原神ふれんず!   作:コトバノ

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 感想評価ありがとう!もっとくれてもいいのよ……?

 あと甘雨は瑠璃亭じゃなくて月海亭の秘書ですね……ミス……すまんかった……!

 


第8話 群玉閣 『ふつくしい……!』

 

 

 

 

 群玉閣。

 

 それは、璃月の上空に浮かびし宮殿だ。

 

 璃月様式の様相、その至るところに金の華美な装飾が施され、陽光を映す。見上げるほどの高さに、見渡すほどの横幅を有しているため、その全貌を一挙に視界に収めることはできない。

 

 ちなみにこの宮殿──群玉閣がラピュタれているのは、その内部にある大きな浮生石の塊のおかげである。浮生石は、特有の浮遊性を持っており、それによってこの群玉閣は空中に浮かぶ状態になっているのだとか。すごい……!

 

 また璃月七星は、ここから地域のすべての出来事を監視しており、中でも根城としていたのは、天権の凝光さんである。

 

 でもってこの凝光さんという人物こそ、僕が今までヤバいやつと言ってきた人物だ。

 

 風貌は、飾り付けられた白金の髪に真紅の瞳を持つ美女というものだ。

 

 スタイルも富んでおり、白と黄金の色が交じるチャイナドレスのスリットからは、惜し気もなくその美脚を露にしている。わーお♡

 

 そんな見た目でありながらも……あるいは、そんな見た目である通り、性格は尊大で大胆、英明で狡猾だ。規則にも厳しく、契約の国璃月の法律の解釈をしているのも、彼女である。またお金にも厳しく、巨万の富を抱えている今でも、多くのビジネスを展開してお金を稼ぎ続けている。

 

 岩元素と法器を操り戦場に立つこともしばしばあり、その際には無類の強さを発揮する。

 

 あらゆる面において、彼女は璃月のトップに位置しているのだ。つまり超やり手。スーパウーマン。

 

 そしてだ。

 

 そしてその彼女の居城に僕は今、お邪魔させてもらっているわけでして……。うん、しょーじき言うとゲロ吐きそう。緊張感、エグいって……。

 

 張り詰められた空気の中、お高そうな木の椅子に腰掛けた僕は、ゆっくりと辺りを見渡す。

 

 ここは、群玉閣内部。凝光さんが執務を行う一室だ。

 

 左の壁には大きな棚が立ち、骨董品めいた酒器やら花瓶やらが並べられている。また奥の小さな棚には巻物や本が並んでいる。

 

 右の壁にはまず小さな棚が立ち、こちらにも巻物や本、陶器類が並ぶ。

 

 中でも特別目を引くのは、布の掛けられた立て板だ。おそらくあれこそが、璃月のあらゆる情報が書かれた書類が貼られるという例の壁だろう。

 

 ここに貼られた書類は、凝光さんの目に通った後、粉々にされて、まるで粉雪を降らすかの如く大量のくずとなって窓の外に捨てられるらしい。そしてこの粉雪は、璃月の商人にとっては垂涎ものの代物なのだとか。

 

 天井には燭灯が吊られ、地面からはぴかぴかに磨かれた木目がこちらを覗く。

 

 そいでそいで、最後に正面。

 

 秤や巻物、書類が置かれた長机、その向こうには。

 

 長く綺麗な脚を組んだ美女──凝光さんが、微笑を携えて、こちらを見つめていた。ふつくしい……!

 

 と、僕の後ろに控えていたもう1人の美女──甘雨ちゃんが歩き出し、彼女の元へと向かう。

 

 やがて近くまで辿り着いた甘雨ちゃんは、凝光さんに対して報告をした。

 

 「──少々遅くなってしまいすみません、凝光様。絶雲の間から帰ってきた者を知る人……ダーリンさんをお連れしました」

 「ご苦労だったわね、甘雨。下がってい……ダーリンさん???」

 

 甘雨ちゃんの報告……というかダーリンという部分に反応して、凝光さんは笑んだまま首を傾げる。や、やべっ……!

 

 「……甘雨。知らなかったわ……あなたに想い人がいたなんて。しかもそれが……」

 「ちっ、違いますっ凝光様!彼の名前が、そのっ、ダーリンというそうで……!」

 「あ、あら、そうなの……」

 

 頬を赤く染めて弁解する甘雨ちゃんに気圧されたのか、笑みをやや固くして──しかしそれも束の間、すぐさま元通りの微笑に戻した凝光さんは、視線を僕へと移して。

 

 「──それじゃあ……件の彼女を知る人。色々と聞きたいことがあるのだけれど……いいかしら?」

 「は、はいっ、何なりとっ!」

 「そう……助かるわ。では手始めに、名前を聞かせてもらおうかしら」

 「はいっ!相馬優弦と申しますっ!ユヅルとお呼びくださいっ!」

 「えっ!!??」

 

 オーラに呑まれ、勢いよく答えると、甘雨ちゃんが驚き声を上げる。

 

 「ダ、ダーリンさんじゃないんですか……?」

 「ダーリンなんて名前の人いるわけないじゃん、冗談だよ冗談。だから甘雨ちゃんは今まで、会ったばかりの男を愛しい恋人呼ばわりしてたすごい人になるね」

 「……ぎょ、凝光様……!少し、席を外させていただきますね……!」

 「え、ええ……構わないわ」

 

 震えた声で尋ねてきた甘雨ちゃんに、本当のことを伝えてあげると、彼女はぽんっと顔を真っ赤にして。

 

 凝光さんに確認を取ってから、両手で顔を覆いながらパタパタっと駆け、どこかへと消えていく。

 

 な、なんかごめん……!でも、やっぱり騙される甘雨ちゃんも甘雨ちゃんだよね……!

 

 「……甘雨のことはともかく……そうね、私も自己紹介をしておこうかしら。私は七星の天権、凝光よ」

 「これはこれは、ご丁寧にありがとうございます……それであの、凝光さん?」

 「何かしら?」

 「えーと、ですね……その、なんで僕、ここにお呼ばれしたんですかね?」

 

 言葉遣いに気を付けながら、問いかける。粗相をしたら消されるかもしれないからね……丁寧にだ。もう甘雨ちゃんへのアレでまずいことになってるから、今更の気もするけど。

 

 「ふふっ……そう畏まらなくてもいいわ。何も取って食おうとしてるわけではないもの」

 

 うーん……どこまで信じていいのやら。性的に食べてもらえるのなら、それが1番なのだが……(最低)

 

 「あら、疑ってるみたいね。私はただ、あなたと……あなたたちと、仲良くなりたいだけなのに」

 「僕も仲良くしたいけどなぁ……」

 

 ふぅ……と、背もたれに深く身体を預ける。

 

 そもそも凝光さんというキャラは、本音がまぁ分かりづらい。なまじっか彼女が頭いいので、こちらからすると、彼女の言葉は額面通りに捉えていいのか分からないのだ。

 

 いや、甘雨ちゃんが言うように、多分本当に悪いようにはしないはずなんだろうけど……原作でも、最初は悪いやつみたいな扱いだったが、第2幕、第3幕とで、その扱いもなくなったし……。

 

 でも怖いんだよなぁ……なんでか漠然と怖い。

 

 「そうね……なら、腹を割って話すとしましょうか」

 

 凝光さんの印象について考えていると、彼女は脚を組み換え、そう言い。

 

 「私があなたをここへ案内したのは、件の彼女の情報を求めているからよ」

 「件の……蛍ちゃんか」

 「そう、蛍というのね……。迎仙儀式にて、私は彼女を捕えるよう、千岩軍に指示したわ。それは、帝君暗殺を仕掛けた敵の存在が、まったくといっていいほど掴めていなかったから。けど、今は違うわ」

 「……はあ……」

 「千岩軍、そして璃月七星の力を総動員して調べた結果……私たちは、敵の正体を把握することに成功したわ。彼らは、既に璃月港に潜んでいた。……誰だか聞きたい?」

 「え?いやいや、別に結構です」

 「彼らの正体は──ファデュイ。彼らは帝君の死を利用して、外交の一線を越えようと暗躍しているのよ」

 

 あれ僕結構ですって言ったよね???人の話、聞かないタイプ???というかこれ、聞いていいの???ファデュイの話とか……巻き、巻き込まれない???璃月の陰謀に、巻き込まれたりしない???なんなら、現在進行形で巻き込まれてない???

 

 「当然私も、璃月の天権として抵抗しなければいけないわ。その助けとして、是非とも彼女の力が欲しいのよ」

 「うん……あれね?要するに……蛍ちゃんを害する気はないよってことだよね?」

 「ええ、その通りよ。むしろお願いしたいのよ。協力してくださいとね。けど、そうするには彼女の情報が少ないし、場もつくれないのよ」

 

 はー……で、蛍ちゃんと知り合いの僕の出番というわけね……。なるほど。

 

 「でも、僕、蛍ちゃんが今どこにいるかは知らないよ?予想くらいならできるだろうけど……」

 「それでもありがたいわ。あと……彼女の性格だったり、好きなものや苦手なもの、そういったプロフィールについてはどうかしら?」

 「うーん……」

 

 問われて、つい口ごもってしまう。だってこれ、蛍ちゃんの個人情報だし……勝手に話していいのかしら……?

 

 思い悩んでいると、彼女は組んでいた脚を下ろして、立ち上がり。

 

 コツ、コツ、と、僕の方へと進んできて。

 

 椅子に座る僕の股の間に膝を落とし、僕に寄りかかるように近付くと。

 

 ずずいっとその端整な顔を、鼻先が触れるくらいの距離に寄せてくる。

 

 ち、近っ、ちょっ……!ええっ!?な、なんかいい匂いするし垂れてる髪の毛もちょっとほっぺに当たってくるし綺麗な目で見つめられてるしあかんあかんあかんめっさ胸ドキドキする……!!

 

 「さっきあなたの言った通り……私たちに、彼女を害する気はないわ。だから、あなたから貰った情報も、悪用する気はさらさらない。安心して、あなたの知る彼女について教えてほしいのだけれど……」

 「いやっ、あー、でも、個人情報だし……」

 「……ユヅルさん……」

 

 それでもなお、口を閉ざそうと試みると、彼女はアームカバーに覆われた手で、僕の顎をくいっと軽く持ち上げ。

 

 熱を孕んだ紅い瞳で、僕を射抜く。

 

 唇に当たるは、彼女の温かい呼気。

 

 

 

 「──お願い、できないかしら……?」

 

 

 

 ねだるように、言葉が紡がれ。

 

 はたして僕は、それに脳をとろかされてしまう。何も、考えられない。感じられるのは、この人のことだけ。この人の……いやっ、でもっ、蛍ちゃんの情報はっ……!ぐあっ、ちょっ、凝光さん手を握らないでっ……!手つき、なんかエロい……!

 

 本能と、残る僅かな理性がせめぎ合い──そして僕は。

 

 

 

 「……うぎぎぎぎっ……ちょっ、ちょっとだけ、なら……」

 

 

 

 耐え切れずに、蛍ちゃんの情報について、話さなければいけなくなってしまったのだった。

 

 ……ぐあぁぁぁぁぁごめん蛍ちゃんんんんんんんんんっっ!!!誘惑にっっ……!!勝てなかったっっ……!!!ほんとにごめんっっ!!!今度会ったら、腹切って詫びますっっ……!!!ごめんなさいっっ……!!

 

 

 






 ちなみに群玉閣までは正規のルートで来ていて、道中でずっとダーリンって呼んでるので、街の人からは主人公のことを甘雨のソレだと思ってる人大多数だったり。
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