魔法混沌アニマルむろく   作:逸環

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模擬戦が始まります。


自己紹介と模擬戦。

「というわけで、『機動六課』に傭兵的に入隊した『水無月 六禄』だ」

 

「【………そのデバイスの『ジャンヌ・ダルク』です】」

 

「………なあ、はやて」

 

「なんや?」

 

「………俺は後何回、自己紹介をしなくちゃいけないんだ?」

 

「…………………さあ」

 

 

訓練場について、『前線フォワード部隊』とやらの面々に自己紹介したら、なんか虚しくなった。

もう、本当に何回やればいいんだろうか。

 

 

「まあ、そんなことは、どうでもいいか。そっちは?」

 

 

こっちが自己紹介したのに、そっちがしないのはマナー違反だろう?

 

 

「私は『ティアナ・ランスター』です。ポジションh「あ、すまん。言われても分からないからそこはパスしてくれて構わない」…了解」

 

 

はい、握手握手。

 

 

「私は『スバル・ナカジマ』です!」

 

 

お、元気がいいね。

僕っ娘とか似合いそう。

握手ねー。

 

 

「僕は『エリオ・モンディアル』です!」

 

 

チビっこいのに礼儀正しいねー。

俺のガキの頃とは大違いだ。

ほい、握手。

 

 

「『キャロ・ル・ルシエ』です」

 

 

………あの神が好きそうだな。

まあ、いいか。

握手握手。

 

 

「で、皆に集まってもらったのは、この六禄君と戦ってもらうためなんや」

 

「「「「え?!」」」」

 

 

お、良いリアクション。

 

 

「………そこの人は、隊長たちと同レベルの力があるっていうことですか?」

 

「いんや、ティアナ。六禄君はな、今日初めてデバイスを持った初心者さんや」

 

「初心者でーす」

 

 

ヘラヘラと、できるだけオレンジツインテの神経を逆撫でする様に笑う。

まったく、こういう表情ばかり板についてしまっているとは。

 

 

「私たちは!初心者に負けるほど弱いっていうんですか?!」

 

 

激昂するツインテだが、はやては、

 

 

「そうや。現に、六禄君はデバイスを持たんで、鉄パイプでフェイトちゃんを倒しとる」

 

「「「「?!」」」」

 

 

至極冷静に言った。

 

ところではやてよ。

正確には、爆弾で倒したんだがな。

 

 

「理解してくれて様やな。ほな、今から十分後にスタートやでー」

 

「「「「了解しました」」」」

 

「ういうい」

 

 

適当に返事をすると、ツインテがこっちを睨んできた。

俺がいったい何をしたと。

まあ、実際やっているわけだが。

主に態度だけで挑発を。

 

 

 

 

 

 

そして十分後。

はやてがモニタールームに引っ込み、

 

 

「【ルールは魔法と格闘だけ!後は勝手にしぃ!それじゃ、試合開始や!】」

 

「「はああああぁぁっっ!!」」

 

 

試合開始とともに、エリオとスバルが突撃をかまし、キャロとティアナが速攻でビル群に隠れようとする。

 

さて、

 

 

「試合なんて、始まる前に終わらせるもんだ」

 

 

腕を高く上げ、指の形を作る。

それは、

 

 

 

 

 

 

~SIDEティアナ~

 

 

八神課長も、いったい何を考えているんだか!

今日デバイスを持ったばかりの初心者に、私たちが四人がかりで負けるだなんて!

 

………でも、鉄パイプでハラオウン隊長に勝ったっていうことは、それだけの実力はあるっていうことよね?

いや、質量兵器で物理的にダメージを与えたからに違いないわ。

それはそこまで脅威ではないわね。

 

なんにしろ、ここは四人でかかって封殺するのが一番。

すぐに倒して、八神隊長に私たちが弱いだなんて間違いだと、しっかり証明しないと。

 

と、あいつ、何か手を挙げたわね。

何をする気なのだろうか。

何か言ったようだけど、ここからでは聞こえない。

 

いや、スバルとエリオが攻撃に行った今、勝った様なものだ。

一人で二人を相手になんて、隊長たちじゃないんだからできるわけがない。

 

まあ、私はこうやってビルに隠れて、もしもの時には援護するのが一番ね。

 

そう、思っていた。

 

 

「え?!」

 

 

ヤツの指が動いたのと同時に、私の全身を何重にも重ねられたバインドが覆うまでは。

 

 

 

 

 

 

 

~SiDE主人公~

 

 

俺の目の前には、指パッチンを引鉄として、全身をバインドでぐるぐる巻きにされた前衛二人が身動きを取れないでいる。

この分だと、隠れた他の二人もだろうな。

よしよし。

ここに来る途中でジャンヌと作った魔法だったが、うまく作動してくれたみたいだな。

 

 

「な、なんで?!」

 

「地雷式を設置したわけでもないのに、こんな簡単にバインドにかかるなんて?!」

 

 

エリオとスバルが、不思議そうにしている。

まあ、そうだろうなあ。

その疑問に答えてやりたいのは山々だが、とりあえずここは、

 

 

「ジャンヌ、『締め上げろ』」

 

「【………分かりました。『バインド・タイテン』】」

 

「「「「え?ちょっ?!アアアアアァァァァアァァアアアアァァァァッッッ!!!!??」」」」

 

 

バインドの輪が締まり、四人を締め上げる。

ここまで声がしっかり聞こえるということは、ちゃんと隠れた二人のも機能しているってことだな。

肉眼で確認できないから、少々不安だったんだ。

 

 

「【………私が発動を補助しているのですから、失敗したら分かりますよ?】」

 

「それはそうだが、そこは人間の(さが)ってもんさ」

 

 

決して、お前を信用していないわけではない。

 

 

「【試合は終了。六禄君の勝ちや】」

 

 

ジャンヌを介して、はやてから通信が入る。

 

 

「状況は?」

 

「【ティアナとスバルは気絶。エリオとキャロはアナコンダに締め上げられたみたいになってしもうとる。やりすぎやな】」

 

 

と、言われてもねぇ。

とりあえず、バインドを解除するか。

 

 

パチンッ

 

 

と、指を鳴らし、バインドを解除する。

指を鳴らす意味は特にないが、様式美というヤツだ。

 

 

「【ところで、今のバインドはどうやったん?どうやってピンポイントに四人を、特に動いていたエリオとスバルを捕まえられたのか知りたいんやけど】」

 

「ん?それは二人が目を覚ましてからでいいだろう。どうせ説明しろって煩いだろうし」

 

「【そうやろうなぁ。………とりあえず、ヒントだけでも】」

 

 

ヒント?

そんなもん、

 

 

「俺ははっきり言っただろ?『試合なんて、始まる前に終わらせるもんだ』ってな」

 

「【………それで分かったら、相当ですよ。マスター】」

 

「【そうやそうや】」

 

 

それもそうだな。

そんなことは、どうでもいいが。

 

さて、とりあえずこいつらを馬にでも乗せて運ぶとしよう。

子供達には締める力を緩めておいたが、それでも立てないみたいだし。

 

とりあえず、これが原因で面倒臭いことにならなければいいが。

 

 

 

 

 




さて、一体どこで仕込んだのでしょう。
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