原神ふれんず!   作:コトバノ

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 引き続き、評価でのひとこととか感想欄とかでりーゆえで出したいキャラおせーてください!

 追記:やっぱりおせーないで!活動報告のでおせーて!


第22話 西風大聖堂 『はいッッッッ!!!!』

 

 

 

 

 

 

 「──し、閉まっちゃらめぇぇぇぇぇッッ!!!!」

 「え、何突然どうしたのさ!?」

 

 僕の叫びに、目を丸くするウェンティ。

 

 その足元で、影が蠢き。

 

 黒フードを目深に被った仮面の男2人が飛び出してくる。

 

 デットエージェントだ。

 

 彼らはその逆手に持った刀を振りかぶり、ウェンティの首めがけて下ろそうとし──傍らに迫っていた蛍ちゃんの手から放たれる真空の渦に、吹き飛ばされて石畳の地面を転がる。

 

 その間に、ウェンティとパイモンちゃんは僕の元へと近寄り、また蛍ちゃんは、デットエージェントたちに追撃をかけようと構える。

 

 しかし彼らは、蛍ちゃんの動きより速くに、影へと沈んでいき──。

 

 ──背後から。

 

 コツンと高く響くヒールの音が、続いてパチンと指の鳴る音が聞こえてきて。

 

 バッと振り向くのと同時に、目も開けていられないほどの凍てつく風が、僕らを襲う。

 

 「うわっ!」

 「くっ……!」

 

 腕を壁に、なんとか防ごうとするも……ぬおぉ、やはりキツい……!

……あ、氷漬けにされたパイモンちゃんが今横を!お可愛い!!(狂気)

 

 アイスタイムカプセルパイモンちゃんに目を奪われていると、気付けば、肌を刺すような風が弱まっていた。

 

 ウェンティが、自らの風の力を使って打ち消そうとしていたのだ。

 

 やがて、風が収まる。

 

 おお、楽になった……!よくやってくれたウェンティ!と、視線を送れば、何やら戸惑っている様子。よくよく見れば、その足が、地面と共に氷に包まれていて……。

 

 慌てて大丈夫かと呼びかけようとして──その姿が、フレームアウト、遅れて、僕の身体に鈍く響く痛み。

 

 地面に倒されたのだ。

 

 ぬわっと呻いていると、きゃっという蛍ちゃんの悲鳴が届く。

 

 何かにのしかかられているようで満足に動けない中、必死に首をよじり確認すれば、そこには先のデットエージェント2人に取り押さえられている蛍ちゃんの姿があって。

 

 「──貴様デットエージェントッッ、そこを離れろぉぉぉッッ!!!むさ苦しい男が、汚い手で触るなぁぁぁッッ!!あッ、手袋はちゃんとつけてはいるのねッ、そこは好感持てるッッ!!!でもそれはそれとしてセクハラやぞッッ、蛍ちゃんから離れ──」

 「──静かに♡」

 

 ──秒で沸点に達して怒鳴り散らかしていた僕の耳に、甘ったるい囁き声が流れ込んでくる。かかる吐息は、わずかに熱を帯びており温かい。背筋にゾクゾクと何かがはしる。

 

 あ、だめ……だめですこれほんとだめです耳弱いのあたし……!というか待ってこれっ、もしかして僕の上に乗っかってるのって……!

 

 「へ・ん・じ♡」

 「はいッッッッ!!!!」

 

 雷蛍術師ちゃんだひゃっほーーー!!!あああありがとうございますありがとうございます!!しかもこの重さ、密着感からして僕、馬乗りにされてますね!!??最&高ッッ!!!

 

 「……!ユヅルから離れて!」

 「なっ!やめるんだ蛍ちゃん、下手に抵抗すべきじゃない!!!」

 

 そうしないと、馬乗りが辞められちゃう!!!

 

 この素晴らしき一時を、なるべく長く味わうために、全力で蛍ちゃんを押し留めていると。

 

 「──あら、少しは頭の回るヤツもいるみたいね」

 

 声が聞こえてくる。艶やかでありながら芯のある、綺麗な声だ。

 

 その主たるは、もう1人の雷蛍術師ちゃんを付き従えたプラチナブロンドの髪に暗色の仮面、そして──脚とおっぱいがめちゃめちゃに強調された美女であった。うーんナイス太ももおっぱいわっしょい。

 

 ………………いやっ、違うんだよっ!!!角度っ!!!うつ伏せに倒されちゃってるせいでローアングルになって強調されてるから、おみ脚やらおっぱいやらに目がいっちゃってるだけなの!!わざとじゃないのっ!!

 

 心中で誰に向けてか分からない弁明をしている僕を余所に、彼女──<淑女>のシニョーラは、ツカツカと進んで。

 

 氷に捕らわれ動けなくなっているウェンティに近付き、そのあごをぐいっと掴む。こ、これは──!

 

 「──ア、アゴくいだっ!!伝説のアゴくいだ!!ズルい!!僕もされたい!!」

 「静かにってぇ、言ってるでしょぉ♡」

 「はいッッッッ!!!!」

 

 羨ましさについつい叫んでしまった僕は、再び耳元で囁かれる形でたしなめられる。

 

 ああぁぁぁマジ耳ヤバい……!そんな状況じゃないのに……!ってかこんな状況になるのを元から分かってたのにまるで対応できてない僕もヤバい……!

 

 色々と悶えていると、多くの呆れた視線が僕に向けられる。

 

 「…………さっきの評価は取り消す必要がありそうね……」

 「え、ええ……?」

 「ユ、ユヅル……」

 

 ごめんなさい……!

 

 「……まぁいいわ。とにかく……ふふっ、ハムスターが見つかってよかったわ。木の杭や米の袋に噛みついて、モンドに迷惑をかけたんじゃない?」

 「……それはハムスターじゃなくて、ネズミだと──」

 

 気を取り直したシニョーラが、小馬鹿にしたような台詞を紡げば、ウェンティは反論をしようとする。しかしそれは、シニョーラの裏手打ちによって妨げられた。

 

 「今はあんたの話なんてどうでもいいの、無礼な吟遊詩人」

 

 嫌悪の眼差しをもって、彼女は吐き捨てる。

 

 ああ、だが、ただでやられるウェンティでもない。ぶわりと風を巻き起こし、氷の拘束を剥がそうと試みる。

 

 「ふふっ……統率を諦めたモンドの神、今はこの程度なのね」

 

 しかし、氷全てを吹き飛ばすには力足りず。

 

 その様に、シニョーラが嘲りの言葉を漏らす。

 

 「……へぇ?君がボクを嘲笑えるのは、その主人から借りた力のおかげかな?」

 

 この期に及んでも口の減らないウェンティ。それにシニョーラは、強く口を引き結ぶと。

 

 

 

 「ッッ──!!」

 

 

 

 ──今までにないほどの、寒々しい烈風がウェンティを呑み込む。

 

 堪え切れず、足の氷が砕け散る中、ウェンティは宙を舞い。

 

 刹那、懐に飛び込んでいたシニョーラが、何かを呟きながら、どてっ腹に拳を叩き込む。

 

 乱れ光る氷の波動。

 

 やがて、崩れ落ちるウェンティの腹部から引き抜かれた彼女の手には、翡翠に淡く輝くモノがあり。

 

 …………え待ってえ待って一瞬で全部終わったんですけどぉッッ!!??ちょっ、『神の心』!?『神の心』奪られちゃってんじゃんどうしよう!!……いや原作通りだしこれで問題はないのか……!?でもイレギュラーの僕がいて展開は結局原作通りって、それはそれでどうなんだ……?あれか?原作の強制力……?あるいは僕の影響力の低さか……?わ、分からない。まじで何も分からない。この後どうすればいいのかも分からない。なんかウェンティはめっちゃいたぶられてるし蛍ちゃんは慌ててるしシニョーラは楽しそう。これも原作通りですね。僕も交ぜてよ。……やっぱり交ぜんといてっ。

 

 「──……いいわ、『神の心』を手に入れたもの」

 

 少しして。

 

 ある程度の気は済んだのか、シニョーラはウェンティをなぶるのを止めると、一旦こちらをちらと見やってから、そんなことを口にし。

 

 「行きましょう、騎士団が来る前に。証拠は残さないようにね」

 

 バサッとマントを翻して、控えていた雷蛍術師ちゃんと去っていく。

 

 そして。

 

 「バイバ~イ♡」

 

 もたらされる甘い言葉と同時に、僕の身体をバチリと電撃が流れ。

 

 意識が、闇に、包まれた。

 

▼▼▼

 

 ──どこからか、声が聞こえてくる。

 

 優しく、包み込んでくれる。安らぎを与えてくれる。

 

 たゆたう意識の海を、よいしょこらしょと掻き分けて、その声へと泳いでいき──うすぼんやりとしたままに、ゆっくりと、目を開ける。

 

 視界に映るのは、広がる青空、それを覆い隠すように、膝立ちもしくは浮きながらでこちらを覗き込む、蛍ちゃん、パイモンちゃん、そして初めましての金髪くるくるツインテールちゃん。

 

 その光景と、後頭部に伝わる固い感触から、地面に仰向けに寝転がされていることが分かる。

 

 「大丈夫?ここがどこだか、分かるかな?」

 

 と、僕が目覚めたことに気付いたツインテちゃんが、優しく声をかけてくる。

 

 んえ……?ここがどこか……?

 

 「──天国……?」

 「えっ!?ち、違うよっ!?……お、おかしいな、元素力でちゃんと治療したはずなのに……」

 「あんまり気にしなくて大丈夫だぞ」

 「ユヅルはいつもこんな感じだから」

 「え、ええ……?」

 

 困惑するツインテちゃん……というか、その髪に青い瞳、アレンジされた白のシスター服……この娘バーバラちゃんだよね。

 

 ──バーバラ。水元素のプレイアブルキャラクターで、歌もとい法器で味方を癒やし、敵を攻撃する。

 

 特筆すべきはその回復能力だろう。元素爆発では味方を大幅に回復し、完凸すれば、15分に一度だが、戦闘不能になった味方キャラクターを1体フルHPで復活させられる。原神というゲームにおいて、トップクラスのヒーラーであった。

 

 また彼女は、西風教会の祈祷牧師とモンドのアイドルという二足のわらじを履きこなす才媛でもある。

 

 ほぼ全てのモンドの民に愛される少女……彼女はそんな存在なのだ。バーバラちゃん、まーべらす。

 

 ちなみに余談だが、実はジンの妹であったりもする。でもゲーム的な性能上は、めちゃくちゃ相性悪い。どっちかをパーティに入れたらどっちかはもういらないからね。悲しい……。

 

 さらに余談だが、彼女の元素スキルが水でできた譜面の輪を生成するので、一部界隈ではおとわっかちゃんと呼ばれてたりする。ティーダのチ※※※※※※※※だろ♪(自主規制)

 

 とかなんとか考えているうちに、頭も結構しっかりしてきたので、むくりと起き上がる。ぱぱんっと身体をはたき、軽く汚れを落とした僕は、先に立ち上がっていた蛍ちゃんたちに向き直り、口を開く。

 

 「──……さてと。とりあえず、まずあれだね。治療してくれてありがとうバーバ……バ……バブー!バブー!」

 「きゅ、急にどうしたの!?やっぱり治療がうまくいってないのかな!?あ、頭……頭かな……!?」

 

 でもって、初対面なのに名前を知っているというミスを犯しそうになったので、オギャることでなんとか事なきを得る。ふぅ、危ないところだったよ……いや、結局危なくないこれ???事なき微塵も得てないんだけど???やばい、まだうまいこと頭回ってないわ……。

 

 「だ、大丈夫、安心して!わたしが絶対頭を治してあげるから!」

 「いえいえ、もう手遅れだからお気になさらず……ンンッ、それよりも君、お名前を伺っても?」

 「う、うん……えっと、風神のご加護があらんことを。……祈祷牧師のバーバラだよ。よろしくね」

 「僕はユヅル、こちらこそよろしく」

 

 簡単な自己紹介を交わす。よし、これで名前を呼んでも大丈夫だね。安心安心。……ん?でもよく考えたらバーバラちゃんってモンドの有名人なんだし、別に初対面で名前を知ってても問題なかったりしない?……え、じゃあ僕、意味もなく女の子たちの前で赤ん坊になってたこと???は???……おいおい穴があったら入りたい!!!(マジで)

 

 「……あ、頭押さえてるけど……本当に大丈夫なんだよね?」

 「え?……ああ、ごめんごめん、マジで大丈夫。ちょっと恥ずかしくなっちゃっただけ。……ところでバーバラちゃん、いや、他の人でもいいんだけど……ウェンティは?」

 

 取り直し、さっきからわりと気になっていたことを尋ねる。

 

 い、生きてるよね……?僕が首突っ込んだせいで、変なことになっていたりしないよね……?

 

 「なんだ、ユヅルもウェンティと知り合いだったんだな。安心していいぞ、ちょっと出てるだけだ」

 

 パイモンちゃんの言葉に胸を撫で下ろす。

 

 ほっ……よかったよかった。多分出てるっていうのも、風立ちの地にだろうし……原作通りだね、うん。

 

 「……あ、ちなみに蛍ちゃんに聞きたいんだけど、もう会いに行ったりした?」

 

 そういえば原作だと、蛍ちゃんは目を覚ましたらすぐに風立ちの地に向かっていたなーと思って、問いかければ。

 

 「まだだよ。ユヅルが心配で、起きるのを待ってたんだ」

 

 そんな答えが返ってきて。

 

 「──え待って、ムリムリ蛍ちゃん優しい好き……」

 「ふふっ、またテキトーなこと言って……」

 

 蛍ちゃんの対応に好きがキャパオーバー、限界化してしまうと、そんな僕に彼女は小さく笑みを溢す。その可愛らしさにまた僕が限界化……永久機関が完成しちまったなアア~!!これでノーベル賞は俺んモンだぜ~!!

 

 「──……ところでユヅル。私もあなたに聞きたいことがあったんだ」

 

 最高にネジがぶっ飛んでいると、金の髪を揺らしながら、蛍ちゃんが言葉を発する。なになになんでしょう!?と目を合わせれば、彼女は先程以上の笑みを見せながら。

 

 

 

 「雷蛍術師に襲われてたとき……もしかして喜んでなかった……?」

 「………………ヨ、ヨロコンデナカッタヨ……?」

 

 ふいと目を反らし、地面を眺めながら答える。突き刺さる眼差しに、頬をいや~な汗がつつと垂れていく。

 

 あ、あかん……!これあかんやつや……!たしかにあんな非常時に喜ぶの、不謹慎ですもんね、そりゃ怒ります……!

 

 「ウェンティを襲った女の人にも、変な視線向けてたよね……?」

 「………………ム、ムケテナカッタヨ……?」

 

 ダメだっ、追及から逃れられる気がしない……!助けてパイモンちゃんっ、バーバラちゃんっ!

 

 恐怖に駆られた僕は、一縷の望みをかけて、地面から2人にヘルプの視線を送り──彼女たちは背を向けて、仲良くお空を見上げていた。そっち見てませんよ、という風に。まぁ、いい天気ですもんね……。

 

 「──どこ見てるのかな、ユヅル……ちゃんと質問に答えてほしいな」

 「ごご、ごめごめんなさい喜んでたし変な視線向けてましたッッ──!!!」

 

 

 

 最終的にどうしようもなくなった僕は、全身全霊の土下座をかまし、許しを乞うのだった。

 

 もうほんッとごめんなさいッッ──!!!!

 

 

 

 






 次で、らすとです!
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