ、だから言ってるじゃん。そこら辺は任せてよ──運に」

 「いや任せてって、運に任せてってことだったんですか!?」

 「だってそれくらいしかもう手段はないし。……それよりもドンナちゃん、君はもしディルックと会った際にどう行動するかとかを考えといた方がいいと思うよ?」

 

 言うも、ドンナちゃんは今一ピンときていないようで、首を傾げている。

 

 「よく分かってなさそうだけど……つまりは、あれだよ、いきなりディルックと会ったら君、どうせ緊張とかで頭回らなくなるだろうから、今の内に喋る内容とか考えておいたほうがいいよって話」

 「あっ、そ、そういうことでしたか……けど、たしかにその通りですね。するなら……お酒の話とか、でしょうか?」

 「うーん……いや、ディルックはお酒あんまり飲めないらしいから、止めといた方がいいんじゃない?無難に自己紹介と、あと、出来るならチェスの話とか?もしくはドンナちゃんお花屋さんだし、お花の話とか」

 「チェス、チェスですか……難しいんですよね、あれ……もし変なこと言っちゃったら問題ですし……うん、お花の話をしようと思います!」

 「いいんじゃないかな?好きな花聞いたり、その花の面白い蘊蓄とかを教えたりとかしちゃってさ……あ、でも彼、無駄話はご遠慮願いたい人らしいし、ぺちゃくちゃ話し続けるのは駄目だからね。そこ、注意だ」

 「りょ、了解です……!」

 「うんうん、あとは──」

 

 ──そのときだった。

 

 ドンナちゃんとの作戦会議に勤しむテーブルの脇。

 

 開けた大通りに溢れるざわめきの中から、グレートユヅルイヤーが捉える、僕を呼ぶ声。その調べは、まるで小鳥の囀りがごとく美しく、心震わるせるもので……。

 

 「──おーいっ、おーいユヅルー!お──うわぁぁあっ!す、すごい勢いでこっち見てきたぞっ!び、びっくりしたぁ……」

 「首、ぐりんってなってたね……」

 

 エクソシストよろしく首を急回転ッ、声の出所を探せば、こちらへと向かってくる天使が2人──蛍ちゃんと、パイモンちゃんである。

 

 ふおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!と、相も変わらずの2人の可愛らしさに身悶えしつつ、ブンブンと手を振って、こっちゃ来いこっちゃ来いとアピールしていると。

 

 そんな彼女らの背後に控えている、赤髪のイケメンに気付く。……むむむ、彼は……!

 

 「──ドンナちゃん見て見て!ディルック、ディルックいるよ!ディルック!ドンナちゃんが大好きな、あのディル──むぐっ!?」

 「相談屋さぁぁぁぁんっ!!??声っ、声が大きいんですけどっ!?ディルックさまがいらっしゃるのはとても嬉しいですけどっ(超小声)、とってもとっても嬉しいんですけどっっ(超超小声)、ご本人さまに聞こえたらどうするんですか!?どうしてくれるんですかぁっ!?」

 「ふごっ……!ふぉえっ、ふごごっ……!」

 

 見留めたディルックの姿をドンナちゃんに報告してあげれば、テーブルを吹き飛ばすくらいの勢いで彼女が手で僕の口を塞いできて。口を閉ざされるついでに、人生も閉ざされそうになる。

 

 ちょっ、息っ……!息できない……!これっ、口だけじゃなく鼻も一緒に塞がれてるんだけどっ……!

 

 「──お、おい旅人っ、やっと会えたと思ったらユヅルが死にかけてるぞ!」

 「た、大変……!すぐに手を剥がさせないと……!」

 「ああぁぁぁどどどうしようっ、私今、顔赤くなってないかな……!」

 「……ふっ、ご……」

 「……いったいこれは、どういう状況なんだ……?」

 

 ──そうして、僕の生命が危機に瀕している間に、蛍ちゃんとパイモンちゃん、ディルックもテーブルに到着し。

 

 その場は混乱に包まれた。

 

▼▼▼

 

 ──てんやわんやの騒ぎが落ち着いて、冷静になったテーブル席。その周りを、各々が立座浮遊入り交じって囲んでいた。

 

 「──いやぁ、にしても2人とも、久しぶりだね!元気してた?」

 「おう、オイラ達は今日も元気だぜ!な、旅人!」

 「うん、そうだね。……もっとも、久しぶりってほど時間は経ってないけど」

 「あれ、そうだっけ……?」

 

 おかしいな、会うのは5ヶ月とかそこいらぶりの気がしたんだけど……そっか、実際は2日ぶりなのか。うーん不可思議……。

 

 「あ、ディルックも昨日ぶり、今日もカッコいいね!」

 「フン……君も変わらず騒がしいな……」

 

 世界観が崩れそうなことは一先ず置いて、ディルックにも話を振ってみる……が、返ってきたのは冷たい言葉。かと思えば、近くの柱に寄りかかり、すぐさま目を閉ざしてこれ以上喋りませんよアピール……。()えー……ちょっとこれ大丈夫?ドンナちゃん、幻滅しちゃったりしない?と、彼女の方を見てみれば、メスの顔をした女がそこには1人……公共の場でその表情はまずくないか?なんてことを思いつつ、僕は視線を彼女から外し、今度は蛍ちゃんを見据えて。

 

 「ところでところで蛍ちゃん、今日はなんの御用件で?……あ、もしかして、この前約束したピクニックについてだったり?」

 「ううん、違うよ。今日は、その……ユヅルに謝らないといけないことがあって……」

 

 問いかけてみれば、気まずげにそう答える蛍ちゃん。隣のパイモンちゃんも、ポリポリと頬っぺたを掻きながら、えへへと愛想笑いを浮かべていた。可愛い。好き。

 

 「……って、あれ?謝らないといけないこと?僕に?……えぇ、そんなのないと思うけどなぁ……。だって僕、蛍ちゃんとパイモンちゃんになら、4分の3殺しにされても怒らないよ?」

 「そ、そこまでいくと、逆に怖いぞ……」

 「パイモンの言う通りだよ……というか、そんなことするわけない……」

 

 えー……しないの?いつでもうぇるかむなのに……(狂)。

 

 「──でもまぁ、そういうわけだから……何を気にしてるかは知らないけど、謝罪は不要だよ?」

 「うーん……そうは言っても……なぁ?」

 「うん……ケジメはちゃんとつけないと」

 

 そう言ってみるも、彼女の決意は固いようで、翻す様子は少しもなく。

 

 ……別にいいのになぁ……まったく、律儀なんだから。そーゆーとこだよっ、もぉっ。……好き♡

 

 「──けど、こんな所で話せる内容じゃないんだよね……細かく話してる時間もないし……」

 「そうなんだよなぁ……ううぅ……オイラたち、いったいどうすればいいんだ……?」

 「「……うーん……」」

 

 惚れ直ししていると、やがて2人は、唸り声をあげながら考え込んでしまう。

 

 ……なーんか申し訳ないなぁ……詳しい内容は分からないけど、僕なんかのことで悩ませちゃうなんて。さっき、話してる時間もないとも言ってたから、多分急がしくもあるだろうし、加えてディルックも待たせてるし…………ん?

 

 ……よくよく考えたら……ディルックって、なんでここに居んの?なして蛍ちゃんと同行してんの?えっ、いつの間に蛍ちゃんたちと知り合ったの?えっ、困惑困惑……原作ストーリーだとどうなってたっけ?えーと……?…………ああ、原作だと、一昨日の夜の──蛍ちゃんたちのライアー騒動のときって、最後は酒場に逃げ込んだところを、ディルックがうまいこと取り成してくれるんだっけか。なるほどなるほど、ならこの世界でもそこで知り合った感じかな?

 で、昨夜から今朝にかけて、その面子にジンを加えたメンバーで、風魔龍をどうするかとかを話し合っていた的な?それなら昨日、ディルックが騎士団にいたのも、ジンに話を通すためってことで腑に落ちるし…………むむむ?そしたら今って、時間帯的に……あれじゃない?ファデュイの隠れ家から、『天空のライアー』を取り戻してきたところじゃない?じゃない?

 

 ……いや、だとしたらもうマジで僕なんかに構ってる場合じゃないじゃん!これからその取り戻した『天空のライアー』をぱわわっぷさせるために、モンド中を動き回らないといけないのに!ちょちょっ……早いとこ帰らせないと!

 

 「──ほ、蛍ちゃんにパイモンちゃん!さっきも言ったけど、やっぱり謝罪とかケジメはいらないって!それよりも、ほら!もっとやらないといけないこととか、あるでしょ!?」

 「え?……いや、それはたしかにそうなんだけど……でも、ケジメはつけないと」

 「いやケジメつけたすぎでしょ、蛍ちゃんはヤーさんなの???……じゃ、じゃあこうしよう、ケジメとして、あー……今度ピクニック行くときの費用、全部そっちもちってことで!はいっ、これでケジメつきましたね、解散!」

 

 勢いよくそう告げると同時に、パシンッと手を打って、話の終わりを演出……!けれどけれども、蛍ちゃんは納得がいっていないようで。

 

 「うーん……それだけだと、ちょっと軽すぎないかな?」

 「めんどくさいな蛍ちゃん!でも可愛いから許せちゃう!……くっ、こうなったら……助けてパイモンちゃん、話が纏まんないっ!」

 「えっ!?オ、オイラがか!?う、うぅ……え~と……た、旅人?とりあえずここは、ユヅルの厚意に甘えようぜ?ほら、ユヅルの言う通り、オイラたちにはやらないといけないことが沢山あるし……。色々と考えるのは、それを終わらせた後にしようぜ?」

 「む……それもそうだね」

 

 パイモンちゃんの言葉で、ようやくご納得の様子を見せる蛍ちゃん……やっぱりパイモンちゃんは、いざというときには頼りになるよねっ!おまけに可愛いし……まったくパイモンちゃんは最高だぜ!!

 

 「──話は終わったみたいだな」

 

 と、心中で長谷川ユヅルをかましていたところで、割って入る声。先程まで黙りんこしていたディルックのものだ。

 

 「あ、ごめんねディルック。待たせちゃって……」

 「まったくだ。時間がないというのに……。……他に言いたいことはないな?」

 「言いたいこと……オイラはもうないぞ。旅人はどうだ?」

 「私は……じゃあ最後にユヅルに一言だけ」

 

 蛍ちゃんはディルックに向けていた顔をこちらに直して、改めて喋り出す。

 

 「えっと、ユヅル。私たちは、これから少しだけモンド城を離れるんだ。やらないといけないことのために。……だからユヅル、ないとは思うけど、もしその間に何か起きたときは──」

 

 いつになく真剣な表情で、蛍ちゃんは。

 

 「──モンド城を頼むね」

 

 そう言ってきて。

 

 ……そんな、蛍ちゃんからの、強い信頼と信用の言葉に、僕は力強く頷くと。

 

 「留守は任せてよ蛍ちゃん。大丈夫、何が起きても──」

 

 一拍置いて、告げる。

 

 

 

 

 

 「──アンバーとかガイアがどうにかしてくれるよ。多分。きっと。めいびー」

 「そこは自分がどうにかするって言って欲しかったな……」

 「台無し感がすごいぞ……」

 

 ……や、だって僕パンピーですしおすし……。

 

 

 

 ──そうして。

 

 蛍ちゃんとパイモンちゃんは、しょうがないなぁという笑みを浮かべながら、僕に別れの挨拶を交わし。

 

 ディルックと共に、モンド城を離れたのだった。

 

 

 

 

 

 「……うへへ……♡」

 

 

 ちなみにドンナちゃんは、途中からよだれ垂らして気絶してたよ。ディルックが凄い目で見てたけど大丈夫かな?

 

 

 

 

 

 

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