非術師ですので!   作:かりん2022

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問題児の妻はさらに問題児(しかしちょろい)

上層部からのお便りですよ。

 

「裏サイトでの懸賞金、僕の金額突破したよー。さすが僕の奥さん、凄いね♡ 何がなんでも生きたまま連れて来いってさ♡」

「じゃあ、会合に行くのは無理ね、ざーんねん♡」

 

 あはは。うふふ。

 

「いやー。話し合いは五条家で行うって」

「非術師ですよ、私。呪術師規定って何だっけ?」

「そ・こ・で♡ これです!」

「わー♡ 四級呪術師免許だー! 本人に無断で呪霊見たこともない人間が取れるようなもんなんだー♡」

「そりゃ僕の奥さんだもん♡ 絶対逃さないから♡」

 

 あはは。うふふ。

 

さて、お分かりだろうか。現在、夫婦喧嘩勃発中である。

 

実は、悟さんと夫婦になって自信をつけた私は、ラスボスの為の準備をちょこちょこしていたのだ。

子供達が巣立ったら、ラスボスっちゃうのもいいかなぁ、なんて心境の変化があったのだ。

 

だって、呪術界っていつ死ぬかわかんないような世界でしょ? そこに関わっちゃった以上、もういつ死ぬかわからんわけで。メロンパンからもいい獲物だと思うし。

そうなると、同じ死ぬなら社畜としてすり潰されるより、ラスボスの方がいいわけで。

 

子供が巣立ったらラスボスも面白いかなって、隠し貯金やら隠れ家やらちょこちょこ作ったり、ネットで仲間探しとかしてたり、したんだよね。

 

それが、あの結婚式の後、さらっと悟さん、調べやがりました。

 

宴の席での冗談を間に受けるなんて馬鹿じゃねーの。世界征服とかジョークだと思っとけよ。

まだ準備段階だぞ無罪だバーカ。そもそも腕を切り落とされたの怒ってるんだからね!

 

私達は、今までお互いになぁなぁでやってきた。

 

でも、悟さんは知った。

私が呪霊だけじゃなくて、呪術規定を知ってること。悟さんの術式を知ってること。やろうと思えば呪霊だって見えること。使える個性を結構秘匿していること。本当にラスボスになる準備をしてたこと。

後、軽率に夏油さんだけじゃなくて、直哉さんにもキスしたことや、出会った時に逆ハーレム希望だったとぺろっと話してたこと、透明人間プレイをさせてあげなかったことを怒っているという説もあるが、それは関係ないだろう。多分。

 

悟さんによると、僕ばっかり君のこと知らないで、ヤキモキしてるって。

あっはっは! そっちだって色々隠してるくせによく言えたな?

 

言いあって、じゃあ全部話そうよ、となって、しなくていいです、と逃げた卑怯者は私です。

 

私の個性の数ぐらいは知りたがってたみたいだけど、切り札なんて教えるわけないよね。

特に使える個性はとても少ないのだ。

 

そんなわけで、夫婦間が微妙な時に届いた上層部からのお手紙。

これは切れますわ。

 

「選里さぁ」

「何よ」

「なんで、僕が傑の偽物に殺されるって教えてくれなかったの? AFOがオールフォアワンってのも傑にだけ話すし。体を許す程度には心を許してくれたって思ってたのは僕だけ?」

「……わかった。今回は悟さんの顔を立てて出るわよ」

 

 夏油さんめ、しゃべりおったな。

 

「僕の事好き?」

「……悪かったわよ。迂闊にも好きよ。好きになっちゃったわよ。子供3人いるんだからわかるでしょ」

「じゃあ、4人目作ってくれる?」

「調子乗んな、毎年妊娠辛いんだからね」

「透明人間プレイしたい」

「あーもう! うっかり透明人間の個性の子生まれたらクソほど育児大変なんだから、絶対嫌!」

 

そういうわけで、会議に出ることになってしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「AFO。その個性とやらを渡せば秘匿死刑は保留してやろう」

「そもそも私は呪術師じゃないですけど? 呪術師規定って知ってます? 私は無関係だし、五条家の子は産むけど呪術に関わるつもりはないのよね。何より、私は個性を渡したい時、渡したい人に、渡したいように渡すし、回収するし、もしくは渡さない。その上で言わせてもらうけど、呪術師さん達、不始末を起こしたらしいじゃない。特級術師をみすみすグレさせて呪詛師にするなんて、だっさーい。あれ、どう見ても過労による鬱病でしょ? 仕事の振り方ミスったあんたらの責任でしょ? どう責任を取るんですかぁ?」

「はっ 面白いことを言うな」

「しょーがないから、私がその呪詛師、引き取って面倒見てやらなくもないわ。特級の呪詛師を規定側に引き戻して、依頼も受けさせてあげる。嬉しいでしょ? あんたらの尻拭いの代償として何くれる?」

「あくまでもお前自身は呪術師にはならぬということか。それでありながら呪術師の私兵は持つと」

「天与呪縛でさえ呪術師として認められないのに、もっと遠い個性しかない私が呪術師として認められるわけがないでしょ? そもそも呪術界には興味ないし。で? 呪術界って人手不足なんでしょ? まー。当然って気もするけど。特級術師、いるの? いらないの?」

「……何が目的だ」

「そうね。強い呪術師の血が欲しいわ。健康診断の後、採血して検査の終わった血を回してくれるだけでいいのよ。ゴミをもらってゴミ処理してあげるなんて、私ってなーんて優しいの!」

「五条 悟の血ではだめなのか。いやまて」

「いいの!? もちろん、悟さんの血なら申し分ないわ! あなた達の責任で、悟さんに命じてくださると助かるわ!」

「駄目だ。それは許せん。何に使う」

「わかってんでしょ? あんたらが今、考えてる事の為に定期的に血が欲しいのよ。そうね。悟さん、恵さん、夏油さんの血を上層部の権限で採取許可して」「五条家当主としてそれには反対する」

 

 静かな声で悟さんがいう。

 

「じゃあゴミ処理もしなーい」

「傑をもう一度侮辱したら、家庭内戦争勃発だぞ」

「ちぇ」

「……秘匿死刑が怖くないのか?」

「呪術師じゃない私に秘匿死刑を命じた時点で、あなた達の呪術規定は意味を失う。……私は呪具なんかで封じられないし、世界だって相手どれる程度には強いつもりだし」

「五条 悟も倒せると?」

「悟さんは強いけど、術式は立ったの二つでしょ? 私がいくつ個性を持ってると思うのよ」

「練度が低い君に負けるとは思えないなぁ」

「だったら逃げて各地で虐殺しながら練度上げるわよ。逃げるだけなら余裕でできるわ」

「……それは困るな」

「よーは個性が欲しいんでしょ。個性が。ま。呪力なしの猿に? 土下座して頼むなら? 色々な条件と引き換えに個性を貸してあげてもよろしくってよ? オーっホッホッホッ!!」

「今のすっごく悪役っぽい」

「まあね。私はラスボスになるべく生まれた女ですし?」

「でもすごく小物っぽい」

「うるさいわね。で? 夏油ファミリーをくれるの? くれないの?」

「ならば、彼らが問題を起こせばなんとする」

「は? 今現在、あんたらの無能で犯罪続ける集団でいるわけでしょ。これは呪術界の怠慢よ。それをこのAFOが抑えて、犯罪数を減らしてやるっていうだけでも褒め称えるべきでしょ。あんたら、夏油ファミリーに問題起こさせて、個性欲しいだけでしょ? 残念。私は私のためにしか個性を使わないの」

「我らに頭を下げる気はないわけだな」

「呪力が見えなければ人間ではありません、ですかぁ? じゃあこっちは個性がなけりゃ人間ではないっていうだけだわ。進化前のサール! 無個性のサール!」

「選里」

「……はいはい、ちょっと言いすぎました! ごめんなさい」

「……ひとまず、夏油一派は任せよう。御せるというならやってみろ」

「最悪、学生時代の希望に打ち震えてた時期まで記憶ごと戻すからそれは大丈夫」

「……あくまで対等だというのなら、友好の証をよこせ。こちらもそれ相応のものを渡そう」

「初めからそういえばいいのよ。京都校の保険医に、そこそこ役立つ治癒系の個性をプレゼントするわ。東京校ばかりずるいものね。個性の名はリカバリーガール。キスをするとその人の体力が大きく消費され、怪我が治るものよ。ただし! あまりにも怪我が大きいと、体力を消費しすぎて死んじゃうから、大きな怪我は数日かけて治すのがコツよ。後で個性を受け取る人を寄こしなさい。これからよろしくお願いします!」

「……よろしく」

 

 交渉終わり!

 

「五条 悟。夏油と共に、五条 選里の監視ともしもの時の抑えを命じる」

「りょーかい」

 

 ということで、交渉は終わった。

 

 

「悟さん! 夏油さんのことボロクソ言ってごめんね! でもまあ、これで人手不足解消したでしょ!」

「あー。僕の顔立てるんじゃなかったの? すごい喧嘩売ってたけど」

「だってどうせ従っても個性奪われるだけでしょ? 意味のない命乞いより、戦った方がまだ生き残れる確率上がるわー。それに、悟さんの命令はちょっとは聞くって見せたでしょ?」

「ちょっとはじゃなくて、聞いてね?」

「利害が一致してる内はね!」

 

 早速京都から人が来たので、確かめた後に注意点を細かく教えて個性を譲渡した。

 ペコペコしまくる腰の低い人で、合わせて私もペコペコしちゃうんだよね。

 

「あー。そういえば、伊地知にも個性渡してたっけ」

「うん。仕事が捗るように頭脳増強系。予知でもよかったけど、あれはちょっとコツと覚悟が必要だからねー」

「……」

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

「お願いします! 予知の個性をください!」

「どうか頼む! なんか良さげな個性をくれ!!」

「お願いします!!」

「ほ、本当に土下座しないでよ私がゲスみたいでしょ! ちゃんと誠心誠意頼んできて代償もちゃんとしてたら貸与ぐらいは考えるわよ。それと、予知はともかく、呪霊退治に役立つ個性なんてないってばぁ!!」

「腕が生えてくるのは役立つ」

「予知も役立つと思います」

「五条 悟が羽に呪力纏わせての攻撃練習してるの知ってるぞ。中距離に便利だって」

「あー……。あんまりいい個性は渡せないわよ。超再生とか、私もないと万一の時に困るもの。それにデメリットもあるし」

「「「是非!!!」」」

「仕方ないわね。とりあえず、渡す予定の個性のコツと内容とデメリット話すから、それから判断しなさい。……高いわよ?」

 

 そして、私は電柱の影に声をかける。

 

「直哉さんも、いらっしゃい。土下座しろとか頭下げろなんて言わないしむしろやめて欲しいけど、個性よこせとか悪口とか言ったら叩き返すからね?」

 

 ということで、血といくばくかの金銭を引き換えに、伊地知さんに予知と真希ちゃんにサイズと日下部さんにテープの異能を貸与した。さて、直哉さんだが。

 

「超再生欲しい」

「無茶言うな」

「じゃあ、恵くんの術式みたいな個性ある?」

「あるけどあそこまで強くないし、癖が強いし異形になるよ。影の使い魔を操るやつ」

「あるんや!? ちょっと試させて貰ってもええ!?」

「そこまで危険な個性じゃないし、別にお試しくらいいけど」

 

 そして夕方、振り返ると土下座をする五条家の皆様方がいて、私はほおを引き攣らせた。

 個性欲しけりゃ土下座しろって昨日の発言、取り消させて貰っていいです?

 

 夏油さんの教団の方々にもめっちゃ土下座されたのはいうまでもない。

 私が悪かったってば!

 

 

 

 

 なお、別にキスしなくても個性が渡せることがばれて悟さんどころかチビ達にもガチ説教されたのは言うまでもない。




このクズ主人公、本当にヒーローになれるのだろうか……。

読みたいのはどれですか

  • AFO,呪専勧誘ルート先生世代
  • 悪の組織AFOと呪術界
  • 善の組織AFOと呪術界
  • その他ネタがあれば
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