大変です。個性の中毒性はありまぁす!
より正確に言うなら、第四の本能が満たされた時の幸福感が病みつきになるらしい。
ホークスの個性を譲渡した時は、空を飛ぶこととかね。
おかげで、しょっちゅうデートに行くことになって困る。
デートに行けば、そういうこともするわけで。
子供出来ちゃったよ。原作大崩壊ですがな。
生まれた子供を見て、もー悟さん大喜び。
多分、良い術式が得られたんだろうな……。おそらく、呪力の翼だと思う。
名前がさ、降りてきたんだ。絶対にこう名付けたい、みたいな。ヒロアカで名が体を表すあの不思議である。
「腐った蜜柑を笑えないなー」なんて言ってたし、「二人目の個性は何かな―」なんて言ってたし、呪力と個性が融合したのだろう。
籍を入れているのに五条家の五の字も出てないしなんなら呪術の呪の字も出てないことに不安を感じるが、なにせここまでチートを隠し通したヘタレである。
そっと目をそらした。
息子の翼がさ、見えない所を手を差し伸べて力んだ後、キャラキャラ笑ってるのよ。
多分、呪霊を攻撃してる。
公園で、長女の華火を抱っこして、見えない何かを倒してキャラキャラ笑う翼を眺めていると、女の子二人を引き連れた袈裟を着た長髪の人が現れた。
ひぃっ 後のラスボスですよ!
「翼! こっち来て!!」
翼を慌てて抱きしめる。
「ママ。 邪魔」
私は慌てて離した。我が子は2歳にして立派な戦士である。邪魔してはいけない。
「あなたの子供ですか? とても可愛い子ですね。そして勇敢だ」
「ええ、自慢の子供です」
「AFOさん、ですっけ? 五条 悟のヒーロー兼ラスボス」
さとるぅぅぅぅ!! 何いってんの!? 何いってんの!??
この人後にラスボスになるんですけど!!! 情報流出ダメ絶対!!
「さあ、何のことだか」
「何故、こんな猿を悟が評価するのか……。やはり悟をヤク漬けにしたという噂は真実なのか?」
「わ、私を殺すの?」
「どうしてそんな事を聞くんだい?」
「夏油様。帳が」
帳!? 閉じ込められた!
私は即座に翼を出して、夏油さんに羽で攻撃した。
「五条 悟の女! 来てもらおうか!」
そっち!?
夏油さんは私の羽を腕で受け、その後見えない何かが呪詛師っぽい男を締め上げた。
え? え、助けてくれた? 迎撃を優先したから、夏油さんが怪我した?
そうだよ、夏油さんが帳を張ったなら帳が、なんて言わないじゃん!
私は素直に頭を下げた。
「すみません! 夏油さんが帳で閉じ込めようとしたと勘違いしてしまって……!」
「いや。それより、君は呪術師なのかい? なんで見えないふりを? いや、見えてないね。残穢もない。……この羽根も、本物だ。そこの子供の翼とそっくりだけど、だからこそ本物と呪力のものとの違いがよくわかる」
不思議そうに腕から羽を抜く夏油さん。
「夏油様!」
「夏油様!」
「すすす、すみません! 今癒やします!」
口を突き出し、夏油さんにキスをする。注射器みたいに口が突き出ちゃうから嫌なんだけど、仕方ない。
「……癒えた。反転術式ではないね。残穢もない」
「体力消費が代償なので、少し休んだほうが良いです。私はもう帰ります。ありがとうございました」
「待った! 送るよ。私でも知っているくらい、君の情報は割れている。悟が戻るまで、誰か護衛がついていたほうが良い」
うーん。私、呪力が見えないしなぁ。妊娠中だし。
「でも、家までお招きするのは……」
「なら、カフェで待てばいい」
「貴方はお嫌でしょう? いっそ、ここで待ちます?」
「わかったよ」
ベンチに座る。
華火にミルクを飲ませ、自販機で翼とミミナナちゃんにジュースを買う。私はエナジードリンク。夏油さんはコーヒー。
悟さんに電話したがつながらない。悟ぅぅぅぅぅ!! 仕方無くメールを送る。
呪詛師って奴に襲われて、今夏油さんって人に保護されてます、と。
夏油さんは苦笑いしている。
「夏油様、この人、呪術師じゃないの? 天使様なの?」
「天使様の羽は赤じゃなくて白なんだよ」
「そうだね。残穢がないから呪術師ではない。君は一体?」
「夏油さんは、不思議なことって、呪力でしか起こせないと思ってる人です? 隠れ潜んで、世界平和を守っているのは呪術師だけだって?」
その言葉に、夏油さんは目を見開いた。
「「君は……」なんてね。単なる冗談ですよ。私は何も知りません。五条 悟が言っていることは全てウソです。私は、ヒーローでもラスボスでもない。何者にもならない事を選択した、単なるAFOです」
「AFOって?」
「オール・フォア・ワン。OFAと対の存在。これ以上は内緒です」
私はニコリと笑った。
「ねぇ、夏油さん。多分、私はやりようによっては世界征服できたかもしれない。でも、その道を私は選びませんでした。力を持ってても、何者にもなれなくていいんじゃないでしょうか。あなたは、何を救って何を害してもいいし、逆に何も救わなくていいし、害さなくていい。自由でいていいんですよ」
「もしかして私の事、悟から聞いてる?」
「悟さんは呪術師であることすら私に話してませんよ。ただ、私はAFOだから。あなたの未来も少しわかる」
「へぇ?」
「『私はこの世界では心から笑うことが出来なかった』。遠回りな自殺。あなたの望み通り、最後は悟さんの手で」
「……」
「でも、その後」
「その後?」
「貴方の死体を、術式を、記憶を乗っ取った寄生虫が、悟さんを倒します。貴方が悟さんに勝てないというのは、貴方の思い違いですよ」
「は?」
「その女の子たちも、七海さんも、夜峨さんも、皆、殺されます」
「……その未来を、君は許すのかい?」
呆然と夏油さんが告げる。うーん。介入するといっても、どうしたらいいやら……。
「言ったでしょう? 私は、ラスボスになることも、ヒーローになることも選ばなかったAFOなので」
そんなのヘタレな私には無理ですよっと。
あ、でも。私はちろりと飲んでいたエナジードリンクを見た。
「夏油さん、ヤク漬けって噂はある意味本当なんです。証明しますね」
「!?」
夏油さんに、翼を授ける。
服を破って現れた翼に、夏油さんは眼を丸くした。
「自由と空への渇望を埋め込みました。翼が似合うのは悟さんだけど、翼が必要なのは夏油さんだと思うので」
次の瞬間、私は突如として現れた悟さんに抱きしめられた。
「ナニソレ浮気!? ちょっと、選里、それ僕の翼!! 傑とキスしたの!?」
「どっちにしろ、私のだからね? 夏油さん、それ、貸しにしておくので返すべき時に返してください。それまで受け取りませんし、時期が来たら奪いに行きます」
「フッ 勝手だね」
「AFOですから。私を助けてくれたことと、謝って攻撃してしまったことについてのわびですよ」
「だから、AFOってなんなんだい……?」
「僕の翼ー! 傑、返して!」
「はいはい、貴方の翼はここですよ」
流石にホークスのような強個性の翼をラスボスに与えたりしない。
空が飛べる程度の弱個性だ。出し入れできるのはでかいが。
むしろ酔っていたとはいえ、虎の子のホークスの翼を悟に与えてしまったことが信じられない。
「美々子も翼欲しい!」
「菜々子も翼欲しい!」
「虫の翼ならあるけど。チョウチョとトンボ」
三人には是非、大空を飛ぶことで争いのちっぽけさを知ってほしい。
「さて、悟さん。呪詛師にバレたってなんのこと?」
「嫌だなぁ、知ってた癖にぃ。僕が話そうとしても話を逸してたし」
「ばれてた?」
「まーね。そろそろ、改めてプロポーズしたいんだけど。受け入れてくれる? くれるよね。子供三人もいるし。防犯のためにも、家に入ってほしいんだけど」
「まずプロポーズをしてもらおうか」
そもそも、プロポーズ一度も受けたことないぞ。私、非術師だし、妾は許すしなんなら私が妾でもしょうがないけどさ。きちんとしたプロポーズくらいは受けておきたい。
五条家に行ったら、大騒ぎになった。
そりゃ当主が隠し子いました、結婚してました、子供三人います、相手非術師の一般家庭の天涯孤独です、って言ったら驚くわな。
「これ、僕の子供。翼と華火」
「パパ。……てき?」
ざわりとざわめきが広がる。
翼が、とか、なんと美しい、なんて声が聞こえてくる。息子の翼、見たいなぁ。
多分、格好良く広げて威嚇しているんだろう。
「違うよ、翼。仲良くしてね」
「はーい」
「それと、選里。いつものあれ、やって」
いきなり悟さんがキスしてくる。もう。
悟さんの背に、翼が生えた。
「こういう特殊な力を持つ子だから、しっかり守ってね。もちろん、秘密を漏らせば殺す」
夏油さん達には言っちゃったけどね。
その後、夏油ファミリーからAFOにならば恭順しますと申し出があった。
ちがうそうじゃない。
本当は、渋谷事変で非術師なのに五条 悟に助けを求められて助けに行くヒーローな主人公が書きたかった。
後は、どう見ても中毒な五条悟を心配する周囲と誤解?されて慌てふためく女主が書きたかった。
なんか全然違うのが出来たけど、術師をふやしたい夏油様となんやかやすんの面白そうだからこの路線でそのまま続ける所存。
夏油様をメロンパン入れにするべきかしないべきか、そこが問題だ……。
心情としては助けたげたいけど、物語的にはメロンパン入れのほうが盛り上がるんだよね。
それはそれとして、
AFO成り代わり主の夢術廻戦もの、増えろ―!
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AFO,呪専勧誘ルート先生世代
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悪の組織AFOと呪術界
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