原神ふれんず!   作:コトバノ

40 / 52


 感想評価、まじてんきゅー!!色々褒められれて嬉しい……!


第11話 群玉閣 『強い……レベルが、違いすぎる……』

 

 

 「──いきなり呼び出すなんて……いったいどういうつもりかしら?凝光」

 「お越しいただけて、とても嬉しいわ、刻晴。立ち話もなんだわ、席に着きましょう?」

 「長い話というわけ?もしそうではなく、ただ礼儀作法の問題で言ってるのなら……非効率だわ。ここで手短に済ませてちょうだい」

 「相変わらずね……礼節は重要よ?信用に繋がるのだから」

 「もちろん分かってるわ。これでも貴族の生まれだもの。でも今この瞬間には、必要ないでしょ?」

 「ふふっ……まぁでも、私がしたいのは長い話なの。やっぱり座って話したいわ」

 「なら、早く案内してちょうだい」

 

 ──群玉閣の入り口の、手前にある曲がり角。

 

 隠れるようにして、そこから2人の会話を聞いていた僕は、縮み上がる思いでいた。

 

 ……め、めちゃくちゃ怖いんですけどぉっ!?バチバチにやり合ってる……!ふ、震える……!震えちゃう……!お家、お家帰りたい……!お家なんてないけど……!と、とにかく、ここから逃げよう……!

 

 離れていても伝わってくる圧に、緊急脱出を試みようと、そろーり足を動かして──身体が、ついて来ずに止まる。

 

 原因は、まず間違いなく手首の辺りを掴まれていることだろう。そしてそれをなしているのは、甘雨ちゃんであった。なんでぇ……?

 

 ちょっと甘雨ちゃん?と、抗議するように彼女を見れば、無言のままにこりと笑う。あ、可愛い……じゃなくて。

 

 ふざけてる場合じゃないんだが……と思いながら、彼女の手をほどこうとし、ビクともしないために僕は泣きそうになる。強い……レベルが、違いすぎる……。

 

 絶望している内に、やがて、背後から話し声と足の音が聞こえてきて。

 

 「──あら?甘雨じゃない。それに君は……」

 

 凝光さんと、もう1人の美少女、たけのこ紫髪ツインテールちゃんに見つかってしまう。オ、オワタ……!目、付けられる……!……いや、最後まで諦めるな……!希望はまだある……!

 

 「は、はじめまして──玉衡の、刻晴ちゃん様。僕はユヅル、ただの……甘雨ちゃんのダーリンです」

 「ユヅルさんっ!?」

 「ですのでどうか、お気になさらず凝光さんとごゆるり歓談を……!」

 

 身を正し、平身低頭で告げる。僕を、巻き込まないでっ……!

 

 心中で懇願していると、刻晴ちゃんは、軽く目を見開き。

 

 「甘雨の……そう。仕事一筋だと思っていたけれど……まぁ、その辺りは個人の自由ね。私が口を出すことじゃないわ。ただ、逢瀬をするなら、あまり人目に付かない所でやることね」

 「ははーっ……!」

 「し、しませんよ……!?」

 

 うるさいぞ甘雨ちゃん、余計なことを言うな。刻晴ちゃんが見逃してくれそうな雰囲気なんだから。あとは凝光さん、お願いなので──。

 

 「あまり嘘は吐くものじゃないわよ、ユヅルさん。ふふっ、丁度良かったわ。刻晴、彼があなたをここに呼んだ理由の1つよ」

 「そうだったの?なら、君も話に参加してもらえるかしら?そっちの方が、効率的だもの」

 

 嫌です……。ちょっ、凝光さんさぁ……ってかこれ、もしかしなくても仕組まれてたでしょ……もうほんとやだ……。ぴえん。

 

 そして僕は、半ば甘雨ちゃんに引き摺られる形で、2人に同行することになる。遠い目をしながら考えるのは、キビキビと進むたけのこ紫髪ツインテール美少女ちゃんのことだ。

 

 名は、刻晴。凝光さんと同じ璃月七星の1人で、若くして玉衡の称号を授かっている。

 

 習性は超絶仕事人、甘雨ちゃんと一緒のワーカーホリックさんだ。ただ少々質の悪い部類であり、彼女は自分にできるのだから、他人もできるはずだと考えて、何かと押し付ける癖がある。仕事もそうだし、信念、考えだったりもだ。

 

 璃月人にしては珍しく……というか異端の、岩王帝君不信の娘でもある。自らの能力、可能性に自信を持っており、ストイックな性格でもあるので、盲信的に岩王帝君の言うことを聞くのが癪なのだとか。同様に、人間を守るものという目線で見てる仙人のことも、あまり快くは思ってなかったり。

 

 扱う元素は、迅速な行動を好む通りに雷。片手剣との組み合わせは非常によく、戦場を縦横無尽に駆け回る一騎当千の猛者だ。

 

 ちなみに恒常ガチャでもあまり出てこないし、すり抜けであまり出てこないツンデレさんだったりもする。基本すり抜けは、ジンかロリキョンシーちゃんだったからね……どんだけ回復させたいねん。

 

 そんな風に彼女のプロフィールを振り返っていると、ある部屋に辿り着く。昨日晩餐に用いた部屋だ。

 

 真ん中にどどんと置かれているのは、漆塗りの木材を使った、重厚な長方形テーブル。見事な鶴や華の彫り込みが、格式の高さを醸し出している。

 

 椅子もまた漆塗りの木材を使っており、触り心地は非常にすべすべしてて身体によく馴染む。

 

 凝光さんが最初にお誕生日席へと座り、刻晴ちゃんが近くのサイドの席へ。僕は凝光さんと反対のお誕生日席へ座ろうとし、甘雨ちゃんに無理矢理引き戻され、刻晴ちゃんの対面のサイドの席へ座らせられる。そして1人壁際に立つ甘雨ちゃん。

 

 ず、ずるい……僕もそっちが良かった……!こっち、居心地悪い……!離れたかった……!

 

 凝光さんが意味深に笑み、刻晴ちゃんが口を結んだ真面目な顔を見せ、甘雨ちゃんがうっすら微笑を、僕がひきつり笑いを浮かべる中──口火を切ったのは、やはりというべきか、刻晴ちゃんだった。

 

 「──それじゃあ早速だけれど、本題に入りましょう?凝光」

 「あら、まだお茶も出していないのに……まぁいいわ。そうね、それであなたを呼び出した件だけれど……あなた好みに簡潔に言うのなら、あまり仙人を挑発するような動きをしないでほしいの」

 「それは……つまりあなたは、仙人と交渉をしようとしているということかしら?」

 「ええ、その通りよ」

 「……浅はかな考えね。何でも交渉で解決できるわけないわ。ましてや相手は仙人よ?私たちを下に見ている」

 

 ひ、ひぃっ……!いきなり激しいっ……!凝光さん、微笑んでいるし穏やかに喋ってるのに怖いし、刻晴ちゃんはシンプル突っかかっていってて怖い……!テーブル、テーブルを眺めていよう……あ、この華の彫り、鮮やか……(現実逃避)

 

 「たしかにこのままいけば、彼らは私たちとの交渉の席についてすらくれないでしょうね。けど1人、彼らの関心を動かしてくれる人物がいるわ」

 「……モンドを救った英雄のことね?そして、絶雲の間から帰った者。けど、協力してくれるとは限らないわ」

 「ふふっ……そこで鍵になってくるのが、そこの彼──ユヅルさんよ」

 

 こ、こっち来たぁっ……!

 

 「彼はその英雄さんと、随分深い仲のようでね……彼のおかげで、彼女が群玉閣に招待しても問題ない人物ということが分かったわ」

 「なるほど……彼女に協力ないし中立を保ってもらうことで、仙人の興味を惹き、交渉の席に着かせる算段ってところかしら」

 「ええ……話が早くて助かるわ」

 「フンっ……」 

 

 凝光さんの褒め言葉に、そっぽを向いて応える刻晴ちゃん。仲、悪ぅ……やだぁ……!

 

 「……君、ユヅル。気を付けた方がいいわよ。凝光は利益のことしか考えていない。その内酷い目に遭わされるかもしれないわ」

 「ワイトもそう思います……刻晴ちゃん様、助けてくんない?」

 「あら、そんなことしないわよ。ユヅルさんも刻晴も……酷いわね」

 「いや、めちゃくちゃしそうだもん……刻晴ちゃん様、まじで助けて?お礼は僕の身体でどう?」

 「あら、無料の労働力ということかしら?」

 「違うっ……!!そうじゃ、そうじゃないっ……!!」

 

 セクハラまがいを刻晴ちゃんにかましたところ、タダ働き奴隷にされかける。必死に否定していると、凝光さんがクスクス笑いながら。

 

 「それなら私のところにも欲しいわね」

 「いやっ、絶対働かないよ!?断固拒否だからね!?」

 「そう……残念ね」

 「ええ、まったくだわ」

 

 変なところで息ピッタリに残念がる2人。可愛らしいけど怖い……!

 

 「──話が逸れたわね。……凝光、あなたが仙人と交渉するのは自由だわ。けど、帝君がいなくなって……仙人の時代は、いよいよ終わりを迎えたと私は思っているわ。私たち璃月七星がまずそれを受け入れなければ……璃月の未来は──」

 「──安心してちょうだい?刻晴。璃月は私にとって、大切なビジネスの場……発展させるのに労は惜しまないわ」

 「その考えが安心できない要因なのよ……なにもかにもをビジネスに繋げる。ご立派なことね」

 

 ぴぇ……さっきちょっと意気投合してたじゃん……なんで険悪になってんの?勘弁して……!

 

 「ふふっ……誉め言葉として受け取っておこうかしら」

 「皮肉と受け取りなさい。はぁ……もういいわ。他に用件がないなら、私は帰るわ。あなたも分かってるでしょうけど、今、立て込んでいるの」

 「そうね……もう少し話しておきたいところだけれど……喫緊で伝えなければいけないことは、他にはないわね。見送りは……」

 「必要ないわ。それじゃあ」

 「ふふっ。ええ、また」

 

 言って刻晴ちゃんは、すくと席を立ち、部屋を出てく。え、も、もうお帰りなの……?じ、迅影の如く……!

 

 速すぎる別れに驚きを覚えていると、もう切り替えたのか、凝光さんが微笑を浮かべたまま口を開き。

 

 「──さて、それではユヅルさん。刻晴の説得に協力してもらったすぐ後で申し訳ないのだけれど……」

 「きょ、協力してないよ……?そっちが巻き込んできただけだよ……?」

 「──協力してもらったすぐ後で申し訳ないのだけれど……例の彼女について、新しいお話を聞かせてもらいたいわ。いいかしら?」

 「よくないですっ!!よ、寄るなぁっ、舌舐めずりしながら近付くなぁっ!!か、甘雨ちゃん、そっぽを向いて見てないふりしてないで助けろぉっ!!あっ、ちょっ──!!」

 

 

 

 ──そして。

 

 凝光さんとのあまりに厳しい色仕掛け(闘い)、そのラウンド2が始まった。

 

 い、いやぁぁぁぁぁっっ!!!だ、誰かぁっ!!誰か、た、たすてけぇっっ!!!

 

 

 

 

 






 そーいえば姿だけはずっと公開されてきてたヨーヨォが、やっと来るらしい……楽しみですね!……ん?白ポ……?あれ……?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。