感想さんくす!赤髪はシャンクス!うちの主人公は酒クズ!
群玉閣を降りた僕は、バッグパックを片手に。
玉京台近くの、ハスが見事に咲き誇る池を、屋根付きの回廊から眺めていた。
わー、きれー……池の青に、葉や花托の黄緑、花の白、灯籠や石の灰色……おいおい、デザインした人、分かってるじゃないか。☆10を授けるよ (誰目線)
やっぱり璃月は景観がいいよね……モンドの自然は雄大って感じだけど、璃月の自然は調和って感じ。街中にも多いし。
……しっかし、うーむ。これからどうしようか……。
とりあえずとして、最デンジャラス地点の群玉閣を脱出できたのはよかったね……。なんか僕……というか、誰かしらが群玉閣にいたことがバレていたのか、玉京台にはめちゃくちゃ人がいたけど……千岩軍やらなんやらがどうにかこうにかしてくれたので、バレることなく抜け出すことができました。よかったよかった。もっともこのあと璃月港に、激ヤバ魔神オセルさん押しかけて来はするけど……まぁ璃月強キャラご一行がなんとかしてくれるだろうし、大丈夫だろう。
次点でデンジャラスな黄金屋も、璃月港から離れたところに位置してるので、基本巻き込まれることもないはず。……でも黄金屋、ちょっと行ってみたい……!輝かしいモラの海、泳いでみたい……!
とはいえ、わざわざ命の危険を冒しにいくわけにもいかないので……今回は縁がなかったということでお見送りだ。
残る戦闘が行われる可能性のあるデンジャラスゾーンも……うん、大抵璃月港から離れてるし、僕が璃月港にいる限りは、巻き込まれることはなさげだ。らっきりー、らっきりー。
でもって、蛍ちゃんもこのあとは、基本璃月郊外か群玉閣で動くので……邪魔する心配もない。つまり今の僕は、フリーマン……自由を手にしているのである。
けど、いざ自由にしていいよって言われても、ぱっとあれしたいとかは出てこないよね……夜中ら辺には行きたい所あるけど、それまでは特に当てもないし……。誰か詳しい人に、璃月港の名所でも尋ねてみるか?
と、今後について、のんびりぼんやりハスの池を眺めながら考えてたときだった。
「──わっ!!!!」
「どぅぉあわばっ!!??」
耳に流れ込んでくる大声に、どんっ!!と後ろから掴まれる肩。
あまりにも突然のことに、ビクッと身体を強張らせながら意味不明な叫び声をあげてしまう。
すわっ、何事かっ!?と慌てて首だけ振り向けば──そこには楽しそうにケラケラ笑う、胡桃ちゃんの姿があって。
「あははははっ、ユヅルさんったら面白い反応!ビクッ!てしちゃって!」
「ちょっ……ちょぉぉおおおっ!!胡桃ちゃんさぁっ……!!」
よ、よくもやってくれたなっ……!!1歩間違えたらハスの池に落ちてたぞっ!!
「あはは……いやー、まさかユヅルさんが、こんな愉快なリアクションをする人だったなんて……」
「好きでしたわけじゃないよ……まだ心臓ドキドキしてる……待てよ、これって……恋?」
「それは違うと思うなー……」
鼓動を戻しつつ、身体ごと胡桃ちゃんに向き直る。彼女は僕の目線辺りにある黒い帽を弄りつつ、ニヤニヤと笑っていた。
「──でも……えへへ、これでふくしゅー成功だねぇ!」
「ふくしゅー……?」
と、そんなことを告げてくる胡桃ちゃん。けどふくしゅーとな……?エウルアちゃんかしら……?んん……?
「……あ、僕がこの前胸をイジったことへの仕返しってこと?」
「ちょっ……!そ、そうだけど、そんなはっきり言わないでくれるかなっ……!」
にやけ面を一転、赤くさせて訴えてくる。可愛い……というか、気にしてたのね……ごめん。
「その、あんまり気にすることはないよ……?胸なんかなくても、胡桃ちゃんはとっても魅力的な女の子だから。可愛らしいし、脚もキレイ、ひょうきんな態度も明るく好ましいし、他の人のことを考えられる優しさ、思慮深さも兼ね備えているし……」
「な、慰めないでよぉっ……!!」
おー、よしよし。お可哀想に……。頭に手を伸ばしてやれば、ぺしっと払われる。痛い……。
「もぉ……ユヅルさんといると、調子外されまくりだよ」
「どーんまいっ。……あ、そーだ。胡桃ちゃんに聞きたいんだけどさぁ」
「誰の所為だとぉ……はぁ……それで?聞きたいことって、なーに?」
「うん、ちょっと僕、夜になるまで暇なんだよね。だからさ、それまでに暇を潰せる名所的なの……知らない?あ、璃月港内でね」
思い付いたので、ちょーど璃月の人間である胡桃ちゃんに、名所を尋ねてみる。璃月人だし、ある程度はいい場所、知ってるでしょ。
そのような思惑でいると、胡桃ちゃんが自らの頤に指を当てつつ。
「うーん……名所、名所かー……だとしたら……うん、あそこしかないねぇ!」
「あそこしかないって……なになに、そんなすごい場所なの?」
「それはもう!しかも、あんまり人もいないから……隠れた名所ってやつだよ!」
「何それ、期待高まっちゃう……!」
自信満々な様子の胡桃ちゃんは、案内するからついてくるよう言い。
僕はワクワクしながら、彼女の後を追う。
隠れた名所……?いったいどこなんだ……!
逸る気持ちで璃月の街を進んでいくと、胡桃ちゃんがある建物の前で立ち止まる。おお、ここが隠れた名所……!ここが……!ここ……が……?
「──じゃじゃーんっ!ここが璃月の、隠れた名所でーす!」
「いや、隠れた名所って……ここ、往生堂じゃん……」
両腕を開いて横にし、その建物に向けてひらひらと動かして発表する胡桃ちゃん。それにええ……?と思いながら返す。
彼女が連れて来てくれたのは、以前にも訪れたことのある、扉前の2本の赤柱の目立つ建物──往生堂であった。
「なんてったって、往生堂は葬儀屋として、長ーい歴史があるからね!当然格調は高いよ!そして往生堂の仕事は何故だかみんなから怖がられているから、人も全然寄り付かない……うん、まさに隠れた名所じゃない?」
「じゃないと思うけどなぁ……考えてたのと、全然違う……」
「えー?」
首を傾げ、彼女はわざとらしく惚ける。
えー?じゃないわ……僕の期待を返してよ、ちくしょう。もしかして、これもふくしゅーのつもりなのか?だとしたら、どれだけお胸のこと気にしてたんだよ……可愛いじゃないか。
「なんか変な勘違いをされてる気が……」
「それこそ気のせいってやつだよ。というか、他に名所はないの?隠れてなくてもいいから」
「ちょっとちょっとー、往生堂で充分でしょ?浮気はよくないなー」
「いや、往生堂のどこ見て暇潰せっていうのさ。すぐに着いちゃったから、余計時間余っちゃってるし」
「んー……じゃあ、将来のために葬儀体験でもしてみるー?特別に、わたしが担当してあげるよ!」
「遠慮しときます……」
「そう?ざーんねーん……」
断ると、がっかり気落ちする胡桃ちゃん……けど残当、残念ながら当然なんだよなぁ……葬儀体験のお誘いに、喜んで参加する人なんて普通いないでしょ……。
「じゃあ、そうだなー……いっそもう、中に入っちゃう?面白いもの、いっぱいあったりするよ?」
「えぇ……?ふつー部外者立ち入り禁止では……?」
「細かいことは、気にしなーい気にしなーい。で、で、どう?入る?入っちゃう?」
「そりゃ入ってもいいなら、是非入りたいけど……」
「決まりだね!はい、それじゃあ1名あの世までごあんなーい!」
「ちょっと???胡桃ちゃん???」
「あははっ、じょーだんだよー」
くるくる踊るように歩きながら、彼女は往生堂の中へ入ろうと扉へ向かう。嘆息して、僕もそれに続こうとし──。
──ゾロゾロと、明らかにこちらを見ながら駆けてくる千岩軍の兵士たちの姿が、視界の端に映って。
………………え、なん、なんで???
想定外過ぎる事態に固まっていたところ、僕の動向をつたって、胡桃ちゃんも兵士たちに気付いたらしく、その端整な顔を歪める。
「げっ……うちに向かってきてるじゃない。何かしたっけ……?」
「いや待った、胡桃ちゃん。もしかすると、僕が原因かもしれない」
「そーなの?何か心当たりでもあるわけ?」
「うーん……無銭飲食(皿洗い払いが法律的にダメだった可能性)かセクハラ(多数)の罪か犯人隠避の罪か冤罪かのどれかかな?ぱっと思い付くのはそんくらいだし」
「結構心当たりあったね!?」
ねー。璃月でも、割りと色々やらかしてたね、僕。さいてー。特に前半2つ。この2つのどちらかの罪で僕を捕まえに来てるんだったら、ふつーに詰みなんだけど。つみだけに。ふふっ、黙れ。
2人して手をこまねいている内に、千岩軍はいよいよ往生堂の前までやって来る。兵士の数は、数十人ほど。しかも全員が、やはり槍を持っている。大捕物だ。
無銭飲食かセクハラって、璃月だとそんな大罪なの!?と驚いていると、代表者らしき1人が、すっと前に出てきて。
僕らに向けて、大声で、告げた。
「──往生堂は、これより千岩軍の監視下に置くッ!!軽率な行動は、控えるようにッ──!!」
………………えーっと……え???お、往生堂は、ですか……???あれ、僕、関係ない感じ???え???
主人公への原作キャラの印象をまとめたやつ、活動報告にあげようか悩み中……。