原神ふれんず!   作:コトバノ

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第6話 鹿狩り 『ねぇ、今から晴れるよ?』

 モンド正門より入って正面にある大通り。それを少し行くと見えてくる、モンドを代表するレストラン『鹿狩り』。

 その店先のテーブルの一つを貸してもらった、僕とノエルちゃんは。

 

 「──さぁさぁ、よってらっしゃい見てらっしゃい!本日開業しました、行列のできる相談所!絶対に訴えてやる!」

 「う、訴えるのですか?どなたを?」

 「嘘だよ訴えない!……そこのお姉さん!そこのお兄さんも!抱えてる悩みはありませんか?その悩み、僕がお聞きしましょう!もしかしたら、いいアドバイスも貰えるるかも!?そんなサービスも付いて、今ならお値段なんと!!」

 「……な、なんと?」

 「……いくらがいいかな?」

 「えっ!?」

 

 仲良く客引きをしていた──。

 

▼▼▼

 

 昨日(さくじつ)、エンジェルズシェアにて、シスターの仕事内容について書かれている紙を見たとき。

 僕の頭に、ふとあるアイデアが思い浮かんだ。

 

 それがこの『相談屋』である。

 

 『相談屋』──現代風に言うのならカウンセラーといったところだろうか。

 といっても、カウンセラーは相手の心的な悩みに寄り添って対話し、それらを解消してあげることを主な仕事としているが、僕が考えた『相談屋』は少し違う。カウンセラーが受けるような相談に加えて、日常のちょっとした悩みを相談したりする場所──言うなれば掲示板サイトみたいな、気安くなんでも相談できる場所を目指している。

 

 というのもこの相談という行為、考えてみれば、モンドでは需要の多さに対して供給があまりにも少ないのだ。あまりにも少なかったために、原作では度々主人公も相談相手とされていたほどだし。そしてそのままクエストスタートの流れ。あまりにも早い展開、僕でなきゃ見逃しちゃうね。  

 ……団長の手刀のごとき展開はさておき、中には「そんなの主人公に相談しなくてもよくない?」っていうものも割とあった。プレイしていた当時は大して考えもせずにそのままクエストに移行していたわけだが……今思えば、主人公を相談相手として選んでいたのは当然の帰結といえる。

 何故ならモンドは自由の国、そんな国の住民は相談相手には明らかに向いていないだろうし、唯一相談に乗ってくれそうなシスター達も仕事で多忙だ。とくれば、報酬さえ払えば大抵の手伝いはしてくれる旅人に──主人公に相談の矛先が向かうのも、仕方ないといえよう。

 

 そこでこの『相談屋』だ。

 

 先の理由で需要も高く、仕事をするにあたってこれといった専門的な知識も必要ない。加えてノエルちゃんの相談に乗ってあげたという実績もある。これもうガッポガッポなのでは?正直思いついたときは、自らの鬼才っぷりに震えたよね。何故だかノエルちゃんには、僕がシスターになろうとしているのではと勘違いされたけど。まったく、流石の僕でもそこまでフリーダムではないよ……メイドまでならいけるけど。

 

 

 

 ──さてさて、そんでもって時刻は昼過ぎ。

 本当ならば、人が大勢行き交うことになるだろうご飯時を狙うべきだが、流石にそんな時間にテーブル席を占拠するのもなんなので、この時間に落ち着いた。

 それでも、ご飯時より少ないとは言え人通りはそこそこあるわけで、数人ほどが立ち止まってこちらの話を聞いてくれていた。

 

 「──相談の内容は何でも構わないよ!恋の悩みなんかも、勿論オーケーさ!」

 「──恋の悩み……」

 

 その内の一人が、僕の言葉を受けそう呟くと、意を決した様子でこちらに向かってきた。

 長い茶髪と帽子の目立つ、可愛いらしい女の子だ。

 

 「──その、相談したいことがあるんだけど、いいかな?」

 「駄目だよ」

 「えっ!?」

 「うそうそ冗談。取り敢えず座って?僕はユヅル、相談屋だ」

 「う、うん……。えっと私はベアトリーチェ、ベアって呼んで?」

 「了解、よろしくベア」

 

 軽く挨拶を交わしながら、ベアが対面に座る。ちなみに今、テーブルには彼女と僕の二人きり。ノエルちゃんは困っている人を発見したようで、さっき僕に断りを入れてどこかへ行ってしまった。

 

 「それでねユヅル、相談なんだけど……」

 「ああ、大丈夫。モンド正門の近くで果物屋を営んでいる青年とイチャイチャしたいんだよね?」

 「な、なんで分かるの!?」

 「え?えーっと……なんかモンド正門の近くで果物屋を営んでいる青年と付き合いたそうな名前をしてたから」

 「どんな名前!?」

 

 驚くベアをよそに、一人心中でガッツポーズをとる。これも相談屋を営むに際しての利点の一つ──つまるところ『相談屋』ならば、無理のない範囲で有効に原作知識を使えるのだ。例えば、相手の名前だったり好きなもの、ましてや悩みなんかは、相談を受けるにあたって知っていても損はないだろう。それどころか、大きなアドバンテージですらある。

 

 「ま、まぁ、分かっているのなら話は早いかな……えっとね、どうかユヅルには、クインとデートする方法を考えて欲しいの!」

 

 パチンっと両の手のひらを合わせて、そうお願いしてくるベア。これも原作知識を持っている僕からすれば、予想通りの相談である。

 

 クインとは、さっき言ったモンド正門の近くで果物屋を営む青年のことだ。ベアとは幼馴染みで、原作では、日中は大抵彼女と一緒だった。

 それでは夜はというと、『エンジェルズシェア』にて楽しく飲んでいる彼の姿を見れることができる。相当なウワバミらしく、モンドの酒豪四天王の一人にも数えられていた。そして今は、僕の友人の一人でもある。いわゆる酒友、飲み友達というやつだ。出会いは当然『エンジェルズシェア』。最初の頃はちょっと壁があったが、テイワットに来てから毎日『エンジェルズシェア』に通って一緒に飲んでいる内に、すっかり仲良しになっていた。

 とまぁそんなクインだが、実は彼には、少し他人の感情の機微に疎いところがある。そこまで酷いものではないが、鈍感系主人公になるには充分なほどではある。流石に突発性難聴はないけどね。クインが急に「え、なんだって?」って言い始めたら僕は泣く。

 ──で、そんな彼が相手なので、原作でもベアは苦労していたけれど……やはりこちらでも彼女は苦労しているらしい。デートすらさせてくれないって……。

 

 「──それじゃあ、ベア。デートをする方法云々の前に、まず君がどういうデートをするつもりなのか、教えてもらえるかな?」

 「ど、どういうデートを……?」

 

 あまりにも哀れなので真面目にアドバイスをすることにする。僕は恋する女の子の味方なのだ。

 

 「そう。一口にデートといっても色々な種類があるだろう?お家デートにお散歩デート、居酒屋デートにピクニック……君はどういうデートをするつもりなんだい?それによってアプローチの仕方も変わってくるんだけど……」

 「そんなの決まってるじゃない!私は──」

 

 僕の言葉に、ベアは元気よく答えようとして。

 

 「──ど、どうしよう……デートに誘うので精一杯で、何をするかなんて考えてなかった!」

 「えー……」

 

 ちょっとこの娘大丈夫?夏休み最終日に宿題を終わらせようとする小学生並みに計画力ないじゃん……。

 

 「だ、だって、一度も成功してないんだもの!仕方ないじゃない!」

 「いやいやいや、仕方なくないでしょ。完璧に手段と目的が入れ替わっちゃってるじゃん。本末転倒ここに極まれりだよ」

 「う、うぅ……」

 

 涙目で小さく唸る彼女。実に可愛いらしい行動ではあるが、まるで僕がいじめてるみたいだから止めてほしいところである。騎士団呼ばれちゃう。

 

 「──ま、今回に限ってはそっちの方が都合がいいし、そこまで気にしなくてもいいよ」

 「……?都合がいいってどういうこと?」

 「いやなに、予めデートの内容が決まっていたなら、それに合わせたアプローチの仕方を考えないといけないでしょ?でも今回は何も決まってないわけだからね、一番成功率の高いアプローチの仕方を提案できるのさ」

 「な、なるほど……!」

 

 もっとも、連鎖的にデートの内容も決まってしまうのだけれど……ま、ベアはデートできるならなんでもいいみたいだし、問題ないか。

 

 「そ、それで?その成功率の高いアプローチって、いったいどんなものなの?」

 

 待ちきれないといった様子で、尋ねてくるベア。そんな彼女に答える。

 

 「──簡単さ、何かプレゼントをあげればいいんだよ」

 「プ、プレゼントを……?」

 「そう。僕としては、向かいにあるショップ──『栄光の風』で売ってる、『特製氷瓶』っていう酒器がおすすめだね」

 「う、うん、『特製氷瓶』ね。覚えておく……でも、なんでプレゼントなの?」

 「うーん……まずベアに思い出してみてほしいんだけど、君が今までクインをデートに誘ったとき、彼はなんて返事をしてたかな?」

 「なんてって……何も言ってくれなかったよ!全部無視するの!酷いと思わない!?」

 

 いかにも不満タラタラといった様子で、憤りを見せる彼女だが……鍵となるのはそこだ。そこ──すなわち、何も言ってくれないという点。確かにクインはデートの誘いを受諾してはいないが、実のところ、断ってもいないのだ。それが何を意味するかというと──。

 

 「──僕が思うに、多分クインはベアの話を聞いてなかっただけだと思うよ」

 「……え?」

 

 考えてみてほしいんだけど……手紙とかならまだしも、普通相手が対面でデートに誘ってきたのなら、返事くらいはするのが人として当然の対応だ。クインも、鈍感系ではあるが人としての出来は僕よりもしっかりしている、きちんとした対応をするはずだ。だとしたら、返事が出来なかった──そもそもデートの誘いを聞いていなかったと考えるのが自然だろう。

 

 「そういえばクイン、私がデートに誘ったときはいつも忙しそうにしてたっけ……」

 

 どうやらベアにも心当たりがあるようだし、間違いなさそうだね。

 

 「──とくれば、まずベアはクインが忙しそうじゃないときに話しかけるべきだね」

 「う、うん、そうみたい」

 「で、そのときにプレゼントを渡すことで、今回の話がいつものと違って大切なものだということに気付かせる」

 「なるほど……!」

 「そしたらそのままデートに誘ってしまおう。向こうはプレゼントを貰っている身だし、断ることはないと思うよ」

 「おぉ……!」

 「行き先は……そうだね、誓いの岬辺りがおすすめかな。風景は綺麗でロマンチックだろうし」

 「うん……うん!これならいけそうだよユヅル!ありがとう!」

 

 顔を紅潮させ、興奮気味に感謝を告げてくるベア。どうやら僕の提案はお気に召されたようだね。

 

 「──えっと、それでお代なんだけど……」

 

 しかして一転、赤らんだ顔を不安そうな表情に変えて、彼女は皮袋を取り出した。おそらくお財布だろうそれの膨らみは少し小さめ。これからクインへのプレゼントを買うことも考えると、ちょっと心許なさそうだ。

 

 「役に立てたのならよかったよ。それとお代なら、テキトーな額を払ってくれればいいよ。お気持ちでってやつ」

 「お気持ちで?……うーん……じゃあ取り敢えず、このくらいで!」

 

 言いながら彼女は新しく空の皮袋を取り出すと、膨らんでいる方からそれにモラを少し注いで、テーブルの上に置いた。

 

 「──本当にありがとう、ユヅル!頑張るね!」

 「うん、応援してるよ」

 

 そうして、元気よく去っていくベアを、手を振って見送る。

 

 ベアはうまくやれるかな……?ま、なるようになるか。ケセラセラ、ってね。

 

 「──さぁ、らっしゃいらっしゃい!他に悩みを抱えている人はいないかな?仕事の悩みからプライベートの悩みまで、なんでも相談に乗るよ──!」

 

▼▼▼

 

 「──そうすれば、きっと上手くいくと思うよ?」

 「なるほど、そんな方法が……ありがとうユヅル、とても参考になったよ!はいこれ、お代だ!」

 「まいどー」

 

 もう日も傾き始め、大通りを行き交う人々の姿もまばらになってきた頃。

 本日最後のお客の相談を終えて、ホッと一息。椅子の背もたれに寄りかかり、赤らんだ空を仰ぐ。

 

 いやぁ、想像以上に相談にくる人が多くてびっくりしたよ……。10人くらい?大盛況にも程があるでしょ、悩める子羊多すぎっ。

 もっとも、大半が原作で旅人に相談してたものと同じ内容の悩みだったから、サクサク解決出来たけど……それでも数は多いし、対人業務だから気遣いもしないといけないしで、もうヘトヘトだ。

 

 と、そんな疲労困憊中の僕の元へ向かってくる足音が。はてさて、いったいどちら様かとぐるんと首を横に向けて見やると。

 

 「──ただいま戻りました、ユヅルさま」

 「お、ノエルちゃん。おかえりー」

 

 人助けのためにとどこかへ行っていた天使の──ノエルちゃんの姿が、そこにはあった。

 

 ……うん、天使で間違ってないね、だってこんなにも可愛いもん。そして癒し。見てるだけで疲れがとれていくよ……ああああああ、効くぅぅ……。

 

 そんな風に癒されている僕に、ノエルちゃんが口を開く。

 

 「それでユヅルさま、お仕事の方はいかがでしたでしょうか?」

 「大盛況だったよ。ほらこれ、じゃーん」

 

 身体を起こし、懐から取り出した皮袋をバーンと開けて、中身をノエルちゃんに見せる。中ではギッシリと詰まったモラが、夕日を浴びてキラキラと輝いていた。

 

 「まぁ……!流石です、ユヅルさま!たった半日でこんなに……」

 「おかげさまで、すごく疲れたけどね」

 「それは大変でしたね……お疲れさまです。今お茶をご用意しますね。お砂糖はどうしますか?多め?普通?それともなしでしょうか?」

 「お、ありがとう。そうだね、お砂糖とノエルちゃんの愛情、どちらもたっぷりお願いします」

 「わかりました、お砂糖と愛情、たっぷり──へっ!?あ、愛情ですか!?」

 

 顔を赤くして、あたふたと慌てるノエルちゃんに冗談だと告げてお茶を淹れてもらう。

 

 ゴクリゴクリ、ゴクリンチョ……わっ、美味しい。流石ノエルちゃん、お茶の腕も一流だね。

 

 「──しかしそうなりますと、これからはわたくしの手伝いは必要なくなりますね」

 「……な、なんで?」

 「え?いえ、ガイアさまが言うには、ユヅルさまが働いて収入を得られるようになるまで、わたくしがお側でお手伝いさせて頂くということでしたので……」

 

 「──ですから、ユヅルさまが働いて収入を得られるようになった今、もうわたくしの手伝いは必要ありませんかと……」と、続ける彼女。

 

 ふーむふむ……。

 

 ふむ……。

 

 …………。

 

 そういえばそういう話だったっけぇぇぇッ!!!?

 ヤバい、ふっつーにその話忘れてたんだけど!?え、なんかノエルちゃん、何も言わなくても一緒に居てくれるし仕事の準備とか手続きもしてくれるしやっさしーって思ってたけど……。うん、そら一緒に居てくれるわ!仕事の準備とか手続きもしてくれるわ!だってノエルちゃん、仕事だもんね!ちくしょうッ!

 

 ……しかし、なんで僕はそんな大切なことを忘れていたんだろうか?覚えていたら、取り敢えず一年は仕事を探すふりだけしてノエルちゃんとキャッキャうふふしようとしただろうに……。

 

 ──あ、昨日の夜に『相談屋』を思いついて、これもう勝っただろうって調子乗って酒バカ呑みしたからだわ。たしか、途中まではノエルちゃんがセーフティになっていて、そんなには飲んでいなかったけど、ノエルちゃんが帰った瞬間に樽でいった記憶。そら大切なことも吹っ飛ぶわな……。

 

 ──しかして、狡獪(こうかい)な考えも後悔の考えも今となっては意味もなく。僕に出来るのは、ただノエルちゃんとの別れを待つことのみである。辛すぎて吐きそう。

 

 「ユ、ユヅルさま?お顔がすごいことになっていますが、大丈夫ですか?もしかして、わたくしの淹れたお茶になにか問題が?」

 「いやまさか、ノエルちゃんのお茶はとても美味しかったよ。ご馳走様」

 

 そう言って軽く微笑(ほほえ)──無理だわ顔が尋常じゃないくらいひきつるわ。いやもうほんと、作り笑いも出来ないくらい辛いわ。だってここでノエルちゃんと別れたら、次いつまた会えるかも分からないんだよ?折角出会えたというのに、もう会えなくなるかもなんて、そんなの──。

 

 

 

 

 ──いや、ちょっと待ってよ……?たしかにノエルちゃんと会えなくなるのはバチホコ辛い、辛いけど……本当にそれだけだろうか?得られるのは辛さだけだろうか?むしろ、彼女と会えなくなってこそ、得られるものもあるのではないだろうか?

 一説によれば、会えない時間が二人の絆を強くするなんて言うし……。うん、逆にこれ、もうノエルちゃんと今生の別れくらいの勢いでいった方がいいのでは?そうすれば、僕とノエルちゃんの絆はとてつもなく強固なものとなるはず……は、ず…………うん、なるわけないね。

 

 

 

 

 ──っていうか、更によくよく考えたら、ノエルちゃんって名前を呼べば来てくれる超人だし、会えなくなるとか全然なくない?むしろいつでも会えるみたいなものだし……あれ?こんだけ長々使っておいて、僕の考えてたこと、全くもって杞憂じゃん?じゃん?

 そうと分かると、あんなにも落ち込んでいた気持ちが、みるみる内に晴れやかになっていく。ねぇ、今から晴れるよ?

 

 「──えと、ユヅルさま……本当に大丈夫ですか?先ほどから、顔色が優れないご様子でしたし、今も──あれ?今はそうでもないようですね……」

 「うん、全然大丈夫だよ。心配かけてごめんね、ノエルちゃん。さっきまでちょっとした問題があってさ……でももう解決したから、大丈夫!オールオッケー!」

 

 言いながら、グッとガッツポーズをとってみせる。それを見てほっとした様子のノエルちゃん。

 

 「それは良かったです──はっ、いけません!わたくしとしたことが大切なことを忘れていました!」

 

 かと思えば、何やら大事なことを思い出した様子。いったいどうしたのかしらん?

 

 「ユヅルさまの──相談屋の開業祝いをしませんと!」 

 「……ぇ?」

 

 今、なんて……?

 

 「こうしてはいられません、今すぐ準備に取り掛かります!ユヅルさまは、お知り合いの方を誘ってお待ちになっていてください!」

 「え、あ、ちょっと!」

 

 言うや否やすぐさま駆け出していくノエルちゃん。遠ざかる彼女の背中に、思わず立ち上がって声をかけるも、一足遅く。彼女は角に消えてしまった。

 一人残された僕は、ノエルちゃんの言葉を反芻しながらゆっくりと椅子に沈む。

 

 ──ふーむふむ、相談屋の開業祝いとな?それはつまり、相談屋の開業祝いをしてくれるということかな……。いや、相談屋の開業祝いの可能性もあるのか。あるいは、相談屋の開業祝いかも?

 うーん、メチャクチャ混乱しているんだけど……要するに、ノエルちゃんは、僕の為にわざわざお祝いパーティーを開いてくれるということだよね?会ってまだ一日二日の僕の為に。やー、なるほど……。

 

 

 

 

 

 「え、ノエルちゃん待って優し過ぎない本当に嬉しいんだけどえまじ無理好き死ぬ──」

 

 

 

 

 

 このあと酒場の常連達も誘って、メチャクチャお祝いした。

 

 

 

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