一般やられ役警官に転生した転生者の憂鬱   作:運輸省

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Hey guys, we have a gift for you! なので初投稿です。

《前回の誤字報告者兄貴姉貴》(敬称略)
某氏、No.va、( *・ω・)ノ、でぃせんと

ありがとナス!

23:21 あとがきを一部修正


【朗報】海自の新鋭艦間近で見ようぜww【特等席】(8)

衝突直後

 

千葉県警水上警察隊

特大型警備艇『なのはな』

 

 

「いっっってぇ……だ、大丈夫かぁ?」

 

「なん、とか……艦橋より各部、艦橋より各部、状況知らせ」

 

 

幸運な事に、『何か』(護衛艦『ながと』)に衝突した警備艇『なのはな』の乗員に大きな怪我はなかった。

機関室やその他の場所からも負傷者なしとの報告が上がってくる。本当に幸運であった。

 

となれば、心配なのは艇の損傷だが───

 

 

《応急班から艦橋、衝突したと思われる箇所ですが、甲板から見た限りでは大きな損傷は確認できません。ちょっと外板が凹んでるかなってぐらいです》

 

「うまいこと衝撃は逃がせたんですかね」

 

「分からんぞ、外から見たら無事でも喫水線下が損傷してるかもしれん。しかし───」

 

 

艇長は、羅針盤を掴んで立ち上がりながら、暗闇に(そび)える『何か』を見上げた。

 

 

「この船はなんだ? どうして何も反応がない?」

 

「ここから見た感じだと、だいぶ大きいように思えますが……」

 

《応急班から艦橋、応急班から艦橋》

 

「はい艦橋」

 

《今、相手船舶を懐中電灯で照らしてみたんですが、船体色はどうもねずみ色っぽいですねこれ》

 

「ねずみ色」

 

《はい》

 

「ねずみ色というと……海自?」

 

「いや、流石に違うだろ……第一、ここは横須賀からも浦賀水道からも外れてる千葉の沿岸地帯だぞ。ここにいる理由が説明できん」

 

「───まさか。艇長、あの、意見具申します」

 

 

何かを考え込んでいた副艇長が、青い顔をしながら呟いた。艇長が無言で続きを促す。

 

 

「本部に応援を要請して───」

 

 

しかし、副艇長がその言葉を最後まで言えることは無かった。

 

 

 

突然、剥き出しの艦橋を銃撃が襲ったからである。暗闇に着弾の火花が散る。

 

 

 

「ぐわっ⁉︎」

 

「なんだクソ、銃撃だ!」

 

「どこから⁉︎」

 

「後進一杯!!コイツから離れろ!」

 

「駄目です艇長!!」

 

 

機関室へ指令を下そうとした艇長を副艇長が止めた。

 

 

「逆です!喰らい付き続けて下さい!」 

 

「死ぬ気か貴様⁉︎ 心中は勘弁だぞ⁉︎」

 

「私の予想が正しければ!コイツから離れたらそれこそ死にます!おそらくは『なのはな』ごと!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《敵船、後進をやめて逆にこちらに船体を押し付けてきてる。歩兵火器による火力制圧は継続中》

 

《現場からCIC、衝突箇所付近に浸水無し》

 

《例の船団はこちらに気づいてない模様》

 

クソが!どこのバカだ、この暗闇の中無灯火で突っ走ってきやがったのは⁉︎」

 

 

『ながと』の面々は突然船体を襲った衝撃に腰を抜かしそうになった。何せ灯火もレーダー機器も全部切って息を潜めていたところに背後から突然警笛が鳴って\ドスン/である。

 

当然、『ん、よく分からないけど目撃者は消すべき』となった『ながと』首脳部からの命令で、ながと艦橋から衝突船舶に向けて歩兵火器による攻撃が行われている。火力 is Power。

 

───()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、とは、火器管制員の談である。

 

 

「アマテラス、営倉のレディ達の様子は?」

 

《今のところ特に異常はありません》

 

 

モニターには、営倉内部を映した監視カメラの映像が流れている。

 

 

──────

───

 

 

艦橋へ向かう途中の通路で拘束された神郷警部と間防衛大臣は、それぞれ武装解除された上で別々の営倉に軟禁されていた。

 

 

「〜〜っ、ああクソ!どうしたもんかねこりゃ……」

 

 

神郷警部は、HK416Cは勿論、セカンダリのSIG SAUER P226と最後の頼みの綱であるOKC-3S*1、手榴弾や閃光手榴弾、プレートキャリアやタクティカルベルトすらも没収され、後は着のみ着のまま───コンバットシャツと機動隊の乱闘服の下衣───となっている。

……SPの装備量じゃない? 万和日本じゃこれが当たり前なんだよ!

 

ともあれ、流石に素手では鍵のかけられた扉を開けるのは厳しい。拘束されていないだけまだマシと見るべきか、それとも、脱出なぞされないだろうという自信のもと拘束されていないのか。

通信機も没収された為、警視庁とも佐倉とも連絡が取れないのも心細い。

 

 

 

 

全く情けない。

 

 

 

 

警視庁SPのトップである自分がこのザマである。今の部下にも、これまで様々な任務で死んでいったSP達にも顔向けできない。

 

 

「───クソっ、クソ……!」

 

 

無力感に苛まれる、気持ちが後ろを向く。

三畳ほどの広さの営倉で、警護課課長の心は折れかけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\カシャッ/

 

 

 

 

「諦めてはダメですよ、神郷警部」

 

 

突然営倉の覗き窓が開き、間防衛大臣が顔を覗かせた。……同じく閉じ込められているはずの彼女が、である。

 

 

「へ」

 

 

そりゃあ神郷警部だって思わずこんなアホみたいな声をあげる。

 

 

「と、扉は……?」

 

「佐倉巡査部長が20秒でやってくれました」

 

「私が20秒でやりました!」

 

「ムギュェッ、ちょ、佐倉巡査部長近いです近いです」

 

 

そして、間防衛大臣の顔を半分押し除ける形で覗き窓に追加されたのは、腹を壊していたはずの佐倉。

 

 

「さ、佐倉……? アンタ、無事だったのかい」

 

「トイレ前で襲われましたけど、返り討ちにしてやりましたよ。よっしゃ開いた」

 

「……佐倉巡査部長、さっきから気になってたんですが、随分鍵開けお上手ですね?」

 

「あー、前に知り合い(転生者)から教えて貰ったんですよ」

*2

*3

 

 

その言葉の通り、そう時間もかからずにカチャリと鍵が開いた。

 

 

「怪我は?」

 

「擦り傷がちょっとぐらいさ、問題はないよ。さて、どう脱出する?」

 

 

コンバットシャツの襟を正しながら、神郷警部がめぐねえに問いかける。

───が、当のめぐねえは「あー……」なんて気まずそうな顔をしている。

 

 

「……なんだいその顔」

 

「そ、それにつきましてはぁ……」

 

「すみません、神郷警部。脱出は少し待って欲しいのです」

 

 

そう言ったのは、間防衛大臣であった。

 

 

「……何をしようと?」

 

「『ながと』を内側から無力化します」

 

「??????????」

 

「えっとですね、いくつか補足しますと───」

 

 

 

 

──────

───

 

 

 

 

神郷警部は頭を抱えた。

 

 

「……まあ、百歩譲って『下のやらかしは上が責任取る』っていう大臣は分かるさ、理解はしたくないが。でも佐倉、アンタにいたっちゃなんだい。敵方のAIに頼まれたからって」

 

《申し訳ありません。他に頼める方がいらっしゃらなかったので》

 

「ほら、アマテラスもこう言ってるので…」

 

《(b ՞ਊ ՞)dウェーイ》

 

「なんかすごい揶揄われてる気がするのは気のせいかい? 誰だよこのAI作ったの」

 

「防衛装備庁ですねぇ」

 

「もう終わりだよこの国……ああクソ、第一目標は脱出!それの過程でどうこうするんなら手伝う!それでいいかい!?」

 

「おっ、さすが神郷警部。話が分かりますね」

 

「大臣ってはっちゃけてないとできない仕事なんですねぇ…」

 

《この方が特別なだけだと思いますが》

 

「アンタが言うなアンタが」

 

《( 'ω')?》

 

 

ここに、防衛省、海上自衛隊、警視庁の即席タスクフォースが結成された。

されてしまったのである。

*1
米海兵隊で採用されている銃剣

*2
一般通過ドヴァーキン「普通の鍵は細い針金が2本あればどうにかなるぞ」(スカイリム並感)

*3
一般通過Valt居住者「それな」(フォールアウト並感)




しばらく新しい仕事に励んだりペンタブ買ったりでハーメルンから離れてました。ぼちぼち進めて行きますよ〜いくいく。


めぐねえ
針金とヘアピンは常に数セット常備している

間防衛大臣
部下の“おいた”は上司が責任取らなきゃ。ねぇ?……『楠木くん』?

アマテラス
警察官って多技能なんだなぁと情報をアップデート中

神郷警部
これから胃痛が悪化する事が確定した

護衛艦ながと
ん、目撃者は消すべき

警備艇なのはな
あいたたたたた!!??
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