私はAFOである!!!
何故か個性の話は聞かないので、きっと私が始祖なのだろう。
そう思っていた時もありました。
廃墟で修行をしていると、目に見えない物に襲われた。
「誰なの!? 透明な個性の持ち主!?」
どうしよう、殺しちゃっていいのかな!?
透明な存在の把握のために強化系と「剛翼」の個性を使う。
やっぱり何かいる。どうしよう。
攻撃を避けながら戸惑う。
「大丈夫?」
そこへ、男の子がやってきて、見えない「それ」を食らってしまった。
「あ、ありがとう。貴方は?」
「僕は夏油 傑。同じクラスだよ、久慈 選里さん」
私の中に落雷が走った。呪術廻戦の世界かよ!!!
「いや、私はオバケ見えないのよ。感覚を鋭くすればなんとなくいるのがわかるだけで。貴方は見えるのね」
「そうだよ。そっか、」
残念そうにする夏油君。
「私達、お互いの秘密を知ったわけだけど」
「そう、だね」
「これはもう夫婦ね!! 18歳になったら子供を作りましょう!」
「ええ!?」
「大丈夫。子育ては私がするから。結婚もしなくていいわ。そうと決まれば、お金を貯めないと」
「えっええー!」
「そうだ、結納の品をあげないとね。夏油君は何がいいかな……。みんなに内緒で、一つだけ力をあげるよ」
「力?」
「そう。傷がすぐ治るのでも、人の傷を治すのでも、触った物を崩れさせるのでも、頭をよくするのでも、力を強くするのでも、心の声を届けるのでも、バリアでも、血を操るのでも、予知でも、なーんでも。その代わり、能力チェンジする度、子作り券一枚ね。あと、身の安全に関わらない限り、誰にも言わないこと! 呪専にもね」
「わかった。でも、呪専って何?」
「夏油君みたいに見える人が行く学校だよ。中学卒業したら誘いがくると思う」
「君は?」
「来るわけないし、行かないわよ」
そういうことで、私は夏油くんと友達となった。
夏油君はしょっちゅう能力をチェンジして、私と遊んだ。
そうして、子作り券は増えていった。
呪専に入学前、青ざめる夏油くんを前に、私は子作り券の束を叩きつけたのだった。
結婚しなくていいから! 結婚しなくていいから、ね!!
ちょっと法律違反だけど、産む頃には16になってるから大丈夫だって!
子作りの間は外に出ないから、個性は「剛翼」でも大丈夫よね!!
「うう……。私、頑張ってお金を稼ぐよ」
「いやいや、子種貰えば結婚も子育てもいらないって言ったでしょ。生まれた頃にまた次の子チャージしてもらいに来るから」
「ええ!? だっだって……! それなら、君を誰が守るんだい!? 見えないだろ!?」
「そうそう。コピー作らせてよ。そいつ連れてくから」
「私は!?」
「卒業時に私を猿って言わなかったら結婚してもいいわ」
「なんだい、それは?」
「予知よ。それと、天内理子の護衛依頼が来たら、呪専に帰った直後にこれを壊しなさい。後は時間稼ぎすれば、助けてあげる。不意打ちに気をつけてね」
「わかったよ。天内理子ね」
「じゃ、特別に対価なしで個性を選ばせてあげる。しばらく会わないしね。天内 理子の護衛依頼までの1年間は流石に生き延びられるでしょうし、身体能力や五感が本気出した私以上に強い人から友達や護衛対象や自分自身を守りつつ時間を稼げる力を選んだ方がいいわ。個性は切り替えたら熟練度リセットされるし」
「それは……わかった。けど」
夏油君は、私を翼で包んで抱きしめた。
「もっかいしよ?」
「喜んで」
一年後。
呪専に帰ってきて、天内 理子の護衛がようやく終わると思った時だった。
傑が化け物になった。人狼!? 馬鹿な、そんな術式なかった!! そして、俺を庇って刺されていた。
「なんだぁ? 俺の目にも見える……気持ちわる。殺すか」
「傑!!」
傑は、腕のブレスレットを引きちぎった。
「天内と、黒井さんを、連れて、逃げろ!! この姿になると、制御が効かないんだ!!」
「後で話してもらうからな、傑!!」
呪霊を出す。呪具で薙ぎ払われる。この男、強い!!!
「グルルルルル」
傑が爪を振るう。理性があるように見えない。
身体能力は上がっているようだが、あんな獣みたいな状態で勝てるような甘い敵じゃない。
早く黒井と天内を隠して、戻らないと。
「面白い。剥製にするか」
そんな声が聞こえる。耐えろよ、傑!!
その時、俺は数ヶ月前の事をなぜか思いだしていた。
「傑ー。今日、ずっと携帯ばっか見てるじゃん。いい加減にしろよ」
「煩いな」
そこで、電話が来て、すぐに夏油は電話に出た。
「産まれた!? 男の子!? やった!! 選里は……無事じゃないわけがないよね。うん、うん! 名前は? 呪翼? ええ……そういうしきたりだもんね。しょうがないか。目に見える奇形はない? 良かった。写真送ってよ。3月には会えるんだよね。楽しみにしてる」
五条と家入はフリーズした。
「えーと……。傑。いくつだっけ?」
夏油はそっと目を逸らす。
「16……」
「くぅず!!」
「相手何歳?」
「……16」
「くぅず!!」
「しきたりって呪術師の家? どの家?」
「ええと、黙秘するよ。相手未成年だし」
「なんだよ、教えろよ! 奥さんと子供見たい!」
「私も見たい!」
「残念だけど、奥さんじゃないんだよ……。子種だけ渡す契約だから」
「何だよ、それ!? 俺の知っている家じゃないよな!?」
「非術師の子なんだけどね? 私より強くて、呪霊が見えないの悔しいからってそれで次世代に夢を託すんだって」
夏油は五条の心配を悟って教える。緊張していたらしい五条は安堵に肩を落とした。だが驚いた。
「傑より強いってどんなゴリラだよ……。天与呪縛?」
「違うよ。呪力は全く関係ない」
「はぁ? あり得ないだろ。超見たい!」
「見たい見たい!」
「色々アクの強い人なんだ。呪力目当てで私の子種を求めてるわけだから、呪力の強い悟には会わせたくないな。もう数ヶ月したら、会わせることになると思うけど」
「はぁ? 非術師なんだろ、そいつ」
「呪霊に勝てないの、相当腹に据え兼ねてるらしいんだよ」
「どんだけ好戦的なんだよ」
「強いな」
「まあ、将来一番強いヒーローかヴィランになりたいって言ってた人だし。呪霊と戦えないんじゃ駄目だって諦めたみたいだけど、今度は子供に夢を託すんだって」
「5年後が楽しみだな」
「もう将来呪術師は確定みたいだよ。知り合いの呪術師に見てもらったら呪力の翼があったってさ。選里大勝利」
「しきたりって?」
「命名については、こだわりがあるんだって。生まれた子供の名付けは私の役目だーって」
「すげーな。ますます会いたい。術式見てやるよ」
「約束だよ」
俺、まだ傑の子供見てない。奥さんの連絡先も知らない。約束を守らせろよ、傑!!
戻った俺が見たのは、平凡な女だった。
呪力も一般人並みの平凡な女。
それが、張られた球体のバリアの中、倒れた狼にキスをしていた。
傑が人の姿に戻り、大怪我が治っていく。
「あのさ。知ってたとはいえ、結構ムカつくなぁ……。私のものが傷つけられるのは」
「ああ? なんだお前、転移系の術者か? しかも反転術式を使えるだと? の割りに知らねぇな」
違う。呪力は全く動かなかった。あいつはなんだ!?
「私はAFO。伏黒 甚爾に頼みがある。でもそれはそれとして、一発殴る」
「やってみろよ」
腕が増えて、身体中に剣が生えて、足にエンジンが現れて、姿が消えていく。
煙が周囲に吹き出していく。これは睡眠ガス!??
やはり呪力はない。なんだ、あいつは!?
「呪霊? 違うな。俺にも見えたんだから。お前、なんなんだいったい」
急いで巻き込まれそうな傑を回収する。その後の激戦を、俺は見ているしかできなかった。
やがて、侵入者はガチガチに拘束され、回収されていった。
「傑……説明」
「前話した通りだよ。非術師だけど、私より強い人。超能力者なんだ。彼女は自分の力のこと、個性って呼んでて、AFO(オールフォアワン)って名乗ってる。あと、自分の個性を他者に一つだけ移動できる。さっきビーストを回収されて、超回復も一時的に貸与されたけど回収されちゃった。今の私は無個性だよ。……次の個性何にしよう?」
「聞いてねーよ!! そして知らねーよ、そんなの俺も欲しいし!」
そして、激戦の間に同化に必要な時間は過ぎ去っていた。
ヤガセンに説明している間に、いつの間にやら戻ってきた選里は天内に回復系の個性を渡して京都校で働くように助言していたらしい。
当然ながら、傑は尋問される事となった。
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