夏油は、夜蛾と五条に質問を受けていた。
「だから、彼女はAFOですってば。私はエイリアンだと思ってますけど。どのみち非術師だから関係ないですね」
「一度、呪専に来てもらう事はできないのか」
「彼女、自分が王様なので、非術師だからってだけで見下してくる呪術師は我慢ならないって言ってました。彼女も無個性見下してるんで、どっちもどっちだと思うんですけど。態度を取り繕えるなら聞いてみます」
「禪院甚爾を攫ったのは」
「以前、予知したと言ってたから、その関連で何かあるんじゃないかな」
「予知まであるのか」
「色々誓約があるので、彼女は好きじゃないって話してましたけど」
「個性っての、俺も欲しい! ってか傑、ちょっと雰囲気変わった?」
「個性は性格や食生活にも影響するからね。レアステーキも今は苦手かな」
「傑、肉好きだったもんな。今好きなの何?」
「本来の私は蕎麦が好きだよ」
「とにかく、一度呼んでみてくれないか」
「いいですけど。彼女と敵対するのは無しですよ。本当に強いですし、妊婦さんですし」
「……傑の子か?」
「どちらかというと、彼女の子です。籍入れてないし、認知すらさせてくれないし」
「呪力を持った子供が欲しいんだっけ?」
「そう。次は思い切って長期休暇申請しようかと思います。強個性を馴染ませてから子作りするので」
「個性って遺伝すんの?」
「80%の確率だって言ってた。遺伝しなくても個性譲渡出来るし、呪力さえあればいいかな。それが難しいんだろうけど」
「えー! すげぇいいじゃん! 俺も! 俺も個性欲しい!」
「私からも頼んでみるよ」
夏油と五条ははしゃいでいるが、夜蛾の表情は暗い。
「取り繕う、か……」
簡単に他者を尊重できるようであれば、腐った蜜柑だの魔窟だのと五条に言われていないのである。
そこに電話が来る。
「侵入者の伏黒甚爾との交渉終わったって。縛りを悟にして欲しいから、呪専に行くって。謝礼はそこそこの個性を一つレンタルだって」
「おーいいぜ。個性何があんの? あと、一回手合わせしてほしい」
「それも聞いてみるよ。私が今まで使ったことがあるのはね……」
「伏黒甚爾は身を守る以外で人を殺さず、一度だけ久慈 選里に無条件に力を貸す。その代わり、久慈 選里は個性を伏黒甚爾にレンタルする。レンタルする個性は協議のもと双方の意見が一致すれば変更可能とする。双方いいか?」
「ああ、縛る」
「ええ。縛るわ。縛りとは別に、津美紀ちゃんに一回助けてあげる券あげるから渡しといて。困ったら壊せばいいから」
予知の個性とブレスレットを伏黒に与える。
「で、手合わせだっけ?」
「そー。俺と手合わせしてよ。戦いながらどの個性もらおうか考えるから」
「最強コンビと戦うんだから、準備しなきゃね」
「俺と傑相手に勝てるってか? おもしれぇ」
「えっ 私もかい? なら個性欲しいなって、あと、使う個性5つまでルール適応して欲しいなって」
「ウケる。ハンデ盛りだくさんじゃん。いいよ、最初はそういうのなしで戦いたい」
「どんだけハンデ盛るつもりよ。悟くん位の気概見せたら?」
「こっちもハンデあるし。お腹はダメだよ、悟」
「あ、そうか。出産後にする? 半年後か」
「大丈夫よ。私強いから」
モリモリ異形化して透明化していくAFOに、五条と夏油は下がる。
「実は私は、AFOはエイリアンだって信じてる」
「絶対呪霊だろ。これに勃つ傑に尊敬する……」
そして、戦いが始まった。
「ブラックホールは反則だよ、選里! あと、崩壊もなしでお願い!!」
「イライライライライライラ」
「うわ、なんだこれ。当たるとイラっとくる」
「コミックの個性もなしでお願い!」
「どんだけ甘えんのよ!」
「ウケる! いーよ、全力で来いよ!!」
「言ったな?」
1時間後、勝利の雄叫びを挙げている選里がいた。
「ビクトリー!!!」
「もっかい! もっかいしようぜ! なんか掴めそうなんだよ!」
「やってもいいけど。個性貰ってからにしようよ」
「やらないわよ。一回って約束でしょ」
「俺もまぜろ」
個性をとっかえひっかえしつつ、戦うメンバーを変えつつ、甚爾も交えつつ、ひたすら戦闘訓練をするのを久慈は眺めた。
五条が掴んだと叫んだ時、ホッとした様子を見せたのはきっと気のせいである。
五条は相性がいいということで、テープの個性を選んだ。
夏油はとりあえずビーストの個性で続行である。
すっかり日も暗くなり、会談は翌日に回されることとなった。
『個性の申告と譲渡を命ずる』
「あ“? なんつった無個性が」
会談はとても荒れそうである。
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