日常回です。
*短編です。現在更新中の『護衛艦ながと編』とはあまり関係ないのでご注意を!
《至急至急!警視庁から各局!○○区東町東第一交差点にて銃撃との通報!犯人の詳細不明、装備不明であるが、機関銃を所持しているとの情報あり!付近のPC、PMは防弾装備を着用の上急行せよ!》
通報から5分
四係現着
先日修理から返ってきたばかりのクラウン ヴィクトリアから降りてきたのは、めぐねえ1人である。
「状況は⁉︎」
トランクからプレートキャリアとSA80A2を取り出しながら、近くにいた制服警官に聞いた。
「ホシは20代男性が1名、どっから手に入れたのか知りませんがPKM機関銃を所持、向こうのT字路の正面に建ってる空きビルに立て籠ってバカスカ撃ってきてます。幸い怪我人と人質はいませんが、SATか銃対の応援は?」
「全隊他の案件で出動中なので、現有戦力で対処します」
「うへぇ、了解です」
その制服警官も腹を括ったのか、持っていた89式小銃のチャージングハンドルを引いた。
現場にいる制服警官はめぐねえを除いて30名ほど。周辺警戒や封鎖線の構築など、諸々を鑑みて、犯人制圧に投入できるのは15名程。ちょうど軍で例えると1個分隊ぐらいか。
めぐねえが乗ってきたパトカーの周囲に、突入隊の15名が揃った。その殆どの装備はパトロールライフルとして警視庁に正式採用されている、豊和工業製89式小銃S型*1なのだが、1人は明らかに時代錯誤な木製ストックのボルトアクション小銃、もう1人に至ってはデカい機関銃を担いでいる。ちなみにどちらもめぐねえ東署勤務時代*2の先輩警官である。汚染済み。
「
「ああ。前からジャクソン二等兵*3よりに憧れててな」
「一応聞きますけど、スコープとスコープマウントは?」
「貯金中です……」
「あっはい。えっと、じゃあ南部さんは……」
「弾幕って……いいよね……」*4
「(´•ω•)(こいつやべえなという顔)」
──────
───
簡単な打ち合わせを終えためぐねえ率いる警官隊は、犯人が立て篭もる廃ビルの正面の通りのすぐ側までやってきた。
「佐倉ぁ!犯人は正面建物の5階向かって右端の部屋!奴さんまだまだ弾は豊富みてえだぞ!うひっ!」
ボロボロのパトカー*5の陰で警戒についていた防弾装備の制服警官が89式小銃を犯人の方向に向けたまま報告するが、すぐに一時停止していたPKM機関銃の射撃が再開。
ただでさえボロボロになっていたトヨタ 210系クラウン・パトロールカーが見るも無惨な姿になっていく。*6
「どひぇ^〜!」
制服警官はなんとか無事そうだ。這々の体でこちらまで這ってきた。
「うわぁ、大丈夫ですか村田さん。被弾は無さそうですけど」
「大丈夫じゃねえや、うげぇ、アスファルトかなんか口ン中に入りやがった」
ぺっぺっ、と唾を吐き捨てる制服警官を横目に、警官隊は顔を出せば廃ビルが見える位置まで進む。
「じゃあ打ち合わせ通りに!霜塀さんはそこの路地裏から廃ビルの方に回って犯人が視認できないかやってみてください!あっそうだ、何mまでなら確実に当てられますか⁉︎」
「犯人が確実に見えるなら400までなら確実に当ててみせようとも!」
「4、400!!?? アイアンサイトで⁉︎ えっ、分かりました。注意を惹きつけるのはこちらでやりますから、犯人の無力化は任せましたよ!赤井さん!雨取ちゃん!霜塀さんの護衛お願いします!」
「了解」
「わ、分かりました!」
赤井と呼ばれた制服警官、
「私は今から通りを突っ切って行きます!南部さんはそのM240で援護射撃!」
「了解。そうだ村田さん、弾薬手お願いしていいスか」
「あ? ああ、弾薬手か。よっしゃ任された」
「タイミングは犯人のPKMの射撃が切れてから。多分あと数秒で───」
射撃が、ピタリと止んだ。
「あっ止まった」
「南部さん援護射撃始め!残りの人員は私に続いて通りの左側を突っ走ります!準備はよろしいですね⁉︎ 突撃にぃ!前ぇ!!!」
M240が射撃を開始。毎分650発の速度で吐き出される7.62×51mm NATO弾が、廃ビルの窓ガラスを叩き割り、外壁を粉々にし、剥き出しの鉄骨に当たって火花を散らす。
射撃を再開しようとした犯人は堪らず顔を引っ込めた。
その隙に、めぐねえ含めて12名の警官隊が廃ビルに続く通りに躍り出た。通りを横切って左側の歩道へ。
幸い、通りの左側には小売店の
《霜塀より佐倉、配置についた。いつでもどうぞ》
霜塀班からの報告とほぼ同時に、庇屋根地帯の終端まで到達した。ここから出れば廃ビルは片側1車線道路を挟んですぐ目の前。もちろん、そこまで行くと犯人からは丸見えである。撃ち下ろし待ったなし。
「南部さん、こちらの合図からカウント3で撃ち方やめ、霜塀さん、南部さんの射撃停止の後、私が発砲して犯人を誘い出します。あそこの窓から私を撃つとなるとかなり体を乗り出す筈です。そこを狙って下さい」
《了》
《カウント3で撃ち方やめ、了解》
「行きますよ……カウント」
《3、2、1、撃ち方やめ!》
M240の射撃が停止した。
銃声の残響が雑居ビル群に木霊する。
「誘い出します。霜塀さん、射撃タイミングはそちらで計って下さい。私が撃たれる前に撃ってくださいね? 頼みますよ?」
庇屋根の終端から2歩ほど進んで、犯人が顔を出そうとしていた窓に向かってSA80A2を発砲。7.62mmでボロボロになった外壁と窓に今度は5.56mmが突き刺さる。
思った以上に接近していた警官隊に焦ったのか、窓枠から無理に身体を乗り出してPKMを構えた。
ちょうど、霜塀から見れば、犯人の背中が丸見えとなる体勢である。
《───ッ!》
犯人の無防備な背中に、.30-06 スプリングフィールド弾が突き刺さった。
日常回(議論の余地あり)
めぐねえ
最近、本職が刑事なのか指揮官なのか分からなくなってきた。
霜塀
元は64式小銃に20mmレール(自費)とライフルスコープ(自費)を載せて使っていたが、最近見た『プライベート・ライアン』を見てM1903に一目惚れ。その日のうちにヤフオクでM1903A4を競り落とした。
ボーナスが消し飛んだ。
南部
三ノ宮銀行緋色通支店強盗事件及び警察署同時襲撃事件(めぐねえ始まりの事件)で、東警察署にてジャガーノート(防弾装備マシマシ+M249)と相対し、その時に頭が狂ったのか知らないが弾幕に取り憑かれるようになった。M240はたまたま入った輸入品店で即決買い。
ボーナスが消し飛んだ。
村田
めぐねえの東署時代からいるベテラン警官。死にそうで死なない。
赤井
FBIとは何の関係もない東署の制服警官。L96A1を扱う。顔と声が良い。
雨取
ボーダーとは何の関係もない東署の女性警官。型式不明のクソデカい対物狙撃銃に『アイビス』という名前をつけて使っている。東署随一の対装甲要員として大活躍中。