『……これはどう言うことかな、えっと、悟の親戚?』
『わかる? 俺の父親悟なんだ』
『悟にそっくりだからね。ちょっと待って何歳の時の子供? 御三家こわ』
『今日は若くて可愛い傑ちゃんにお願いがあって、ここに来てもらったんだよ』
『待って聞きたくない。悟はどこ? 子供の教育について大事な話があるんだけど。っていうか、ここってそういう用途の部屋だよね? 御三家こんな犯罪行為してたのかい? 強い呪術師を性転換させて嫁にするとか?』
若い女の子が、ジリジリと下がる。呪霊操術の傑ちゃんである。
今はメカ丸が術式で映し出している。隠蔽に関しては、悟が協力した。
元々、宇宙の感覚はそれほど鋭くないし、六眼でもない。
『傑。大事な話だから聞いて』
『私も悟に大事な話があるんだけど』
『傑がいい子にしてたら、ちゃんと僕達のお嫁さんにする』
『待って達って言った?』
「待って達って言った?」
「蒼、あれに参加しようなんて考えてたらぶん殴る」
立ち上がった蒼が座る。
『傑が悪い子だと、残念だけど、子供を産んだ後に傑は怖いことの実験台になる。すごーくわかりやすくいうと、呪霊になって悟と戦わせられるぐらい酷い事をされる』
「悟の子供なのに悟と敵対してるのかい?」
『そもそも五条悟を一時的に洗脳して作られた子供だからね、俺』
『御三家こわ』
御三家の風評被害が全力で拡大していく中、夏油傑はせっせと呪霊を出した。
『無駄だよ』
それをブラックホールで吸っていく宇宙。そして、宇宙はふわふわした透明な何かが入った袋をぶちまける。
『!?』
『ね、傑。ムラムラしない? 五条悟も屈した催淫効果のある異能だよ』
『ぐっ……』
「傑!」
「悟。耐えろ、方針も決まらず決定を下すわけにはいかん。事がことだ」
「なんや百鬼夜行より厄介なの出たやん。悟くんを洗脳できて傑くんを攫える異能組織とか、触りたくないんやけど」
なんということでしょう。
知らない間にヴィラン連合とかいう異能組織が日本に生えてきてたのです。
『そんな緊張しないでよ。異能が効くまで、寝物語に色々教えてあげるよ。傑は妻になるんだからね』
『何を話してくれるのかな』
『そうだね。君は、呪霊のいない世界に憧れてて、術師だけの世界を望んでる。違うかな』
『なぜそれを……!』
『ふふ。僕は妻が大好きだから、妻の望む世界をあげてもいいよ! 一つお話をしてあげる。呪霊の存在しない世界で、中国に1人の光る赤子が生まれました……。彼を筆頭に、異能者はどんどん増えていき、排斥から庇う母親の、これは息子の個性なんですという叫びから、個性と呼ばれるようになりました。ふふ、その出生率八割。そして、その内容は多岐にわたる。それこそ術式みたいにね。呪霊のない、術師だけの世界の誕生だよ。嬉しい?』
『……君は、異世界人のハーフだとでもいうのかい?』
『その世界では、あっという間に秩序は崩れ、犯罪が横行し、この世の地獄となりました。そこに、強力な自警団が現れ、ヒーローと呼ばれるようになりました。個性を悪用するものはヴィラン。個性を使ってヴィランを捕縛するものはヒーロー。それらは正式な名称となり、職業ヒーローが誕生しました。こうして、アメコミみたいな世界が実現したのです。嬉しい?』
『……』
『そこに、2人の兄弟が生まれました。兄は、個性を剥奪し、与える異能。弟は、個性を受け継ぐ異能。AFO、 OFA。稀代のヴィランとヒーローの誕生です。個性を奪い与え、人々を悲しみに陥れるAFO。個性を脈々と受け継ぎ、人々を救わんとする OFA。彼らは歴史上、幾度もぶつかり合いました。そして、その日。個性によって、OFAは AFO率いるヴィラン連合を追放することに成功したのです。嬉しい?』
話し合いの声も途切れ、話に引き込まれる。
『そうして、ヴィラン連合はこの呪霊溢れる世界に来ました。最近まで、その事にすら気付いてなかったけど。個性のないこの世界で、ヴィラン連合はまず潜る事を選びました。ヒーローにボロボロにされたし、個性のない世界で目立つわけには行かなかったからね。全力で排斥されるだろうことは予想がついたから。そうして、俺の母様は呪術師の父様を見つけた。この人だって思ったそうだよ。これで、俺たちはここに本当の意味で溶け込める。俺達は呪霊を見える目を手に入れる。傑ちゃんは、八割の確率で異能が貰える。win-winじゃん。嬉しいね。子供が生まれたら、呪術師いっぱい襲おうね。術師を量産して、まずこの文明を壊そう。傑ちゃんの望んだ、すっごい地獄を見せてあげるよ。嬉しい?』
『悟ー! 悟ー!! 助けてー!!』
『手始めに脳無を見せてあげようね。いくつもの個性を埋め込んだキメラだよ』
『悟ー! 私はここだよ!!』
ついに助けを求め始めた傑ちゃん。
「傑!!」
「ひとつ貸しやで、悟くん」
「先手必勝よな」
「乗っ取られるわけには」
「win-winなのは良いでしょう。ただ、こちらが主導で上位でないと話になりません」
なし崩しに、という形ではあるが、呪術界は傑ちゃん奪還に動いたのだった。
「わあああああああああ!! 悟のお兄さぁぁぁあん! 怖かったです、あと悟殴らせてください!!」
「いや僕、本人だからね? 記憶ごと巻き戻されてんだよ、傑」
「君か! 君か!! じゃあ殴らせろ!! 君も被害者みたいだってわかってるけど! わかってるけど!!」
「うん、宇宙の事はしっかり折檻しておくから」
傑ちゃんは泣きじゃくりながら五条悟に保護されていた。
特級呪術師だって女の子にされて拉致られたら普通に怖いのだ。
保護されてからの傑ちゃんは、八面六臂の大活躍をした。
というか、式神系の術師が大活躍をした。
というのも、まだ数多のヴィラン連合メンバーは呪術師ではなかったので。
逆に、直哉や東堂などのタイプの術者は普通に手痛い反撃を受けていた。
やはり、見える、見えないの差は大きい。
呪力がないと呪霊は殺せないが、人は殺せる。個性は呪霊はどうにもできない場合が多いが、術者は十分対処できるのだ。
その後の調査によって、呪術師と個性持ちの子は八割強見える子で術式か異能持ちなので、ヴィラン連合の発覚がもう少し遅ければ呪術師の乗っ取りまで行かずとも、大変な事になっていたかもしれない。
ただ、大変残念な事に、戦争での犠牲者は出た。具体的に性転換できる個性の持ち主とか。仕方ない犠牲だった。本当である。上層部の意志が働いたとか、そんなことは決してないのである。
男に戻れなくなった傑ちゃんは嘆いた。それはもう嘆いた。
「傑。僕、頑張るから。きっと個性持ちが生まれるように生まれるまで、励むから。術者だけの世界を作ろう」
「あー! 俺のプロポーズの言葉を取るなよ!」
「どうにかしてくれ、悟!! 君の子だろ!!」
「待って胃の痛みで死にそう」
直、責任持って五条家の誰かが娶ってやれよ、監視もしとけ、というのが上層部の命令である。
ヴィラン連合の監視にメカ丸とセットで運用する事になっているので、処刑もできない。
悟としても、そんな感情はないが、自分が娶ると言わないと双子が夏油を孕ましかねないという状況に七転八倒していた。あと、ヴィランよりに育ちつつある子供の情操教育。
傑ちゃんの意思?(考慮され)ないです。
どうする、悟! がんばれ! 悟! 結論先延ばしにする為の特級任務も数が少なくなってきたぞ!
一方硝子は増えた回復要因である個性持ちと交友を温めていた。
仕事が減りそうで良かった。
久々に眠気吹き飛ばすキッツイブラックコーヒーではなく、あたたかーいミルクを飲む硝子。
呪霊も減った(悟のおかげ)呪詛師も減った(個性持ちに仕事が振られた。普通に術師相手なら個性通じるので)久々に平和が来た。めでたい。反転術式は遺伝でなく技術なので面倒が振られることもない。めでたい。
小さな平和は、今しばし続きそうである。そう、脳無達の解剖依頼が届くまで……。
これじっくり清書して書くかも。
宇宙が、最強だけど力を隠さないといけないとか、
戦闘に入ると殺すか、負けるかだから無闇に戦えず、モニョる所がじっくり書きたい。
(ブラックホールなのでほぼほぼ一瞬で終わるか、殺す覚悟できなくて負ける)
呪術師として生きるなら、ヴィラン連合から足を洗うということなので、個性は奪われる。
ヴィラン連合として生きるなら、日の当たる場所は歩けない。ということで、色々葛藤しそう。
蒼は全力で宇宙を呪術師サイドに引き入れようとするけどね!
あと、五条の子x夏油傑じゃなく、五条と夏油2人とも若い頃被害に遭った事にしておけばホモにならず良かったかも。
それはともかく、お気に入り減ったり増えたりだから前編あげた時絶対減ると思ったら増えた。
私が腐ってるのは今更か。
ありがとうございます! ここ好きもありがとう!
感想もらえたら嬉しいです、よろしくお願いします!