原神ふれんず!   作:コトバノ

21 / 52



 もし良かったら、なんか評価での一言とか感想欄とかで、りーゆえで出してほしいキャラ言ってください!

 あと度々の誤字報告ありがとうございます!

 追記:うそ、りーゆえキャラは活動報告で言ってくだせぇ!

 


第21話 西風大聖堂 『だからツケ払いでって言ってるじゃん』

 

 

 

 

 

 

 

 「頼むよ、今しかないッ、今しかないんだッッ!!」

 「そう言われても、だな……」 

 

 ──ただ、一心。想いを籠めて切実に請う。

 

 簡単に頷ける頼みじゃないのは分かっている。けれど、けれども僕も、はいそうですかと諦めるわけにはいかないのだ。

 

 求めているものがもうすぐそこにあるのだ。それを得るには、この一瞬に、全てがかかっている。

 

 僕は真摯に、向かい合っている彼の目を見つめ。

 

 

 

 ──しゅばんっとその場に土下座し叫んだ。

 

 「──ノエルちゃんが居なくてこっそり飲めそうなの今だけだから、お酒を売ってくださいお願いしますッッ!!払いはツケでッッ!!」

 「おお……清々しいほどにクズだな……当然ムリだ」

 「そこをなんとかッッ──!!」

 

▼▼▼

 

 ──広場が戦勝報告に湧き。

 

 叫んだり、抱き合ったり、酒瓶を開けたりと、思い思いに喜んでいると。

 

 暫くしてからそこへ、我らがジンも現れる。彼女は避難協力への感謝や労いの言葉を述べた後、とある事件の真相について語り出した。

 

 モンドの四風守護であった、風魔龍トワリンの身に起きた悲劇についてだ。

 

 所々で細かい部分は省かれているものの、しかし嘘偽りなく誠実に語られたその内容に、人々は概ねが理解の姿勢を見せていた。

 

 ただ、操られていたとはいえ。トワリンの所業によってモンドが、人々が受けた傷は深く、簡単に癒えるものではない。

 

 トワリンのことを、その場で完全に許せていた人は、そういなかったはずだ。

 

 それでも彼らは、モンドは、トワリンが共に在ることを受け容れた。

 

 また、伴って。栄誉騎士……すなわち蛍ちゃんがこの件の解決に尽力していたということについても語られた。

 これにより彼女のモンドでの地位は、磐石たるものになったと思われる。よかったね……!

 

 その他にも、モンドのこれからに関するお話なども行われた。

 

 そして、全ての話が終わると。

 

 途端に始まる──宴会の呼び掛け。流石はモンドである。1時間ほど前の大人しさとは打って代わった騒がしさで、わらわらと人が集まっていく。

 

 僕も喜び勇んで参加しようとしたものの、「よーし、今日は死ぬまでお酒飲んじゃうぞおーー!!!」とかのたまったせいで、ノエルちゃんとエリンちゃんに全力で止められ、流れで城外の片付け──防衛柵や監視塔、杭などの設置物の回収、凸凹状になった地面の補修エトセトラ──に強制参加させられることに。

 

 でもって、解放された頃にはもう夜。

 

 けれども、一般人の宴会は終わっていたとしても、酔っ払いの宴会はまだ続いているに決まっている。確信と共に、強い足取りでエンジェルズシェアに出向こうとし──なんかノエルちゃんも同行することに。

 

 あの失言が響きに響きまくってるらしいですね、はい。嬉しいけど、嬉しいけど……!

 

 ちなみにエリンちゃんは、お父さんが迎えに来ていたので、一緒には来なかった。

 

 んでんで、エンジェルズシェアに到着、駆けつけ1樽と、いざお酒をがぶ飲み……しようとして、ノエルちゃんにやはり止められて。

 

 お祝いでいくら飲み食いしても無料にしてくれてたのに、結局1瓶も飲めませんでした……地獄かな?

 もうマジで酒飲みどもの煽りがキツかった……けどノエルちゃんとね、一緒に食事できているという点では天国とも考えられて……もう途中からワケ分からなくなって、気付いたら眠ってしまっていた。

 

 やがて翌朝、目が覚めると、身体は縮んでいはしなかったがノエルちゃんの姿はナッシング。近くのオールしていたらしい酔っ払いに尋ねれば、僕が寝た後軽くお店の手伝いをしてから、また明日……つまり今日も手伝いに来ると言って帰ったとのこと。多分二日酔いのバカどもの介抱が必要だからだろう。

 

 だが、彼女はまだ来ていない……つまり酒を飲むなら今しかないということである。この機を逃すわけにはいかないと、僕はすぐさま判断し──バーテンダーであるチャールズに現在、土下座して頼んでいるのだった。

 

 「ほんとマジでお願いだよチャールズ!一生の……いっ、一生の……い……一年に一度のお願いだ!」

 「日和ったし、変に律儀だな……あと、酒はやらん」

 「な、なんで!?」

 「いやだって君……お金ないんだろう?」

 「……?だからツケ払いでって言ってるじゃん」

 「どうしてツケ払いでそんなに堂々としていられるんだ???」

 

 慄くチャールズ。なんでだろね?ちゃんとツケ払いするって言ってるのに。

 

 「……はぁ……悪いがユヅル、ウチでの君のツケ払いは、ディルック様直々に禁止にされているんだ。君のようなタイプは、払うには払うが恐ろしくツケを溜め込むから、とな。……というか面識あったんだな」

 「そ、そんなッ……!?」

 

 告げられた内容のあまりの衝撃に、がくりと膝から崩れ落ちる。

 

 ツケ払いが……もう、できない……?数日行ってなかった間に、そんなことになっていただなんて……!?それじゃあ僕はこの先、どうやってお酒の代金を払えばいいんだッッ……!!…………ふつーに現金か。

 

 「……もし今、お金が出せるっていうなら……祝いの続きだ、いくつか格安で用意してやるが……」

 「うぅ……でも、ない……手持ちが、雀の涙ほども──はっ!!」

 

 ──天啓を、得る。

 

 そういえば僕……避難誘導の手伝いをしたから、その分の報酬を騎士団から貰えるんだった……!ガイアに会えば……!……よっしゃ!

 

 「──待っててチャールズ、すぐ、すぐお金用意してくるからッッ!!」

 「お、おう……。……犯罪じゃないよな???」

 

▼▼▼

 

 「──うぇっ、ガイアいないの!?」

 「ああ。というかあの人に限っては、本部にいる方が珍しいとも言えるからな」

 「いつもフラフラしてるからな。どこへ行っているのかもさっぱりだ」

 

 人気の少ない騎士団本部前。

 

 意気揚々とガイアに会いに来たものの、門番の2人、アトスとポルトスから、彼の不在を知らされて。

 

 ま、まじだすか……!?どどすどすっ、どっどうすれば……!?ぼ、僕のお金、お酒が……!……や、待てよ?今回の件で分かったガイアの有能さ的に……もう上に話を通してくれてる可能性がワンチャンあるのでは……!?だとしたらジン、ジンでもいける……!?

 

 「じゃ、じゃあさ2人とも、ジンはいる?いるよね?多分彼女でも問題ないと思うんだけど」

 「……いや、悪いが代理団長も出てるぞ」

 「バ、バカなっ……!お、お酒が……!」

 「お酒……?……だが、代理団長の居場所なら分かるぞ」

 「ああ。たしかジンさんは、西風大聖堂にいるはずだ」

 「あ、そうなんだ。おっしゃ、ありがとう!」

 「おお」

 「気にするな」

 

 知りたいことを聞き出せた僕は、騎士団本部を離れ、足取り軽やかに西風大聖堂へ向かう。

 

 いくつかの道と階段を経由し、広場ひいては大聖堂へと続く階段の始めに差し掛かったところで──パッと思い出す。

 

 モンド防衛戦あるいは風魔龍との対決の翌日、人気の少ない騎士団本部、ふらついているガイア、大聖堂にいるというジン……あれこれこのまま行ったらストーリーイベントに巻き込まれるやつでは???

 

▼▼▼

 

 ──風魔龍の事件が片付いたことで、モンドは平和な雰囲気を取り戻しつつあるが……実のところ、原神のストーリー序章はこの事件を解決して終わりではない。後にもう一つ事件が控えているのだ。

 

 ──それは、蛍ちゃんとパイモンちゃんが、ウェンティ、ジンと共に、西風大聖堂へ『天空のライアー』を返しに行った帰りに起きる。

 

 『天空のライアー』を管理する牧師と、彼女に何やら積もる話がありそうなジンを残して教会から出るや否や、ウェンティが何者かからの襲撃を受けるのだ。

 

 現れたのは、全身黒ずくめのデットエージェントと呼ばれる『ファデュイ』の工作員二人に、フードを被った雷蛍術師と呼ばれる怪しい女が同じく二人。

 

 更に、もう一人。

 

 色白の肌に豪奢にまとめられたプラチナブロンドの髪の美女。

 右目を隠すように黒光りする仮面をつけ、左からはライトグレーの瞳を覗かせている。豊満な肢体は、所々にスリットの入ったロングドレスに包まれていた。

 

 彼女こそ、『ファデュイ』が執行官──ファトゥスの第8位。

 

 〈淑女〉のシニョーラだ。

 

 彼女は姿を見せたと同時に冷気を放つと、パイモンちゃんを凍らせて吹き飛ばし、また、ウェンティの足下を凍らせ身動きを取れないようにした。唯一凍らされなかった蛍ちゃんも、デットエージェント達に拘束され、引き止められてしまう。

 風の力を使い抗おうとするウェンティに〈淑女〉は近づくと、お互いに皮肉の応酬を繰り広げ、そして──。

 

 ──口先ばかり……──

 

 彼女はウェンティをそう罵ると、氷の元素を纏った自らの拳で、鳩尾に強烈な一撃をお見舞い。崩れ落ちたウェンティから引き抜かれた彼女の手には、神秘的に輝くチェスの駒のようなもの──『神の心』が握られていた。

 

 彼女は手を天に翳してそれを眺めた後、倒れたウェンティを軽くいたぶると、部下を引き連れその場を後に。

 

 そして一部始終を何も出来ずに眺めていた蛍ちゃんは、〈淑女〉の撤退に伴い、自らを拘束していたデットエージェントに気絶させられてしまう──。

 

 とまぁ、そんな展開だったはずだ。

 

 僕は階段を昇る速さをゆっくりにしながら、思案していく。

 

 このイベントは、ムービーが唐突に始まったので、よく覚えている。

 

 それでだ。ここでポイントになってくるのは、このストーリーイベントの重要さである。

 

 何も僕は、原作が全てと考えているわけではないが、なぞらねばこの世界の人々にマズい影響がもたらされる可能性がある以上は、無暗に掻き乱したくはない。……けどお酒は飲みたい!(少しもぶれない確固たる意思)

 

 あっちを立てればこっちが立たずのデッドロック状態……よくなるね……うーん、困った……あ、でもあれじゃね?

 

 さっきアトスとポルトスに、大聖堂にジンがいるっていうのは聞いたが……蛍ちゃんたちもいるっていうのは聞いていない。

 

 もしまだ彼女たちが大聖堂に訪れていないのなら……お先にジンに会って、一言または一筆もらうなりして、退散すれば、巻き込まれることなく報酬も貰え、お酒を飲めるのではなかろうか……。

 

 ………………。

 

 これだッッッッ!!!!

 

  思い立った僕は、ダッと勢いよく階段を駆け昇り──終わり辺りの手すりにベッドスライディング。隠れながらコッソリ広場のその奥──西風大聖堂を眺める。

 

 昨日とは比べものにならないほどに見晴らしがよく、妨げるものは風神像くらいしかない。人込み人垣が、一切ないからだ。 

 

 うーむ、見た感じ、広場はオールクリアー……大聖堂の扉前にも、人はいなさそうだ。……よし、これなら巻き込まれることは無さそうだね。既に中に蛍ちゃんたちがいたとしても……まぁ、一緒に出なければ大丈夫でしょ。お酒はなるはやで飲みたいけど……ちょっとの時間くらいは我慢しよう。    

 

 動きを決めた僕は、手すりから身体を出すと、広場を突っ切って大聖堂前の小階段へ。

 

 漂う荘厳な雰囲気、ステンドグラスは陽光を反射して鮮やかに煌めく。

 

 おお、美しい……すごい、なんか心が洗われる感じがするよ…………それはそれとして、お酒のお金、お酒のお金、と(まったく洗われていない心)

 

 ──そうして、小階段を昇り、扉前に到った時だった。

 

 ちょうどのタイミングで、重厚な扉が動き出す。できた隙間、そこからひょいっとウェンティが。次いで蛍ちゃんとパイモンちゃんとが出てきて。止める間もなく、「あれユヅルじゃないか。どうしてここにいるんだい?」というウェンティの声と共に、扉が、バタンっと閉まり。

 

 

 

 「──し、閉まっちゃらめぇぇぇぇぇッッ!!!!」

 「え、何突然どうしたのさ!?」

 

 

 

 ──叫びむなしく。

 

 すぐさま、流れるようにストーリーイベントが始まった。

 

 





  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。