感想評価ありがとう!そして鍾離せんせーの字間違えてごめんなさい……な、殴らないで……!
あと、今話はふざけまくってるのでヤバいです
「──それでー?ユヅルさんだっけ?あなたはどうしてここに?もしかして……葬儀の依頼?葬儀の依頼かなー?」
胡桃ちゃんに尋ねられて、ハッと我に返る。
危ない危ない……初対面の娘の生足に見惚れてボーッとしてた。このままだったら、危うく変態の謗りを受けるところだったよ(手遅れ)
「ううん、違うよ。鍾離せんせーについてきただけ。なんてったって、僕と鍾離せんせーはマブダチだからね」
「そーなの?鍾離さん」
「ふむ……彼が言うのなら、そうなのかもしれないな」
「曖昧だなー……」
と、呆れる生足ちゃん……じゃなかった、胡桃ちゃん。その彼女が、続けて口を開く。
「ま、この様子だと、多分違うんだろうね」
「ちょいちょい胡桃ちゃん、そんなことないよ。僕と鍾離せんせー、ユヅぽんと鍾ンクスって呼び合う仲だし。2人合わせてユヅぽんず、って誰が鍋にも魚にもサラダにも合う万能調味料だ!」
「い、言ってない……ユヅぽんずなんて、私、一言も言ってないんだけど……」
「待ってほしい、ユヅル殿。それでは俺の要素がないぞ。そうだな……ユヅ鍾ず、くらいにはするべきだ」
「鍾離さんは鍾離さんで何言ってるの……?」
「あ、じゃあ2人合わせてユヅこ鍾、って誰が鍋にも刺身にも焼鳥にも合う万能調味料だ!」
「だ、誰か助けて……!私、どっちかっていうと変なこと言う側だから、対応しきれない……!」
テキトーをこいてると、何故だか胡桃ちゃんがぷるぷる震えながらSOSをどこかへ送り出す。が、誰かが来てくれる様子はない。よく分かんないけどどーんまいっ。
「──あ、そーいや鍾離せんせーさ、最近ほた……あー……えと、なんか面白い人に会ったりした?」
視線を胡桃ちゃんから鍾離せんせーに移して聞く。ストーリーって今どうなっているのだろうか?大まかにでも把握しておきたい。けど、直接的に聞いたり、蛍ちゃんの名前を出したりすると、巻き込まれちゃいそうなので……そこはかとなくにだ。
「そうだな……何人かいるが、直近でいえば……ユヅル殿だな。貴殿ほど興味深い者に会うのは久々だ」
「え、僕?そ、そんなっ……気持ちは嬉しいけど、僕は女の子が好きだから……ごめんねっ?」
「鍾離さんはそういう意味で言ったんじゃないと思うけどなー……」
いやー、鍾離せんせーには申し訳ないけどね。ほんと、気持ちは嬉しいんだけどね。いくら鍾離せんせーが高身長でめちゃくちゃ顔が整ってて喉仏がえっちで声も良くて博識で優雅で戦っても強くても……え、ドチャクソ優良物件では???ヤバい、性別なんて些細なものの気がしてきた……。
性的趣向が歪みそうになった僕は、慌てて死んだ目でツッコミを入れていた胡桃ちゃんを見る。視線に反応して、彼女はきょとんと首を傾げた。可愛い……。
「……うんっ、やっぱり胡桃ちゃんみたいな女の子が僕は好きだよっ!ちゃんとねっ、お顔が可愛くて、足が綺麗で、胸が……いや、あー……」
「……うーん?私の胸が、どうかしたのかな?ねぇ、どうかしたのかなー?」
「いや、他意はないんだよっ!ただ……胡桃ちゃん、パイはないんだなって……ぷふっ」
「燎原の蝶っ!!」
瞬間、すぱぁーんっと胡桃ちゃんに、振り回される白い靄で顔面を叩かれる。ぐぁぁ、とても痛い……!!
「落ち着いてくれ、堂主殿」
「これが落ち着いてられる!?もぉ、ほんと何なのこの人!?」
その場に倒れのたうち回っていると、鍾離せんせーがぱたぱた暴れている胡桃ちゃんを取り押さえている姿が目に入る。怖い……ヒステリックなのかしら?
失礼なことを考えつつ、痛みが引くのを待ってよいしょと立ち上がり、一応の謝罪をする。
「──いやぁ、ごめんごめん、胡桃ちゃん。ちょっとふざけすぎちゃったね……」
「……はぁ……本当だよ。ふざけるのは、私の特権なのにー……ま、他の人をからかえばいっか。うん、いーよ、許してあげる」
「おおっ……!ありがたやー、ありがたやー……!」
すると、なんとも寛大な心で許してくれる胡桃ちゃん。も1つありがたやー……!からかわれる他の人にはめんごだけど……仕方ないと思って諦めてほしい。
「──じゃ、僕はそろそろ行こっかな。けっこー楽しめたし。……あ、お詫びと感謝とお近づきの印に、これあげとくよ」
そして、心付けにと聖遺物を2人にプレゼント。
胡桃ちゃんには、燃えるように赤い羽根──『魔女の炎の羽根』を渡す。ちなみに端っこをもたないとめっちゃ熱い。燃えはしないけど。
鍾離せんせーには、さっき鑑定してもらった赤い細布──『武人のバンダナ』。性能はちょっと合ってないけど……せんせーはどっちかというとコレクターだし、まぁそんなに気にしないでしょ。
「──わっ、なっ、何これ!?なんか今変な……なんだろ、記憶?」
「うん、そうだよ。誰かの記憶見れるの。ぱわわっぷもできる」
「すごー……あ、ねぇねぇユヅルさーん、他のはないの?他のは?」
「ん?まぁ、あるっちゃあるけど……」
「じゃあ、他のもちょーだい?お願ーい」
手を合わせ、ウインクをしながらおねだりしてくる胡桃ちゃん。あ、厚かましい……!けどあざと可愛い……!あげちゃおうかしら……!
「堂主殿、あまり褒められた行いではないぞ」
「えー?鍾離さんは堅いなー……」
「それよりもユヅル殿。俺も貰っていいのだろうか?」
鍾離せんせーは、そんな胡桃ちゃんを嗜め僕に尋ねてくる。
「もちろん!鑑定とか色々してくれたし……あっ、でも、そーだな……1個お願いがあるんだけど……」
「なんだろうか?」
「ちょっと耳貸して?……ちょっ、胡桃ちゃん寄ってこないで、コラっ。ダメだって、内緒なの。あぁ、もうほらっ、新しいの、武人の花あげるから、しっし!……よし、じゃあ鍾離せんせー、いくよ?えーっと、お願いっていうのはね──」
▼▼▼
──僕のお願いにやや渋る鍾離せんせーを、どうにか説得し、約束を取り付け。
2人にバイバイをして往生堂前を発った僕は、今度は玉京台の方を目指して璃月の街を歩いていた。
玉京台方面に向かっているのは、会いたい人がいるからだ。確証はないが……多分いるはず。というかいてくれ。僕が璃月に来たかった理由の一端を担う人なのだから。
大丈夫、鍾離せんせーお墨付きの貢ぎ物、聖遺物もあるし……うまく事を進めれば、機嫌を損なうようなことはないはず……!
……え?その人って誰かって?ふふっ、決まってるじゃないか。あの人だよ、あの人。
後ろで結ばれた透き通るような白い髪に、優しくともこちらを見透かすような瞳、どこか浮世離れした雰囲気を纏うあの女性だ。
全原神プレイヤーがその存在を知ってから、その性能と性格の魅力故にすぐさまの実装を求めたあの大人気キャラクターだ。
そう、みんな大好き──ピンばあやのことだっ!!
……え、氷元素に槍を扱う仙人の弟子の鶴娘?璃月港にいないんだから会えるわけないじゃん。
それよりもピンばあや、ピンばあやの話をしよう。
いやー、ピンばあやは凄いんだよ!まず仙人であること、これが尋常じゃない。いやはや仙人に至るまでにどれほどの苦難を経てきたのだろうか……。しかもその実力は凄まじく、ストーリーにて垣間見ることができるが……もう、エグいのよ。
なんとピンばあやは、「もうダメなのかい?」という呪文を詠唱することにより、味方の攻撃力を底上げできるのだ。
具体的には、攻撃すべてに衝撃波を付与するというもの。しかも倍率エグいやつ。ピンばあやは、原神1の性能を誇るバッファーなのだ(実装はされていない)
レアリティは、エリンちゃんと並ぶ☆6(非公式)
ピンばあやはまた、万民堂の香菱ちゃんの槍の師匠であり、法器使いの煙緋ちゃんの師匠であったりもすることから、槍と法器のどちらにも精通していることもわかる。パない、パないぜ……!流石☆6……!
更には璃月で崇め奉られている岩王帝君と、茶飲み友達であるという……え、ヤバすぎでしょ。こんなばあちゃん他にいる???そりゃみんな好きになるわ……。
そんな伝説ばあちゃん、ピンばあやの、中でも1番信じられない能力は、やはり塵歌壺だろう。
ピンばあやは仙人としての力を用いて、壺の内に、洞天と呼ばれる広大な異空間を創り出せる。すなわち世界を創造できるのだ。もうこれ神の所業だろ……。
そして僕の目的は、この塵歌壺だ。これを持っていれば、衣食住の住は問題なくなるので、宿を取る必要はなくなる。
やべー厄介事に巻き込まれても塵歌壺の中でやり過ごせるだろうし、なんなら食い逃げ飲み逃げもし放題だ。夢が広がる。……いや、後半2つはしないけどね?
塵歌壺を貰うとまでいかなくても、後ろだてになってくれるだけでもいい。ピンばあやは要所に顔が効く人だからね。璃月七星にまで効くし……ピンばあや、ヤバいな。
──と、ピンばあやの偉大さを考えている内に、気付けば僕は玉京台付近の商店街に着く。
たしかこの辺りにいたはずだと、人でごった返す中を探り探り……やっとこさ、白髪に腰の曲がったピンばあやの姿を見つけ出す。
何やらピンばあやは、沢山の独楽や凧、大きなサイコロなどのおもちゃ類が入った箱を、重たそうに運んでいるようだった。
よーし、ここはばあやを手伝って、好感度アップだ!
「──ばあや!ばあや!おもちゃ重いでしょ、手伝ってあげるよ!」
「おや……助かるけど、いいのかい?」
「あたぼうよっ!お婆ちゃんを助けるのは若者の役目だからね!」
言って、ばあやからおもちゃ類の入った箱を預かる。うわっ、思ったより重い……けど、持てないほどじゃないね。
そして僕は、ばあやと楽しく雑談をしながら璃月の街を行き、おもちゃを運んでチ虎岩へ。
ばあやのだという出店におもちゃたちを置いて……あれ???
「──着いたね……ありがとうね、金髪の若者。助かったよ」
「あ、ああ、うん、お気になさらず……」
述べられた礼に返しつつ、覚えた違和感のもと、改めてばあやの姿を眺める。
しわの入った顔に、白い髪、老いた声、曲がった腰……けど、髪は後ろじゃなくて、頭の上でまとめられゼニーバみたいになってるし、眼鏡も着けていない……あ、あれ?あれれ?
「……あの、ばあや?お名前窺っても?」
「名前かい?そうさね、皆からは山ばあやって呼ばれてるよ」
……なるほどなるほど……ピンばあやだと思って~、助けてみたら、ただの山ばあやでしたとな……?ふふっ。
いやっ、僕はどこの白塗り太夫だぁっっ!!!
──その後、山ばあやと別れて玉京台付近の商店街に戻るも。
その日、結局ピンばあやは見つけることができなかったのだった。
チックショぉーーーーーーっっ!!!!
山ばあやとピンばあや、まじで似てない……?