原神ふれんず!   作:コトバノ

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 感想評価ありありぃ!!嬉しいっ!!おかけで頑張れちゃう!!

 


第9話 群玉閣 『よっ、待ってましたっ!』

 

 

 

 

 

 

 「──もうダメっ、これ以上は話せないからっ!やめて離れてっ!」

 

 群玉閣の一室。

 

 凝光さんに至近距離で、小一時間ほど蛍ちゃんについてのあれこれを尋ねられていた僕は、我慢できなくなりとうとう叫んだ。

 

 ダ、ダメだっ……!蛍ちゃんの不利益になるようなことは、なるべく言わないようにしてきたけど、これ以上はそうもいかないっ……!あと、近すぎる凝光さんにもそろそろ耐え切れない……!なんだこの人、色仕掛けうますぎか……!?いや、僕が弱すぎるのか……!?どっちでもいいから、とにかく離れてくれっ……!

 

 「あら……他にも、千岩軍を退けた彼女の強さの秘密だったり、そもそも彼女がどこから来たのかだったりも知りたいのだけれど……」

 「無理ですっ!!言えませんっ!!言うくらいなら舌噛んで死ぬっ!!」

 「ふふっ、それは困るわね。……ええ、なら仕方ないわ。彼女の情報については、ここら辺で諦めるとしましょう」

 

 小さく笑いを溢して言うと、彼女は、僕の股の間に置いていた膝を戻し、握っていた手も外して、離れる。

 

 その動きに伴って、僕も一息吐く。

 

 はぁぁ……つ、疲れた……!いや、まじで疲れた……!心が、疲弊している……!でも、とってもいい経験ができたので嬉しくもある……!なんてったって、顎クイ、されてしまったのだから……!うふふ、モンドでのリベンジ成功だね……!

 

 「それであと、彼女が現れるだろう場所については……」

 「え?……ああ、それなら多分、『三杯酔』ってお店を夜方に訪れるはずだよ。だから張り込んでいればその内会えると思う。まぁ、甘雨ちゃんに手紙かなんか持たせて、群玉閣に招待しなよ。蛍ちゃん……というか一緒にいる子が、喜んで行きたがるだろうから」

 

 原作でもそうしてたし、と考えながら、自席に戻った凝光さんへ、アドバイスを送る。というか、僕が教えなかったら彼女、どうやって蛍ちゃんたちを見つけるつもりだったんだろう?もしかして甘雨ちゃんに丸投げ?そして甘雨ちゃんは僅かな手がかりを求めて璃月を駆け回る?ひぃ、ブラック上司や……!甘雨ちゃんはワーカーホリックだから、問題ないのだろうけど……!

 

 「そうね、そうさせてもらうわ。さて……最後に考えなければいけないのは、あなたの処遇ね」

 「……処遇……?え、く、口封じに殺される的な話ですか……?」

 「ふふっ、まさか。あなたは充分私に協力してくれたわ。ともすれば、恩人とも呼べる人。そんな人を、無下にするわけないでしょう?」

 「凝光さん……!」

 

 よ、よかった……!まじでずっとこの人漠然と怖いから、ワンチャン殺されるかもって考えてたけど……ほ、本当によかった……!最悪聖遺物全貢ぎ土下座しなければならないところだったもん……!

 

 ほっと胸を撫で下ろしていると、彼女は顎に手を当て、つつと言葉を紡いでいく。

 

 「それにあなたには、千岩軍に追跡させた負い目もあるわ。礼儀も行き届いていなかった。璃月七星としてあるまじき行いだわ……」

 

 お、おお……そんな気にすることじゃないと思うけど……上に立つ者の責務ってやつだろうか?大変だなぁ……僕には関係ないけど。高見の見物ならぬ低見の見物ってね。

 

 「これらを加味したうえで、ユヅルさん。あなたを正式に、ここ──群玉閣へと招待させてもらうわ」

 

 そんなことを考えていると、彼女から繰り出されるトンデモ発言。ぐ、群玉閣に正式に招待だって……!?

 

 「い、いいんすか!?ここって、あれじゃないでしょ!?限られたVIPしか入れない格式高いとこで、機密もいっぱい眠っているという……!」

 「あら……随分と詳しいのね?」

 「いや、そりゃ群玉閣お洒落だしカッコいいし浪漫だもん、調べちゃうでしょ!」

 「ふふっ、嬉しいことを言ってくれるわね……」

 

 前のめり気味で群玉閣への思いをアピールすれば、凝光さんは口元に手を当てコロコロと上品に笑う。やだお綺麗……!

 

 「でも、気にすることはないわ。私の誠意のしるしだもの。受け取ってもらえるかしら?」

 「ぜ、是非っ!!」

 「そう、喜んでもらえて何よりだわ。お供には……とりあえず甘雨をつけておこうかしら。多少は気心が知れているでしょう?」

 「そうだね……問題があるとしたら、甘雨ちゃんが恥ずかしさに耐えられるかどうかってくらいだ」

 「なら問題ないわね。彼女もそろそろ戻ってくる頃でしょうし……それまで待っててちょうだい」

 「うぃっす!!」

 

 元気よく返事をする。群玉閣観光……楽しみだ……!用が済んだら捕まるか、追い出されるかと考えてたから、反動でめっさ嬉しい……!僕、派手な建物とか好きだからね、ワクワクするよ……!

 

 期待に胸を躍らせて、そわそわ甘雨ちゃんが帰って来るのを椅子に座って待っていると。

 

 「──た、ただいま戻りました……」

 

 少しして、その彼女が帰って来る。顔色、声音ともに落ち着いており、先のことはそこまで引き摺ってはいないようだった。

 

 「よっ、待ってましたっ!甘雨ちゃん、案内!案内してっ!」

 「え、ええっ?えっと……」

 

 ので、手をぱんぱん叩き、ぴゅーぴゅー指笛まで吹いて歓迎する。これなら遠慮はいらなそうだね……!フルスロットルで観光だ!

 

 「甘雨、新しい仕事よ。彼に群玉閣を案内してあげなさい」

 「凝光様……それは、彼を招待した、ということでしょうか?」

 「ええ、そうよ。丁重にもてなしなさい」

 「畏まりました」

 

 戸惑っていた甘雨ちゃんは、凝光さんから詳しいことを聞いた後、僕へと向き直り。

 

 「──それでは、ダーリ……ユヅルさん。群玉閣を案内させていただきますね?」

 「今ダーリンさんって言いかけたよね?ねぇねぇ言いかけたよね?」

 「い、言いかけてません……」

 「甘雨ちゃん顔真っ赤じゃん、可愛いなぁ……じゃあ行こっかハニー、エスコートよろしく!」

 「か、からかわないでください……!」

 

 ──かくして、群玉閣観光ツアーが始まった。

 

▼▼▼

 

 ──やばいっ、群玉閣めちゃくちゃスゴい……!!ちょー楽しい……!

 

 それが、群玉閣の内部を甘雨ちゃんと共に見て回った僕の感想だった。

 

 まず2列螺旋状に連なった階段。なんだそれ、デザイン天才か???階段の終わる所に意味不明に水が敷かれているのも好き。お洒落だ……!

 

 それを昇っていけば辿り着く階層、迎えてくれるお高そうな品々の置かれた部屋の数々だ。輝石に壺に、華に盆栽、陶器に絵画、掛け軸、絨毯……。パなかったわ……なんか高い物見ると心安らぐよね……僕のイチオシは金屏風。まばゆい……!

 

 行きはさして楽しめなかった内装内観をじっくり堪能して、今度は外へ。

 

 群玉閣の外観を、様々な角度から眺めまくる。

 

 下から見上げると、威圧感あっていいわね……!でも、引きで見てもそれはそれで厳かでいい……!……あ、左右に伸びてる渡り廊下、あそこも行ってみたい……今度掛け合ってみよ。あとは……そうだ!

 

 思い付いた僕は、その場でくるりと転換して、視線を群玉閣から眼下の景色へ。

 

 視界には、岩肌の灰色に、屋根や木の葉の緑、同じく屋根の朱色に、木の葉の紅、黄金、港の桟橋の茶色がモザイクのように映る。

 

 よーし、言っちゃうぞー!

 

 「──ククク……見ろ!!人がゴミのようだ!!はっはっはっはっ!!」

 「ユ、ユヅルさん……?」

 

 ……っかー、決まったー!ムスカ大佐、ムスカ大佐だ!た、楽しい……!やりたかったんだよこれ……!

 

 終始傍に控えていた甘雨ちゃんが、えっ???って顔をしてるけど……それも気にならないね!だって今の僕はムスカ大佐だから!ラピュタは滅びぬ……!滅びぬのだ!!

 

 「次は……そうだね、ラピュタの雷をかますか……!インドラ、インドラだ……!」

 「ユヅルさん……?あの、よく分かりませんが、そろそろ昼食の時間ですので……」

 「あ、そうなの?そっかお昼の…えっ、お昼まで頂けちゃうの!?」

 「は、はい。一流の料理人が、腕によりをかけてつくったものを用意してあります」

 「い、至れり尽くせり……!」

 

 凝光さんのO☆MO☆TE☆NA☆SHIに慄いていると、先に進んでいた甘雨ちゃんに群玉閣の中へ戻るよう更に促される。お昼か……どれくらい美味しいのだろうか?香菱ちゃんの料理に負けず劣らずのレベルだとしたら……おはだけしちゃうかもしれないね。しないけど。

 

 ……とと、戻るまでに。

 

 「──甘雨ちゃん甘雨ちゃん!ちょっと……!」

 

 先に進んでいた所に控えていた甘雨ちゃんを呼び寄せる。受けて甘雨ちゃんは、すたたっと駆けて来る。

 

 「ユヅルさん、どうかされましたか?」

 「したいことがあって……手、出して?」

 「こう、でしょうか?」

 

 スッと差し出される白く細い手。

 

 僕はそれを、ぎゅっと握り、彼女の横に並んで。

 

 「あ、あの、ユヅルさん……!?」

 「ン、ンンっ……!よしっ、いくぞ……バルス!!」

 「バ……え???」

 

 滅びの呪文を唱えた。

 

 もちろん何も起こらなかった。

 

 ……さて、それじゃあお昼ご飯の時間だね!何が出るのかな!?楽しみだ!

 

 

 

 「──甘雨ちゃん、何つっ立ってんの?早く行こうよ」

 「は、はい!す、すみませ……こ、これは私が悪いのでしょうか……???」

 

 

 






 群玉閣、まじでオサレで好き……!
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