原神ふれんず!   作:コトバノ

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 荒瀧一斗……2リットルで煉獄さんで鬼で水着キャラより露出多くて西川兄貴とか、これもう意味わからないね……取り敢えずVer.2.3楽しみです。アルベドにいったい何があったのか……。

 あ、評価、感想、お気に入りなどなどして頂けると幸いです。


第7話 鹿狩り 『あれぇっ!?』

 

 蛍は旅人だ。

 

 これまで兄の空とともに、幾多もの世界を渡り歩いてきた。しかしこの世界──『幻想世界テイワット』に辿り着いた際に、『天理の調停者』を名乗る神の襲撃を受けてしまう。それにより空が(さら)われ、蛍も今までに得た力を封印され、長い眠りにつくこととなった。

 

 その眠りから覚めた蛍は現在、愛しのお兄ちゃんの、そして彼を拐っていったアンチクショウの手がかりを得るため、お供に海で釣り上げたパイモンという妖精を添えて、テイワットの七神を訪れる旅をしていた。

 そうして最初に訪れたのが、風の神バルバトスが治めるという国、モンド。その国で、色々あって『栄誉騎士』という称号を西風騎士団から授かった彼女はパイモンと共に、今日も街近くの魔物の退治に出向いていた。

 

 今はその帰り道。

 穏やかな風がそよそよと吹きつける中、二人は楽しく雑談に興じていた。

 

 「旅人、おまえはどのタイプのスライムが好きだ?」

 「氷スライムかな。近づくと冷気を感じるから、夏に役立つと思う」

 「実用性で考えるのか……さすがだな」

 「パイモンは?」

 「オイラはどれも好きだぞ!どれも美味しいからな!」

 「美味しい……」

 「スライムをくるくるして、しゃかしゃかして──オリジナルドリンクにすると、『パイモンスペシャル』になるぞ!」

 「そ、そうなんだ……じゃあ、非常食ランキングのパイモンの順位をもう少し低くしようかな?」

 「その順位にオイラを入れないでくれるかぁっ!?」

 「ふふっ、ごめんごめん」

 「まったく、これだから旅人は……──あっ、そういえば旅人、『相談屋』って知ってるか?」

 「『相談屋』……?」

 

 会話が一段落したところで、パイモンが思い出したと蛍に問いかける。その彼女はといえば、どうやらその単語に聞き覚えがないようで、頭に疑問符を浮かべていた。

 

 「おう!最近モンドでよく聞かないか?なんでも、持ち込まれた悩みを一瞬で解決してしまう、凄いやつらしいぞ?」

 「一瞬で……?それは凄いね」

 「だろ?いったいどんな人なんだろうな?」

 「うーん……案外変な人だったりして」

 「おいおい、そんなわけないだろ?きっと、ギューンってしてて、シャキーンって感じの人だと思うぞ!」

 「ギューン……?シャキーン……?」

 「──そうだ!オイラ達、このあと暇だろ?折角だし、その『相談屋』に行ってみないか!?」

 「う、うん、いいけど……パイモン、ギューン、シャキーンって何?」

 「何言ってるんだ?ギューンはギューンだし、シャキーンはシャキーンだろ?」

 「え……?」

 

 ──そして二人は、引き続き会話を繰り広げながらもモンドへと足を進めるのであった。

 

▼▼▼ 

 

 相談屋を始めて三日。

 初日の勢いから多少衰えはしたものの、それでも客足は多く。

 今日も今日とて、僕は相談を受けていた。

 

 「相談だ。俺は西風騎士をしているんだが、この前の龍災で、屋外に置いたポスターや告示板のいくつかが城壁や屋上に飛ばされてしまったと多くの商店から言われてね……。早いところ片付けたいんだが、如何せん詳しい場所が分からないんだ。人手不足だったり俺の腰の問題もあるから、あまり探し回ったりせずに発見したいんだが……何か良い方法はないだろうか?」

 「ポスター……告示板……──ああ、『暴風の後の問題』か」

 「暴風の……なんだって?」

 「いや、こっちの話さ。えーっとそれで、ポスターと告示板だっけ?数はポスター三つと告示板一つで合ってる?」

 「あ、ああ、そうだけど……」

 「なら『鍛冶屋』と『モンドショップ』、『騎士団本部』の東にある家の、それぞれの屋根の上にポスターがあるはずだよ。告示板は『エンジェルズシェア』の北の城壁にだったかな」

 「そ、それは本当か!?」

 「うん、ホントホント。ユヅルくん、嘘ツカナイ」

 「いや急に胡散臭くなったな……まぁ取り敢えず、そこら辺を探してみるよ。ありがとう!」

 

▼▼▼

 

 「相談だ。数ヵ月前から、急に抜け毛がひどくなったんだ。家に鏡がないからか、ずっと気付いてなかった。うちは犬や猫を飼ってるから、その抜け毛だと思っていたんだ。けど……風魔龍が襲ってきた時に、頭が涼しくてね、それで気付いたんだ。後輩が話してきた時、直視してくれないのはこれが原因か?見た目を気にする歳ではないけど、どうしてかすごい悩むんだ……どうすればいいだろうか?」

 「なるほど抜け毛が……うん……いっそ全部抜けば?」

 「え?」

 「いやだから、スキンヘッドにしちゃえばいいじゃん。楽だしかっこいいよ?それに明るい男はモテるっていうし」

 「いや明るい男の意味違くない?」

 

▼▼▼

 

 「そ、相談です。私、花屋でバイトをしている普通の女の子なんですけど、し、慕っている人がいるんです。その、名前は言えないんですけど、とっても素敵なお方で……。でも、私とあの人じゃ住んでる世界が違くて、出来ることといえば、いつか会えることを願うくらいなんです……けど、本当にあの人のことが好きなの……いったいどうすれば……?」

 「最後まで……希望を捨てちゃいかん。あきらめたらそこで試合終了だよ」

 「相談屋さん……!」

 

▼▼▼

 

 ──さてもさても、続々と持ち込まれる相談を片付けていき、客足も落ち着いてきたお昼頃。

 お腹の空きを覚えた僕は、『鹿狩り』の受付けのサラちゃんに、ランチの注文をしていた。

 

 「──サラちゃーん、注文いい?」

 「はい、構いませんよ!」

 「おっけー……じゃあ、トゥーゴーパーソナルリストレットベンティツーパーセントアドエクストラソイエクストラチョコレートエクストラホワイトモカエクストラバニラエクストラキャラメルエクストラヘーゼルナッツエクストラクラシックエクストラチャイエクストラチョコレートソースエクストラキャラメルソースエクストラパウダーエクストラチョコレートチップエクストラローストエクストラアイスエクストラホイップエクストラトッピングダークモカチップクリームフラペチーノ一つで」

 「なんて言いました???」

 「『完熟トマトのミートソース』一つ、と……」

 「絶対言ってませんでしたよね!?」

 

 サラちゃんとの会話もそこそこに、いつものテーブルに戻って、料理が出来上がるのを待つ。

 

 『完熟トマトのミートソース』まだかなー。僕、ソースが先に無くなっちゃって、パスタの麺だけが異様に残ってしまうあの現象が死ぬほど嫌いなんだけど、この料理だとミートソースが最後までたっぷり残ってくれるから、めっちゃありがたいんだよね……この感じ、分かる人いるかな?

 あ、ちなみにそれと同じ理由で、カレーライスのルーが先に無くなっちゃってライスだけが残ってしまうのと、チーズフォンデュのチーズが先に無くなっちゃって具材だけが残ってしまうのも嫌いだ。ほんとどうにかなんない?あれ。残されたもの達の気持ちもちゃんと考えてほしいんだけど。その点トッポってすげぇよな、最後までチョコたっぷりだもん。

 などとくだらないことを考えつつ、ボケーッと目の前の通りを行き交う人々を眺めていると。

 

 「──おい、あれ!あの人がそうじゃないか?」

 

 往来の喧騒の中、一つの声が耳に入ってきた。

 どこかの恋愛頭脳戦を繰り広げるお嬢様がポンコツ状態に陥ったときのような、可愛いらしい声だ。

 

 その声の方へ視線をやると、そこには、ふよふよと浮かびながらこちらへ向かってくる妖精とそれに続く金髪の少女の姿がおかわわわわわわわ!!??えっ、可愛い待って無理マジ可愛い超可愛──はっ、危ない!二人のあまりの可愛いらしさに一瞬思考回路を持ってかれていた……気をつけなければおかわわわわわわ!!??駄目だ、可愛さに抗えない!!

 

 そんなこんなで脳みそが可愛いらしさに蹂躙されているうちに、気付けば二人は僕の対面へと距離を詰めており。

 やがて、金髪の少女──蛍ちゃんが、その口を開いた。

 

 「こんにちは。少しいい?」

 「一年くらいなら……」

 「そ、そんなには時間はとらせないよ……ちょっと聞きたいことがあるだけ。ね、パイモン?」

 「おう!」

 「聞きたいこと?僕に?」

 「うん。……あ、そういえば自己紹介がまだだったね。私は蛍、旅人だよ。で、こっちが非常食のパイモン」

 「そうそう、オイラは非常食の──って違うだろ!」

 「ふふっ、ごめんごめん」

 「まったく……──って、お、おい、どうしたんだおまえ!?」

 「な、泣いてるの……?ど、どうして……?あれ、でもちょっと笑ってる……?」

 

 目の前で繰り広げられる、あまりにも尊みMAXの絡みに、我慢出来ずに涙が頬を伝わり、口角が自然と上がっていく。

 

 おお……尊い……まじ尊い……尊いに震えて涙が止まらない……尊震涙止(そんしんるいし)……ここが……ここが天国ですか……?

 

 「だ、大丈夫か?どこか具合でも悪いのか?」

 「『西風教会』のシスターでも呼んでこようか……?」

 「お気になさらず(号泣)」

 「気にするだろ、オイラたちが泣かせたみたいじゃないかっ──!!」

 

▼▼▼

 

 「──失礼、少々取り乱してしまったね。改めて、僕はユヅル。相談屋だ」

 「あれで少々なのか……?」

 「控えめに言って、感極まってたと思うけど……?」

 「少々だね」

 

 僕の対面に蛍ちゃんが座り、彼女の肩ほどでふよふよとパイモンちゃんが浮かぶ形で、いつものテーブルを囲む。卓上には、僕が注文した『完熟トマトのミートソース』に加えて、彼女らが注文した『大根入りの野菜スープ』や『鳥肉のスイートフラワー漬け焼き』、『満足サラダ』など、様々な料理が所狭しと置かれていた。

 

 「──けど、やっぱりおまえが相談屋だったんだな。オイラの睨んだ通りだったぜ!」

 「ん?相談屋を探してたのかい?何か悩みごとでもあったのかな?」

 「ううん、そういうわけじゃないよ。ただパイモンがどうしても会ってみたいって言うから、探してただけ。私もちょっと気になってたしね。……ところでユヅルは、自分自身をギューンってしてたり、シャキーンって感じの人だと思う?」

 「よくわからないけど、僕はどちらかというと借キーンしてる感じの人だよ」

 「借金してるんだ……」

 

 してるんだよね、西風騎士団にモラ一袋分。というかどうしよう、返す目処、全然立ってないや……。おかしいな、ここ数日で稼いだお金はいったいどこへ行ったのかしら?(ヒント:エンジェルズシェア)

 

 ……うーん、しかし。

 

 しかしこの状況、よくよく考えなくても非常にまずいよね……。前にも考えたことだが、主人公である彼女と関わるということはすなわち、その彼女から敵視される危険性を孕んでいるということと同義なのだ。なぜなら僕は、彼女の探す『神』やお兄ちゃんの情報を少なからず握っており、そしてそれらを隠し通せるほど嘘も得意ではないからだ。故に、興味を持たれないよう、なるべく関わらないようにするという結論に落ち着いていたわけだけど……。

 

 「なぁなぁユヅル!持ち込まれた相談を一瞬で片付けてるって本当なのか!?」

 「さっき借金してるって言ってたけど、相談屋って儲からないの?」

 

 すごい興味をもたれちゃってるぅ……関わっちゃってるぅ……なんでぇ……?やっぱり二人の姿を見たときに逃げておくべきだったのかな……?でもあのときは二人の可愛いらしさで脳がやられてたから、そんなことは考えてられなかったんだよね……。可愛いってほんと罪。

 

 ──何はともあれ、既に起きてしまったことは後悔してもしょうがない。大切なのは、これから──つまり、僕が彼女の欲しい情報を持っていることがバレなければいいのだ。よし、そうと決まったら、ここは早めに話を切り上げてとんずらするべきだね。長く話せば話すほど、仲良くなればなるほど、秘密というのはバレやすくなってしまうものだから。

 

 と言うわけで僕は、二人の質問に答えつつ、席を立つ機会をひっそりと伺い──三時間ほど会話を楽しんだ(のち)、今度遊ぶ約束もしっかり取り付け、探索に出向く二人を笑顔で見送ったのだった。

 

 ……あれぇっ!?

 

 

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