「コホン、改めて此処に王都聖杯戦争の開幕を宣言させていただきます。」
「正しき皇帝を決めるため、帝国復権のため、我ら魔術師一同、ローマのためにこの血を捧げることを此処に宣言いたします!」
その声と同時に壇上とその他から4つの令呪が発動される。
「令呪による強制命令権の反転……セルフギアスロールか。まあ、勝手にしていろ」
マスターが何やら呟いておられるが……うむ?令呪を使ってマスター自身が自らの行動を縛っているということか??!なんじゃ、それは!?どういうことなのじゃ!?
「では、宣言も済みましたので開戦の挨拶も此処までに次は開幕戦に移るわけですが…………」
ソッと壇上の衿沙がマイクを構える。
「「「「平伏しなさい、我がアーチャーこそ唯一にして絶対の皇帝よ」」」」
音が響き渡る。
脳の奥底に語りかけてくるような目の前の世界が揺れていく。アーチャーこそが、真の皇帝、な、の、……
『GRAAAAARARRRRRAAAAa!!!!!!』
爆発にも似た轟音。咆哮が打ち鳴らされる。
キーーーーーン
しばらくの静寂ののちに音が戻ってくる。
「二千恵の娘よ。戯れがすぎるぞ?」
「チッ、やはりこの程度では終わらないか」
「おいおい、合唱コンクールじゃねーんだぞ」
「なんだもう終わりか?もっと、その美声を聞かせてはくれないのか?」
アレ?ワシだけ?マスターはなんか変だし。あっいやあの弱そうな坊主もまだ空な目をしておる。
「流石ね、お歴々方。では、開幕戦は以上ということでいいかしら?こんな衆目の元でサーヴァントを晒したくないでしょ?」
「おいおい、嬢ちゃん!黙って聴いてれば寂しいことを言うじゃないか!この俺が隠れているわけないだろ!」
衿沙の横には、“快男児“が立っていた。
「よう!ローマ皇帝じゃないが!俺が治めてやる任せておけ、“俺が来た!“」
「…………ローマ皇帝の触媒を使わなかったのか?」
「バカ女がよぉ」
「・・・・・・・煩い!アーチャーなぜ出てきたの!」
「何故って、ここは皇帝が集う場なんだろ?是非、会ってみたかったんだよぁ!」
衿沙は、どうすればいいの!といった視線を従者二人に向けるが首を横に振られる。
「見たところ、武人の気配を感じるな」
「皇帝で武人、クラスがアーチャーとくれば……」
御三家がアーチャーについて考察をしているのぉ……、しかし、あの咆哮はあの“竜“の御仁が?
「ん?あぁ、俺の真名は『ナポレオン』フランスの皇帝だ!」
あっ!馬鹿がおる!
「そうか、俺はキャスター……真名を『ランダ』のマスターだ。よろしくな、アーチャー」
あっ!此処にもバカがおる!
「って、何を勝手に真名バラしているのですか!?」
慌てて霊体化を解く
「何、挨拶に答えただけだぞキャスター」
ニタリと意地の悪い笑みを浮かべマスターはワシを嘲笑う。
あっ、此奴100%嫌がらせじゃなこの顔!今ここで呪い殺そう!
「(何、ちゃんと考えている。信じろ)」
念話をサラッと飛ばしてきとるが絶対にこの顔はそのようなことは考えておらんじゃろ
しかし、う〜む、まだ底の見えぬマスターであるからに……、ぐぬぬ……
「(わ、わかり、まし、た、の、じゃ……)」
「おう、アンタがキャスター『ランダ』か!よろしくな!」
バカが話しかけてきよるもう嫌じゃ此処……はよ、帰りたい。
一瞬、衿沙と呼ばれている娘と目が合い、共感の感情を共有した。