玉座の間に付くとそこにモモンガとここに控えていると思われるアルベドも居なかった。どうやら入れ違いになってしまったみたいだね。こんなことになるんだったらメッセージで一報を入れて置くべきだったのかもしれないな。
そんな事を考えているとモモンガさんからメッセージが届いた。
『フィストさん』
『あ、モモンガさん。ちょうど良かったです。モモンガさんは今どこにいるんですか?』
『私は第六階層に来ているんですが…守護者のアウラとマーレが居ないんですがそちらに居ますか?』
やっぱり入れ違いになったってことですか。まあ、こんな状況にあれば一つの場所に留まるより誰かと接触をしたいと思うだろうから仕方ないかもしれないですね。
『はい、こちらに同行したいと言う事だったので同行してもらっています。守護者がその場所を離れる事はあまり宜しくないのは分かっていますが…この二人に頼み事をされたら断れなかったので』
『いや、それなら良かったです。第六階層に来たのに居なかったので何かあったのかと思ってしまいましたよ」
『それはすみません。変に心配を掛けてしまったようで』
『別に大丈夫ですよ。フィストさんと一緒という事が分かったので。それでフィストさんはこちらに来れますか?』
『大丈夫ですよ。なるべく早くそちらに向かいましょう』
『守護者たちに連絡をしてもらうようにアルベドに頼んであるので直にヴィクティムとガルガンチュアを除いた階層守護者が第六階層に集まると思います』
『ということはこっちにいるアウラやマーレにもアルベドから連絡が来ているはずですよね。でも、二人からそんなことは……』
後ろを振り返るとそこには頭を九十度に曲げてボクに謝る姿があった。
「申し訳ございません。アルベドから連絡が来ていました…フィスト様との時間が幸せ過ぎて気付きませんでした」
「ぼ、ぼくも気づきませんでした。ごめんなさい」
まさかNPCにこんな姿をされるとは…思いもしなかった。
『来ていたようです。ではボクもアウラとマーレを連れてそちらに向かいます』
ボクはそう言ってメッセージを切った。未だに頭を下げ続けている二人にボクは声を掛ける事にした。
「大丈夫だから。頭を上げて」
「ですが……」
「メッセージが来ているのに気付かないぐらいにボクと一緒に居る事が楽しいと思ってくれたなら嬉しいよ。今度から気を付けてくれれば大丈夫だから頭を上げて」
するとやっと二人は頭を上げた。NPCはボクたちの事を神とでも思っているのではないだろうかと一瞬思ってしまった。だけどその考えはすぐに頭の片隅に追いやる事にした。
「次は絶対にこんな事がないようにします!!フィスト様の期待に応えられるように頑張りたいと思っていますので何なりとご命令ください!フィスト様の頼みなら私達何でもやり遂げて見せます」
「ご、ご命令ください…ぼ、ぼくもがんばるので」
「はぁ…まあ、まずは第六階層に戻ろうか…」
ため息を吐いてしまったのは仕方がないですよね。
その後はモモンガさんと合流して階層守護者が集まるのを待って、全員が揃うとこれからの方針や今の状況などに関しての事について話した。そしてこの集まりで判明したのはNPCの創造者への忠誠が凄すぎるんですけど。モモンガさんも驚きを隠せない感じでしたね。まああれは仕方ないですよね。
主導でログアウト出来ないこと未だに元の世界に戻れない事についてモモンガさんと話をした。そして結果的に今の状況下では大人しくこの世界で生きていくしかないという結論に至った。