一般やられ役警官に転生した転生者の憂鬱   作:運輸省

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普通に終わらなかったので初投稿です。


【朗報】銀髪美人とお茶してきたわwww(10)

「防衛部隊の被害拡大、現在損耗率は25%」

 

「おいおいおい早すぎるだろ、馬鹿なのか? 何がどうしてそうなってる」

 

 

赤色灯に薄く照らされた地下通路を急ぎ足で歩くのは、組織幹部の男とその秘書。2人が現在何をしているかといえば、言ってしまえば『逃走中』の一言に尽きる。

 

群馬県北部の足尾山地に存在するこの地下施設───『組織』の日本支部には、多数の幹部が常駐している。ともなれば、当然今のような緊急事態に対する対処も定められている。

 

 

「入ってくる報告が不明瞭でいまいち事態が把握できないのですが、どうも通常の部隊の襲撃ではないようで」

 

「防衛部隊の責任者はなんて言ってる」

 

「『なんで刀が銃に勝てるんだよ』と。錯乱してるようです」

 

 

その対処というのが、地下施設から無数に伸びる脱出用トンネル、その数実に300本以上。

一番長いものでは新潟県長岡市まで伸びるこのトンネル群、もちろん組織内部でも秘匿されている為、幹部達はひたすらに歩くことにはなるが、地下施設が警察の捜査対象になったとしても、下っ端が命を犠牲に時間を稼いでいる間、安全に現場から脱出、ほとぼりが冷めるまで潜伏ができるのである。

 

 

「ん、え、は?」

 

「どうした。置いてくぞ」

 

「……申し訳ありません、緊急事態です」

 

「今度はなんだ」

 

「23番トンネルを使用していたジャン=ルイ*1が福島県警に捕捉されました。現在トンネル内で銃撃戦に発展していると」

 

「ハハァ、運のないやつだ…………いや待て、『トンネル内部』?」

 

「はい。トンネル内です」

 

「……」

 

「……」

 

 

 

そこの2人動くなよオラァ!!!こちらは長野県警だ!!!大人しくお縄を頂戴しろォ!!!

 

 

………安全に現場から脱出できるのである。(要出典)

 

 

 

 

 

───

──────

 

 

 

 

 

少し前

 

警視庁襲撃から10時間後 

東京都中野区 東京警察病院 会議室

 

 

一般にも開放されている病院である東京警察病院。そのある一室に様々な人間が集っていた。

 

群馬県警、埼玉県警、栃木県警、茨城県警、山梨県警、長野県警、新潟県警、福島県警。

 

8県の県警察本部の担当者は、数時間前警視庁から突然呼び出されて、新幹線やら自分のとこのヘリやらを使って慌ててすっ飛んできた。

警視庁が戦闘ヘリに襲撃された、という第一報までは各県警にも入っていたのだが、今呼びつけてきたのを見るにどうやら早期に解決できたらしい。

というかなんで病院?

 

呼び出された担当者が眉を顰めながら各者の憶測を話し合っていると、会議室の扉が開いた。

 

 

「お集まりいただいているようですな。警視庁捜査一課の源田です」

 

 

まず入ってきたのは眼帯姿の捜査一課長。県警本部の担当者も顔を合わせたことのある者が多い。

そして、その後に続いて入ってきたのは、車椅子に乗った桜色の髪で包帯まみれの女性と、それを押す筋肉モリモリマッチョマンの黒マントの男性。いや誰?

 

 

「時間がない為私からは簡潔に。詳細はあとでこちらの資料を参考いただきたい」

 

 

と言って配られた、『巨大犯罪組織所有の地下施設に対する強行捜査案』と題された資料、見た限り厚さが2cmほどある。え? これ200ページぐらいあるの? 多くない?

 

 

「警視庁では年明けから巨大犯罪組織の襲撃を多数受けていたわけですが、とある筋からの情報を得まして、巨大犯罪組織の地下施設の場所を特定。強行捜査をかけます」

 

「すみません、その地下施設の場所というのは? 都内じゃないんです?」

 

「群馬県北部です」

 

「えっ、ウチ⁉︎」

 

「……源田さん、警視庁と群馬県警で事を運ぶならまだ分かるんですが、なぜ我々にもお呼び出しを?」

 

「それについては、うちの佐倉巡査部長から」

 

 

そう言われて、各県警の担当者はようやく悟った。

ああ、これが『警視庁の懐刀』『桜田門のターミネーター』と畏れられている女警察官か、と。

 

 

「ご紹介に預かりました、警視庁捜査一課四係の佐倉です。まず最初にさきほどの質問にお答えしておきますが、本件は、ここにいる8県警全部隊を投入するべき案件だと考えています」

 

 

会議室がざわついた。

 

 

「あー、全部隊、というのは……」

 

「文字通りです。銃器対策部隊、機動隊、航空隊、各所轄署からも人員を出していただきたいのです」

 

「待て待て待て、どれだけの規模になると思ってる⁉︎」

 

「これだけないと足りないんですよ。というのも───」

 

 

『とある筋(元組織殺し屋)からの情報』として各県警担当者に公開されたのは、地下施設の場所、そこから伸びる秘密トンネル群の出口、そして、『組織』との繋がりを持っている、いわゆる『スパイ』の情報。

 

 

「多すぎない?」

 

「ひぃふぅみぃ……ウチ(茨城県内)だけで何本あるんだこれ」

 

「34本ですね。ちなみに長野県警さんのとこが最多です。127本」

 

「うわぁ……」

 

「クソがよ(直球)」

 

「待って、ウチの一課長スパイなんですか⁉︎」

 

「時間が時間なので裏が取れた訳ではないんですがね。警視庁内……じゃねえや、公安警察内でも相当数のスパイが入り込んでました。十分ご注意いただきたい」

 

「え、その公安警察のスパイはどうしたんです?」

 

「詳細は言えませんが全員死亡です」

 

「ヒェッ」

 

 

ともかく、警視庁、群馬県警、埼玉県警、栃木県警、茨城県警、山梨県警、長野県警、新潟県警、福島県警による地下施設強行捜査案は纏まった。

詳細まで書くと文字数が凄いことになるのでここでの言及はある程度省くが、まず警視庁と群馬県警の合同部隊で地下施設を強襲。

それによって秘密トンネルに逃げ出した組織幹部らを、秘密トンネルの出口から侵入した各県警部隊がぶち殺ゲフンゲフン逮捕するという流れである。

 

そこまで聞いた各県警の担当者は自分のところで早急に打ち合わせを行う為、速攻で帰っていった。

 

 

「(あの黒マントは結局誰だったんだ……?)」

 

 

この場に残ったのは、地下施設を強襲する役目を持った群馬県警の担当者と源田一課長、めぐねえ、あと黒マントの謎の男である。

 

 

「でも源田さん、群馬県内だって相当数のトンネルがありますよ。あまり部隊は出せませんぜ」

 

「この前活動を開始したやまどり隊(A-6 イントルーダー)がいたろ。あれを貸してくれ。地上は警視庁で受け持つ、そっちはそっちでトンネルの方に注力してくれ」

 

「了解」

 

 

それだけ確認すると、群馬県警の担当者も東京警察病院を後にした。

 

 

「(あの黒マントは結局誰だったんだ……?)」

 

 

 

 

 

 

「……で、佐倉。お前、何か考えはあるんだろうな」

 

 

実は先ほどの説明、少しだけ群馬県警の認識と差異がある。

『地上は警視庁で受け持つ』という源田一課長の言葉、群馬県警としては「SATか装甲車を出すのかな?」という感じだったのだが、ここが違う。

警視庁襲撃と同時に、陽動のため都内各所で引き起こされた各種事件によって、SAT、SIT、銃器対策部隊、機動隊、捜査一課ともに損耗状態にあり、とてもではないが防備が整っているであろう地下施設の強行捜査を遂げられる状態ではないのだ。

 

何せ虎の子であるFV107 シミターもRPG-7による攻撃を受けて損傷、現在修理中である。乗員に被害はなかったのが不幸中の幸いか。

 

 

「……一課長、オカルトって信じます?」

 

「頭までイカれたか?」

 

元からですよ?

 

「元からだったかぁ……それは、アレか。三好の事か」

 

「はい。女子寮襲撃の報告書、読まれましたよね?」

 

「いや読んだが……読んだが、アレを信じろというのは無理があるだろ。刑事部長だって困ってたからな? で、三好をどう使うんだ。まさか1人で突っ込ませるなんて言わないよな」

 

「まさか。そこでなんですけど、外部の方に協力を仰ぐのってありですか?」

 

「誰かによる。どこの誰だ」

 

「京都の方なんですけど……」

 

 

めぐねえと源田一課長はそんな事を相談しながら会議室を出て行った。

 

残されたのは、筋肉モリモリマッチョマンの黒マントの男性。

 

 

「…………」

 

 

 

「!!」ギュッ

 

*1
コードネーム




筋肉モリモリマッチョマンの黒マントの男性が誰だか分からない人は『K2 ギュッ』で調べてみてください。
今度こそ次で最終回のはず……そのあとはエピローグと間話を挟んで新シリーズ……に行けるかな…なんも考えてないんだよな……
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