ヒーローぶっちぎりで勝利に付きヒーロールート先に書きます。
五条悟がお花畑化してます。すみません。
ハロウィンから一週間。未だにクラスはヒーローの話で持ちきりだった。
「変な格好だけど、格好いいよね―」
「私が来たって! 助けてもらったんだ。AFOっていうんだって!」
「あふぉ?」
「怒るよ!」
「やーい、あふぉー!あふぉー!」
騒がしいクラスで、私は、ひたすら気配を殺す。
それにしても、いきなり襲撃されたらどうしようと思っていたけれど、心配はなさそうだ。サイズの異能で小さくしてポケットに忍ばせた呪具は、そろそろお役御免だろうか?
高校三年生。大事な受験の時期に、呪いのことなんて関わっていられない。
経営学部で経営について学んで、貯めたバイト代で起業をするのだ。
目指すのは、職業としてのヒーローの設立。
だけど、いちばん大事な仲間作りがまだ出来ないでいる。
だって、一緒にヒーローしよう! なんて言える?
「ねー! せんりー! せんりの写真持って切ない溜息ついているイケメンがいるってー! どういう関係?」
えー。えふ。おー。
AFO。
僕は唇にその言葉を乗せた。
真っ暗闇が光に塗りつぶされて、差し出された手。
――君、は?
――もう大丈夫、私が来た!! 私はAFO。通りすがりのヒーローさ!
黒い霧のような体に、鳥の翼。呪霊かと思った。でも呪力が一般人くらいしかなかった。
女物の制服と声で、女と分かるくらいの異形。
それに……正直、最強だった僕に大丈夫って、ヒーローだって言うような人は初めてだった。大人しくサイズを測らせたのは、それに圧倒されてしまったからだ。
信じて欲しいと言われて、信じたいと思ってしまったからだ。
そして、彼は僕に言った。狙われているから、引いていいよと。
それは侮辱でもあるけれど、気遣いでもある。どちらにしろ、僕が受けたことのないものだ。
それに、サイズを図るだけで僕をコピーする圧倒的な力。空を飛ぶ翼。移動をさせる黒霧。
術式は、一人一つ。僕の六眼と無下限の2つが規格外なのに、それを軽々と越してしまって、しかも術式ではないらしい。
勇気もある。
呪霊を見えてもいないのに、戦いに身を投じてきた。人々を救うために。
認めよう。僕自身が、AFOに会いたいんだ。
この広い高校で、呪具を持っている……残穢を感じるのは唯一人。
伊地知は本当によくやってくれた。
久慈 選里。大人しそうな女の子だけど、人は見かけによらないよね。
その時、黒い霧が僕の目の前に出てきて、そこから突き出た手が壁に勢いよく叩きつけられた。飛び出てきたのは、真っ黒な鳥頭。霧じゃないけど、この呪力の色は忘れない。
「ヒーローにもプライベートは必要だ。そうは思わないかい? ミスター・五条」
「そういうわけにもいかないのが、ヒーローってもんでしょ♡ 偽物の傑に襲われないうちに呪専に保護されにおいでよ♡」
腕が僕を掴み、黒霧に引きずり込む。
引きずり込まれた先は、女の子らしい部屋で、テーブルの上にはお茶。
ちょこんと座る、黒い長髪の髪の青年。読んでいるのは、私の計画書。
「あ、悟。先にお邪魔しているよ」
ずしゃあっと倒れ込む久慈。起き上がると、ため息を付き、翼と霧のあの時の姿になる。
「子猫ちゃん達。この場でのキャットファイトは我慢できるかな?」
「私は良いよ。あっ 今日のバイトはお休みの連絡を入れておいたから、心配しないで」
「それはありがとう。でもいらないお世話かな。プロフェッサー・羂索。オイタはいけないよ」
落ち着いた様子で本を取り上げる。名前を知っているということは、知り合いなのだろうか? 多少複雑な家庭だが、一般家庭という調べだったけれど。
「ミスター・五条。今日の所はこの部屋で暴れるのは我慢してもらえるかな」
「羂索……羂索? 知り合いなの、選里」
質問には応えず、聞いてみる。
「それは私も聞きたいね。名乗った覚えはないのだけれど。部屋にも呪術に関することはなかったし。君のその力は呪力由来じゃないのかい?」
「それは私はAFOだからだね」
「「AFOって何」だい?」
「オール・フォア・ワン」
――世界の全ては私一人のために。
「それは、すごい名前だね」
「おーる・ふぉあ・わん」
凄い。僕としたことが、すごくドキドキしてきた。
「君の夢を見たよ。職業としてヒーローを成立させる? 無理だね!!」
「じゃあ呪術師になればいいじゃん!」
羂索と僕の声が重なる。
「あいにく、私は非術師だし、呪術師はちょっと目指すものが違うかな。もちろん、呪術師は尊い仕事だと思うけどね。最初は便利屋から初めて、いつか平和の象徴となりたい。そう考えているよ」
「平和の象徴? 笑っちゃうね。恐怖の代名詞にはなれそうだけど。そこの最強みたいね」
「確かに、私一人では無理だろうね。だから、頼れる仲間を集めないとなんだけど……中々勇気が出なくてね。見る目もないし」
僕は、AFOの手を取った。羂索はもう片方の手を取る。
「僕が協力するよ。呪術界を君が目指すものに変えればいいじゃん。結婚しよう」
「平和の象徴だの何だの、君が狭い場所に収まることは全然ない。君はもっと自由でいいんだよ。君の生きやすい世界を作るから、私と来て欲しい。君の全てが知りたい」
「それはプロポーズかな?」
「は? 傑の体で何考えてんだ」
「は? AFOと結婚するのは私だし。だいたい、必死過ぎてきっしょいよ」
「どっちが」
僕は羂索と睨み合った。
はぁぁ、とAFOがため息を吐く。
「プロフェッサー・羂索。君は呪力の進化の先を見ようとしているらしいね。でも私は、呪力なんかなくても、犠牲なんかなくても。人は進化していけると信じている」
「ミスター・五条。君は呪術界になくてはならない存在だ。非術師の私は足かせにしかならない」
「だから、君達とは共に歩けないよ。すまない」
「じゃ、じゃあ! せめて、護衛だけ置かせてよ! コピーもう一体作れる?」
「はあああ? そんなの無理に決まって」
「ミスター・五条の心遣いは有り難く受け取ろう」
「作れるのかい!? 作った!??」
AFOは、少し考えて告げた。
「そうだね……。護衛のお礼に、良いものを一つあげよう。私を受け入れて」
そして、AFOは僕とキスをする。
それを味わう暇もなく、僕たちは外に出された。
「何を貰ったんだい? 悟」
僕は、無言で手を差し伸べた。
包帯上のものが、手からスルスルと出てくる。
「能力の譲渡……素晴らしいね。ますます欲しくなった」
「させない」
羂索はさっさと逃げてしまう。
それにしても。
キス……されちゃったんだ。それに、AFOの一部を受け入れたんだから、これはもう婚約と同じでは???
後日、五条 悟がとある非術師の少女と結婚したとか、配下になったという噂が光の速さで広がり、五条 悟ドッペルゲンガー説や双子説、三つ子説、クローン説が流れて呪術界を混乱させた。
だが、事実……五条 悟を『増幅』できる『非術師』の『特殊能力者』がいるということが公となり、呪術界を絶大なる恐怖へと陥れた。
五条 悟の 捕縛力が 上がった!!
包帯に呪力をまとわせることも出来るので呪霊にも通じるぞ!
あと、高校外で待機しているのが目撃されて呪術界がハイパーざわざわするぞ!