原神ふれんず!   作:コトバノ

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 もし主人公がウェンティと付き合うことになった場合、主人公ははたしてノンケなのか、ホモなのか、あるいはビアンなのか……それを考えてた結果、更新が遅れてしまいました、すみません。

 ──もちろん嘘です。シンプル文が書けなかっただけ。

 あと、毎度のことだけど、感想やら評価やらよろしくっ!




第9話 風立ちの地 『誰か氷元素使った?』

 

 『風と牧歌の城』。

 

 そう呼ばれるモンドの名物といえば、りんごにお酒、そして吟遊詩人だろう。

 

 専用の弦楽器──ライアーを爪弾き、人々が知らぬ世界を唄う。

 

 ウェンティはそんな吟遊詩人の一人であって、また、同時に風元素と弓とを操るプレイアブルキャラの一人でもある人物だ。

 性格は自由奔放で、イタズラ気質の面も時々姿を覗かせる。そして無類の酒好きであり、モンドの街中をふらつきながら歌を披露することで、日々の酒代を得ているそうな。といっても見た目が見た目なだけに、お酒を売ってもらえなかったことも結構あったとか。

 

 ──とまぁ、いかにもモンド人といったプロフィールをもつウェンティなのだけど……。

 

 

 

 「……えっと、そんなにジッと見つめて、どうかしたのかい?もしかして、ボクの顔に何かついてたりするかな?」

 「いや、顔に何かついてるのかっていうか……むしろこちらとしてはナニはついてるのかって感じなんだけど……」

 「???」

 

 

 

 大樹の木陰、キラキラと輝く蝶々──風晶蝶が舞っている中。

 

 剥き出しになっている根っこに、三人並んで腰かけた僕たちは、楽しくおしゃべりをしていた。

 

 「──ちょっとユヅル、初対面の相手なんでしょ?だったらいきなり変なことは言っちゃダメじゃない。自己紹介が先だよ!」

 「おっと、ごめんごめん。アンバーの言う通りだね。あらためまして、僕はユヅル。よろしくね」

 「わたしはアンバー、西風騎士団の偵察騎士だよ!」

 「ユヅルにアンバーだね?ボクはウェンティ、自由気ままな吟遊詩人さ。よろしく」

 

 言って、首を少し傾け、こちらに微笑んでみせるウェンティ。は?好き。

 

 一瞬で恋に落ちた僕をおいて、アンバーとウェンティは会話を続ける。

 

 「ねぇねぇ、さっきあんたが演奏してたのって……」

 「『風、勇気と翼』っていう有名な童話だよ」

 「やっぱり!わたし、あの童話大好きなんだ!」

 「おや、そうなのかい?ふふっ、キミはなかなか見る目があるみたいだね。いや、聴く耳と言った方がいいのかな?」

 

 盛り上がる会話。そういえばこの2人って、両者ともモンドで活動しているけれど、原作だとあんまり絡みはなかった記憶……なんでだろう?ストーリーの都合上と言ってしまえばそれまでだけど……。

 

 「ユヅルは何か、好きな童話はあったりするのかな?」

 「お、僕?僕は……んー、なんだろうなぁ……『イノシシプリンセス』とか?」

 「えー……あれが好きなんだ……」

 「ユヅルは随分と……うん、個性的な趣味をしているみたいだね」

 

 僕の言葉を聞いて、少し引いた様子のアンバーとウェンティ。いやまぁ、確かにそういうリアクションになってしまうのも納得の内容なんだけどさ……こう、話のスピード感的なのが結構好きなんだよね。洋画みたいでさ。

 あ、もし、気になった人がいたら、ゲーム内のメニュー画面の図鑑を開くと出てくる、書籍のところから読めるから是非一読を!

 

 「──まぁ、もし何かボクに演奏してほしい童話だったり詩だったりがあったら、遠慮なく言ってもらって構わないよ。当然、貰うものは貰うけどね。エヘヘ」

 

 と、どこかに怪電波を送っていると、なんとも気になるウェンティのセリフが。貰うものは貰う……ふふっ、モラだけに貰うってか?(激ウマギャグ)

 ……あれ、なんか寒くなってきたな。誰か氷元素使った?

 

 「あ、じゃあじゃあウェンティ、今度暇なときにでいいから、『風、勇気と翼』を最後まで聴かせてよ!」

 「うん、いいよー。……ユヅルの方は何かあるかい?『イノシシプリンセス』の演奏は生憎出来ないけど……」

 「そうだね……」

 

 ウェンティからの問いかけ。それを受けて、少しの間思い悩む。

 

 むーん、聴きたい演奏かぁ……そうは言われても、こっちの世界の有名な詩なんて全然知らないし……なんかあったっけ?うーん……あ。

 

 「──風魔龍の詩」

 「うん?」

 「そうだよ、僕、風魔龍の詩聴いてみたいわ」

 

 風魔龍の詩。それは、メインストーリーを進めていけば、否が応でも聴くことになる詩の一つだ。

 内容は、どうやって風魔龍は現れたのか、どうして風魔龍は風神バルバトスに仕えていたのか、などといった、彼の過去についてのもの。

 ゲーム内でも随分と気合いの入った演出をされていたその詩が、こちらの世界だとどういった演奏になるのか……わたし、気になります!

 

 「トワリンの──風魔龍の詩が聴きたいのかい?奇遇だね、それなら丁度明日、広場で演奏する予定だったんだ。時間があったら聴きに来るといいよ」

 「おっけー、了か──むむ……?待って、広場?」

 「ん?うん、広場だよ」

 「広場って、教会前の、でっかい風神像のあるあの?」

 「その広場だね」

 

 その広場かー……うーん、教会前の広場で風魔龍の詩の演奏……これはもしかしなくても、原作イベントのあれでは?蛍ちゃんから聞いた話とも時間の整合性はとれるし……。いよいよ原作始まっちゃう感じ?だとしたら今後の動きも変わってくるんだけど……。

 

 「──ユヅルはさっきから随分と広場を気にしてるみたいだけど……何かあったのかい?」

 「ん?いや、別に広場で何かあったってわけじゃないよ。強いていうなら、アンバーに押し倒されて秘密の関係になったくらい」

 「広場で何してるんだい!?」

 「ご、誤解だよ!ユヅルも変な言い方しないで!」

 「え?いやでも事実だし……」

 「そうだけどっ!」

 「いやっ、えっ、事実なのかい!?さ、最近の若者はすごいんだね……」

 「待って、違うのウェンティ!たしかに事実なんだけど、事実じゃなくて……」

 

 驚き、年寄り臭い感想を漏らすウェンティに、何やら浮気がバレた妻みたいな弁解を始めるアンバー。そんな2人をおいて、僕は1人思考の海へ。

 

 ──たしか今が、第1幕が終わっての幕間だから、始まるとしたら第2幕から。そしてその第2幕は、ジンが、テイワット大陸にある7つの国の1つ、氷の国──スネージナヤの、『ファデュイ』と呼ばれる外交団の使節の1人と話してるのを、主人公が見かけるところから始まるんだよね。

 

 そんでもって、この『ファデュイ』という組織、実は、各国に貸しを作ったりすることで合法的に外交圧力をかけつつ、その裏でも色々と策謀を巡らせて、二段構えで国を奪おうと画策しているヤバい奴らだったりする。当然モンドもその対象で、今現在、代理団長として国を預かっているジンに、『ファデュイ』は何度も脅迫に近い交渉を持ちかけていた。

 

 で、さっき言った通り、丁度そのシーンを主人公が目撃、「どしたん?話きこうか?あーそれは『ファデュイ』が悪いわ」って感じで、モンドの未来を巡る物語が動き出していく……ってのが第2幕の出だしだったはず。

 そっから主人公は、広場でウェンティの風魔龍の詩を聞いたり、緑のタマタマと戦ったり、逃走中を繰り広げたり……ってな具合で、モンドを東奔西走するわけだけど、まぁそれは主人公──蛍ちゃんに頑張ってもらうとして。

 

 問題はその先。

 

 第2幕を終え、第3幕。『風龍廃墟』と呼ばれる場所で、主人公は数名の仲間とともに、いよいよ風魔龍との決戦に臨むのだけれども──その裏で。

 市民が大勢住まうモンド城に、魔物が一斉に襲撃を仕掛けてくる事件が起こるのだ。そう、僕の拠点でもあるモンド城に。

 

 ……うん……ヤバくない???ヤバいよね???ごっつヤバいよね???正直僕、今からでも結構ビビってるよ???

 

 ……いや、分かってるんだよ、そこまで心配する必要がないってのは。原作でも、アンバーたち西風騎士団の尽力で、街に大した被害は出なかったって言ってたし、ついでにいえば、モンドにはいくつも隠し玉があるわけだし。

 

 けど、それはそれとしてさ……怖くない?万一ってことがあるかもしれないし、そうでなくても、もし襲撃が起きたら、たった城壁一枚を隔てた先で沢山の魔物が暴れまわるんだよ?そんなのもう……怖いじゃんッ!!(語彙力の欠如)

 

 しかもしかも、襲撃(それ)が起こるのを知っているのに、情報源が情報源だけに下手に吹聴してまわるわけにもいかないから、ろくな備えも出来ないというね……。ほんとにどーしよっか……。適当な理由──カバーストーリーでもあったら、何かしらの魔物向けの対策が準備出来るんだろうけど……そんなのあるかな……?むむむ……そうだね、例えば、「そうやればよかったんだ!すごい!」さんのパパンを見習って、冒険者協会に剣術練習用の杭を用意してもらう依頼を出して、それを防衛用に流すとかはちょっとありかも。そこそこ筋は通ってるし。──まぁでも、依頼用のお金、ないんですけどね^ ^。

 

 あと他には……防衛時の西風騎士団のメンバーを増やすとか?たしか西風騎士団の何人かは、常にモンド城外で見回りやら遊撃やらをしているはず。その分をどうにか防衛に持ってこれたら結構戦力になると思うけど……でもそのせいで別の場所に何か問題があったら駄目だしなぁ……。

 

 或いは、他国の腕利きだったりをどうにか呼び寄せて防衛に参加してもらうというのも思いついたけど……来国して数日で騎士団と連携をとるのは実際問題不可能だろう。もしかしたら、邪魔にすらなる可能性もある。

 

 だとしたら他には──…………うん、考えるの面倒臭くなってきたな。

 

 ぷっちんと集中の糸が切れた僕は、そこで考え込むのをやめにして。

 

 未だ混乱の最中にあるウェンティと、弁明を続けているアンバーをからかうことにした。

 

 「──ところでアンバーの身体、結構軽かったけど大丈夫?もうちょい食べた方がいいんじゃない?」

 「アンバーの体重を知って……やっぱりキミたち、そういう関係なのかい!?だ、だとしても、広場でってのは流石に……」

 「ちょっ、ちょっとユヅル!折角あと少しで誤解が解けそうだったのにぃ……もぉっ!」

 

 そうして、なんだか面白いことを言い出したウェンティと、ぷんすこしているアンバーを、適当になだめつすかしつ、お昼ご飯に。

 

 ──この先どうなるかは分からないし、不安なことも多々あるけれど……蛍ちゃんがいるし、西風騎士団やウェンティ、その他つおい人も沢山いるから……まぁ、なんとかなるよね!

 

 

 

 

 

 ……なるよね???

 

 

 

 

 

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