一般やられ役警官に転生した転生者の憂鬱   作:運輸省

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しゃあっ!警視庁のターン!火力解放!

誤字修正(敬称略)
貧弱な自分、にぼし蔵、綾坂螢人、某氏、Simca V、墓守幽也

ありがとうございます!


【朗報】銀髪美人とお茶してきたわwww(8)

警視庁襲撃から2日後

群馬県北部 上空

 

 

《HQから“おじろわし”。作戦開始まであと30秒。82号弾投下準備》

 

「了解した。82号弾投下準備」

 

 

群馬県北部、足尾山地の上空15,000mをある航空機が飛行していた。

 

全長47m、8基のP&W社製TF-33-P-3ターボファンエンジンをぶら下げた、世間一般的には『戦略爆撃機』と呼ばれる代物。

 

しかし、その機体は警視庁特有の水色・青・白・オレンジの4色で塗装され、胴体には『警視庁』『おじろわし』と2つの単語が記されている。

 

警視庁航空隊立川基地所属の、B-52H*1である。

 

 

「機長、作戦開始時刻です」

 

「おじろわしよりHQ、82号弾投下準備よろし」

 

《HQ了解。現時刻をもって、『組織』本部建物に対する強制捜査を実施する。82号弾投下せよ》

 

「了解。投下投下投下」

 

「投下!」

 

 

先ほどから警視庁が頑なに『82号弾』と呼ぶこの代物。

正式名称Mk.82、アメリカ製の航空機搭載爆弾。

胴体内の爆弾倉に27発、翼下に18発搭載されたその爆弾は、幾ばくかの自由落下の末、足尾山地───『組織』アジトに突き刺さった。

 

 

轟音。

 

 

作戦開始である。

 

 

 

 

『なんだなんだ何が起きたァ⁉︎』

 

『警察だ!日本警察の爆撃機!』

 

『遂に出てきやがったか!ミサイル!あのクソッタレを叩き落とせ!』

 

 

 

 

対空偽装された観音開きのハッチが開き、中からロシア製の対空ミサイル、NATOコード:SA-2 ガイドラインが顔を出す。

 

 

「機長!レーダー照射を受けてます!」

 

「ああクソ、情報通りだ。おじろわしよりHQ!本機はレーダー照射を受けている!」

 

《確認した。群馬県警のやまどり隊が対応する。おじろわしは至急空域を離脱せよ》

 

「了解!ありったけのチャフをばら撒け!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やまどり1号よりHQ、SAM発射煙を視認した」

 

《やまどり隊は事前情報に従いSAMを破壊せよ。全武器使用許可》

 

「了解。ライフル!ライフル!」

 

 

作戦区域の南側から侵入した2機の航空機───群馬県警航空隊のグラマン A-6 イントルーダーからAGM-65Fマーヴェリック空対地ミサイルが発射され、赤外線画像誘導によって、むき出しのSA-2に突き刺さった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薄暗い地下室で、男が腹立たしい様子を隠そうともせず佇んでいた。

以前、殺し屋───コードネーム『ユリア』を佐倉恵暗殺に遣った組織幹部であるこの男。まあ見ての通り非常に苛立っていた。

 

2日前、警視庁に逮捕されたユリアと佐倉恵の暗殺に大規模な戦力と貴重なスパイを大量に投入したわけだが、結果は失敗。

陽動部隊にも多数の逮捕者を出し、公安警察に忍ばせていたスパイは殆ど警視庁本部庁舎内で死亡*2、虎の子のハインドも被弾退避中警視庁航空隊に捕捉され立川に強制着陸させられた。

 

ただ、スパイの内1人が佐倉恵に対してトカレフを数発食らわせたという報告だけが救いであった。

 

その後、都内の警察病院に搬送されたのは確認している。となれば追撃あるのみ、というわけで別の殺し屋数人を向かわせていたわけだが───もはや確認どころではなかった。

 

 

ズズン……とアジトが静かに揺れる。

最後のSA-2が破壊された音である。

 

 

男の隣に立っていた秘書がタブレットを操作して、軽くため息をついた。

 

 

「SAM、全て破壊されました」

 

「それは分かってる。こちらの戦果は? 流石に1機ぐらい叩き落としただろ」

 

「いえ、警視庁、群馬県警共に無傷です」

 

「ガッデム……裏切った殺し屋から情報が漏れている可能性が高い。すぐに日本警察が乗り込んで来るぞ。正面入口に部隊を配置しろ。地雷、対戦車ミサイル、機関砲、なんでも使え。火力バカには火力をぶつけろ。機密を処分する時間を稼げ」

 

「わかりました」

 

 

 

 

 

 

この時の組織の対応は間違っていなかった。

戦力の逐次投入はせず、敵の来襲が予想される地点に最大限の戦力を配置し、最大限の火力で迎え撃つ。何も間違ってはいない。

 

 

 

その“敵”が通常戦力であれば、の話だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アジト正面入口 迎撃部隊

 

 

 

 

 

迎撃部隊の主な火力は、個人の小火器に、手榴弾、RPG-7、対戦車ミサイル、そしてピックアップトラックの荷台に据え付けられたZU-23-2。

これら全てが、群馬県警航空隊によって吹き飛ばされた装甲シャッターの向こう側を指向している。

 

 

「警視庁の装甲戦力は最大でもブリカスの偵察戦闘車、群馬県警に至っては持ってすらいない。撃退できるかはちょっと分からんが、時間を稼げばいいだけだからな。こんだけ火力がありゃ十分だろ」

 

 

迎撃部隊のリーダーはそんな事を考えていた。

すると、偵察に出していた部下からこんな報告が飛んできた。

 

 

《リーダー、そっちに誰か向かってるぜ》

 

「誰かって誰だよ。ポリ公じゃないのか?」

 

《いや、片方は多分警察なんだが……判断がつかない。女が2人、片方は機動隊の装備で、もう片方は……和服だ。で、その2人とも腰に刀を差してる》

 

「……それはポリ公なのか?」

 

《だから判断つかねえっつったろ》

*1
押収品

*2
その内8割は三好




ちなみにめぐねえは病院で黒マントの医者から「あなたが今行くべきは捜査現場ではない、手術室だ!」(ギュッ)って言われてます。
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