団子食えよ   作:一億年間ソロプレイ

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ヘキが高じて書いてしまった……
ハイテンション系主人公なので注意


安穏転生編
転生しちゃった件


 バイトした金で念願のモンハンラ○ズを買った。機体は他ソフトを遊んだ際に買ったので大丈夫。後はソフトだけの問題だった。

 中古ゲーム屋から出た今、俺はやっと流行りのライ○への道を手にしたのだった。

 噂によると受付嬢はとても可愛く、受付嬢がとても可愛く(大事)、里の皆が優しいという。理不尽な相棒にアイルーを寝取られたりもせず、調査調査調査続きの新天地からやっと脱却できるのだ。

 ○イズの舞台ともなるカムラの里でのハンター生活に胸を膨らませ、赤信号の横断歩道で待っていた。

 

(くぅ~。噂によれば犬も同伴可能って言うじゃん。歴代の料理枠である団子と団子を作ってる女の子も可愛いらしいし……。はぁ~……カムラの里早く行きてぇ!)

 

 早く赤信号変われよ。

 

 そう思った時、なんでか地面のコンクリが見えた。

 

(あれ、もしかして……)

 

 次の瞬間、体を強く打ち付ける痛み。悲鳴のような声が聞こえてきた。

 滅茶苦茶痛いんだけど……。声に出せん。

 

(あ……)

 

 眼前に手に持っていた筈のビニール袋。そこからソフトがはみ出していた。

 

(これ……。俺、死ぬのか……? なんか寒いし)

 

《確認しました。対寒耐性の獲得……成功しました》

 

 

 な に そ れ ?

 

 

 なんか、考えがぼやけてる。でも多分、俺は死ぬっていう確信がある。

 今まで育ててくれたとーちゃんかーちゃん、それからねーちゃんありがとうございました。

 なんちって。

 最後くらい恨み言言っていい? 流石に高校生になってまでねーちゃんの過干渉ぶりはキツかったです。

 輪廻転生っていうのがあるなら、今度は干渉されずに生きてみたい。

 

《確認しました。■■能■『干渉拒絶』獲得……成功しました》

 

 つーか、さっきから流れる声は誰よ。あれかな、死後願いを叶えてくれる女神様とか?

 じゃあお願いしたいんだけどさぁ……。カムラの里でお団子作ってくれる女の子って誰だった? 最後にあの子のことちゃんと知ってから死にたい。ウ○キ知識でいいから。

 

《確認しました。ユニークスキル『団子者(ダンゴノモノ)』を獲得……成功しました》

 

 おいなんで団子の部分だけ聞き取った? こいつポンコツか?

 俺は! 団子の女の子のこと知りたいって言ってんだよ! ライズで知ってるの受付嬢とか琵琶法師くらいだけに抑えてたんだよ! ネタバレ嫌いだから! でも死ぬならもうネタバレ解禁だから!

 

《確認しました。ユニークスキル『琵琶法師』の獲得……成功しました》

 

 おいおい待て待て待て。なんで琵琶法師だけ聞き取ってんだよ。受付嬢のとこか団子の女の子のとこで聞き取れよ本当に何なの???

 

 ……よし、物は試しだ!

 

 女神様! 植物を操るスキル下さい!

 

《確認しました。植物に関するスキル検索を開始……ユニークスキル『栽培者(ソダテルモノ)』の獲得……成功しました》

 

 

 ――――なんでこれは通るんだよォォォ!!!

 

 

 じゃあ団子の女の子について知らせてくれたっていいじゃん!

 なんでそこは頑なに教えてくんないんだ!

 ふん、もういいんだ! こうなったら俺は適当に注文させてもらうぜ!

 

 女神様! 俺を宝くじ毎回引けば一等当たるぐらいに幸運にして下さい!

 

《確認しました。エクストラスキル『幸運』の獲得……成功しました》

 

 次は……俺の体、龍にして下さい! なんかいい感じの!

 

《確認しました。これまでのスキルを発揮できる肉体を生成中。――思考検索、サルベージ完了。竜種に類する肉体の生成……成功しました》

 

 えっ、嘘でしょ。適当に願ったのが叶っちゃった?

 あ、今の嘘! 嘘です! 人間が良いです! あのやっぱにんげ――――

 

 

 

 

 

 

 大変なことになっちまった。

 俺の体、イナガミになっちまった。

 強制シャットダウンから目覚めてから急いで水場で確認したが、間違いない。モンハンラ○ズではなくモンハンフ○ンティアのイナガミだ。

 

 は???

 

 なんでイナガミ? 竹を生やして眠り攻撃出来るだけの古龍種ぞ?? これならもっと派手なハルドメルグとかのが良かったんじゃが???

 あれか? スキルが悪かったのか? もう何もわからぬぇ……。

 俺が目覚めた場所、誰もいない竹林だし。辺りざっと探してもだーれもおらんし。何なんだよ……。

 多分車? だよな? 車で事故って古龍に転生ってなんだよ。どこのラノベだよ。

 俺はラノベが読みたかった訳でも、既にサービス終了したフロンティアがやりたかった訳でも無く、ただモンハン○イズがやりたかったんじゃい!

 苛立ちに反応してか尻尾がびったんびったん動く。落ち着けよ。

 

 はぁ……。そういや、スキルとかなんとかって言われてた様な……。

 何だっけか。聞き取れた感じだと、団子者(ダンゴノモノ)、琵琶法師、栽培者(ソダテルモノ)、幸運……だっけか。後最初の方になんか防寒耐性みたいなことも言ってた気がする。

 ちょっと並べてみても意味が分からない。

 栽培者(ソダテルモノ)は……適当に植物を生やすスキル下しゃぁ! って言ったから何となく分かるけど、その前二つ。団子者(ダンゴノモノ)、琵琶法師だよ。何なんだよこいつ等。

 スキルってことはなんかの能力みたいなものがあるのか? 全っ然想像つかないんだけど。

 

《ベンベケベンベンベン…………》

 

 は? なんか頭の奥から琵琶の音がするんだけど。

 

《星の王者ァ~ 来たれりィ~》

 

 

 なんだこのおっさんの声!?

 

 

 いや、琵琶法師の声だコレ!?

 

 

 それに凄く体がひり付く感じがする。圧? みたいなのも感じる。

 な、なんだ。一体何なんだよぉ!

 

《ベベン……》

 

 途端に感じる風圧。目の前に大きく広がる翼と体。――さっきの琵琶法師が言っていたような、星。それを体現しているような存在感。いや存在感ってなんだよって言われてもそうとしか言えん。

 

「やぁ。随分と探したよ」

 

《あれぞこの世の王者ァ~ 星王竜が参られたァ~》

 

 なんか……凄そうな名前のドラゴン来ちゃった!

 ふむふむと言った感じでぐるりと瞳を動かして俺を見つめてきた。怖いんですけどぉ!

 

「……喋れないのかい?」

「いやいや、竜が喋れる訳がないんだよなぁ…………」

「喋れるじゃないか」

 

 本当だ!?

「改めてよろしくね兄弟」

「兄弟って……。俺と……アンタ……貴方が?」

「うん。今まで竜種は僕しかいなかったんだけど、君が生まれたことで世にいる竜種は二体になったよ」

「よく分からんのだが???」

 

 なんかさらっと凄い事言われて許容しきれなかった俺に、ヴェルダナーヴァと名乗り兄を自称するドラゴンは丁寧に教えてくれた。

 何度か聞いて分かったことだけど、この……俺が立ってる世界はなんと目の前のヴェルダナーヴァが作ったそうだ。

 アイエエエ!? と驚いたが、なんとなく作れそうなオーラは感じる。なんか鱗からヒシヒシと王者的なオーラは感じる。でも信じがたい。そういう設定を話す年頃か……?

 それを裏付けるように星幽体(アストラルボディ)精神体(スピリチュアルボディ)肉体(マテリアルボディ)の三つに分けられていて竜種はこの精神体(スピリチュアルボディ)をメインに動く精神生命体っていう設定も話してくれた。俺、もうこの時点でイミフ過ぎて頭パンクしそう。

 それから何気に気になっていた"スキル"とやらについても話してくれた。

 

「スキルは共通能力(コモンスキル)、エクストラスキル、ユニークスキル、究極能力(アルティメットスキル)の四つに分かれていて、自らの感情や願望が形となって魔素に働きかけ――――」

 

 あんまり分からなかった。

 

 でもヴェルダナーヴァの喋りは止まらない。

 なんとなくだけど、世界を作ったとか言うからスキルとかも自分が作った設定だから他人に喋り倒したかったとかかな。

 はえー……すっごと赤べこの様に首を縦に振っていたが、突然ヴェルダナーヴァが「あ」と声を出した。

 

「君に名前はあるのかい」

「名前ぇー? ……名前でしょうか?」

 

 今日出会ったばかりの不審な竜に名前名乗るとか無理。本名の四方山(よもやま)(たまき)以外で……うーん、あ、イナガミとか?

 良くね? 偽名としてもいいんじゃね? 早速採用俺天才!

 

「イナガミって名前はあるよ……あります」

「へぇ。イナガミ、あまり聞き慣れない名前だね。それは種族名かい?」

「そんな感じッス……です」

 

 

 一瞬の沈黙。

 

 

「気軽に話してくれていいよ? 聞き苦しいから」

「アッハイ」

 

 なんか王とかつくほど偉いドラゴンっぽいだから頑張って敬語で話そうとした結果がこれだよ……。

 直々に聞き苦しいってお前……はい、俺が悪うござんした……。

 

《哀れ~》

 

 は!?!? 琵琶法師に煽られたんじゃが!?

 

「うーん、イナガミ。そのままでも良いけれど、兄弟としては共通の単語が欲しくもある。良し、今日から君はイナヴェルだ」

「どういうこったよ」

 

 初めて会った竜から勝手に名前変えられた件。はー、こいつスゲーな。初対面の竜に兄弟呼び&世界を作ったとかいう話してから自分の名前の一部を付けた軽い感覚の名前付け。

 うーん……の後から何があったんだよっていう感じ。まるでペット感覚だな。

 

 ……俺はペットじゃぬぇ!

 こんな厳つい顔のペット嫌だわ!

 

「いやすまないね。何だか浮かれてるみたいだ。これから色んな種族を生み出そうと思った矢先に君の出現だ、嬉しくない訳がないよ」

「えぇ……」

 

 なんかしれっと色んな種族を生み出すとか聞こえたけどきっと気のせいだよね。

 でも何だか歓迎されてる感じっぽい? それは嬉しい感じはするし、なんか話の出来る人? 竜がいるのはいいかもしれない。

 

「そう言えばイナヴェル、魔素の扱い方が分からないのかい」

「なんだよ魔素って」

「…………」

《(頭が)哀れ~》

 

 ……的確にイラっとさせる琵琶法師の声と少し呆れた様なヴェルダナーヴァの目が痛かった。

 なんかね、確かに魔素とか説明を受けた気はするけどあんまりよく分からないっていうか。というか、我ここへきて一日目ぞ? そんな簡単に分かる訳、ア゜ーーー!!!

 ぶちましたわねヴェルダナーヴァ! 親父にもぶたれたことあるけど!

 いやそれよりも視界がやけにカラフル!

 

「これで少しは魔素が分かる様になったと思うけど……」

「な、なんかカラフルなのが魔素ってやつ……?」

「そう、今の君はその膨大な魔素が流れっぱなしなんだ」

「あらやだ恥ずかしい」

「流れを抑える様にしてごらん」

 

 抑える……? 魔素が流れっぱなしだってヴェルダナーヴァは言ってたよな……。

 イメージ的には蛇口の水を出しっぱなしってことか? ダメじゃん! 早く閉めなきゃ姉に絞められる(恐怖)

 こう、キュッとな!

 

「出来るじゃないか。この調子で人化まで行こうか」

「人化ですとな?」

「そう、竜形態から人間形態になっておくと色々と融通が利くからね」

 

 そう言ってヴェルダナーヴァの姿がすっと人間に変わった。

 ヤベェ! マジヤバ! 魔法じゃん!

 

「はいはい! 俺もなりたいです!」

 

 尻尾と動きで大主張した。だって人間になれんのいいじゃん! あの女神様も優しいもんやな!

 

「人化するにはより正確で高度な魔素の扱いが必要だけど……。でも君なら大丈夫だよね」

「なんか知らんが頑張るわ!」

 

 ハハッ! これは転生ガチャ勝ったな! 風呂入ってくるわ!(無い)

 

 

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