非術師ですので!   作:かりん2022

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やったね傑くん! 家族が増えるよ!

 夏油さんをお布団に寝かせて、スタンバイ。

 

「ここは……」

「夏油さん。起きたのね」

「君は? うわ、なんだこの翼!」

「私の事を覚えてないの? まさか記憶喪失? 名前は言える? 今がいつだかわかる?」

「あー。どなたですか? 私の名は夏油傑、今は……2005年の12月24日、いや、25日だったかな?」

「私は五条 選里。またの名をAFO。五条 悟の妻で貴方の上司よ。そして今は2015年……。やはり記憶喪失のようね」

「悟の奥さん!?? 10年後!?」

「そう。信じられないわよね。証拠は……テレビを見るのでも、街を見るのでも」

「悟は?」

 

「傑っ!!!!!」

 

 めっちゃ必死な顔をして悟さんが飛び込んできた。ざまぁ。

 

「翼がお母さんが悪巧みしてるって。お前いい加減にしろよ!!」

「悟!? さ、悟も翼が生えてる!? 後、本当に大人になってる……!」

 

 そして、夏油さんは警戒して、それに合わせて翼が広がった。

 多分、呪霊出したな。

 

「悟のお嫁さんも嘘?」

「いや、それは本当」

「傑! 肌がいつにも増してツルツルしてる!? 線も細くなったような。まさか、まさか……やったのか!? やりやがったのか、選里!!!」

「だって、本人に頼まれたから」

「だからって! 許されるはずないだろ、こんな!」

「一応、上層部からの許可はずっと前からもらってたし」

「傑……!」

 

 心配の現れか、翼で夏油さんを包んでしまい、夏油さんがワタワタする。必死じゃん。

 

「えっと、呪霊じゃなくて、選里さんに私の頼みで時間を戻された、って事でいいかな」

「そうよ。夏油さん、仕事任せられすぎてうつ病発症してね。非術師の声が聞こえない、猿に感じる、触れられるのが嫌、関わるの自体が嫌、とにかくひどい症状だったの」

「そ、れは。生活できるのかい?」

「できないから私に頼んだんでしょ。非術師の私が保護して、非術師だって無力じゃないんだって知っても、どうしても嫌悪感を消せなくて。辛いからって」

「君は、どうやって私の上司に? その、非術師なんだろう? 尚更私はいうこと聞きそうにないけど」

「私は、そうね。これが呪力由来じゃないの、わかるかしら?」

 

 私は、手の内で物を生み出したり、風を起こしたりしてみる。

 

「ま、魔法使いなのかい!?」

「ぷっ かーわーいー! 言ったでしょ。AFOって。この力は個性って言ってね。夏油さんや悟さんの翼も私が譲渡した個性よ」

「譲渡出来るのかい!?」

「そ。だからね。非術師だから、呪力がないからって全部を否定するのはだーめ。目を逸らさず、ちゃんと認めて。他の何から目を逸らしてもいいから。私が許す」

「選里!! 何を」

 

 悟さんはとても憤っている。ギュウゥッと傑さんを翼で包んで。それは、次に言う言葉をわかっているから。

 

「傑さんがこの10年でしてきたことをいうわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘だ」

「傑」

「嘘だ!!」

 

 夏油さんは電話を掛ける。つながるはずなんてない。

 夏油さんの両親は、夏油さん自身が殺している。

 

「両親を殺して? 村人潰して? その後も呪詛師として散々暴れて? 今更、救われたいと貴方に縋ったって言うのか!」

「うん、そう」

「最低、じゃないか? そうだ最低だ! ありえない! なんで殺してくれなかったんだ、悟!! 記憶を失くしたからよし、なんてあるわけないだろ!!」

「まーでも、被害この程度で済んでよかったじゃない。特級術師だもの。もっと殺そうと思えば殺せたわ。上層部はもっと呪術師の子育てを真剣に考えるべきなのよ」

「子育て? 子育て!? 高校生にもなって!?? そんなの、許されない!!」

「あはは。まーね。でも、夏油さんは使えるし、私のものだから。私が許す。私が守る。安心なさい」

「誰より! 誰より、私が私のことを許せない!!!」

 

 ぼろぼろと涙が溢れ、それを焦って拭く夏油さん。

 

「くそっ自分がやった事で泣くなんて許されない! 最低だ、最低だ、糞っ糞っ」

「泣きなさいよ」

「違うんだ! 思ったより両親の死がショックじゃなくて、私の中に確かに非術師を軽んじる所があって、それが許せなくて、自分が哀れで、この涙は汚い涙なんだ……! だから、泣いちゃだめなんだ」

「私の目には透明に見えるけど? まー、安心しなさい。私が育てなおしてあげるから! 何度でも何度でも何度でもね!」

 

 

 夏油さんの顔が絶望に歪んだ。すぐに悟さんの翼に隠されたけど。

 泣きじゃくる夏油さんを必死で慰める悟さん。

 あれ、私、そういうのしてもらった事ない。

 

 それにしても、本当に気にしなくてもいいと思うのよね。

 特級術師だし、利用されまくる未来しか見えないもの。

 私が消したのは本人の時間だけ。

 犠牲者は戻ってこないし、周りの人だってもちろん覚えてる。

 やった事を消したわけじゃない。

 

 きっとこれからずっと責め立てられて、ずっと利用されて、意に沿わなければやり直し。

 

 ね、罰されてないわけじゃないでしょ?

 

 あっ 夏油さんの戸籍、私と五条さんの子供として移しておこ! 両親は必要でしょ。

 今の夏油さん、子供だもの。

 

 その後、私の元にこっそり訪ねてくる呪術師が増えた。

 いや、あの。流石に育て直しの刑は軽率にはしませんて。

 呪術師って本当にブラック……。ねぇ、直哉さん?

 

 私は縛られて送りつけられた直哉さんに呼びかけた。

 

読みたいのはどれですか

  • AFO,呪専勧誘ルート先生世代
  • 悪の組織AFOと呪術界
  • 善の組織AFOと呪術界
  • その他ネタがあれば
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