また失踪する予定ですノシ
追伸
フェルドウェイの容姿とか神祖のこととか聞いてねーよヴェルダナーヴァお前ホントなんなんだよ!!!!!
おかげで元々作ってあったプロットの内容ゴロっと変更せざるを得なかったゾラねぇ!!
もうそれと生活で色々疲れちゃってェ……、執筆もできなかったというかァ……。
全部転スラのリムル勢力以外にあるフレーバーストーリーが悪いです。
特に神祖、お前ホントなんなの?
20巻以上もあってこれだけ情報ふわっふわなのホントになに???
それはともかくみっつばー氏による立ち絵を見せろ、今すぐにだ
適度に育てた稲の苗を優しく取り、水を張って栄養に富んだ柔らかな土に植え付けていく。着物の裾や袖はたすきなどで上げて、やたら長い髪もまとめることで作業の邪魔にならない。
一つ一つ、今までよりも思いを込めて苗を植えていく。こういう時、どういう思いを込めればいいのか分からなかったんでひとまず『美味しくなりますように』的な感じで植えていってる。
ぬかるんだ土の中を歩くのは難しいが、それも何度も何度も繰り返して慣れてきた。苗が横にならないように、真っ直ぐに……。
……。
さっきからずっと感じる視線。その主の気配はよぉく知ってるし、植える苗の木箱を運んでいた翔蟲も一緒に田植えしていたアリサもいなくなったので、姿勢を起こして向き直る。いや、離れちゃったのは俺がちょっと苛立ったせいもあるか……。
「ずっと見ているだけ?」
「いつ見ても君が米を育てる光景は目を奪われる程に美しくてね」
「はいはいそーですか」
いつも大体一人はいる天使のお付きもつけずにやってきたヴェルダはいつもと変わらない風体だった。そーやっていつも美辞麗句を言って俺の機嫌を取ろうとしてるなんてお見通しだ。
「伝言は聞いてると思うから直球で聞くけど、なんであんな一言しかない手紙を送ってきたワケ?」
「不安になったからさ。君は僕の力のことを知っているだろう?」
「そうだな、知ってる」
大体ヴェルダに出来ないことは無い。何でも知ってるし何でも出せるし何でも創れるし、未来だって予知できる。
だから俺の行動なんかは全部お見通しだって考えて動く。なのでハッキリと所感を述べてやろう。
「あの時はちらっとヴェルダのことを憎く思った。未来が見えるならなんで言ってくれなかった、どうして俺を島から引き離したって、暴れてる時は何度も何度も浮かんで考えない様にしてた」
そうやって俺が言葉をぶつけるとヴェルダは悲しそうな顔をした。普段から笑顔の野郎が泣いているのを良いザマだと笑う趣味は無いので、俺の良心もちょっぴり痛みながら言葉を続ける。
「でもさ、そうは思ってもあの事態を引き起こしたのは俺が原因だった。あれは俺が
ヴェルダは、そうだと言う様に静かに頷いた。あぁ、やっぱり――。
「そう。僕は君の村が襲撃される未来を見ていた。でも、それを伝えなかった」
「……ッ!」
その言葉を聞いて体中が沸騰したように熱くなる。鎮まっていた筈の、魔素増殖炉が動き始めて、余計に熱い。
無性にヴェルダを殴りたい。
そう思ったって俺がヴェルダに勝てる光景は浮かばないし、でもコイツは俺の拳を避けることなく受け止めるんだろうなとも思って、それでまた怒りがプラスの悪循環が一瞬で起きている。
泥が固まった指先はヴェルダの小綺麗な服を掴もうとする為に動いていた。
でも、触れはしなかった。
数ミリの差で、俺は止まっていた。
「君には僕を憎む権利がある。君が頭に浮かべた言葉も、どんな行動だろうと受け入れるよ」
体の奥から更に不思議な音が鳴るのを感じた。機械の駆動音のように規則的な音。あの時はまったく感じなかったが、魔素増殖炉の音らしい。
たった今、ヴェルダの発言で感じた怒りを糧にしてフル発電といったところだろうか。それで増えた魔素を使って、ヴェルダに叩きつけ――。
ない。
本当は動きたい。力のままに顔面に叩き込みたい――意識を抑えて、俺は……自分を宥める為にも言葉に出した。
「……権利はあれどヴェルダを憎んで暴力振るうのは違う。今回の事は自己責任。それで話は
「…………」
手を引っ込めてヴェルダを見つめ返した。いや、本当はめっちゃその澄まし顔殴りたいけど違うんだって。ここで殴ったら俺はとんでもない責任転嫁野郎になるッ……!
「……驚いた」
「……え、何が? お前の未来予知じゃヴェルダを殴ってたって?」
「いや、君が僕を殴らないのは予知通りだ。……けど、実際に体験すると違って」
「……ゥェ」
うわ。うわうわ。折角俺が頑張って抑えてたのにそんなこと言っちゃう?????
今からでも殴ってその未来覆すのはオッケーか? オッケーだよなァ!?
「ふふ、君は今『やっぱ殴ろうかな』って思ってるだろう? だから手紙で聞いたのさ。『もう一度あってくれるか』って」
「ぐぎぎぎぎぎぎ」
まったくもってその通りだよこんちくしょう。殴ろうとする俺の体を必死に引き留めてる状態だよこんちくしょう。
――っぱ思いつきで種族作るやつは違うわ。
何か別のことを……、そうだ、団子食おう。その場で魔法を使って手を洗ってから冬の間に作った団子を魔法で作った収納空間から取り出した。
ノーマルに何も入っていない白い団子だが、その分素材である米の味が表に出る。うーむ、これ単品で美味すぎる。
「あ、それ僕にも頂戴」
「さっきの発言忘れたのかコイツ? ……まぁいいよ、あげてやらぁ。ちょっと落ち着いたし」
収納空間から取り出した一本を渡すと、いつものように嬉しそうな顔をして団子を頬張った。それからおかわりを強請ってきた。コイツ……。
何本、何十本の団子を食べるとようやく勢いが収まった。おい、貯蓄の半分が減ったんだが?
「不思議なんだ。君に嫌われると思うと、胸が痛い」
「パードゥン?」
なあ神がいるなら教えてくれ。俺はあと何回今日のヴェルダの行動に呆気を取られればいいんだ?
あ、神っぽいやつ目の前にいるんだった。世も末だぁ……。
「んじゃ言ってやる。俺がお前を嫌ってるって証拠の罵倒を。バーカバーカヴェルダのバーカ。嫌いじゃボケ。さっさと俺の未来に嫁がいるかの予知結果教えろボケナス」
「――もう一度言ってみろ下賤な下等生物がァ!!!!!!!」
「ゲーッ、フェルドウェイ!?」
真上から高速のエネルギー反応かーらーのーガード! 一瞬で辺りに衝撃による強風が吹き荒れる!
あっぶね! コイツ最近ヴェルダから貰ったらしいクソ強武器でこの辺り更地にするつもりだったぞ!?
「ようやく尻尾を出したなヴェルダ様に付き纏う蟲ケラがァ……!」
「んだとこの堅物フェルト人形!! 一瞬遅れてたらまた家が作り直しになるところだったろ!!!」
「家畜小屋なぞどうでもいい。そんなことよりも先程のヴェルダナーヴァ様への言葉とも言えぬ雑音を撤回しろ!」
「はーーーー!? お前にそんなこと呼ばわりされたくありませんー! 絶対撤回しーまーせーん!」
「貴様ァァァ……!」
ヴェルダに似たツラの堅物フェルト人形ことフェルドウェイは、それはもう元気なヴェルダ崇拝者に育った。元からその気配はあったので順当な進化にも思えるが、そんな狂信者……おっと崇拝者にヴェルダの悪口を聞かれたらお終い。きっと鬼のような形相で俺を何度も殺しにかかるだろう。
今の状況がそうです。
だがこれは俺も譲れん! だって本当のことなんだもん!!!
「二人とも」
ピタリとフェルドウェイの動きが止まり、即座にヴェルダの前へ跪いた。その間0.1秒にも満たない。うわ。
「ぷぷー、ヴェルダ大好きっ子はすぐに言う事聞いて偉いデスネー! ゲーララ「イナヴェル」……ッス」
フェルドウェイの顔にデカい青筋が出来た瞬間にヴェルダから強めに頭をつままれたので黙ります。ハイ。
「…………まずはフェルドウェイ。まずは僕の為に怒ってくれてありがとう。でもね、今回の件については僕の「いやお前関係無いし」……(´・ω・`)」
「イナヴェルゥゥゥゥゥゥゥウ!!!!!」
「Fo~♪」
「………………イナヴェルも、君の言いたいことも分かった。でもフェルドウェイを弄るのは止めなさい」
「この状況で分かったとでも言うと思ってる? ……俺はもう我慢しないことにしたんだ、自分の発言を」
「自重しなさい。フェルドウェイはまだまだ君より年下なんだから」
「ハイ。……えっ?」
頭をつままれ(以下略)。途中衝撃発言を貰って黙れなくなったがやっぱり頭(以下略)。
「……そろそろ落ち着いたかな」
「……お見苦しい所をお見せいたしました。申し訳ございません」
「そっか……、フェルドウェイってまだ赤ん坊なのか……。だったらすぐ怒ったり泣いちゃったりするのも仕方ないことか」
「は?」
イチコたちを育てて思ったんだけど、赤ん坊は兎に角笑ったり泣いたり怒ったり、感情表現が激しいのだ。
フェルドウェイが俺より年下(誠に遺憾)と言われるとこうして激しく怒りを見せるのにも納得がいく。俺の場合は十数年分の前世もあるし、情緒的な面でも俺の方が大人ってコト……。
じゃあここは大人である俺が一歩引いたり、先んじて謝る――。
「こいつ如きがヴェルダナーヴァ様の弟を名乗ることが許されている事態に感謝もせずに甘えてばかりで寄生虫のように日々を生きている奴に目上として尊敬する価値はございません」
「俺こいつ嫌い」
「フェルド……、イナヴェル……」
最早田植えどころじゃなくなったので、引き続き(´・ω・`)顔になるヴェルダとくそみそに言い募るフェルドウェイどもを家に上げて団子と茶を振舞って帰らせた。
ヴェルダはまだ分かるが、フェルドウェイも団子を食わせれば三十秒間は黙るのでオススメの手法だ。
二人が帰ったところでこそっと避難していたアリサやあさぎたちが帰ってきた。どうやって隠れているかと言うと、アイルー系は穴掘り、翔蟲はそのままフライアウェイ。
「……お帰りになられましたか?」
「うん、帰ったから作業の続きね」
……体感にして六時間ぐらい、でも実際は一時間も満たない時間での事だった。まだまだ陽は真上には昇っていない。
フェルドウェイの攻撃の余波でひしゃげてしまった土地を治しながら田植えに戻った。そっからは普通に作業も終わった。
青々とした苗が浅く水の張った水田でぴこぴこと揺れている。
「今年も無事に育てよ、育て」
こうして、色々とありながらもまた一年が始まっていく。
これまでの一年とは違う、一年が。
全ての苗を植え終わった後の田で、優しく皆が見守ってくれている……気がした。